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ムクゲ(木槿・モクゲ)は、中国大陸および台湾に自生があり、同地方の原産とも、またアルメニアの原産ともいわれているがわが国にも自生があり、また観賞のために植栽され、生垣にも広く利用されています。
この花は普通紅紫色で、白色・底紅色のもあり初夏から秋にかけて咲きますが、その寿命は極めて短かく、朝顔に擬らえられたり、夕影草・朝開暮落花と書かれたり、また、朝咲いて夕に萎むさまを悲んで、人の身の栄華の儚なさに譬えて白居易(772〜846・唐の詩人)をして「松樹千年終是朽、槿花一日自成栄」となげかしめたのも、この花です。
川上の高瀬から筏場にいたる約4キロメートルの間における阿武川の両岸一帯と、平家山(標高280メートル)の石灰断がい(崖)には無数のムクゲの自生が見られます。この自生地の樹叢は、タラヨウ(多羅葉・もんつきしば)ヤブニッケイ(薮肉柱・天竺桂)、シロダモ(シロタブ)・ヒサカキ(羚・方言ひささぎ・しらかけ)・マユミ(橙・桃葉衛矛)・モチノキ(黐木・方言もち)・ヒメツゲ(クサツゲ)・イヌツゲ(犬黄楊・・方言ひいらぎ)・ヤブツバキ(山茶・ヤマツバキ)・クヌギ(櫟・梢・クヌギ・方言ほーそ)・ウツギ・(空木・卯木・ウノハナ)・コゴメヤナギ(珍珠花・コゴメバナ)・イヌビワ(犬枇杷・天仙果・方言こいちじく)、ハンノキ(榛木・赤楊・ハリノキ)・モチツツジ(黐躑躅・ネバツツシ)などから成り、この樹叢水に群落をなして、ムクゲが多数生育してますが、裁培品より花も葉も小形で、低木状をなしており、たまに目通り周囲0.5メートル・高さ4メートルに達するものもあります。
従来、ムクゲの自生地ははっきりわからなかったのですが、川上のムクゲ群落で、自生がはっきりして来ましたから、このムクゲの群落は自生分布を知る上に大切な資料であること、云うまでもありません。
平家山744平方メートルの地帯は、昭和3年1月18日、川上のムクゲ群落として国の天然記念物に指定されました。
※河沿いに指定地があり、度重なる水害より流失等が見られ、ダム建設が実現すれば、水没地と重なるため、昭和43年5月11日に指定を解除されたが一部は現存してます。
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