■郵政非正規雇用の仲間の権利 −現在と未来−■
この文は2000年12月3日大阪での「12.3郵政非正規雇用の仲間の学習交流会」内で行われた、大阪労働者弁護団の森博行弁護士の講演「郵政非正規雇用の仲間の権利−現在と未来−」を録音テープより起こし、編集したものです。
現在の労働関係の法律では、多くの人がほとんど労働条件が保護されていません。
そもそもいわゆる終身雇用においても、一部の例外(妊娠・出産を理由とした解雇など)を除き、解雇を制限する法律はありません。
また多くのパートタイマーは、何年も継続して雇われる場合でも、2ヶ月や3ヶ月の短期契約を何度も更新する、という形態をとっており、その場合、実質的な解雇である契約の更新拒否(=雇い止め)が解雇に相当しないこと、また正社員と比べて同一価値労働同一賃金の原則が守られていないこと等の問題があります。
特に郵便局など公務員の非常勤職員は、国家公務員法・人事院規則の適用があり、「任期は1日」とされており、何年も勤めている場合でも、形の上では1日ごとの雇用を毎日更新していることになっています。それゆえ、いきなり上司に「明日から来なくていい」と言われても法律上文句が言えないという雇用形態なのです。
これらの法的不備のために、これまで多くの人が不当解雇され、裁判を行っています。
録音テープ再生時にいくつか聞き取れない箇所ができ、その箇所に関しては前後の文脈から類推して編集したことをお断りしておきます。
●正規効用と非正規雇用
正規雇用と非正規雇用の違いは、
・正規雇用−いわゆる終身雇用。年功賃金で、企業内組合で、定年まで雇用する。
・非正規雇用−正規雇用以外の雇用形態
となります。
郵政の職員の場合、本務者は正規雇用で、本務者以外の雇用形態の方々が非正規雇用です。
今年の9月に新聞報道されました数字によりますと、正規雇用と非正規雇用の割合というのが、72.5%が正規雇用で、27.5%が非正規雇用になっています。
今後3割を超えて増大していくという方向にあるだろうと言えます。
●終身雇用と短期雇用の違い
法律用語では、
・終身雇用−期間の定めのない雇用
・短期雇用−期間の定めのある雇用(最長1年、例外的に3年)
となります。
●民法
期間の定めのない雇用の場合、民法では、労働者も使用者も、退職あるいは解雇したいと思う場合には、何の理由もなしに2週間前に通知をすれば、契約は終了すします。
期間の定めがないゆうことはね、ある意味では雇用は非常に不安定になります。
これに対して期間の定めのある雇用の場合は、その期間は労使とも拘束されるます。労働者は退職できない、逆に使用者も解雇できない。
ただし、民法の中に、期間の定めがある場合といえどもですね、やむを得ざる事由があれば解約申し入れができると、なっています。期間中全く退職できないとなれば、人身拘束の恐れもあるからです。
●労働基準法
戦後になって労働基準法ができました。労働基準法によって、
・期間を定める場合には最長で1年。1年以上、2年とか3年とかの契約を結んだら、それは無効で、自動的に期間の定めのない雇用になる。
・期間の定めのない雇用の場合でも、最低1ヶ月前に解雇予告、もしくは予告手当として1ヶ月分の賃金を払わなければならない。
と決められました。
しかし、解雇権そのものを規制するような法律、条文まではなく(例外的に産前産後とか労災期間中の解雇等は禁止)、解雇はあくまで自由だとなっています。退職も自由、解雇も自由という前提にたっているのが労基法です。
●解雇権濫用の法理
法律で制限されていない解雇権を制限するため、司法が裁判判例で解雇権を制限する理論を作ってきました。解雇権濫用の法理、あるいは解雇権制限の法理と呼ばれるもので、
「当該具体的事情のもとにおいて、解雇に処することが著しく不合理であり、社会通念上相当なものとして是認することができないときには、当該解雇の意思表示は解雇権の濫用として無効になる。」
というものです。
これは民法第1条、権利の濫用はこれを許さず、を解雇権に適用したものです。つまり、「解雇の自由はあります、しかしそれが濫用になる場合は無効ですよ」というものです。
この解雇権濫用の法理は「当該具体的事情の元に」とありますように、個別具体的に、裁判官が、これはひどいなあ、と思ったら解雇を無効にするという、その程度の基準でしかありません。非常に不安定な理論です。
しかし、この不安定な理論でさえなくしてしまおうという動きがあります。
1999年の12月、内閣の行政改革推進本部の規制改革委員会が、雇用労働分野の規制改革の提言を出しましたが、そこで解雇規制について、判例解雇制限理論は、これがあるために今失業者が増えるんだ、正社員が増えないんだ、これをなくしてしまえば、どんどん企業も人を正規採用するだろうから、なくすべきだ、ということを出してきました。
で、その結果、東京地裁の労働部で、整理解雇事案が9連敗しました。この判例は東京高裁に控訴されまして、まだ解雇権制限の法理は生きてはいますが、危ない状況です。
期間の定めのある雇用の場合には、その期間労使とも、やむを得ざる事由があれば解約できないという原則が今も生きています。
●解雇と雇い止め
解雇というのは、労働契約を使用者側の方から一方的に解除することです。
雇い止めというのは、労働契約の期間が定まっている場合に、その期間が経過することにより、自動的に労働契約が終了することです。
6ヶ月の短期雇用の場合、6ヶ月を経過して再雇用せずに雇用が終わること、これは雇い止めです。で、6ヶ月の期間の中途で、例えば3ヶ月働いてもらったけど、辞めてもらうという場合は、これは雇い止めではなく、解雇です。
ただしその場合は、期間の定めのある労働契約ですから、辞めさすのにやむを得ざる事由が要ります。
期間の定めのない場合は、解雇権濫用の法理がありますから、その限度で雇用が保護され、解雇しようと思うと一定の事由がなければ解雇できないとなりますが、しかし原則的に解雇は自由です。
でも短期労働者を中途解約する場合には、民法により、やむを得ざる事由が要る、とよほどの事がなかったらクビにできない、しかし6ヶ月経過すれば何の理由もなしに雇い止めできるんだ、となります。
●雇い止めの制限
雇い止めは、本来なら無制限なんですが、裁判判例で、短期契約の更新拒絶の法理というのがあります。
例えばリーディングケースとして、東芝柳町工場事件というのがあります。ここでは正規従業員のほかに、人数的にも本工よりも多い臨時工がいまして、2ヶ月契約をなんべんも繰り返していました。しかも繰り返すたびに書類も取り交わさん、正規社員と同じ仕事をやっている、という実態がありました。
この場合に、最高裁が、実態としてこの場合は期間の定めのない労働契約と変わらんじゃないか、と言いました。短期雇用が期間の定めのない終身雇用に転化するとは言わなかったけど、事実的に見て、期間の定めのない終身雇用とかわらないような場合には、雇い止めはもう解雇に等しい、と。解雇じゃないんだけども解雇に等しいから、解雇権濫用の法理を適用はできないけども、類推適用するという判決が出ました。
あるいは副次的には、期間臨時工の雇い止めの実態とか、普段の更新手続きとか、作業内容とか、採用時およびその後における会社の言動、君はずっとこれから働いてくれとかにより、労働者が更新されることを期待し信頼してそのような相互関係のもとに、労働関係が存続してきたばあいは、そのような労働者の期待・信頼を保護せないかん、とも言ってるわけです。
つまり客観面と主観面、客観的に、実態として終身雇用と変わりがない労働実態があるということ。主観的に、労働者が、これからもずっと更新されていくだろうというふうに期待し信頼することに合理的な理由があるということ。この2つがあればさっき言った解雇権濫用の法理を、雇い止めに類推適用しましょう、と一定の歯止めはできたわけです。
でもこの判例ができてから逆に会社の方は非常に慎重になりまして、更新の都度書面を取り交わす、再雇用する場合に数日間あける、等の巧妙なやり方が一般化してきまして、なかなか雇い止めで解雇制限の理論を類推適用させるのは難しくなりました。
●郵政非常勤職員の場合
郵政の非常勤職員の場合、公務員の非常勤職員の場合ですが、国家公務員の場合、雇用ではなく任用ということになっています。
非常勤職員の場合、国家公務員法、人事院規則によって、例外的に期限付任用が認められていまして、それによると任期は1日、つまり日々雇用となっています。
非常勤公務員の雇い止めの裁判の先例として大阪大学の図書館のカウンター業務をしていた非常勤の公務員の人の例があります。
この人は任用予定期間1年間の期限つき任用で、3年間働いていました。任用予定期間というのはゆうメイトの予定雇用期間と同じです。任期は1日、日々雇用というのも、ゆうメイトと同じです。
この裁判、最高裁まで行って負けまして、結局この最高裁の判例理論が今や先例になってしまいました。
この裁判では3点ほど論点がありました。
1つ目は期限付き任用というのがそもそも国家公務員許されるのか、ということです。国家公務員の場合は期間の定めのない雇用が原則です。
しかし国公法では、人事院規則により特例を規定できる、となっていまして、その人事院規則によると大幅に日々雇用の非常勤職員の採用が認められると、こういう法律構造になっています。
地方公務員については最高裁の判例が昭和38年にあります。これは期限つき任用をする場合には、特段の事由(救急性・臨時性が要るということと、補助的・代替的な業務に限る、ということ)が要る、しかも国公法の精神に反しない場合には許される、と。
阪大の裁判では、この一時的臨時的な繁忙業務ではなくって、恒常的継続的に定員が不足している場合には特段の事由になるのか、ということが問題になりました。
で、最高裁はそれを認めてしまいました。常態的に阪大の図書館の事務量は常勤職員だけで処理することができる範囲を超えていて、ただちに常勤職員の定員を増加をするということが困難であること、そしてこの非常勤職員の仕事というのがいわゆるカウンター業務にしか過ぎず、補助的な、代替的な事務でしかないこと。だからそのような場合には特段の事情に該当し、期限付きの国家公務員が認められるとしました。
2つ目は不任用(雇い止め)に対する解雇制限法理の類推適用です。民間で言うところの雇い止めに対する解雇権制限の理論の類推てきようといったことが公務員の場合にもあるかというと、これは最高裁は完全に否定しました。
これは、民間の場合にはなぜそんなことが許されるかというと、民間というのは労働契約、契約ですから、その解釈というのは、労働者と使用者がどういう契約を結んでるかということは、その契約書だけじゃなくって、裁判所が労働実態等の主観的客観的な諸般の事情から合理的に解釈するわけです。で、その結果、実態としてこれは期間の定めのない契約と変わらんから、解雇権制限法理を類推適用する、という判断もできるわけです。
しかし公務員の場合はそもそも労働契約ではなく、任用というのは行政処分だと。とすればですね、当事者の合理的な意思解釈をもとにするような理論は適用できない、このようになりました。民間における類推適用の法理は、任用という行政処分については類推適用する余地はない、と。
3つ目は、任用予定期間終了後の雇い止めに対する損害賠償請求の可否で、最高裁はこれは認めました。
これは、任命権者が日々雇用職員に対して、任用予定期間終了後も任用を続けることを確約する、あるいは保証するなど、期間終了後も任用が継続されると期待することが無理からぬものとみられる行為をしたというような特別な事情がある場合には、職員はそのような誤った期待を抱いたことによる損害賠償について、国家賠償法による損害賠償を求めることを認める余地がある、という判断です。
だからこの判例では、非常勤の人が自分は当然更新されていくはずだと、で、それは主観的なものだけじゃなくって、上司の人なんかもそういうふうに言っていた、というような特別な事情があれば、雇い止めは無効だとは言えないけども、それによって被った期待権の侵害の賠償を請求できる、ということです。
これが阪大事件で最高裁が打ち出した三つの原則です。
京都の城陽郵便局事件も大体その線に沿っています。
奥田さんという女性で、これは短時間労働者、3時間とか一番多くて7時間ですが、その雇用を7年半ぐらい続けたんですが、ところが7時間をある日4時間に時間を短縮されました。そうしますと半分ぐらいに給料減っちゃうから、なんとか7時間に戻してもらいたいと要求したけども、局の方はそれを受け入れてくれないんで、京都ユニオン、に加入して団体交渉を行った、と。その矢先に予定雇用期間がきたので、雇い止めになった、というケースです。
ここで弁護士がいろんな主張をしてるんですけど、一番最初に求めたのが労働契約上の従業員たる地位がまだある、期間経過後もまだあるということの確認を求める。もう一つは、それがだめだとすれば、今度は非常勤職員たる地位にあることの確認を求めると。
で、裁判所の判断としては、個人が国との間で私法上の労働契約をしたとしても、それは無効と言わざるを得ず、個人が国との間で私法上の労働契約上の従業員の地位に立つことは現行法上ありえない、というものです。
そしてその次に、この判例は、ユニオンに加入して団体交渉始めて、その矢先に雇い止めされてるから、典型的な不当労働行為なんです。その点を弁護士たちが主張したわけですけど、ところがこれも軽く一蹴されてしまって、雇い止めというのは何もしないことを言うわけで、期間が経過をすれば当然それで終わるわけですから、従ってそのような場合には、この地位の喪失に、局長の積極的な行為、つまり作為は観念できない。また職員は当該再任用を求める権利も有しない。従って再任用をしなかったという不作為が、不当労働行為になるわけがない、と。こういう非常に形式論理的な理屈です。
またさっきの解雇権濫用の法理の類推適用に関しても、国との間で個人が勤務する関係はすべて公法上の勤務関係であって、この関係においては、当事者間の合理的な意志にもとづいて法律関係が形成される関係にはないから、その主張は失当である、そういうふうにふうに言ってます。
最終的に損害賠償についても、確かに国家賠償法にもとづく賠償を求める余地はあり得ると言うべきであり、さらに奥田さんが長期に渡って任用がまだあるというふうに期待したのは無理からぬところがある。しかし奥田さんは少なくとも平成6年10月には辞令簿を見てるので、辞令簿を見れば任期は一日であるということ、日々雇用の非常勤職員であって予定雇用期間というものがあるということはわかったはずだ、と。で、当初の任用から既に約6年半の間継続して任用されて勤務した後、予定雇用期間の満了により退職したものとしても、局長がさらにその後も任用が継続されると期待する事が無理からぬものとみられる行為をしたとか、そのような特別の事情があったとまでは言えないから、従って損害賠償も認められない、となったわけです。
●雇用以外の非常勤職員の労働条件
解雇等の雇用以外の非常勤職員の労働条件の権利についてです。
結論から言うと、非常勤職員について、期間が、雇用期間が限定されておるという点を除いて、本務者、常勤職員との間に何の差もありません。
しかし、常勤、本務者の場合に比べて、時間給そのものが単価も低いし、手当がないという意味では非常に劣悪な待遇です。
例えば日逓の職員はほとんど非常勤職員でして、でも正社員と臨時社員との間では、賃金に格段の差があるんです。賃金体系が違うからなんですが、倍から違うんです。
で、これからは正社員と同じ待遇にやはりすべきだという、主張をしていくべきです。
日本のでは給料の支払い形態が欧米とは違って、いわゆる同一価値労働同一賃金の原則がそのまますべてに適用できないんです。特に終身雇用、正社員の場合は、給料は何時間働いたから何円払うという体系になってないんです。しかも手当とかもあります。だから日本の給与システムがそういう給料システム採ってる以上は、正社員と臨時社員の給料をストレートに比較する基準がなく、難しいんです。
しかし今後はこれを問題にしていかないといけません。というのは非正規社員がどんどん増えてるからです。幹部社員だけは正社員に残して、あとは全部非正規社員に入れ替えようとしています。なぜかというと、コストの削減、人件費を下げるためなんです。臨時社員、非常勤社員というのは、人件費が安いという点で、経営側にとってはメリットがあるわけです。
これを、同じ仕事してるんだから同じだけの給料を払うのは当然だ、と言わないといけません。終身雇用を崩すのはかまいませんが、その代わり、同一価値労働同一賃金の原則を守ってくれ、欧米ではそれが当たり前、日本もそういうふうにしなさい、と。
それには運動としても裁判をしていく必要があります。確かにゆうメイトの雇い止めの裁判は厳しいし、勝った例がありません。しかし例えば在日韓国朝鮮人の指紋押捺拒否について、これが裁判になった。勝ち目はなかったんですが、やった結果、指紋制度は撤廃になりました。 解雇権濫用の法理の法制化や人事院規則の改正なども、司法が解決できなくても、立法・国会が解決するところまでもっていかないといけません。
今後、非常勤がどんどん増えてくるでしょうが、それは正職より非常勤の方が安いからです。この意識を変えさせて、当局に非常勤だって正職とコストは変わらない、ということを認識させる必要があるわけです。そのためにも裁判も運動もやっていく必要があります。

〜はじめに〜
私に与えられたテーマが郵政非正規雇用の仲間の権利、現在と未来とゆうことなんですが、ここでいう権利というのがですね、労働条件という意味での権利をいってるのか、あるいは雇用それ自体の権利をいっているのか、それによって大分お話をする内容がかわってくるんですが、まあもっぱら雇用、非正規職員ですね、ゆうメイトの方々の雇用に対する権利ということにして、で関連して労働条件面での権利関係にお話を進めていきたいと思います。それと事務局の方からですね、今年9月に京都で出ました奥田さんの判決、これについても問題提起して貰いたいと、こういう要望もいただいておりますので、後半それもお話をしていきたいと、こう思います。
で、法律の話からですが、公務員関係の法律錯綜しておりますので、弁護士もよくわかっていない。専門家ですらよくわかっていない、それを皆さん方におはなしして、果たしてどれだけ理解していただけるか、というよりもですね、どれだけちゃんと聞いていただけるか、非常に不安なところなんで、まあわかりやすく最小限度のところを押さえながらお話をしたいと思うんですが。
まあ本論に入る前にですね、私、労働者弁護団ということでご紹介いただいているんですが、元大阪総評弁護団なんですけど、そこでずっと活動しておるわけですけど、官民問わず非正規雇用という雇用形態がですね、大幅に増えておるという、昨今。だから皆さん方の郵政職場だけではないわけですよね。民間でも非常にすさまじいスピードで割合が増大しているということをまず押さえておく必要があるのではないかと思うんです。たとえば最近の数字で、皆さん方ご存知かと思いますけどもご紹介します。
正規効用と非正規雇用というのをどのように分けるかというのがまず問題ですけどね。いわゆる日本の雇用形態、終身雇用というふうに言われてますよね。年功賃金で、企業内組合で、終身雇用するという。これが日本の雇用慣行であるというふうに言われててきておりますから、正規雇用というのはそういう雇用のことをいうんですね。ま、終身雇用というのは法律用語でもなんでもないんですけどね。比喩的には終身雇用。これが正規雇用。で、それ以外の雇用形態がですね、非正規雇用と。このように分けてよかろうと思うんです。
だから郵政の職員の方々で言いますと、本務者は正規雇用となるわけで、本務者以外の雇用形態の方々が非正規雇用になる、ということになるわけです。
じゃあ非正規雇用というのは、形態としては一種類だけかと、非常勤職員のような雇用形態だけかというと、そうじゃありませんで、種々雑多な雇用形態がなかにあるわけなんです。例えばですね、今年の9月に新聞報道されました数字によりますと、今申し上げた正規雇用と非正規雇用の割合というのがですね、72.5%が正規雇用で、27.5%が非正規雇用になってると、こういう報道があったんですよ。で、27.5%という非正規雇用の内訳を見ますと、一番上のがパートなんですね、パートタイマー。これが20.3%なんです。で、契約社員、これが2.3%。派遣スタッフ、派遣社員ですね、1.1%。ま、他にもいろんな類型があるわけですけども、非正規雇用の大半はパートタイマーなんです。
では郵政の非常勤、ゆうメイトの方々はパートタイマーかというとですね、必ずしもそうではない。パートタイマーというのは、フルタイマーに比べて労働時間数が少ない就業形態をいう訳です。8時間労働しないわけですね。5時間労働とか3時間労働とか。これを称して短時間労働者パートタイマー、こういうわけですね。だから非常勤職員の場合には、ある意味フルタイマーの方もいらっしゃるんでしょ。だから必ずしもパートタイマーとはいえない。
というよりも、後で詳しく言いますが、パートタイマーというのは、これはある意味ではね、時間は短いんですけど、しかし契約の期間というのは決まってないんですよ。そういうことの方が多いんですよね。だからある意味では終身雇用なんですよ。終身雇用なんだけども、労働時間が正社員に比べたら少ない。こういう類型がパートタイマーなんですね。
じゃあ期間そのものを限定するのは何かというと、今申しました契約社員なんですね。これがそうなんですわ。1年とか、ま、昨年4月1日以降労働基準法変わりましたから、3年までですね。例外的に認められましたけども、1年ないし3年の期間に限って雇用するというのは、これは契約社員ということ、もちろんパートタイマーにもありますよ。半年2ヶ月1年のパートタイマーってありますけども。パートタイマーというのは期間で区切るということじゃなくて、あくまでも短時間労働するということに主眼があるわけなんですね。
さらに派遣労働というのがあるわけですけども、ま、これは本編とは直に関係ないんですが、派遣労働もどんどん現在増えておるわけでして。派遣労働の場合はですね、雇用関係そのものがなくなっちゃうという非常に奇妙な雇用形態、特殊な雇用形態になるわけですね。
ま、このようにですね、27.5%と聞かれて皆さん、まあまだ少ないやないか、というふうにお思いの方もいらっしゃるかもしれませんね。でもね、1990年、今から10年、丁度バブルが崩壊したのが90年なんですけど、90年代まではですね、90年に入るまではね、非正規雇用の割合が日本全体の雇用労働者の割合の2割を超えることはなかったんですわ。ずっと以前のオイルショック、昭和49年、あの頃から減量経営いう事が言われてきて、それまでは高度成長で、オイルショック以降は減量経営ということで、どんどん非正規、臨時が増えていったわけですけどもね。それでも全体の2割を超えることはなかったんですよね。ところがバブルはじけてから以降この10年の間にですね、この2割の壁を突破して、今27.5%ですから、この勢いで行きますと、これがもう3割台になるのは時間の問題だし、さらにこれが3割を超えて増大していくという方向にあるだろうと言えるんですね。
これは単に今までの数字の動きを見ればそうだと、客観的にそういう流れにあるというだけじゃなくってですね、資本家の方の、経営側の方のいわば主観的なと言いますか、経営戦略そのもの、労働戦略そのものがそういう方針になっておるからなんですね。
それは皆さん方も何度か聞いておられるかと思いますが、95年に新時代の日本型経営という、日経連のレポートが発表されましたんです。今から5年前に。そこでですね、終身雇用というのがもう姿を、そのレポートの中では消しておりまして、長期継続雇用というふうに言っておるんですけども、その長期継続雇用をですね、中心とする日本型労使慣行そのものを守っていくことが出来ない、というふうに言っておる訳ですね。
で、どうするかというとですね、労働者をグループ別に管理していこうということを言っておるんです。主に3つに労働者を分けちゃいまして、そのグループごとに別個の労務の戦略というのを作っていかないかん、ということを言っとるわけです。一つ目がですね、長期蓄積能力活用型という長ったらしい名前なんですが、幹部社員のグループですね。二つ目が行動専門能力活用型という、営業・研究とかですね。専門社員の部類です。それから雇用柔軟型という、これが一般社員のグループです。
この3つのグループにですね、労働者そのものを分けてしまいまして、そして長期継続雇用、終身雇用するのは一番最初の幹部社員、管理職だけに限定すべきだと。それ以外の行動専門能力活用型グループであるとか、雇用柔軟型については、有期雇用でまかないましょうと。ということをはっきり言っておるわけですよね。有期雇用というのは期間の定めのある雇用となるわけです。ま、非正規雇用なんですね。だから正規雇用というのは幹部社員だけで、それ以外はすべて非正規雇用でまかなっていくべきだということを明言したのが今から5年前のことですね。これが出てからですね、先ほど申しましたように非正規雇用の割合というのが2割の壁を突破しまして、いまや3割に肉迫しておるという、こういう結果をもたらしておるというわけなんですね
T.終身雇用と短期雇用の違い
そこで郵政の職場の話に入っていくわけですけども、その前に法律的な言葉の意味付けといいますか、それをちょっと確認しておく方がよかろうと思いますので、レジメに入っていきますが、終身雇用と短期雇用の違いというふうに書いてありますでしょ。このあたりからお進めしますが、終身雇用というのはですね、法律用語じゃないということをさっき言いましたけど、じゃあ法律用語ではなんというかと言いますと、期間の定めのない雇用、ですね。これが法律用語です。で、短期雇用、ゆうメイトのように短期雇用は、これはですね、期間の定めのある雇用、と。ここには書いてませんけどね。こういうふうになるわけです。期間の定めがあるかないかというのが分かれ目になるわけでして。
じゃあ、この期間の定めのあるなしという事が、実際にはどういう意味を持っているのかということなんですが、もちろん雇用期間という意味では、期間の定めがない雇用の場合はですね、定年までは就労できるということになりますよね。定年というのは期間じゃないかというふうにお考えになる方もいらっしゃるかもしれませんが、定年というのはですね、これは期間じゃなくって、契約の終期をいうわけですね。打ち止めをいうんですね。期間じゃないんですよね。期間というのは幅をいうわけですから。打ち止めっていうのはそれで終わりということやからね。意味が違う。何歳で入ったって、60になればそれで終わりですから、期間じゃないわけですね。
で、これに対して期間の定めのあるこようというのは、もちろん半年とか1年とかあるいわ昨年の4月以降は3年とか、こういう雇用期間そのものを決めちゃうという類型でして。で、この2つのうちですね、どちらが望ましいかというと、もちろん期間の定めのないほうが望ましいわけなんですけど。それには理由があるんです。
期間の定めがないゆうことはね、ある意味では雇用は非常に不安定なんですよね。期間の定まってないわけですから。期間定まってないゆうことは、例えば労働者の方で退職しよう、あるいは使用者の方で解雇しようという場合にですね、どうすればいいか。実は法律が、労働基準法が出来る前から、明治時代から法律がありまして、民法という法律ですね、民法の中でもう決まっておる。2週間前に言えばいいんですよね。労働者も使用者も、もう退職したいあるいは解雇したいと思う場合には、何の理由もなしに2週間前に通知をすれば、解約申し入れって言うんですけど、2週間前に解約申し入れすれば2週間後にはですね、契約が終了するという。これが実は期間の定めのない雇用なんですよ。だから本当のことを言えば、期間の定めのない雇用というのは雇用が非常に不安定なんですよ。
これに対して期間の定めのある雇用の場合はですね、その期間は労使とも拘束されるんですね。つまり労働者は退職できない。逆に使用者も解雇できない。こうなるんです。ただしね、全くじゃあ退職できないのか、全く解雇できないかというとそうじゃありませんで。やはりさっき言った民法の中に、ちゃんと規定があるんですね。期間の定めがある場合といえどもですね、やむを得ざる事由があれば解約申し入れができると、こう書いてある。やむを得ざる事由があればできる。ま、民法、労働基準法ができる前の民法ですから、民法の時代というのはね、雇用期間の制限はなかったです。5年でもよければ10年でもいい、20年でもいいんですよ、当時はね。例えば10年の期間で契約した場合はですね、確かに労働者は10年間雇用保証されますよね。で、使用者も逆に雇用しなければならないわけです、10年間はね。そのための期間なんですから。いつでも辞めてもらいたければ期間を定めずに期間の定めのない雇用をすればいいわけです。そしたら2週間前に言えばいいわけですから。それをやらずに10年なら10年の期間をさだめるというのは、使用者にしてみればやっぱりその期間おってほしいから。労働者もですね、少なくともその期間は勤めたいから。だからお互いが合意して、10年とかいう期間を決めるわけです。
でもですね、全くその間退職しないとなれば、やはり人身拘束の恐れもあるわけですね。使用者にしたって、やはり10年間おってもらいたいと思ったけども、初期の成果が上がらないとなれば拘束するのは問題だということから、やむを得ざる事由があれば、その場合には即時に解約できると、いうふうに規定があるんですね。
だから期間の定めのない雇用と期間の定めのある雇用というのは、原則的な立場から考えたら、むしろ機関の定めのある方が雇用の安定するわけです。ただし、その間は退職できませんよ。やむを得ざる事由がなかったら退職できないという、こういう不都合はあるけども。こういうことなんですね。何か変な話ですが。
ところが戦後になって労働基準法できましたよね。で、労働基準法ができることによって、まず、期間を定める場合には長期1年にしなさいというふうに決めておるんですね。1年以上の契約を結んではいけないと。で、1年以上、2年とか3年とかの契約を結んだら、それは無効になっちゃう。自動的に期間の定めのない雇用になっちゃう、という。こういうふうに決められた。なぜかというと、それは人身拘束の弊害をなくすためなんですね。昔の女工哀史みたいにですね、例えば5年間は必ず勤務しますということで採用した場合には、5年間は辞められませんからね、その間大変酷い目にあうと。こういうことがあったわけですから。だからいつでも退職できるというためにはですね、やっぱり期間の定めのない雇用を原則にせねばいかん、と。期間を定める場合には最長1年にしなさいと、こうなった。
で、次にですね、期間の定めのない雇用の場合でも、2週間前に言えばすぐクビ切れるっちゅうんじゃ、これじゃ気の毒だから、最低1ヶ月前に言いなさい、解雇予告しなさいと。で、1ヶ月前に言えないんなら1ヶ月分の賃金払いなさい、と。予告手当払いなさい、というね。こういう条文を入れたわけ。
ま、その他もろもろ条文ありますが、しかし残念ながら、解雇権そのものを規制するような法律、条文まではおかなかったんです、労基法は。だからある意味では労基法は非常に不備なんですよ。解雇はあくまで自由であると。もちろん退職も自由ですよ。退職も自由だし、解雇も自由だという前提にたっておるのが労基法ですね。
U.解雇か、雇い止めか
(1)解雇とは?
そこで私のレジメのUの方に入っていっておるんですけども。解雇っていうのは今言いましたように、民法上は2週間前に言えば解雇できるわけですから、基本的に解雇は自由なんですよ。ただ労基法で、今言いましたように2週間前ではだめですよ、1ヶ月前にいいなさいよ、ということにした。あるいは産前産後とか労災期間中の解雇はだめですよ、とかね。ま、そういう派生的な決まりはありますが、解雇の自由そのものを制限するような法律は残念ながらないんですね。
(2)解雇は自由か?
で、そこでですね、判例が法律に代わりまして、国会に代わって司法がですね、解雇権を制限する理論を作ってきたんですね。それがU(2)解雇は自由か?のところに書いてある通りでして、期間の定めのない労働契約の場合には、本来解雇は自由なんだけども、しかし解雇権濫用の法理、あるいは解雇権制限の法理ともいいますけどね、こういう判例法理が確立しておりまして、これはもう最高裁でも、昭和52年に追認されまして、以来裁判実務はこの線に沿って運用されております。
つまり、「当該具体的事情のもとにおいて、解雇に処することが著しく不合理であり、社会通念上相当なものとして是認することができないときには、当該解雇の意思表示は解雇権の濫用として無効になる。」と、こういうことですよね。
これは何も法律の根拠がなくって司法が、裁判所がいきなり言い出したわけじゃなくって、法律の根拠は実はあるんですよ。民法第1条にあるんですね。権利の濫用はこれを許さず、と書いてある。それを使ったんですね。権利濫用ですね、これは無効だという民法第1条の大原則を解雇の自由のところに持ってきたわけです。だから、解雇の自由を否定したわけじゃないですよ。解雇の自由はあります、と。しかしそれが濫用になる場合は無効ですよ、と言っておるんですね。
これが解雇権濫用の法理でして、従いまして、この法理が確立して以降はですね、期間の定めのない雇用というのは、労働者の側から退職する場合には民法の原則通り2週間前に通知をすれば、2週間後に終了する、と。ただし就業規則なんかで、1ヶ月前に言えと書いてあるかもしれませんが、その場合には1月になります。2月3月半年前に言えという場合には無効です。ま、せいぜい1月でしょう。いずれにしろ、2週間なし1月前に何の理由もなしに、理由なんて言う必要ないですよ。年休と同じでね。何の理由もなしにですね、言えば一定期間が経過すれば終了することに変わりはない。しかしながら使用者が労働者を解雇する場合は、解雇権制限の理論が、解雇権濫用の法理が適用されるわけですよ。だから一定の合理的な理由がなければ解雇できなくなっちゃう。その反射的な効果として、期間の定めのなき雇用というのが終身雇用になったわけですよ。
ま、しかしこの解雇権濫用の法理だって、非常に、当該具体的事情の元に、とありますように、個別具体的にですね、裁判官が、これはひどいなあ、と思ったら解雇を無効にするという、その程度の基準でしかないんです。基準なんてないようなもんですね。明らかな、こういう場合はだめですよ、というもんじゃないから。非常に裁判官の考え方といいますか、思想信条といいますか、そういったもんに左右される、非常に不安定な理論でしかないんです。だから我々労働者弁護団、あるいは日本労働弁護団はですね、従来から、こんな解雇制限の法理ではなくって、正当事由、これを立法化しなさいと、立法提言してきたんですよね。
つまりね、皆さん方のなかでアパート・借家にお住まいの方、2年とか3年の期間更新されてる場合ね、これを更新しませんと仮に家主が言った場合、皆さん家を出なあきませんか?そんなことないでしょ。それはちゃんと法律に決まりがあるからですね。借地借家法ですね。昔の旧借家法、いまの借地借家法と原則的には同じだから、家主の側の正当事由がなければ、契約の更新は拒否できませんと法律に書いてある。正当事由というのはまさに、自分自身でそこを使わないかんとか、そういう特別の理由、正当な事由がなでれば更新は拒否できません、と書いてある。だから2年の契約していたって、実際のところはずっと継続して更新されていくわけ。自動的に更新されていくということになるわけですね。ちゃんとそういう立法がある、法律があるわけですね、借地借家法の場合は。
ところが人間の雇用に関しては、そういう法律がないわけですよね。かろうじて判例が、いま言ったように解雇権濫用の法理で雇用を保障しておるということに過ぎない。だから借地法借家法と同じように、労働法においてもですね、正当事由がなければ解雇できない、ということをですね、しかも正当事由について類型化していくと、それをするべきだということを我々は主張してきたんだけども。
ところがその、解雇法系について再検討しないかんということを、ようやく昨年の12月になって、内閣の行政改革推進本部の下にある規制改革委員会というのがありまして、オリックスの社長が会長なんですけども、この規制改革委員会が昨年12月にですね、雇用労働分野の規制改革の提言を出しましたけども、そこで解雇規制についてですね、改めるべし、と書いてありました。どのように改めるかといいますと、判例解雇制限理論は、これがあるために今失業者が増えるんだ、と。正社員が増えないんだ、と。これをなくしてしまえば、どんどん企業も人を正規採用するだろうから、なくすべきだと。いうことを逆に言っとるんですよ。
僕らの提言とは逆のことを言っとるわけ。僕らは解雇権制限の理論では不十分だから、裁判官の恣意的な心情なんかに左右されやすいから、だから客観的な法律で正当事由を立法化しろ、と。解雇する場合にはこういうことがなければ解雇できませんよ、という明文で立法化しろと要求した。ところが今政府が考えてるのは、判例の解雇権制限の法理そのものが、これが問題だからなくしてしまえと、解雇を自由にしろと言っておる。
で、もっぱらそこでいわれている解雇の類型は整理解雇なんですけどね。普通解雇とか懲戒解雇じゃなくって、整理解雇ですね。企業が段々火だるまになってきて、人員過剰に陥った、そういう場合の整理解雇の基準、これも解雇権制限法理によって、皆さんご存知のように非常に制限されとるわけ。4つほど条件が要るわけでして、その4つをクリアしなければ整理解雇は有効にならない、というのが判例の取り扱いなんですね。で、それを念頭においとるわけですね。だから解雇を自由にしろ、と整理解雇の4原則はこんなものはなくしてしまえ、ということを暗に言っとるわけなんですね。
で、その結果どうなったかといいますと、東京地裁の労働部で9連敗。整理解雇事案で、労働者は軒並み負け始めた。そこである若手の判事は、仮処分の事件ではっきり言いましたよ、解雇は本来自由である、と。で、解雇の自由はない、と言うんなら、自由はないという労働者の側がそれを立証しろ、と。それを立証できないやないか、だから原則にもどって解雇は自由だ、と。こんな他愛もない理論で負かしちゃった、労働者をね。整理解雇を有効にしちゃったと、こういう流れがぼちぼち見えはじめておるんですよ。
ま、大阪地裁はまだそこまでいってませんが、東京の方はそこまでいっとる、と。いま言った判例は東京高裁に控訴されまして、結論は変わらなかったけど、理屈はひっくり返りました。結論は解雇有効になりましたけど、理屈は従来通りというふうにコロッと入れ換えられましたんで、まだ解雇権制限の法理あるいは整理解雇の4原則は生きてはおります。でも危ないですよ。危ない。
次に非常勤職員、ゆうメイトのような、期間の定めのある雇用の場合はどうかということに入っていきます。先ほど申し上げましたように、期間の定めのある雇用の場合には、その期間労使とも、やむを得ざる事由があれば解約できないという原則、これは生きとるんですよ。今でも生きとるんです。で、さらに労基法が長期1年というふうに僕言いましたけども、1年以上の期間の定めのある雇用、有期雇用は締結してはならんというふうになっていた。
昨年の4月1日以降それが一部変わりまして、研究開発の業務とか、あるいは一定期間だけのプロジェクトに携わる業務、専門家が必要だという場合ね、専門家がその職場に少なくって、専門家をどうしてでもその期間だけ雇わないといかんという特殊な事情がある場合と、満60歳以上の定年退職した労働者を雇用する場合は、長期3年まで契約できる、と変わりました。で、もう今施行されておりますから、それはもう生きてる法律になっておるわけですけども、そういう例外的な場合を除いて長期は1年、ということになります。
(3)雇い止めとは?
そこで今解雇解雇と言ってますが、雇い止めと解雇はどう違うかのかということなんですけども。レジメにありますように、雇い止めというのは解雇とは全然違うんですよね。
だから比喩的にみて、スローガン的に、解雇=雇い止め、雇い止め=解雇、というのはかまいません。かまわないけど、法律的には全然違うものなんですね。解雇というのは労働契約を使用者側の方から解除することを言う。労働者の意志を問わずに一方的に解除することを解雇というんで、雇い止めというのはそうじゃなくって、労働契約の期間が定まっている場合に、期間が経過することをいうんです。期間が経過するということ、つまり使用者の側は何をする必要もないんですよ。雇い止めしますということを言う必要は本来ないわけ。期間が経過すればそれでいいんですよ。労働契約の期間が決まってるんだから、その期間が経過すれば、自動的に当然これは終了するでしょ。これを称して雇い止めというわけでなんです。期間経過でしかない。
ゆうメイトの場合は最長1年で、2ヶ月が多いですかね。2ヶ月3ヶ月半年、たまに8ヶ月もありますけど、最近1年もありますけど、ま、半年ぐらいが一番長いのかな。例えば半年のゆうメイトを念頭に置きますと、半年間のゆうメイトをですね、ちょっとまあややこしい問題はあるんですけど後におきまして、6ヶ月で短期雇用したとすれば、6ヶ月を経過すれば、これは雇い止めです。で、さらに6ヶ月を働いてもらうためにはですね、再雇用せねばいかん。もう一辺雇い直しせないかんわけね。それをしなければ終わっちゃう。
でも6ヶ月の期間の中途で、例えば3ヶ月働いてもらったけど、辞めてもらうという場合は、これは雇い止めとはいわない。これは解雇なんです。これは解雇。いいですか。だから期間の定めのある労働を期間途中で一方的にクビにする場合は解雇なんです、やはり。ただしその場合は、期間の定めのある労働契約ですから、やむを得ざる事由が要るんです。さっき言った解雇権濫用の法理よりももっときついです。
期間の定めのない場合は、これは解雇権濫用の法理がありますから、その限度で雇用が保護されるわけですから、解雇しようと思うとそういう一定の事由がなければ解雇できないとなるわけですけど、しかし原則的に解雇は自由で、酷い場合にはそれを制限するだけなんですね。でも短期労働者を中途解約する場合にはやむを得ざる事由が要る、と。民法にそう書いてあるんだから、よほどのことがなかったらクビにできない。
しかし6ヶ月経過すれば何の理由もなしに雇い止めできるんだ、と。半年という期間で契約しとるんだから、期間が終わればそれで終わっちゃう、と。
(4)雇い止めは自由か?
しかしですね、実際には、民間の方で発達した理論で短期契約の更新拒絶の法理というのがありまして、判例が挙げてあります。東芝柳町工場事件とか、日立メディコ事件とかあるんですけどね。
例えば東芝柳町工場事件は昭和49年で古いんですが、ま、リーディングケースといいますか、この判例の線で、今運用されてるわけです。これは東芝ですから電気製品を造っておる会社で、ここでは正規従業員、本工従業員のほかに、臨時従業員、臨時工、本工と臨時工がおりまして、臨時工にも期間臨時工とその他の臨時工という分け方をしておりまして、人数的にも本工よりも多かった。2ヶ月をなんべんも繰り返していって、しかも繰り返すたびに書類も取り交わさん、とこういう実態があった。やってる仕事はですね、期間臨時工というのは正規社員、本工と同じ仕事をやっておる。
で、なぜ本工にせずに臨時工にするかというと、それは景気の調節の安全弁なんですね。人員を調整するためにそうしている。不景気になれば臨時工からクビ切っていく、と。そのために臨時工にしているだけ。やってる仕事は全く同じ。実際雇い止めにしたケースはない。何度も何度も更新してると、こういうケース。
この場合にですね、最高裁が言ったことは、実態としてこの場合は期間の定めのない労働契約と実態的に変わらんじゃないか、と。最高裁は非常に慎重ですから、今のような実態がある場合に、期間の定めのある雇用が、つまり短期雇用が、期間の定めのない終身雇用に転化するとはいわなかった。期間の定めのある雇用、短期雇用はいつまでたっても短期雇用なんですよ。なんだけども、事実的に見て、期間の定めのない終身雇用とかわらんわけですから、その場合には雇い止めはもう解雇に等しい、と。解雇じゃないんだけども解雇に等しい。だから解雇権濫用の法理を適用はできないけども、類推適用するという、非常にややこしいけどもね。
終身雇用じゃないから、期間の定めのない雇用じゃないから解雇権濫用の理論は適用できない。でも実質的には雇い止めは解雇に等しいから、解雇権濫用の理論を類推適用をしようという、借りてきて適用しよう、というね。
で、救済したわけですね。あるいは副次的にこんなことも言ってます。期間臨時工の雇い止めの実態とか、作業内容とか、採用時およびその後における会社の言動、君はずっとこれから働いてくれとかね、そういうものに鑑みるときは、短に期間が終わったというだけでは会社において雇い止めを行わない。また労働者が更新されることを期待し信頼してそのような相互関係のもとに、労働関係が存続してきたと、そのような労働者の期待・信頼を保護せないかん、と。そういうことを言ってるわけです。
だから客観面と主観面。客観面からすると、実態として終身雇用と変わりがない労働実態があるということ。主観的に、労働者がですね、これからもずっと更新されていくだろうというふうに期待し信頼することに合理的な理由があるということ。この2つがあればさっき言った解雇権濫用の法理を、雇い止めに類推適用しましょうと、こういうふうに言ったわけです。
ま、これで一定の歯止めはできた。でもこの判例ができてから逆に会社の方は非常に慎重になりまして、このような実態を作らない。必ず書面を取り交わす、更新のつど書面を取り交わす。もっと酷いのは、再雇用する場合に数日間あける、とかね。そういう経営側の巧妙なやり方が一般化してきたために、なかなか実際には勝てないですね。中小零細の会社なんかは別として、大企業の場合はですね、なかなか雇い止めで解雇の理論を類推適用させるのは難しいですね。こういう実態がある。
V.郵政非常勤職員の場合
(1)期限付任用にかかる非常勤職員についての判例理論
さてそこで、郵政の非常勤職員の場合、レジメのVにはいりますが、まず先例として大阪大学事件、阪学労の事件、ご存知ですか。矢崎さんという人で、阪学労で大阪大学の図書館のカウンター業務をしていた非常勤の公務員です。阪大ですから国家公務員。ですからみなさん方と同じ立場ですね。
この人3年間、期間1年、期間と言いますか、任用予定期間ですね。1年間の期限つき任用で、任用予定期間が1年。任期は1日、日々雇用ですね。これは言葉は違うけど、ゆうメイトと同じなんです。ゆうメイトの場合は任用予定期間と言わずに予定雇用と言うんですわ。任期は1日、これは変わらない。ま、こういうケースですなんですけどね。
で、これで我々、僕はやってないんですけど、僕ら弁護団の優秀な先生方が担当してこれをやったんですが、最高裁まで行って負けちゃって、結局この最高裁の判例理論が今や先例になってしまった、という事なんですけども。
3点ほど論点がありました。まず期限付き任用というのがそもそも国家公務員許されるのか、ということです。国家公務員の場合は期間の定めのない雇用が原則なんです。で、期限つき任用を全く許してないかというとそうじゃなくって、条文が国家公務員法にありまして、ひとつは条件付任用というのがあります。国家公務員法第59条に。条件付任用というのは何かと言いますと、これは新規に職員を採用する場合、あるいは採用した職員を昇進させる場合、必ず条件付にしなさい。6ヶ月間の期間をもうけて、その条件付で任用あるいは昇進させなさいというふうに書いてあるのが59条ですね。要は試用期間みたいなものですね。6ヶ月の期間様子を見て、だめなら採用しない、あるいは昇進させない、という。
これが国公法の認めた、ひとつの期限つき任用の例。もうひとつは60条に、臨時的任用というのがあります。臨時的な任用。これは緊急の場合、臨時の官職に関する場合などですね。あと任用候補者名簿がない場合というのがあるんですけども。緊急の場合、臨時の官職に関する場合、任用候補者名簿がない場合、この三つの場合は6ヶ月を超えない範囲で臨時的な任用ができると、こう書いてあるんです。
この二つしかないんです。逆に言うと、それ以外の場合には、やはり期限を付けたらいかんとなるわけですね。期間の定めのない任用というのが原則形態。今の二つの場合は例外。
しかしながら法律をずっと見てますと、附則というのがありまして、ここが曲者なんですが、法律が109条なんですけども、それが終わったあと附則というのがあって、付録の法律でして。13条、一般職に属する職員に関し、その職務と責任の特殊性にもとづいてこの法律の特例を要する場合においては、別に人事院規則をもってこれを規定することができる、と書いてある。職務と責任の特殊性にもとづいてこの法律の特例、つまり例外を作る場合は、人事院規則をもってこれを規定できる、と書いてあるんです。
で、人事院規則がちゃんと規定を作っておりまして、人事院規則8-14、非常勤職員の採用は、競争試験または選考のいずれにもよらないで行うことができる、と書いてありまして。ま、他にも人事院規則あるんですけども。
要するに法律の原則からすると期限つき任用はだめだけども、しかしながら付録の法律で例外を認めてまして、その例外はすべて人事院規則による、と。で、人事院規則によると大幅に非常勤職員の採用が認められると、こういう法律構造になってるんですね。
ただし、全くどんな場合でもそのような期間付き、期限つきの任用が可能かというと、そうではないんですね。ちゃんと法律にもとづいて裁判判例がありまして、紹介しますと、最初の判断は地方公務員についてです。国家公務員についてはさっき言った矢崎さんのケースが始めてなんですが、地方公務員については最高裁の判例が昭和38年、古いですが、あるんです。これは期限つき任用をする場合には、特段の事由が要る、と。で、しかも国公法の精神に反しない場合には許される、と。
特段の事由が存ずる場合とはどういう場合かというと、まず第一点目は、その非常勤職員にさせるべき業務が恒常的業務である場合は、その仕事が補助的、代替的なものでなくてはいかん、と。それから救急かつ臨時の必要がある場合に限る、と。だからまず業務の必要性からすると、最後に言ったように救急性、臨時性が要るということと、それから業務の種類から言うと補助的、代替的なものでなかったらいかんという、この二つを特段事由という事にして、これがあれば期限付き任用は許されると、地方公務員の場合はですよ、言ったわけです。
じゃあ問題は、この、一時的臨時的な繁忙業務ではなくってですね、恒常的継続的に定員が不足しておると。一時的臨時的に業務が繁忙になるからその期間だけ、というんじゃなくって、その場合には問題ないんですが、じゃなくって定員がそもそも足らんと。恒常的に年がら年中人員不足が生じておると。こういう場合には特段の事由になるんか、と言うことが問題になる。
それがこの阪大の事件なんですね。で、最高裁はそれを認めちゃったんです。それはこういう判断です。この阪大の図書館の事務量というのは常勤職員だけで処理することができる範囲を超えていた、常態的に。ところが、ただちに常勤職員の定員を増加をするということが困難、しかもこの矢崎さんがしていた仕事というのがあくまで図書の貸し出しとか返却の受付とか、いわゆるカウンター業務にしか過ぎない。補助的な、代替的な事務でしかない。だからそのような場合には特段の事情に該当するんだ、ということを言っちゃったんですね。
だから初めはかなり限定して、一時的臨時の業務繁忙のみ期間を有した任用を許される、と言っておきながら、それが一年間を通じて定員がそもそも足らん、したがって人を増やさないかん、定員内で、とこういう場合にも拡げてきた、ということなんですね。
まさに郵政の場合にもそれが言える。これを最高裁が平成6年にこういうことを言ったもんだから、後で言う京都地裁の奥田判決でも同じことを言うて来てるわけです。
それから不任用に対する解雇制限法理の類推適用ですね。不任用というのは更新拒絶ということ、民間で言うとね。更新拒絶に対する解雇権制限の理論の類推てきようといったことが公務員の場合にもあるかというと、これは最高裁完全に否定しました。
これは、民間の場合にはなぜそんなことが許されるかというと、民間というのは契約、労働契約ですから。労働契約というのはその解釈というのは、何も初めそんな紙を取り交わしてるからそれで決まり、というわけではないんです。日々変わっていってるわけですよ。何回も更新してるとなおさらなんです。だから労働者と使用者がどういう契約を結んでるかということは、裁判所がその契約書だけじゃなくって、労働実態であるとか、さっき言った主観的客観的なもろもろの諸般の事情から合理的に解釈するわけです。契約の解釈をするわけです。意思解釈をする。で、その結果、実態としてこれは期間の定めのない契約と変わらんから、解雇権制限法理を類推適用すると、こうなるんですけども、公務員の場合は、そういう労働契約はそもそもない、ということです。
つまり行政処分、任用というのは契約ではなく、処分だ、と。労働契約ではなく行政処分だと。とすればですね、今のような当事者の合理的な意思解釈をもとにするような理論は適用できない、このように言っておるんです。
あとさらに、期限付き任用と期間の定めのない任用は別個の任用行為だから、一方が他に転化することはありえない、と。こういうことを言っておるわけで、もう取り付く島もないと言いますか、この点についてはいくら弁護士の方が口をすっぱくして主張しても、ぜんぜん聞く耳もたんという感じですね。民間における類推適用の法理は、任用という行政処分については類推適用する余地はない、と。
そこで、じゃあまったく救済されないかというとそうじゃなくて、救済される余地はある、ということは言っておるんです、これがV(1)のB、任用予定期間終了後の雇い止めに対する損害賠償請求の可否、これを認めてるんですよ。だから任用を拒否されてそれが不当だと思う場合に、自分はその後も任用を更新されてその後も公務員の地位があるんだ、と主張しても通らんわけなんですね。その代わり、それに代わる損害賠償は請求できますよ、ということを言ってるんです。
これは最高裁判例から引用しますと、任命権者が、つまり郵便局の場合には局長さんであってその委任を受けた課長さんかもしれませんが、日々雇用職員に対して、任用予定期間終了後も任用を続けることを確約する、あるいは保証するなど、期間終了後も任用が継続されると期待することが無理からぬものとみられる行為をしたというような特別な事情がある場合には、職員はそのような誤った期待を抱いたことによる損害賠償について、国家賠償法による損害賠償を求めることを認める余地がある、と言っておるんです。
ま、この矢崎さんのケースはこれも結局だめだったんですけどね。今言った例外的な事情があればですね、自分は当然これ更新されていくはずだと、で、それは主観的なものだけじゃなくって、上司の人なんかもそういうふうに言っていた、というような特別な事情があれば、雇い止めは無効だとは言えないけども、それによって被った損害の賠償を請求できる、ということですね。
これが阪大事件で最高裁が打ち出した三つの原則です。
(2)城陽郵便局事件
そこで城陽郵便局事件に入っていきますが、まあ大体その線に沿っておるということです。奥田美紀さんという女性で、これは短時間労働者、3時間とか一番多くて7時間ですが、その雇用を7年半ぐらい続けたんですが、ところが7時間をある日4時間に時間を短縮されたんです。そうしますともう半分ぐらいに給料減っちゃうから、だからなんとか7時間に戻してもらいたいと要求したけども、局の方はそれを受け入れてくれないんで、京都ユニオン、労働組合に加入して団体交渉をユニオンの方が何度かしてきた、と。その矢先に予定雇用期間がきたので、雇い止めになった、と。こういうケースです。
で、ここで弁護士がいろんな主張をしてるんですけど、一番最初に非常に面白い主張を請求してるんですよ。それは何かといいますと、原告である奥田さんと被告である国、被告は国ですが、奥田三と国との間で、奥田さんが国に対して労働契約上の従業員たる地位を有することを確認する、と。いうことを求めておるんですよ。これが面白いんですよ。
で、二つ目が、もしそれが認められないんであれば、奥田さんと国との間で、奥田さんが国の非常勤職員たる地位にあることを確認することを求めておる、と。
一番最初に求めたのが労働契約上の従業員たる地位がまだある、と。期間経過後もまだあるということの確認を求める。もう一つは、それがだめだとすれば、今度は非常勤職員たる地位にあることの確認を求めると、こういうふうに言った。
これは非常に面白いんですよね。何が面白いかというと、一番目が認められるわけがないんですよ。でもあえてこれを出すことによって裁判所どんな反応を示すかということを見たんだと思います。すると案の定はっきり言いましたよ、地裁の裁判官は。どう言ったかというと、個人が国との間で私法上の労働契約をしたとしても、それは無効と言わざるを得ず、個人が国との間で私法上の労働契約上の従業員の地位に立つことは現行法上、後記の例外を除きありえない。こう言ったんです、はっきりと。
でこれを評して、これは昔の特殊権力関係の理論だとか、いろいろ批判する声もありますが、そうではないんで、まあこれはこれである意味ではやむを得ない判断だと思うんですね。というのは法律にはそうなってるんですよ。
実は昔はあったんですよ、明治時代は。明治時代は公務員というのは3種類いたわけです。明治憲法のもとではね。まず管理。それ以外の雇員、事務員。で、雇人。雇員と雇人は違うんですよ。員がつく方がえらいんですよ。人が格が下になるわけです。人の方が単純労務的職務に従事するものと。官吏と雇員と雇人があって、そして雇員と雇人については労働契約結べたんですよ、昔は。ところが戦後明治憲法が廃止されて、公務員たるものに差別をするんじゃなくて、公務員は全体として同じ根拠で指示を与えるべきだということから、つまり画一的に公法上の勤務関係にするために、一定の例外を除いて私法上の労働契約を結べないというふうに国公法で決めちゃったんです。例外というのは、国公法の2条の7項にあるんですが、政府またはその機関と外国人との間に個人的規模においてなされる勤務の契約には適用しない、となっておる。これです。外国人だけは国が労働契約結べるんです。それ以外は全員契約ではなくって任用行為になるわけです。行政処分になっちゃうわけです。こういうことです。
だからこれ自体は考え方には問題あるかもしれんけど、現行法上やむを得ないということは言える。
だから本務者にしてもゆうメイトにしても、同じ公務員だという点で違いはないということなんですよ。言い換えると。だから本務者の任用行為も、非常勤の任用行為も、同じ行政処分で同じなんですよ。
そしてその次に、この判例は、ユニオンに加入して団体交渉始めて、その矢先に雇い止めされてるから、これ典型的な不当労働行為なんですよね。で、その点を当然弁護士たちが主張したわけですけど、ところがこれも軽く一蹴されてしまってるんですね。雇い止めというのは何もしないことを言うんだと。再任用する場合は新たな行為がいるわけだけど、雇い止めというのは何もしないことを言うわけで、期間が経過をすれば当然それで終わっちゃうわけですから、従ってそのような場合には、この地位の喪失に、局長の積極的な行為、つまり作為は観念できない。また職員は当該再任用を求める権利も有しない。従って再任用をしなかったという不作為が、不当労働行為になるわけがない、と。何もしないんだから。こういう非常に形式論理的な理屈で一蹴しとるんですよ。
またさっきの解雇権濫用の法理の類推適用に関しても、国との間で個人が勤務する関係はすべて公法上の勤務関係であって、この関係においては、当事者間の合理的な意志にもとづいて法律関係が形成される関係にはないから、その主張は失当である、そういうふうにふうに言っておって。
で、最終的に損害賠償についてもですね、これは最高裁判例そのまま引用した上の判断なんですけど、確かに国家賠償法にもとづく賠償を求める余地はあり得ると言うべきである、と。さらに、リップサービスかもしれませんけど、原告に対して任期や予定雇用期間の具体的な説明をしなかったこと、逆に相当長期に渡って勤務して欲しいと言ったこと、しかもその後の任用手続きというのが非常に杜撰なものだったこと、そして奥田さんに対して公務員としての地位について明確な説明をしたとは言いがたい事、従って奥田さんに対して相当長期に渡って任用が継続されるものと期待をもたせたことも伺えるところである、と。だから奥田さんが長期に渡って任用がまだあるというふうに期待したのは無理からぬところがある、というふうに言っておるわけです。で局長やその部下職員らのそれらの処置は不当であることは確かである、と。
しかし奥田さんは少なくとも平成6年10月には辞令簿を見とる、と。辞令簿を見れば任期は一日であるということ、日々雇用の非常勤職員であって予定雇用期間というものがあるということはわかったはずだ、と。で、当初の任用から既に約6年半の間継続して任用されて勤務した後、予定雇用期間の満了により退職したものとしても、局長がさらにその後も任用が継続されると期待する事が無理からぬものとみられる行為をしたとか、そのような特別の事情があったとまでは言えないから、従ってダメだ、と。こういうふうに言っちゃって、結局この点もダメだったんですね。
(3)徳島西郵便局事件(現在継続中)
私のやってる事件を最後に取りあげるんですけど、これは非常にまれなケースなんですね。書いてありますように、初め2ヶ月で入ってるんですね。それを3回繰り返して8ヶ月になって、その後1年になったんですよ。で、1年を2回繰り返したんです。2回繰り返して2回目が今年の3月末で終わるはずだったんですけど、昨年の9月で終わっちゃったという、こういうケースなんですね。で、6月に私の方が訴えを提起して、今まだ2回しか経過してませんけどね。
こういうケースは今までにないと思うんですね。予定雇用期間の雇い止めというのはざらにあるんですが、ところが期間途中で雇い止めするなんてことは、僕は初めこれ相談受けて、一体なんやと思ったんですけどね。
で、これ公平審かけとるんですよ。でも公平審は門前払いしとるんです。つまり処分はないということですよ。日々雇用職員だから。日々雇用職員というのは予定雇用期間内、特段の意思表示がない限りは自動更新するという、これが予定雇用期間ということの意味らしいですね。任期は一日、日々雇用なんですからね。本来なら毎日毎日更新していかなあかんわけですよ。手続きしていかなあかん。それをせずに、半年なら半年の予定雇用期間内は自動的に一日の任期が更新していく。ただその間に特段の意思表示があれば、その場合にはその日をもって終わるという規定になってるんです。郵政省非常勤職員任用規定ではね。
で、この松本君、徳島の、彼は予定雇用期間という言葉も知ってるわけで、初め2ヶ月という。2ヶ月更新と書いた職安の求人申し込みを見て応募して採用されとるんで、自分は2ヶ月で入ったと思っとるわけです。で、それが更新されて、その後半年になった、1年になったという認識は持っておる。でもまさか中途で雇い止めされるとは全然思ってないわけですよ。つまり自分が日々雇用だということは知らんかったわけです。自分は短期労働者である、という認識はあったけどね。日々雇用とは知らんかったわけ。なんの書類ももらってないし。で、任命簿を見ても書いてないんです、予定雇用期間は書いてあるけど。日々雇用とは書いてない。
で、僕の方に相談来られて。僕の考えた法律構成は、本来あと半年働けるはずだから、その半年間の賃金を求めようやないか、と。でも100万もないんですよ。1年働いても200万もないという非常に劣悪な賃金なんですけどね。まあでもそれ求めようやないかということでやったんですね。
[以下徳島の裁判の話が続きますが、現在裁判中であることから具体的な内容の記述は見合わせました]
それから最後に、この解雇等の雇用以外の非常勤職員の労働条件、という意味の権利について、若干お話をしときます。
結論から言いますと、非常勤職員について、期間が、雇用期間が限定されておるという点を除いて、本務者、常勤職員との間に何の差もないですよ。これが結論です。
だから、まあもちろん賃金の額は違うかもしれませんね。常勤、本務者の場合に比べて、時間給そのものが単価も低いし、手当がないという意味では非常に劣悪な待遇であるかもしれませんけども。でもそれ自身を問題にしていくということはなかなか難しいです。実は僕それ、これからやろうとしてるんですけど。
日逓の職員はほとんど非常勤職員でして、時間給で雇われてるんですけ。で、常勤職員もおるんです、正社員もおるんですね。でもその正社員と臨時社員との間では、格段の差があるんです、賃金に。それはなぜかというと、賃金体系が違うからなんです。
非常勤、まあ臨時社員と言いますか、民間だから、臨時社員については時間給だけども、正社員については、これは基本給+手当で構成されてるんで、トータルすると差が出るのは当然のこと、倍から違うんですね。で、それをこちらの方は、正社員と同じ待遇にやはりすべきだという、これから主張をしてですね、裁判していくんですが。
これは正直言ってしんどいんですよね。女性差別、丸子警報機事件なんかで、女性差別で7割から8割を下回ったらいかんという判決出ましたけど、あれもちょっとそのまま維持されとるのか、まあ高裁では和解で終わりましたけどね。ちょっとあれは不安定ですね。
つまり日本の世界では給料の支払い形態が欧米とは違って、いわゆる同一価値労働同一賃金の原則がそのまますべてに適用できない世界なんです。特に終身雇用、正社員の場合は、給料は何時間働いたから何円払うという体系になってないんです。基本給というのは時間給じゃないでしょう。一月にいくらというふうに決めとるわけで、しかもそれは年功ですから、若い人はいくら働いたって少ないんですよ。年配の人はあまり働かなくても多いと。今までの賃金システムはそうでしょ。しかも手当とかあるでしょ。家族手当とか住宅手当とかいろいろ。あれは働いたから払ってもらうんじゃなくて、従業員の地位にあるから払ってもらえるというものですね。地位に付随した、地位に着目した給与であって、労働の対価としての給与ではないんです。だから日本の給与システムがそういう給料システム採ってる以上はですね、正社員と臨時社員の給料をストレートに比較する基準がないんです。だから難しいと思ってるんですけどね。
でもこれ、問題にしていかないかん、と思ってるんですよ。というのは非正規社員がどんどんどんどん増えてるわけでしょ。なんで増えるかというと非常に簡単な話で、人件費安いからですよ。もうそれ以外ないんですよ。昔は景気調節のためだったんです。景気変動するから、いつでも人員調整できるように非常勤、あるいは臨時社員を入れたんですけど、今はそうじゃなくって、本来の正社員と臨時社員をそっくり入れ替えようとしているわけ。幹部社員だけは正社員に残して、あとは全部入れ替えようとしてるわけです。なぜかというと、コストの削減なんです。人件費を下げるためなんですよ。
逆に言うと臨時社員、非常勤社員というのは、人件費が安いという点で、資本家、経営側にとってはメリットがあるわけです。このやりかたを、そうじゃないんだ、ということを言わないといけないんですよ。同じ仕事してるんだから同じだけの給料を払うのは当然やないか、と。欧米ではそれが当たり前やから、日本もそういうふうにしなさい、と。終身雇用崩すんならかまいません、崩したらいい。その代わり、同一価値労働同一賃金の原則を守ってくれ、と。これをこれから裁判で起こしていかないかんと、僕思うんですね。
ま、そういうことで、日逓の事件も難しいんですけど、でもこれ運動として僕はやらないかんと思うんで、引き受けました。運動なんです。この裁判だって、確かにゆうメイトの雇い止めの裁判は厳しい。勝った例がない。まあ僕のケースは別だから、勝つ可能性があるかもしれんですが、予定雇用期間内の雇い止めだから。でもこれだって非常にしんどいところなんです。だからといって諦めたらダメなんです。やらないかん。
昔僕は指紋拒否の裁判たくさんやりましたけど、在日韓国朝鮮人の指紋押捺拒否について、これが裁判になって、やった。これ勝ち目ないんですよ。僕らわかってました。でもやるんですね。その結果どうなったか。指紋制度撤廃になりましたよ。なくなっちゃった。
だから司法はよう解決せんだろう。でも立法が解決する。国会が。そうもっていかなあきません。
だから、非常勤がどんどん増えてくる、それは今言ったように定員を増やさないから。なぜ増やさないか。正職より非常勤の方が安いからです。この意識を変えないかん。非常勤だって正職と同じように払ってもらわんと。コストは変わらんぞ、ということを認識させる必要があるわけですよ、当局に。そのためにも裁判やっていかないかん。また運動もやっていかないかん、というふうに思います。
ということで一応私のお話、これぐらいにさしてもらいます。
【質疑応答】
◎質問
「裁判所は現行法上の範囲内でしか判断しない、司法は判断しないから立法へもっていかなければいけないとかいうお話があったんですが、では具体的にどういう方法で、国会の場とかにもっていけるんでしょうか」
◎森弁護士
「非常に今のご質問は難しい、というか僕ら法律実務家からは答えにくい問題でして。
例えば公平審、僕たくさんやったんですが、懲戒処分の公平審とか人事交流の公平審とかね。で、連戦連敗で、一つだけ勝ったケースがあったんですね。懲戒免職が懲戒戒告になったのが一つだけで、あとは10件ぐらいやって全部負けちゃってるんですね。で、ほとんど全逓だったんですけど、全逓が支部レベルでやるわけ、本部の方はやめとけというんですけど、支部はやると言ってやるわけですけど。
そこで僕は彼らに聞いたんですよね、やる前に。何のためにやるんや、と。すると勝ちたい、と言う。その当事者は、移動させられたあるいは処分された当事者は、どうしても我慢ならんと、許せん、と。なんとか処分撤回させたいとかあるいは現職に戻りたいとかいう気持ちで、それを支えるために組合としてやっていくんならやめとけ、と。見込みあらへん、はっきり言って。
でもね、僕らが今までやってきた組合員達はそうは言わなかった。結論はいいです、と。やられたからやり返す、と。それをせんことには止まらん、ということなんですよ。人一人をとばそうと思ったらこんだけしんどい目せないかんぞ、と。一人人を処分しようと思ったらこんだけ大変な目せないかんぞ、という事を当局、管理者に解らせないかん、と。
そのためにやるんです。しかも運動を通じて若い仲間を傍聴に引っ張って来て、それを機会に仲間を増やしていこうというのもあるし、団結そのものをそれで深めていく、という事もある。
だから運動なんですよ。それであればやる値打ちは、結論が分かっているとしても、十分ある。
ということで僕は10回前後にわたって公平審やってきたんですね。で、確かにその効果は僕はあると思う。やってない支部に比べたらやってる支部の方が仲間増えてますもん。みんな、組合員そのものが非常に自信を持って組合運動をやってますよ。強いですよ。
だから今の質問に対する答えににはなってないかも知らんけども、僕が言いたかったのはそういう事なんですね。司法をいくら期待したって、そりゃあ人事院の官僚どもに比べたら司法官僚の方がまだましかも知らんから、いい人も中にはおるやろうから、いい判決を書いてくれるかもしれん。でも、事この非常勤の雇い止めに対して、判例これをひっくり返して、そんだけの勇気のある判事がおるかといったら、ほとんどおらんだろうと思います。最高裁で出とるんだから。だから、にもかかわらず敢えてそれをやっていくというのであればそれは、あ、損害賠償は認めるかもしれんけど。これは最後の救済措置かも知らんけど、任用そのものを更新させていくというのは、それを強制させるというのは、法的にはまず裁判所の中ではまず期待できない。
でもいくつもいくつもやっていけば、国会が動くんじゃないか、というわけですよ。立法が出てくるわけですよ。こんな不当な日々雇用で予定雇用期間云々て、こんなね、これ民間の人知りませんよ、ほとんど。これなんや、と言いますよ。民間でも日々雇用で労働者を採用するケースなんてありませんよ。誰も来ませんもん、そんなの。やっぱり一月より二月、二月より三月、半年とか1年とか。だから来るわけですよ。
ま、言うたら民間でもようせん事を官がやっとるわけですよ。だからそれをもっともっと情宣をすることによって、これおかしいやないかと。民間の会社の社長だってそう言いますよ。あんなこと許されるならウチもやろか、てなりますよ、絶対に。
だからそれを許さん、揺るさんていうことは法律を変えてしまわんことには、いくら裁判やったって、裁判ていうのは法律の範囲でしか決着つかないんだから、法律の外で裁判起こせないんだから。
場合によってはその法律そのもの、人事院規則そのものが憲法に違反するという、そういう裁判をしてみたいな、というぐらいに思うんですけどね。
最終的にはやっぱり、解雇にいたって解雇権を規制する法律を、本来国会はつくらないかん。つくらんから司法のほうで解雇権濫用の理論なんてのをつくらないといけないんでしょ。そうやって今まで来とるわけで、逆に法律でもって解雇権を制限することが必要だと。同じように雇い止めについても法律でもってそれを規制することが必要だと。そのために運動の一つの方法として裁判闘争やっていくという、こういう意味で僕言ったんですけど」
◎質問
「裁判を起こす以外に何か具体的な方法がないのかな、と思ったんですが」
◎森弁護士
「他に採り得るべき方法ということですね。
一つは情宣、PRをしていかなあきませんね、こういう不当なことが郵政現場で行われているということを。ほとんど国民知りませんもん。それをマスコミ通じてどんどん取り上げてもらって宣伝をしてもらうということ。
あるいは労働組合も、労働組合自身にその問題を取り上げてもらって、すべてがそれ取り上げんですからね、郵近労に取り上げてもらって、それを大きな声にしていくとかね。
あるいは、今や連合、僕は連合大阪の弁護団の幹事もしてるんですけど、連合も役員そのものも、今問題意識持ってますよ。どんどんどんどん組織率減っとるでしょ。もう20%切るかも知らんと危機意識あるわけですね。
ところが連合っていうのは力ないんですよ。単産(産業別単一組合)が力持ってるわけ。連合なんてその上に乗っかっとる、まあ言うたらお飾りみたいなもので、予算もないわけ。下から上がってくる、微々たるもんですわ。力あるのは単産です。で単産て何かと言うと、企業内組合の連合体なんです。だからピラミッドだと言う、彼らはね。自分等は確かにピラミッドの上におるかもしれんけど、でも一番層が厚いのは下の企業内組合なんだ、と。これなんとかせなあかん、て言うてますわ、連合の幹部自身が。こんなんでは労働運動あかん、て言うて。連合あかん、ジリ貧や言うて。
ではどうすればいいかと。企業内組合、これを変えないかん。横断組合にせにゃいかんと言うとるわけですよ。だから郵近労だってある意味では大同団結だって、そういう展望があるだろうと思うんですけどね。まさに垣根を越えて、企業の壁を越えて、官民の差を越えて労働者は団結しとかなあかん。そうしないと今のこの一方的な経営側の攻勢に対抗することはできない。終身雇用をこれからなくしていって、しかし企業内組合だけ残すというのは資本の戦略やからね。
要するに企業内組合というのはありがたいわけですよ、企業にとってはね。これだけ残していきたいと思っとるわけですから、これを逆にこちらの方が再編成、労働運動の再編成する、というね。そういうふうに持っていく。その手段として個々の事件を取り上げて訴えていくと。連合傘下の組合員だって、もしあんた方が日々雇用になったらどないなんねんと。訴えるだけのものは十分持ってますよ。そういう工夫ですね。
ま、口はばったい言い方なんですよ。僕は一介の弁護士であって活動家でもなんでもないからね。こんなことを無責任に言ったら失礼だと思うんですけどね。ま、個人的な僕の意見として聞いといてください」
◎質問
「私は日逓の期間労働なんだけど、同じように仕事しても給料体系違うから当然給料の格差なんかはあるんだけど、福利厚生もかなり違うんですよ。福利厚生面についてはどうなんでしょうか」
◎森弁護士
「もちろんそれは交渉事項だから、交渉していって向上を勝ち取るのが一番いいんでしょうけど、交渉決裂して、じゃあ訴訟で救済されるかというとなると、その手当類が正社員たる地位に対してはそれを支給し、臨時社員にはそれを支給しないことに、一体どういう合理性があるのか、という問題ですね。
で、その合理性について説明ができないとなれば、これは差別でしょ。だからそういう角度から、例えば住宅手当とか家族手当というのはさっきも言ったように、これは従業員が働いたから払うもんじゃなくって、従業員が家族を持っているからあるいは家に住んでいるからそれに対して、地位に対して支払うという趣旨のものだから、しかも正社員だから定年までは働いてもらうということで、そういう従業員たる身分・地位に対して支給する手当だと言われたら、確かに短期雇用者の場合には一生働くわけじゃないからそこまで会社が面倒見ないかんことはないがな、と言われたら、それは確かにそうなんですね。
福利厚生面の場合は違うかもしれませんね。当然仕事をしていく上で必要な衣服であるとか道具であるとか、そういうものをお金でもって与えるんであれば、同じ仕事をしてるんだから当然要りますますもんね。正社員臨時社員関係なく要るんですから。だからそれは一方に支給して一方に支給しないというのは、合理的な理由付けできませんよね。
だからそこまで分析していかなしゃあないでしょうね。最後はやっぱりトータル、トータルでいくらもらっているかというのが最後なんですけど。なかなかそこまでもっていくのは大変です。と言うのは正社員の給料わからんから。またそれがわかったとしても、その何割ぐらいまででええのんか、というのがなかなか難しい。
おっしゃってるように、手当が一方にあって一方にないという事の合理的な説明をしろというね。説明できないんであればこちらにも支給しろ、と。支給しないんなら正社員に対する支給も止めろ、と。こういうことですよね」