SuperMicro P3TDDE TUNEUP編


前ページにも書いたようにOSをインストール後もまさに安定を絵に書いたように、たった一つの不具合も起こさない優秀なマザーだと思っていたのですが、確認の意味でHDベンチを走らせて見るとなんと!こんな具合。


グハッ!(吐血)


こっちが以前使用していたCUV4X-Dの最速設定(PC133CL=2-2-2-5)




これじゃPro133から買い換えた意味がないぞ!

ソケット7のマザーじゃあるまいしいくらなんでもひどすぎます、というかこれで安定してなかったら詐欺と呼べるくらいにメモリ周辺がゆるゆるに設定されているようです、しかし、このマザーいわゆるメーカー製PCも真っ青なくらいBIOSでの設定自由度が無く、メモリに至っては選択できる項目がECCのEnabeleとDisabeleのみという厳しさ!つまりどんなに高性能なメモリチップを持っていたところでそのメモリのSPDにPC100のCL=3と記されていれば、たとえ180MhzのCL=2で動く実力があったとしてもこのマザーに挿した時点でそれ以外の設定では起動できないことになってしまいます。



デフォルト設定 by SisoftSandra2002

ということで少なくともメモリは133Mhzで起動したいこともあり、家中のPC133SDRAMをかき集めた結果、合計896MBという非常に中途半端というか情けない容量になってしまってます。ちなみにBank0からBank3までのメモリはアキバで買いこんできた「BlackRain」と名づけられたPC133 CL2のメモリなのですが、その他のBankに挿されているメモリがPC133 CL3のメモリであるため、結果的にすべてCL=3-3-3の設定で動作しているのが上のSandraの表示から良くわかると思います。またこの中に一枚でもPC100のメモリを挿せばSLOT4本すべてのメモリが100Mhzで動作するのが仕様のようです。それにしても設定も無いのにデフォルトで4WayBankInterleaveが有効になっているのがちょっと意外でした(有効でこんなもんなのか?という疑問はこの際置いときます 苦笑)


以上のようにここまでの説明でこのマザーのメモリ周りがいかに遅く、また速くする設定すらBIOSに無いことがお分かりいただけたと思います。さてそれではどうすればよいのか? はい大丈夫!我々は世界のH.oda!氏が開発したWPCREDITという大変便利なツールを手に入れることが可能なのです。早速こいつを使ってP3TDDEの限界を引き出してあげましょう!


今現在正式にApolloPro266Tチップセット用のpcrファイルは公開されていないようですが、Apollo Proシリーズ用として公開されている11060691.PCRを使用することでセッティングは十分可能だと思われます。
とりあえず最初に設定するのが黄色の丸が記されている50番地で、WPCREDITでは中央下にあるように2進法または16進法を用いてレジスタの設定を変更することができます。上の例で言うと50番地のBinの値11001000はそれぞれ、右側の7から0の項目に対応しており、この例で言うと最初が1ということでIn-Order Queue depthが4-lebel、次の値も1なのでread-around-writeが有効であることが分かると思います。
ここの設定はすべてEnableにすることでメモリのパフォーマンスがアップする項目なのですべて1の設定、つまり11111111=FFの設定にするとチップセットが持ちうる最大の能力を発揮することができるようになります。実際に設定した後のものが下の画像になります。



50番地はFFに変わり右側の項目がすべて青色に変わり全部の機能が有効になっているのが分かると思います。この時点でのHDベンチのスコアは以下のように変化します。


50番地をC8からFFに変更

一番上で紹介したデフォルトの状態と比べるとそれなりにアップしたようですがまだまだですね


こちらがデフォルト



続いては51番地の設定です。


ここもメモリのパーフォーマンスに大きく関わるDRAM read 0 wsやDRAM read request rate等の設定を変更することができます。ここの設定も50番地と同じように、00011110となっているデフォルトの設定から11111111となるFFに変更します。ここで再起動したりフリーズするようであればメモリの方がこの設定に耐えられないということになりますので、各自最適な設定を探していくことになりますが、幸いにして我が家のメモリは50、51番地共にFFの設定が可能でしたので、この2箇所を変更した状態でまたベンチをとって見ることにしましょう。


50番地51番地共にFF設定での結果


50番地のみFF51は1E設定


デフォルトの50番地がC851番地が1E


以上のようにデフォルトの貧弱な結果から見るとかなりパフォーマンスが上がったことが分かります、特にWriteのスコアの上昇が目立ちます。以上HDベンチのみの結果だといまいち不安なのでSandraの結果も見てみることにしましょう。


50番地51番地共にFF設定時のSandraでのMemoryBandwidthベンチマーク結果

Sandraでの結果を見てもほぼPenIII1Ghz Dualマシンのサンプルと同程度までスコアがアップしています。一番のデフォルトでの結果と比べると格段の進歩でしょう。

さてここまでくればあとは現在はCL=3-3-3で動作しているCL値を変更することができれば、更なるパフォーマンスのアップが期待できるのですが、そちらの方はこのページもかなり重くなってきていると思うので、次のページにて解説したいと思います。

またWPCREDITはOSが起動した都度レジスタの値を変更する必要があるのですが、ある程度安定することを確認できたのなら、WPCREDITと同じく世界のH.oda!氏によるWPCRSETを使用することにより、OS起動時から指定の設定にレジスタ値を変更してくれるようになります。


これが実際のWPCRSETのメイン画面です、ここでは今まで説明してきたレジスタの50、51番地を起動時からFFに設定しなさいという設定リストになっていることが分かると思います。もしも他にも設定を変えたいレジスタがある場合には「追加」ボタンから目的のレジスタ番地とデータを入力することにより、いくつでもリストの中にレジスタの番地を加えていくことができます。
最初は設定に戸惑うかもしれませんが、日本語の解説も同梱されていたり、起動不能時からの復帰方法等の記述もありますので、よく読んでから使えば非常に役に立つソフトでしょう。


さて次はいよいよCL=2に挑戦するぞ!


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