農鳥岳から暫くお花畑が続いた後、大門沢下降点に着く。大門沢小屋までの道はかなり急で段差が大きく歩きにくい。小屋に近づくほど道は良くなり13:40小屋に到着する。奈良田まで一気に下る人も多くいたが私は小屋泊りとする。小屋ではシャワーがあり(4分500円)さっぱりとしてテラスでビールを飲みながら気持ちよく寛ぐ。小屋に着いた後のビールは何時も最高である。気がつくとビール3本を開けていた。小屋の髭の若親父はホームページの似顔絵通りの人であった。ほぼ毎日携帯で富士山や登山客の写真を撮ってはブログに載せている。HPを見ていると言ったら喜んでいた。年配の登山者もHPを詳しくチェックしていると言っていた。夕食はあまり良くない。水が豊富な場所なのだから食事にも工夫してくれるとありがたい。
夕日の富士の写真を撮り寝ることにする。80名ほどの宿泊客で予想したほどの混み具合ではなくゆっくりと10時間程寝られた。
北岳と間ノ岳には1980年の夏に単独で登って以来27年目となる。当時はバスで広河原に入り右股コース経由で肩の小屋に泊り、翌朝北岳山頂で雲海上の素晴らしい富士を見た。北岳山荘から間ノ岳をピストンし広河原に降りた。今回は奈良田に前泊し農鳥までの白根三山を肩の小屋、大門沢小屋に泊り縦走する計画である。
8月11日(土)
府中本町駅で待ち合わせ、中央道を行くが大月あたりが渋滞のため、河口湖ICに出て本栖湖を通る山道ルートで身延に行き奈良田を目指す。奈良田への道は予想以上に整備されており予定通り16時前に着いた。夜移動して睡眠不測状態で登るのには不安があり前日旅館大家に予約を入れた。お風呂は檜作りの温泉で良かった。夕食も良く、宿泊者全てが登山客であったが山を降りて来た人が多く山の話に花が咲いていた。
ここでカメラのF80の露出異常が発生しシャッターが切れなくなってしまうが程なく回復した。
ミヤマキンポウゲ。
二股辺りは雪渓の横を歩き水も汲めるが登りはきつい。北岳右側の耳。八本歯のコル手前から梯子の直登が多くなり体力を消耗する。
8月13日(月)
肩の小屋4:15---北岳:4:55/5:15---北岳山荘6:00/6:20---中白根山6:55---間ノ岳8:00/8:15---農鳥小屋9:05/9:35---西農鳥岳10:10/10:25---農鳥岳11:00/11:15---大門沢下降点11:50/12:00---大門沢小屋13:40
今日は大門沢までの長い工程なので頂上で日の出の写真を撮れるよう4:15に出発。ライトを付けて登るがが、谷口さんが再び遅れ出す。
北岳山荘に降りる。北岳山荘は近代的な小屋で昨晩は250人程泊まっていたらしい。ペットボトル1本分水を購入する。
タカネツメクサ。
北岳と甲斐駒。
間ノ岳から農鳥小屋まで400mくらいを降りる。西農鳥への登りが厳しそうである。
大樺沢の登りは厳しい。雪渓を登る多くの登山者。
バットレス。八本歯のコル手前から梯子の直登が多くなり体力を消耗する。
間の岳。
13:15頂上到着。360度見渡せる。風は少なく暑い。
高山病になった谷口さんも遅れて到着。
北岳山荘から間ノ岳はなだらかな道。途中でブロッケン現象(自分の影が前方の霧に映り、その周りが光の輪に包まれて見える現象)も見られた。
間ノ岳頂上手前に雪渓が残り富士の撮影ポイントとなる。
間ノ岳頂上もなだらかで多くの登山者が寛ぐ。F80
8:00間ノ岳頂上着。
谷口さんは体調不良のため間ノ岳から引き返し広河原に降りることにした。これ以降の農鳥、大門沢は単独行となる。
ミヤマクワガタ。
雲が消えて塩見が顔を出した。
樹林帯を抜けると北岳が近づいて見える。
最初は樹林の中の谷沿いを歩くので涼しく快適である。雪解け水が滝となる。
登山道のミヤマハナシノブ。
1時間程で広河原に着く。マイカー規制を行っているため以前のような混雑は無い。お握りを1個食べ出発する。直ぐに北岳と大樺沢の雪渓が目に入る。野呂川に掛かる吊橋を渡る。以前はここで渋滞したものだが。今日は大樺沢を北岳山頂を経由して肩の小屋まで行く。標高差1700m近くを登る。
奈良田は野呂川沿いの山村である。旅館から3分程上がると温泉や昔の奈良田の焼畑林業を撮影した資料館がある。
8月12日(日)
奈良田バス5:30---広河原6:20/7:00---二股9:20/9:40---八本歯ノコル11:50/12:10---北岳山頂13:15/15:20---肩の小屋16:20
奈良田の朝は肌寒いくらいだ。広河原行きのバスは大家の隣から出る。発着所に5時15分頃行くが我々が一番乗りであった。5:30の始発のバスは2台出た。全て登山客と僅かの釣り客である。
頂上から日の出は一瞬見えるがガスで直ぐに消えてしまう。富士の朝焼けも瞬間だけ見えた。