パソコン通信ネット*障害者に機器貸し出し*

試してみよう世界広がるよ*特製マウスの手配も                 
                                                                      
 札幌市南区在住の障害者が始めたパソコン通信「わがままネット」が、道内の
障害者への通信機器の無料貸し出しや障害の程度に合った機器探しなどを通じて、
障害者の情報交換の輪を広げている。頻繁に外出できない会員たちにとって「パ
ソコン通信は通信手段として大切な場」になっている。

 「わがままネット」は筋ジストロフィーの障害を持つ同市南区北ノ沢の川島守
代表(47)が一九九三年に開設した。車いすで食事ができる道内の店の紹介な
ど、障害者に役に立つ身近な情報を提供するのが目的で、現在会員は八十人。肢
体不自由などの障害者が半分の四十人、あとは健常者だ。開設以来、会員から集
まったメッセージは五千件に上る。

 「とりあえず体験し、パソコン通信の楽しみを分かってほしい」と、二月から
は、友人などから譲り受けたパソコン本体四台、モデム五台の貸し出しを始めた。

 小規模作業所「自立塾」に勤める脳性小児まひで全身が不自由な竹田幸司さん
(34)は昨年二月に会員になった。市販の機器では画面の字の読み取りとキー
ボードの打ち込みができない。そこで会員の一人、久田伸一さん(48)が探し
出した音声ソフトと、キーボードを使わない「選択」と「実行」だけの特製のマ
ウスを使って通信を楽しめるようになった。竹田さんは「自分ができるとは思わ
なかった。人の輪が広がって本当にうれしい」と話している。

 同ネットでは通信機器の運搬などのサポートをしてくれる人や会員の募集、不
要のパソコンの無償提供を呼び掛けている。問い合わせ先は
川島代表(電)。