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第84回 植村直己・帯広野外学校 
『冬の冒険学校2014』の記録 
 2014.1.4〜6
★2014年の最初の野外学校『冒険学校』は年明け早々の1月4日〜6日に開催しました。今年の野外学校基地周辺は雪が少なく(10p程度)、雪洞作りもネイチャースキーも困難だったため、初日は基地で山行の準備、2日〜3日目には十勝幌尻岳登山口の前進基地で1泊し、全員で『上級コース的プログラム』を体験しました。
◆参加メンバー:伊藤萌林(帯広市・中2)/竹内皇喬(芽室町・中1)/石井すが汰(帯広市・小6)/酒井空知(白糠町・小5)
◆スタッフ:小貫耕喜、佐々木誠一、酒井伸吾、近藤由佳、山本義明、北沢 実、佐柄啓二、山田香織、梶美恵子
  

    『冒険学校2014』の記録

◆プロローグ

 
今冬は例年にない雪不足で、基地周辺では満足なプログラムの展開は困難と判断され、事前調査(12月29日実施)をもとに十勝幌尻岳登山口まで出かけてキャンプをすることが確認されました。今年は戸蔦別林道は除雪が完璧で、オピリネップ林道との分岐までは自動車で移動することが可能。また、参加者4名はいずれも今年度の夏・秋の野外学校に参加し、登山を含む野外活動の基礎をマスターしていると判断されたことから、全員が『上級コース的プログラム』に挑戦することとしました。 

◆1日目(1月4日=晴れ)
 
今回の参加者は、通算9回目の参加となる伊藤君、7回目の竹内君、5回目の石井君、3回目の酒井君と、いずれも野外学校での活動歴が豊富な顔ぶれとなり、頼もしい限り。13時からログハウス前で校長あいさつ、参加者の決意表明、プログラムの説明などが行われたのち、ログハウス内に移動し、個人装備のチェックなど一連のオリエンテーションがあった。
 この日の目的は、翌日からの山中でのキャンプの準備をしっかりすること! まずは、冬用の外張りを使ったテント設営、スキーの調節などののち、山中で食べる夕食(キーマカレー)の下ごしらえを行った。ここまでが終わるとスベア・コッフェルの使い方を復習し、この日の夕食「キムチ鍋うどん」を調理。いつものように炊事は雪を溶かして水を作るところから始まった。
 食事・後片付けが済んだら、ログハウスでの研修。内容は@植村直己さんについて(by校長)、A雪山での生活(by北沢)など。お楽しみに薪ストーブで「焼きリンゴ」を作って食べた。この日は21時にテントに入り就寝。

◆2日目(1月5日=晴れ)
 例年の雪洞とは違い、テントは寒い! まして外気温は
今冬最低のマイナス20℃を記録。テント内もマイナス11℃まで下がっていた。
 6時半に起床、朝のつどいののち朝食(スパゲティ+スープ)を作って食べ、いよいよ山に入る準備にとりかかった。個人装備はすべてザックに入れ、テント・スベアなどの共同装備はそりに積んで引っ張ることとなっている。すべての準備を終え、車で林道との分岐へ向かったのは予定通りの午前10時。車を降り、共同装備をそりに積んで歩き始めたのは10時半ころ。全員スキーをはき、重たいザックを背負い、ある者は植村さんのスタイル?でそりをひいて15〜20分の行動で5分休憩のペースでキャンプ地を目指した。この日同行したスタッフは佐々木・酒井・近藤の3名。およそ2キロの山道を2時間半ほどかけてキャンプ地(サバイバルキャンプで前進基地として使用している地点)に到着。積雪は30p弱。
 着後は、雪を踏み固めてからテント設営(寒さでテントポールのゴムの伸縮に不具合発生)。その後、多少の時間は周辺の散策をし、夏とは違った環境を楽しんだ。
 15時30分、テント内で夕食の準備を開始。雪を溶かしてお湯を沸かし、米5合をコッフェルで炊き、前日に作っておいた「キーマカレー」を温めて、およそ1時間で完成、20分で食べ終わった(17時05分)。
 その後は、さっさとシュラフに入っていびきをかき始めるスタッフ、星空を見る面々…。19時頃、外で寝たいという申し出がメンバーから!結局、皇喬と空知の2名の希望を叶えるべく、雪を浅く掘りくぼめ、銀マット敷き、完全武装で横たわらせたのち、その上にブルーシートをかぶせ、さらに雪を軽くかけて完成!この様子を萌林とすが汰は呆然と見ていた。※感想文にもあるように、外で寝た2名は寒さも知らず朝まで爆睡、テントの2名はかなり寒かったよう。
 20時には消灯。夜間、何度か外で眠る2名の状況を確認をしたのは言うまでもない。
 
◆3日目(1月6日=晴れ)
 6時半、起床。このタイミングでNHKの取材を同行して北沢が前進基地着。NHK氏は早速、雪の中に寝る2名の撮影を開始。
 テントの中で寒さに耐えた2名と、外で寝た寒さ知らずで朝を迎えた2名も起き出し、朝のつどい〜体操〜朝食。朝のメニューは、冬山の定番「モチ入りのインスタントラーメン」。テントの中で炊事〜食事まで。
 8時過ぎ、撤収作業の開始。まず個人装備をパッキング⇒テントなどの装備をたたみ、そりに載せて完了。幸いにも無風だったため、混乱もなく進めることができた。前進基地を出発したのは9時頃。登山口駐車場までの峠にてこずったものの、オピリネップ林道の下り坂は比較的順調に滑り降りることができ、10時には自動車が置いてある地点に全員が無事に到着することができた。着後は、新雪にコンデンスミルクかけて食べたりもした。
 基地へは11時頃帰着。さっそく使用した器材のクリーニング、メンテナンスなどを行い、慌ただしく感想文を書き、昼食を終え、閉校式を迎えた。
 式では校長から修了証書が手渡され、スタッフからの講評、参加者からの感想の発表などがあり、記念撮影ののち解散となった。

◆エピローグ
 今回は非常に平穏な天候だったため、ほぼ計画通りに進むことができた。また、参加経験が豊富な参加者だったこと、年齢構成を含めバランスがいいスタッフだったことも、成功裡に終えることができた要因と考えられる。もっともこの条件がそろわない限り、今回のようなプログラムは計画もしないが…。次回以降も入念な準備、スタッフの確保が不可欠である。それと静穏な天候も・・・ 多くのご協力に期待大!

下の写真はクリックで拡大します

開校式

装備チェック


テント設営

山食の準備


初日の夕食

研修会


2日目の朝食

移動準備


移動前

前進基地へ向けて


スタート直後

林道を登る


前進基地で設営

テントで夕食


夕食はコレ!

外で寝る!?


シートと雪をかけて…

完成!


朝、お目覚め!

テントで朝食


撤収のようす

出発前


そりを曳いて

滑り降りる


皇喬くん

下山完了!


かたづけ

閉校式


記念写真


  『冒険学校2014』参加メンバーの感想文 

最後の野外学校

伊藤 萌林(帯広市 中2)

 ぼくは今回、9度目の野外学校、4度目の冬の冒険学校でした。これほど多く来ると、寒さもあたりまえになり、それほどつらくはありませんでした。

今回は4度目にして初の上級コースで、2日目に前進基地に行きました。前進基地は夏に比べてすっきりしていて、スキーをするのにピッタリでした。ログハウスにのある地上に比べて前進基地は山の中にあるので寒いかと思いきや、林は風もなくあたたかかったので、とてもよい夜を過ごすことができました。その夜、空知と皇喬が雪の中で寝ると言い出したのは内心びっくりしました。たしかに小さな雪洞だと思えばあたたかいかもしれませんが、そんな勇気はぼくにはありませんでした。でも2人を埋めているところを見られたのは、とてもよい経験になりました。

次の日の下山はとても楽しかったです。山スキーしかしたことがなかったので、下りはあまり自信がありませんでしたが、傾斜があまりきつくなかったので、バランスがとりやすく、うまくすべることができました。

僕は来年度は受験生なので、しばらくは来ることができませんが、高校生や大学生になったらスタッフとしてまたここに来たいと思います。

 

冬の冒険学校

竹内 皇喬(芽室町 中1)

 今回の冬の冒険学校は三回目です。着いたら、まず最初に開校式・装備のチェックをしました。一日目は、明日(前進基地へ行って泊まる)の準備でした。キーマカレーの下ごしらえや、テントを張ってみました。キーマカレーはおしくできたので良かったです。

 夜は、昼間張ったテントで寝ました。とても暖かかったです。

 次の日の朝、目を覚ますと、昨日の夜寝る前とは違い、凍りつくような寒さ。マイナス十一度。テントの上をたたくと、テントの中はダイアモンドダストでいっぱいになりました。

 朝のつどいが終わると、朝食を作りました。スパゲティでしたが、最初は温かくおいしかったけれど、凍っておいしくなくなりました。

 次にパッキングをして、山に行きました。登りはとても大変でした(とくにそりを引っ張っている時)。

 前進基地に着くとテントを立ててから、山の中を歩きました。とても楽しかったです。

 夜は、空知と雪に埋めてもらって寝ました。テントよりずっと暖かったです。

 最終日。朝食(モチ入りラーメン)を食べてから、下山しました。すごく楽でした。みんなは楽でも、そりを引っぱってくれた萌林は大変そうでした。

 今回の冒険学校は、萌林がかなり頑張ってくれたので、次来る時は萌林に負けないように頑張りたいです。

 

冬の冒険学校

石井すが汰(帯広市 小6)

 今回は2回目の『冬の冒険学校』です。今回は上級コースで、前進基地で1泊しました。前進基地に行くときはスキーで荷物を背おいながら行ったのでつかれました。

 前進基地に着くとすぐきがえて、テントをはりました。そして、またスキーをはいて遊び、ころんだりして楽しかったです。そして、早めの夕食作りに取りかかりました。今回はテントの中でスタッフと一緒に作って食べました。テントの中で作ったので、すごくあったかかったです。夕食は前日に作ったキーマカレーライスとスープでした。

 寝るときは、ぼくともう一人はテントで寝て、もう二人は雪の中で寝ました。テントの中は前日と同じでマイナス十度くらいでした。雪の中はすごくあったかかったそうです。

 三日目は、テレビが来て取材をしていました。そして、テントの中で朝食を食べ、スキーで林道を下って、車で基地にもどりました。

 夏もまた来たいと思います。

冬の野外学校

酒井 空知(白糠町 小5)

 2日目の朝は気温がひくくてフライシートがキラキラしていました。三回くらい真夜中におきたので、6時半におきたときはまだねむかったです。朝ごはんはスパゲティでしたが、スベアの昨日ゆるめてしまったところから灯油がもれていて、なかなか火がつきませんでした。でもスパゲティはおいしかったです。そのあとパッキングをすませて、車で林道まで行きました。

 林道に入って最初にそりをひくのは自分と萌林でした。そりは思ったより重かったけど、二人だと急に楽になりました。

 前進基地についたら雪がけっこうあったので、雪の中でねました。

 スキーは、たくさんころんで何回もおきたので、うまくなったと思います。

 夏も来たいです。