| *部屋広げドアを引き戸に 玄関にはスロープを設置 障害があることや高齢を理由に、アパート、下宿の入居を断られることが多いなか、札幌市内で学生向けの下宿を改造、学生と一緒に障害者やお年寄りを受け入れようと計画している人がいる。現在入居中の大学生の卒業見込みが決まる十二月ごろから、改造して入居者を募集したいという。 札幌市豊平区の川上繁博さん(54)、和子さん(54)夫妻は同区福住二ノ一〇ノ五ノ三で、下宿「ハッピーハウス羊ケ丘」寮を経営している。下宿は木造二階建て五百四十平方メートルで六畳間の居室が二十室。大学生らで満室だが、現在入院中で車いす生活をする人から「退院したら入居させてもらえないか」と話があったことから、部屋を改造して受け入れることを決めた。 |
| 自らも車いすで生活しながら福祉用具の開発に取り組んでいるコウサイ福祉機器研究所の香西智行社長と相談。五百万円程度の予算で改造することにした。玄関わきの窓を改造して出入り口にしてスロープを設け、車いすでは六畳一間だと狭すぎるので一階の居室を六畳間二間で一部屋に広げて四室設ける。ドアでなく引き戸にしたり、部屋に小さな流しをつけるなど使いやすくすることにした。お年寄りや障害がある人で入居を希望する人が増えれば、広い部屋を増やしたり、障害に合わせた改造も考えている。また、二階には学生用の部屋も残して一緒に住んでもらう。 下宿は現在、一日二食付き(日曜祝日を除く)、トイレ、ふろは共同で月額料金は、学生は五万一千円、一般七万円の料金を取っている。障害者やお年寄りの場合、居室を広く改造したうえ日曜祝日も食事を出すことにしているので、料金はこれより高く設定したい考えだ。 夫妻は「自分たちも年を取っていくので、お年寄りや障害がある人が困っているなら、できるだけのことをしてあげたい」という。 |
| 障害がある人の自立生活を支援している札幌いちご会では、障害があっても下宿、アパート暮らしをしたい人のために部屋探しを手伝うことがあるが、「建物に段差があったり、幅が狭くて車いすが入れなかったりするほか、『障害者の入居は困る』と断られることもある」といい、入居が難しいのが現状という。 こうしたなかで、積極的に改造してまで障害がある人を受け入れるのは珍しい。料金は障害年金や生活保護などで生活している障害者にとっては、高めだが、食事付きの便利さを考えれば、自立生活に向けた一つの選択肢となりそうだ。 |
| 改造の相談を受けた香西さんは「障害があるだけで入居を断ったり、クギ一本打ってもだめ−というアパート、下宿が多いので、川上さんのようなところが増えてくれないと困る。とくに、この下宿は学生さんもいて障害者ばかりが集まって暮らすのでなく、いろんな人がいるのがいい」と、障害のある人やお年寄り、若い人らが一緒に地域で住むノーマライゼーションの見地から応援している。問い合わせは川上さん(電)011・851・6329へ。 |