◆ 行事編

サバイバルキャンプ 「可能性への挑戦と野外活動の基礎を身につける」をテーマとした、夏休み期間中に開催する6泊7日の行事。通常は1〜2日目は野外学校基地を中心にテント設営、野外炊爨、ナイフの使い方、学校林の間伐、たき火などの基礎学習。3日目からは前進基地へ移動し、「サバイバル生活」「十勝幌尻岳登山」などに挑戦。5年に一度は周年事業として特別バージョンを開催。

自然探験学校 9月もしくは10月の連休中に2泊3日の日程で開催する。登山がメインプログラムになることが多く、山中でのキャンプも。なお「探験学校」は「探検」+「体験」の造語。

冬の冒険学校 1月初旬に2泊3日の日程で開催。テーマは、冬のきびしい自然の中で「自分のみを守る知識と技術を身につける」。通常は基地周辺で「雪洞作り(もちろん宿泊も)」「スノーシューや歩くスキーで雪原を探索」など。

親子のための野外学校 大人から子供まで、家族・グループ・一人でも参加できる1泊2日の行事。5月連休中には「春の山道」、2月下旬には「スキーと犬ぞり」を開催。

高山植物観察会 6〜7月に開催する一般を対象とした日帰りの登山と花を楽しむ行事。現在は休止中。

もみじの登山 9〜10月に開催する一般を対象とした日帰り登山もしくはトレッキングの行事。現在は休止中。

野草を喰らうつどい 5月中に開催していた一般対象の日帰り行事。毒草と食べられる野草の見分け方、調理法の学習などを行なっていたが、平成16年より休止。

総会 毎年度(野外学校の年度は2月〜1月)はじめに開催。前年度の決算・事業報告、新年度の予算・事業計画が決定する。

幹事会 年度中の意思決定会議。行事の詳細などを決定する。

事前研修 各行事の開催前に必ず開催。本番に備えたルート偵察、装備のチェック、基地整備、プログラムの最終確認などを行なう。

基地整備 4月下旬、7月上旬、10月下旬と必要に応じて不定期に実施。草刈、研修棟・タワーの塗装、管理棟の営繕など、基地を使いやすく・長持ちさせるために不可欠な行事。

宴会 スタッフが最も好む行事。管理棟の中で七厘を使って焼肉などを行なう。これは建物の燻蒸を兼ねる?

◆ プログラム編

開校式 各行事の一番最初のプログラム。校長あいさつ、指導員紹介、参加者自己紹介、日程の説明、注意などがある。

オリエンテーション 開校式に引き続き行なわれる。持ち物チェック(忘れ物の有無、装備の向き・不向きなどの確認、禁帯品や貴重品はこのときに預かる)、プログラムの詳細な説明などを行なう。このときに、自分が所属する班員の顔と名前を覚えさせよう。

野外活動基礎学習 行事中に必要な基礎的知識と技術の習得を目的とする。テントの設営・撤収、炊事用具(コッフェル・スベアなど)、ナイフの正しい使い方、炊事の方法(カマド、まき割り)など。内容が多岐にわたるので、そのつど実施する。実施方法は、まず指導員がやって見せて、その後参加者にやらせる。説明はこのとき限りなので、メモを取らせながら、マスターできるまで何度でも繰り返すことが肝心。

朝のつどい おおむね起床30分後に行なう。校長あいさつ、体操、その日の日程説明、体調チェックなど。便通を良くするために、冷たい牛乳を飲ませることがある。

まき割り 炊事や風呂焚き用のまき作り。マサカリと手斧を使用。

炊事 焚き火ができる場所(基地内)では、かまどを作ってまきで炊事。これが不可能な場合はスベア(マナスル126=灯油コンロ)を使用する。ただし、ヒグマが灯油の匂いを好むことがわかったため、2006年から山中ではガスコンロを使用することとした。

班長会議 就寝前に各班の班長を研修棟に集めて行なう。その日の各班の反省内容を聞き、翌日のプログラムの説明などを行なう。

ロープワーク ロープの基本的な結び方(もやい、とっくり、かぶと等)を学習。

ザイルワーク ハーネス・ヘルメットを着用し、ユマール、エイト環(登攀器具)を使って岩場や急斜面の登攀・下降を体験する。最近はあまり実施する機会がない。

班長 班の編成はテント・炊事用具の制約からおおむね4〜5名が基本。この中の最年長者が班長として指名される。

研修会 夜間のプログラム。おおむね初日の夕食後に実施。植村直己さんのこと、山のことなどを学習する。

反省会(参加者) 就寝前に各班で一日を振り返る。この内容は全員が記録するように指導。班長はその内容を班長会議で指導員に伝える。

反省会(指導員) 全プログラム終了後に行なう。参加者のようす、感想、申し送り、翌日のプログラムの確認を行なう。こののち、のどを潤したり小腹を満たすこともできる。

見回り 就寝後30分〜1時間おきにテントを見回り、明かりがついていたり話し声がするテントに声をかける。テントからはみ出した靴類に注意。

サバイバルに挑戦 食料を手に入れることの困難さ、空腹の辛さ、自然の恵みを体験するためにサバイバルキャンプの5〜6日目に行なう。この間支給される食料は米1/4合と調味料類のみ。あとは魚釣りやフキの調理などで空腹を満たす。指導のポイントは米にフキを混ぜたり水を多めにして増量する方法、釣りの仕掛け作り・魚のいそうな場所など。

アジャカナック キャンプファイヤーの意。

閉校式 各行事の一番最後に行なう。校長あいさつ、修了証書授与、講評、参加者からの感想の発表などを行い、記念写真を撮影して解散する。

前進基地 サバイバルキャンプでは、十勝幌尻岳登山口周辺に設けるテントサイト。3〜6日目はここを中心にさまざまなプログラムが展開される。かつて、キツネにテントを破られたことがある。

◆ 施設編

野外学校の敷地 野外学校は旧八千代中学校(昭和58年に移転)の跡地(49,852u)。持ち主の帯広市とは賃貸借契約を結んで借り受けている。

ログハウス(研修棟) 全国の皆さんからいただいた基金をもとに、昭和63年2月に竣工。構造は基礎鉄筋コンクリート、丸太造、コロニアル葺き(現在は長尺のトタン)。床面積は65.61u(畳40枚分)。丸太はカナダ材と十勝産カラマツを使用。研修棟内での炊事は厳禁!

シンボルタワー ログハウスに併設。高さ17m、面積64.8u。2階には野外学校の活動を紹介したパネル展示、3階には音色の違った三つの鐘(不協和音という説もあるが、もとは消防車についていたもの)が取り付けられている。雨天時はこの下で炊事や基礎学習などを行う。

ごえもん風呂 板壁で囲まれた3基と、使用時にシートで囲う3基がある。いずれも屋根がないため、満天の星空を楽しみながら入浴できる。板壁とスノコは老朽化が著しいため、平成15年に中村基金を活用して大改修工事を行った。

学校林 野外学校の周囲に広がる約2.5haのカラマツとシラカバで構成された林。ここに八千代中学校が開校した昭和26年に植林されたものが主体。よって多くは樹齢50年以上。樹上にはエゾリス、エゾモモンガ、多くの鳥類が棲み、下はベニバナイチヤクソウのお花畑(見ごろは6月)。この林の間伐作業を夏のプログラムに取り入れることもある。夏季は大量のセミの羽化が観察できる。

トイレ 基地の一角にある丸太造りの建物。もちろんポットン式。昭和61年にスタッフが汗を流し腰をさすりながら丸太の皮むきをした思い出深いもの。完成後、植村公子さんとテープカットもした。

管理棟 旧八千代中学校の教職員住宅。昭和26年築。木造平屋で2軒続きの建物の壁を取り払い、装備の保管、指導員の集会などに利用。傷みが目立ち、毎年のようにメンテナンスが必要。中で七厘を使った焼肉をしても、いつの間にか煙がなくなる。

管理人住宅 旧八千代中学校の校長住宅。昭和34年築。モルタル造の平屋。現在の住人は昭和62年から住み続けるが、建物と共に住人も老朽化している。

◆ 装備編

コッフェル アルミ製キャンプ用のなべセット。4〜5人分の炊事ができる容量。中にはなべ2、やかん1、茶漉し、なべつかみ、皿2、へら、おたまが入っている。なお、メシを炊くときには飯ごうを使用することが多い。

スベア 炊事用の灯油コンロ。正式にはマナスル126という。メタ(アルコール固形燃料)で中の灯油を気化させ、あとはポンピングで圧を高めることで、強力な火力が得られる。使用方法を参加者に正しく・正確に指導することが肝要。

ナイフ 参加者必携品。調理からクラフトまで幅広く使う。オピネルやアーミーナイフの刃わたりが8〜10cm程度のものが使いやすい。大型のサバイバルナイフは不可。

テント 現在使用しているものはダンロップV-608という登山用のもの。これは平成12年に逝去された伊東俊明先生のご遺族からの浄財で創設した「伊東基金」を活用して購入した。

雨具 上下セパレート型が必要。材質は問わないが、使い捨てのビニール製は不可。「野外学校に雨は付き物」を身をもって経験したスタッフはゴアテックスのカッパを持っている。

◆ 人物編(おもなスタッフとお世話になっている人たちです)

植村公子 開校時から名誉校長。植村直己夫人で、野外学校永遠のマドンナ。

小貫耕喜 4代目校長。昭和14年、旧満州の生まれ。元小学校教諭。野外学校への想いは熱く、開校時から指導員の中心メンバーとして活躍。登山は苦手となってきたようだが、行事への出席率は高い。「春の山道」では、得意の手打ちソバをスタッフ・参加者に振舞うのが恒例となっている。

藤森秀男 基地部長。自営。地元広野町在住。基地のすべてを熟知、維持管理には絶大の信頼。

山本義明 指導部長。会社員。行事に裏方に八面六臂の活躍は、最も頼れる存在。

北沢 実 総務部長。市職員。野外学校基地に在住。担当は全部?。

末下貞雄 監事。地元広野町で肉牛を育てる。開校時から基地の維持管理を受け持つ。

藤原留美 監事。第1回野外学校の参加者。通算8枚も野外学校の修了証書をもらっている。

桜井靖真 事務局長。事務局があるアパッチカレー店主。開校時から野外学校の渉外・受付・その他何でも担当し、頼りにされる存在。

梶美恵子 事務局次長。野外学校を裏方として支える。敷地内の瀟洒な小屋の家主。

藤原和之 総務部副部長。刑務官。第2回野外学校に参加者としてデビュー。高校卒業後はスタッフとして活躍、現在も主力。

矢満田啓明 指導部副部長。会社員。帯広畜産大学在学中に入会。現在も主力スタッフとして札幌から駆けつけてくる。

酒井伸吾 指導部副部長。10周年の「十勝縦断」にサポーターとして初参加。現在は白糠町で羊まるごと研究所を主宰。

佐柄啓二 指導部副部長。自営。参加者の指導や救急、力仕事まで幅広くこなす。


安井 治  会社員。持ち前のバイタリティーで参加者を引っ張る。札幌在住。

諌山邦子 道教育大釧路校の先生、専門は野外教育。開校時から指導員として活躍、今日に至る。2015年、娘もスタッフデビュー。

佐々木誠一 開校時から指導員。キャンプ指導のベテラン。登山はきつくなったが、口は健在!釧路市阿寒在住。


黒川吉一
 自営。娘さんが野外学校に来たのが縁で入会。

松本英夫 自営。登山・カヌーなどプログラム全般から営繕まで幅広く活躍。復活を祈る!

江川美幸
 
開校時からのスタッフ。現在は千葉県に転居。

春藤聡明 営林署勤務。野外学校には参加者として15回参加。上級コースの過酷なプログラムも経験。

目黒義重 開校時からの主力スタッフ。どんころ野外学校主宰。登山・カヌー・カーリングの指導資格を持つ。

新野和也 どんころ野外学校。カヌーのインストラクター、犬ぞりのマッシャー。

佐藤俊明 銀行員。きびきびとした行動・指導には定評がある。無線クラブの中心メンバー。

高柳昌央 会社員。東京在住、明治大では植村さんの23期後輩の山男。2020年に帯広へ移住の野望をもっている。

清野泰雄
 
サバイバルの釣りでは凄腕を発揮する。船舶操縦免許を持つ。

江平伸幸 会社員。野外学校卒業生で、仕事の合間を見て行事に駆けつける。青森県在住。

笹島香織 野外学校の修了証書の筆耕を担当。帯広を拠点にあちらこちらに出没。

佐藤隆二 会社員。夫婦でカーリングにはまっているはずだが、最近姿を見せない。札幌市在住。

佐柄千鶴 野外学校には08年のサバイバルキャンプに初参加。近年はボランティアスタッフとして活躍中。

小野 敬 97年に自転車で立寄ったのが入会のきっかけ。現在は五島列島で“くらしの学校「えん」”主宰。

中川 学 89年のサバイバルキャンプに指導員として初参加。現在は広島県在住。

大鳥居千鶴 04年まではパソコン担当。一日も早い復帰を切に願う。陸別町在住。

佐々木純子 旧姓・松本。山と大工仕事のエキスパートだったはず…。現在は清水町職員。はやのお戻りを!

桜井 強さん 野外学校の隣の農家のご主人。基地の除雪・草刈などで大変お世話になっています。

藤沢雅美さん かつての「ツイスト」のマスター。植村パンをはじめ、行事で使うパンはすべてこの人の手によっていた。

※ここで紹介できなかったスタッフ・お世話になっている皆さん、申し訳ございません。


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野外学校・ワンポイント知識