2006年8月6日(日) 聖岳 (3011m)  天気:晴れ
百名山も残り南アルプス南部の聖と光の2山となった。百名山の中ではアプローチが長く厳しいルートで残ってしまった。入山ルートには長野県側からと静岡県側の2つがあるが効率的に2山を登れる長野県の便ガ島(たよりがしま)から登ることにした。今年は梅雨明けが遅く2週間前までは雨続きであったが幸い聖、光ともに天気は良かった。

8月5日(土)
府中本町7:10---飯田IC10:40---上島---便ガ島聖光小屋13:30
初日は登山口の便ガ島の聖光小屋まで行くだけである。府中本町駅で7:10谷口さんと合流し中央高速で飯田ICを目指す。 夏休みの為、府中ICに入る前から渋滞し1時間程は余計に時間が掛かった。飯田ICを降りてスーパで翌日の朝、昼の食料と果物を調達し、昼食のラーメンを食べる。国道152号を南下し上島から林道に入る。日本のチロルと呼ばれる小栗集落を通る。車が1台しか通れない狭い道の両側の山の急斜面に家が建てられその周りは畑である。発電所を過ぎると砂利道となり林道の終点が聖光小屋である。聖光小屋は個室が数室あるだけの小さな小屋で聖と光の2山の名前をとって付けた名前だろう。定員以上は予約を受けないそうで一人一畳は場所が確保できお風呂もある。
聖平小屋に戻って小屋の前でビールで99座目を祝う。小屋は新しく清潔で水場も小屋の前にある。土曜日は満員だったらしが、今日は空いており肩幅分は十分のスペースがあった。南アルプスだけに寝袋持参の人が多いと思ったが寝袋を借りている人が殆どであった。旧の小屋は自炊客や溢れた人用に利用されているが取り壊すため新小屋の増築工事が行われていた。
夕食はアマゴの唐揚でまずまずである。ちなみに朝食もアマゴの甘露煮でありもっと工夫して欲しいところである。小屋の主人からの光岳で熊が現れたとの説明があり、熊避け鈴がたくさん買われていた。夜7時頃から大雨となり雷も鳴った。別棟にあるトイレに行くには小屋が用意した長靴を履き傘を差して行かねばならない。昼間に大汗をかいているせいか通常と同じ位水分を採っても体が吸収して夜トイレに行かなくて済んだ。
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奥聖岳。頂上で1時間近くのんびりとしていたが雨雲が出てきたので降りることにした。
百間洞山ノ家が大沢岳と赤石岳の急な谷間に見えその方向からの縦走者も多くいた。ベテラン登山者好みのルートのようだ。
12:20聖岳(3011m)山頂に着く。99座目。頂上は晴れていたが後ろの赤石岳は雲の中。
ミヤマダイコンソウ。
タカネツメクサ。
聖平から聖。聖平は木道が敷かれた平らな場所で聖が真正面に見える。周りの森は立ち枯れの白い木が多い。10:10再び薊畑分岐点に戻り聖への登り開始。最初は御花畑が続く。
上河内岳
茶臼岳
易老岳
光岳
希望峰
5:00西沢渡には野猿と呼ばれる谷の渡し籠がある。新しい籠で2人乗っても大丈夫であった。谷の中間点までは自然に滑り降りるがその後はロープで重い籠を引っ張り上げなくてはならず大変である。薊畑分岐までは5時間の急登であるが40分登り、5分休憩で順調に登る。体調は良さそうだ。登山道はシラビソの原生林で苔むした木々が多く屋久島の白谷雲水峡に似ている。苔の原生林と呼ばれているが、特定の場所がそうと言うより2時間位その状態が続く。小屋で話した年配の登山者は蛭がいると言っていたのでスパッツを着けて足元に注意していたが幸い出会わなかった。
夕食はレトルトのハンバーグであった。車で来られる場所にあるのだからもっと新鮮なものを出して欲しいところである。小屋で同部屋になった所沢の御夫婦とはずっと同じルートとなり山の話ができた。もう一人は友人が先月、光岳に単独で行方不明となりその捜索に来ているとのことであった。山で事故があると多くの人に影響を与える。

8月6日(日)
聖光小屋(920m)4:20---西沢渡(1090m)5:00---苔の原生林(1900m)---薊畑分岐点(2400m)9:00---聖平小屋(2260m)9:30---薊畑分岐点(2400m)10:10---小聖岳(2662m)11:10---前聖岳(3013m)12:20/13:15---小聖岳(2662m)---薊畑分岐点---聖平小屋(2260m)15:10
今日は標高差2100mを登るコースタイム12時間の強行軍である。便ガ島は山の谷間にあり日の出が遅い。小屋の食堂で昨日買った朝食の御握りを食べ4:20ライトを付けて登り始める。西沢渡までは遠山川に沿った平坦な遊歩道である。トンネルを抜けると朝日が見えた。
滑りやすい急坂を喘いで登ると頂上の前聖岳である。
小聖岳の先には聖の岩肌が北岳のバットレスのように雄大であった。
分岐起点から1時間程登ると11:10小聖岳に着く
急峻な谷。
タカネコウリンカ。
イワキキョウ。
9:00苔が無くなり薊畑分岐点に出る。峠で風が気持ち良い。光から縦走してきた人にどれが上河内岳、茶臼、易老岳、光岳等教えてもらう。明日、縦走をするが厳しそうだ。9:30予定より早く着いたので先に聖平小屋に寄って宿泊の手続きを済ます。小屋では熱い静岡のお茶と手製の茶入りのクッキーを出してくれた。暑い時には熱いお茶が美味しい。小屋からは軽荷で聖を目指す。
百名山達成祝いのワインを持ってきたがボトルを担いでの山歩きは大変なので、小屋の東屋で前祝とする。シャンペンにしようかとも思ったが移動中に破裂する心配をしてワインにした。