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 第81回 植村直己・帯広野外学校
『冬の冒険学校 2013』
  
◆今年も冬の厳しい自然の中で「自分の身を守る技術と知識を体験しながら学ぶ」第81回野外学校『冬の冒険学校』を、1月5日〜7日に野外学校基地周辺で開催しました。
 参加者したのは昨年から連続参加の伊藤萌林くんと竹内皇喬くん、昨夏のサバイバルキャンプを経験した石井すが汰くんの3名、雪洞作りや極寒の野外炊飯、歩くスキーなど、冬ならではプログラムに元気に取り組みました。
 
★参加者
 伊藤萌林(帯広市・中1)、竹内皇喬(芽室町・小6)、石井すが汰(帯広市・小5)
★スタッフ
 小貫耕喜(校長)、山本義明、佐々木誠一、佐柄啓二、北沢 実、梶美恵子
   
1日目(1月5日) 天気=晴れ
◆午後1時から開校式。小貫校長あいさつ、参加者の自己紹介&決意表明、期間中の諸注意(とくに凍傷予防)、装備品のチェックなどが行われた。こののち、いよいよ雪洞作り。今年は3人で一つの雪洞を掘ることとし、大きな雪山にスコップで横穴をあけることおよそ2時間、3人が横になれる程度のスペースのものが完成した。
 野外学校行事では自分たちの食べるものは自分たちで作るのが原則、もちろん厳冬期も例外ではない。スタッフから灯油コンロ(スベア)の使い方などのレクチャーを受けたのち、夕食つくりにとりかかった。メニューは定番の「煮込みうどん+レトルトめし」、雪を溶かしてお湯を沸かして・・。マイナス15℃ほどの寒さの中、出来上がったころはすっかり暗くなっていた。
 食後はログハウスで研修会。校長が、植村さんの生い立ちや冒険行などを語った。その後は翌日のスキーの準備など。完全武装で雪洞に入ったのは9時半を過ぎたころ。


開校式

雪洞を掘る

雪洞の中

炊事

研修会

いざ雪洞へ

2日目(1月6日) 天気=晴れ、風強し
◆起床は午前6時半、外気温はマイナス16℃ほど(ほぼ平年並み)。雪洞内は比較的暖かかったようす。厳寒の中、朝のつどいと体操を終え、さっそく朝食つくり。メニューは前日のうどんの汁にレトルト飯を入れた雑炊+缶詰。この日のメインプログラムは「歩くスキー」。今回はトッタベツ林道を進もうと計画したが、地吹雪のため断念。結局、八千代牧場から基地まで、地図とコンパスを頼りに進むこととした(道路を歩くのは2qまでという約束付き)。牧場の研修センターから展望台までの急な上りに四苦八苦したものの、あとは地吹雪模様の雪原を比較的順調に進み、午後2時には基地へ無事到着。道具の片づけもそこそこに、雪洞の拡張作業に取りかかった。どうやら昨夜は狭くて寝苦しかったようで、寝返りが出来るくらいにしたいとか…しかし、雪洞は「狭いから暖かい」ということを翌朝には身をもって知ることに!
 夕食のメニューは、これも定番の本物のステーキ!これにレトルト白飯、インスタントのポタージュスープがつく。この日の炊事は雪洞の中で行うこととしたため、前日ほどの寒さではないものの、調理が終わった料理はあっという間に冷たくなってしまう。結果、出来たものから順番に食べることとなってしまった。「もうちょっと工夫しろよ!」(スタッフの声)。
 夜はログハウスで「恐怖のスゴロク大会」。途中のコマには「植村さんクイズに挑戦」「腕立て10回」などさまざまな難問がありみんな悪戦苦闘。開始から1時間半ほどでやっと「あがり」に到達して、何とか終了した。その後はスノーキャンドル作りなどをして過ごした。


起床の時間

雪洞からお出まし

朝食つくり

スキー出発前

展望台への登り坂

雪原を歩く

小休止!

現在地の確認

地吹雪の中を…

夕食の肉

雪洞で炊事

湯気が…!

スゴロク大会

スノーキャンドル
 
 3日目(1月7日) 天気=晴れ
◆起床時の気温はマイナス15℃。しかし、前日より広い雪洞にしたため、寒さが身に染みたようすで全員が起きだしてきた。朝食は雪を溶かしてラーメン作り。早く食べないと「冷やしラーメン」になってしまう! 食後は期間中に使った野外学校の装備のクリーニングなど。その後は学校林で生き物の足跡さがし(エゾリスのみ発見)、感想文書き、昼食と順調に進み、閉校式で校長から一人一人に修了証書が手渡され、2泊3日の冒険学校は無事に幕を閉じた。


雪洞の中

朝食つくり

コンロの手入れ

コッフェルを洗う

修了証書授与

ログハウス前で

雪洞の前で
   
 『冬の冒険学校2013』参加者の感想文

『三度目の冬の冒険学校』

伊藤 萌林(帯広市 中1

 この冬の冒険学校で一番強く思ったのは雪洞についてのことです。
 一日目に作った雪洞は横はばがせまく、夜寝るときは一人が頭と足を逆にして、それでも少しせまかったほどでした。なので、二日目、スキーから帰ってきたらすぐに雪洞を広げ、一日目の二倍ほどにしました。おかげで夜はとても寝やすかったです。ですが、他の二人は寒かったようです。
 そして、今回は寝るときにロウソクを立てました。これは、前回・前々回ともになかったので、「あったかくなるのかな」と思っていたら、予測以上にあったかくて少し汗をかきました。ですが、ロウソクが消えると寒くなり、一日目はあまり眠れませんでした。二日目は雪洞を大きくしたので、温度差が小さく、ぐっすり眠れました。
 そして、今回一番「いいな」と思ったのは雪洞の中の食事です。外でやっていると手も飯も凍ってしまうのに、雪洞だと手も飯も凍らず、温かいものを温かいまま食べられて、とてもよかったです。次の年からは食事をすべて雪洞の中でやらしてもらいたいです。
 次の年、うまくやりたいなと思うのはスキーです。とくにのぼり坂が難しく、短距離ならまだしも、長距離だと途中で足がからまってしまいました。なので、車からおろされた所からスタート地点まで行くのが一番大変でしたあ。来年はスキーを一番がんばりたいと思います。

  

『冬の冒険学校』

竹内 皇喬(芽室町 小6

 一日目、開校式とオリエンテーションが終わると雪洞を掘りました。雪は外側は固くて内側はやわらかくて掘りやすかったです。雪洞は掘っているうちに奥の方にいくにつれて地面が高くなっていきました。そこを直すのが大変でした。でも、出来上がった雪洞はとても快適そうでした。昨年より上手くなった気がしました。
 次に夕飯を作りました。メニューは「にこみうどん」でした。上手く作れたけど、昨年と同じでやっぱり食材が凍ってしまいました。
 ログハウスにしばらくいると、夜食が来ました。ぼくは「肉まん」かな?と思っていたけどちがいました。夜食は「植村パン」より少し小さく、皮の厚さが五ミリもない、それ以外は全部あんこの「あんぱん」でした。とてもビックリしました。
 夜食を食べ終わると雪洞に行って寝ました。三人だとすごくきゅうくつでせまかったです。だから三人で「明日時間があったら広くしよう」と話をしました。
 二日目。朝はすごく寒く、朝食の「雑炊」を作っている時、手がかじかみました。ぼくは食べるのがおそかったので、「雑炊」の表面が凍りました。悲しかったです。
 朝食を食べ終わるとスキーに行きました。スキーは十勝幌尻岳の「前進基地」へは行けなかったけれど、「カウベルハウス」から遊歩道をスキーで歩き、あずまやまで行きました。あずまやからは、すごく急な坂をスキーでななめに滑り下りました。除雪されている道路は二キロメートルしか歩いたらダメだったので、なるべく歩かないようにしました。お昼ご飯はパークゴルフ場で食べました。ぼくは、「昨年の方が面白かったな」と思いました。
 スキーから帰ってくると、雪洞を広くしました。長ぐつを入れるたなも作りました。それが終わると、ぼくは校長先生のイグルー作りを手伝いました。
 夕食は「ステーキ」でした。昨年より小さくて、一口サイズに切って食べたので残さず食べることができました。
 その後、巨大スゴロクをしました。「雪洞の上でヤッホーとさけべ!!」「タワーの鐘を鳴らしてこい!!」「トイレで用を足してこい!!」「腕立て十回!!」「腹筋十回!!」などがあってつかれました。でも、僕は優勝しました。
 三日目。朝食の「モチ入りラーメン」を食べた後、片づけをしました。僕はスベアをキレイにしました。けっこう大変でした。
 今回の冬の冒険学校でも、色々なことが学べたので今後に生かしたいです。

 

 
 

『初!冬の冒険学校』

石井すが汰(帯広市 小5

 プログラムが始まり、さっそく雪洞作りに取りかかった。最初は、どういうふうにほるのかがわからなかったが、いがいと想像していたほど複ざつじゃなかった。
 あせをかかないようにやんないといけないから、三人でこうたいでほっていった。どんどんほっていって、三人がねれるスペースになり、ためしに三人でねっころがった。
 夜、厚着をしてねぶくろを持って自分たちの作った雪洞に行った。厚着をしてねたので雪洞の中は三人でぎゅうぎゅうづめになってねた。一日目はいがいとあったかくねれた。
 おきて、雪洞の中がせまかったので、スキーから帰ってきてから雪洞の中を広くした。
 夜、雪洞の中でねたら、一日目より冷たくてなかなかねむれなかった。朝早くに目がさめて、六時半まで待った。
 スキーは思っていたよりも、すべりにくかった。車からおりてスタート地点までスキーで行った。そこが一番つかれた。そこから休み休み、昼食をとって、ぶじ基地についた。
 今回は、さむかったけど楽しかった。