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第78回 植村直己・帯広野外学校
『冬の冒険学校 2012』
◆北海道・十勝の冬のきびしい自然の中で"自分の身を守る"技術と知識を身につけるをテーマとした第78回『冬の冒険学校』を1月7日〜9日に野外学校基地周辺で開催しました。
 参加者は4名と、少々さびしいものもありましたが、十勝晴れの下、冬のしばれの中で元気に2泊3日のプログラムをやり抜きました。
★参加者:佐賀雅登(広尾町・中3)、大石巧起(大樹町・中3)、伊藤萌林(帯広市・小6)、竹内皇喬(帯広市・小5)
★スタッフ:山本義明・佐々木誠一・北沢 実・阿部侑太・江川美幸
参加メンバーの感想文は、こちら
1日目(1月7日) 天気:晴れ
 今回の参加者は、昨夏のサバイバルキャンプに参加した佐賀くん、大石くん、伊藤くんの3名と、野外学校初参加の竹内くんの計4名。いずれも十勝っ子で、寒さや風土には十分慣れているはず… 
 午後1時、全員が揃ったところで、日程説明や参加者・スタッフの自己紹介、キャンプ中の注意などのオリエンテーションがログハウスで行われた。今回の班編成は、中学生は1人班とし、雪洞作り・炊事・スキーなどはすべて一人でやることを目ざすことも申し渡された。
 1日目のメインのプログラムは『雪洞作り』。高さ3mほどに積み上げた雪山にスコップで横穴を掘って自分たちの寝場所を作る。大きさは横になって寝られる大きさで、高さは座った姿勢で頭がぶつからない程度とした。おおむね2時間ほどの悪戦苦闘で、どうやら寝床といえるものが完成した。その後はログハウスでキャンプ中に使用する灯油コンロ、コッフェルなどの炊事用器材が貸し出され、使用方法などのレクチャーが行われた。
 夕食作りが始まったのは午後5時ころ。耐寒装備に身を包み、屋外で調理を開始。メニューは煮込みウドン、食材はウドン、豚肉、白菜、長ネギ、ニンジンなど。冬の野外学校の炊事は、雪を溶かして水(お湯)を作るところから始まる。また、食材や出来上がった料理を凍らないように管理するのも一苦労である。なんとか1時間ほどで出来上がり、急いで食べた。
 夜のプログラムは、ログハウスで冬の野外生活での注意や雪洞での生活などの説明と、翌日使用するスキーと履いていく靴との調整など。こののち、夜食の「あんまん」を食べ、反省会を終え、午後9時過ぎに雪洞へ向かった。

開校式

雪洞を掘る

雪洞を掘る

夕食の煮込みウドン

−13℃の夕食
 
2日目(1月8日) 天気:晴れ
 起床は日の出前の6時30分、気温は−18℃とほぼ例年並み。朝のつどいでは、ログハウスから徒歩数分の場所まで散歩、朝焼けに映えた十勝幌尻岳を眺めた。朝食は冷え切った屋外で、前日のウドンの残り汁にレトルトご飯を入れて作った雑炊と缶詰。
 このキャンプのメイン・プログラム「ネイチャースキー」に向けた準備に取り掛かった。今年のネイチャースキーは、地図とコンパスを持ってスターと地点(基地から直線で4qほど離れた八千代牧場)から、いくつかのポストを巡って基地へ帰ってくることとした。もちろん途中で動物の足跡や落し物を見つけることも課題になっている。サブザックに昼食、行動食、タオルなどを詰め、自動車でスタート地点へ移動、午前10時に2班に分かれてスタートした。小学生2人のグループは地図とコンパスを見ながら、ウサギなどの足跡を見つけながら着実に進んだが、中学生グループは現在地の確認も覚束ないまま本能に任せて進んだため?スタッフの予測とはまったく違った方向へ進むなど、これが冬山なら"遭難"間違いなし!それでも、先行していた小学生グループのスキーのトレースをヒントになんとかゴールの方向へ進んで行った。途中の雪原で、コンロでお湯を沸かしてカップめんを食べたり、紅茶を作ったりしながら、快晴無風のコンディションの中、午後3時には無事?基地へ戻ってくることができた。
 この日の夕食はレトルトご飯、スープとステーキ。肉はフライパンからはみ出すほどの大きさで、全員満腹になることができた(はず)。夜はログハウスでまったりとした時間を過ごしたり、雪洞の前に"スノーキャンドル”を作ったり、満天の星空を楽しんだりした。
 

雪洞でお目覚め

十勝幌尻をバックに

ネイチャースキー

スキーで進む

小学生班

雪原でカップめん

発見!エゾリスの足跡

夕食の肉

夕食はログハウスで
 
3日目(1月9日) 天気:晴れ
 起床は前日と同じ6時30分。外気温は前日よりやや高い−16℃。初日は寒くて眠れなかったメンバーも、さらに着込むなど工夫をしたせいか、比較的熟睡できたようす。日の出を拝んだのち、朝食作りに取り掛かった。メニューはインスタントラーメン+もちのシンプルなもの。さすがに4回目の炊事となると手際もよくなり、すばやく出来上がった。
 このあとは恒例の「大あとかたづけ」。期間中に使ったコンロ、コッフェルなどを、借りた時よりもきれいにして返却する。作業はおよそ1時間半で何とか完了。その後、スキーを片付けたり、感想文を書いたり、昼食をとったりしているうちに、閉校式の時間を迎えた。
 閉校式では参加者各自が感想を発表、スタッフからの高評ののちログハウスをバックに記念写真の撮影などが行われ、無事に2泊3日の全日程を終了した。
 

朝食作り

あとかたづけ

感想文を書く

閉校式

記念写真
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
『冒険学校に参加して』 参加メンバーの感想文

『初めての冬の冒険学校』

佐賀 雅登(広尾町 中3)

 去年はサバイバルキャンプでここに来たけど、今年は冬の冒険学校としてここに来ました。人数はたったの4人… これでできるのだろうかと思いながら、オリエンテーションがログハウスの中で始まりました。参加した人が全員十勝にいるんだということに気付き、こんなことはそうそうありませんでした。
 オリエンテーションが終わったら、まず一日目のメインの雪洞作りが始まり、俺は一番左のところだったので、真ん中のところから掘っていきました。かまくらなんて何年ぶりだろうかなどと思いながら、それもつかの間…すぐに中に行きました。左右上下すべてを平均にしなければならないので、平均にするのが大変で、掘っていくにつれて硬い雪ややわらかい雪があってうまく掘れなかったです。完成したら俺が横になって寝ることが出来たから、中に銀マットを二つしいて、外に一つ風よけにしました。
 終わったらすぐ夕食。夕食はにこみウドンで、一度サバイバルキャンプで作っていたので、すぐにできました。おいしくいただいたら、次の日のネイチャースキーをするために、スキーの板あわせをしてから、夜食にアンマンを食べて、9時に寝ました。朝までに16回も起きました。原因は寒かったからです。
 2日目は6時30分に起きて、朝のつどいをして、終わったら朝食です。メニューは雑炊と缶詰でした。作るのは簡単です。終わったらスキーに行く準備をして、車に乗りスタート地点まで行きました。
 1班と2班は合同で行きました。道がグネグネでうまく歩けなく、ついにはスキーを脱いで近くにある小屋までいきました。そこで少し休けいをして、右に道があったので、そこを通っていきました。そうしたらスタッフの人と合流して地図の見方を教えてもらいました。その後進んでいったら地図の見方をまちがって、あやうくそうなんしそうになりました。もう一つの道を歩いていき、少ししたら足あとがあったので、そこをたどっていったら、途中から畑のほうに入っていったので、そこからうちらも入っていきました。そうしたら後ろから言われて気付いたら、フィールド・ビンゴのCを忘れていて、たどっていったら3班が見えて、そこで一緒に行動食を食べました。終わったら@に向かっていき、@を見つけて裏に書いてあることをやって、終わったらAに行こうとしましたが、時間がない事を知って、そのまま学校にもどりました。ゴールのカネを鳴らして、すぐにスケッチをして、夕食にとりかかりました。メニューはごはん、ステーキ、ポテト、スープでした。一番最初に出来たので、ずっと待っていて、皆がきてから一緒に食べました。これが一番おぼえている思い出です。

『冬の冒険学校で思い出に残ったこと』

大石 巧起(大樹町 中3)

 僕が「冬の冒険学校で」で思い出に残ったことは、雪洞作りとネイチャースキーです。
 雪洞作りでは、自分がねれるくらいの大きさを作らないといけなくて、しかも僕は身長が高いので、頑張って掘りました。そしてよゆうで横になれるくらいの雪洞を作ることができました。夜になって雪洞でいざ寝てみると、最初は暖かいなと思っていたら、だんだん冷たくなってきたので、ぜんぜん寝ることができませんでした。朝は、めちゃくちゃ眠たかったです。二日目の夜は、前日の反省をいかして、ある服をすべてきて寝ました。すると、暖かく寝ることができました。雪洞で寝るということは、たいへんなことだとわかりました。
 ネイチャースキーでは、最初スタート地点に着いたと思ったら、僕とまさとだけは別のスタート地点に行くことになり、本当のスタート地点に着くのが一番つかれました。それから「東」「西」とか言わないで、「あっち、こっち」と言っていたらそうなんしてしまいました。なんとか、自分たちのいるところが分かり、ようやく3班のスキーのあとをたどっていきました。スキーのあとをたどって行くと、アクエリアスが落ちていて、それに夢中になって4番地点があるのにも気がつかず拾いに行ってしまいました。そして1番地点にたどりつき、2番地点を目ざしていたら、道をまちがえてしまったので、そのままログハウスに帰りました。ネイチャースキーは、はじめてやったけれど、いがいと面白かったです。
 スタッフの皆様、いろいろと教えてくれてありがとうございました。今回の経験を何かにいかしていけたらなと思います。

2回目の冬の冒険学校』

伊藤 萌林(帯広市 小6

 ぼくは「冬の冒険学校」は今回で2回目です。前回は二人でした。なので、今回は何人来るのかずっとどきどきしていました。そうしたら四人だったので、がっかりしました。けれど二人よりはましかと思って参加者名簿を見たら、1班と2班に中学校3年生が1名ずつ、3班がぼくと小学校5年生の2名だったので、とてもびっくりしました。
 雪洞つくりは、前回より雪がかたかったので、かなりほりにくかったです。でも、と中で、やわらかくてほりやすいところにぶつかったので、そこからはとてもらくでした。ほっているとちゅうでカメラマンが来て、雪を出すときにとてもじゃまくさかったです。
 2日目のネイチャースキーはけっこうきつかったです。なぜかというと、出る時にあわてて出たので、下にフリースとオーバーズボン、上には厚手のジャンバーをきていたので汗を大りょうにかいたからです。でも、少し調整したららくになりました。キツネのフンなどが見れてうれしかったけど、もっとたくさんの足あとを見ることができれば、もっとよかったです。次回くることがあれば、がんばってさがしたいです。

『冬の冒険学校』

竹内 皇喬(芽室町 小5)

 ぼくは、歩くスキーが一番楽しかったです。ふだん注意して見ない動物の「足跡」を探したりフンや@、A、B、Cのポストを探すのがすごく楽しかったです。
 足跡をつけている「キツネ」などが雪にあまりうまらないのがすごく不思議でした。
 それに、雪洞ほりも楽しかったです。天井をなめらかにするのと硬いところをほるのが難しかったです。
 「建物の外に出るときはジャンバーなどを着る、入るときはぬぐ」これをやるとすごく暖かいから、これからもずっと活用していきたいです。
 「冬の冒険学校」今年一番の思い出になりました。これからは夏も行きたいです。