頭痛と一口に言っても多くの異なった原因や病気があります。自分の頭痛がどのような
原因でどういう病気によるものなのかが解らないと、治療することができません。いいか
げんな治療をするとかえって悪くしてしまったり、手後れになってしまうこともあります。
頭痛にはこれからお話しするようにいろいろなものがありますが、その中には脳腫瘍が原因
であったり、くも膜下出血が原因であったりすることもあります。だからといって無闇矢鱈
に心配しすぎると、頭痛がさらに強くなってしまいます。頭痛がしたらはやめに神経内科の
医者に相談することが重要です。この時以下のことが整理されていると診断するのに大変役
に立ちます。
頭痛の始まりじまりかたは?
突然なのか徐々なのか
どのくらいの時間続くの?
15分位それとも1日中
1日の内でいつ頃起きやすいの?
朝起きた時、夜中、夕方
どのような頭痛なの?
”ずきずき” ”圧迫されるような”
”ネジでしめつけられるような”
”ずきんずきんと拍動するような”
”痛いのではなく重い”
”いままでに経験したことのないような激痛”
どの部分が最も痛いの?
頭の片側だけ、片側の眼、頭の横の部分、頭の後、
頭の前、頭全体
頭痛の前に何かかわったことがあるの?
目の前でチカチカするなど
頭痛以外に何か他の症状があるの?
はきけ、嘔吐、涙が出る、鼻がでる、鼻がつまる、
目が赤くなる、肩こりがある、首筋が張る
1.
頭痛の診断のしかた
医者は次のように頭痛の診断をしていきます。
(1) 自分の頭痛について整理しておいて欲しいことを前述しましたが、まず、それらのこと
を詳しく患者さんから聞きます。また、家族の人にも頭痛持ちがいたかどうかや、家族の
人が大きな病気をしたかどうかなども聞きます。また、あなたが今までに大きな病気した
ことがあるかどうか、アレルギーがないかどうか、たばこをすうかどうか、お酒を飲むか
どうか、いつも服用している薬があるかどうかなどを聞きます。
(2) 次に、神経内科的に詳しく診察します。内臓の病気から頭痛が起きていることもあるの
で、神経内科的だけでなく内科的にも診察します。
(3) そして、血液や尿の検査、レントゲン検査、脳CTスキャン、脳MRI、脳波の検査など必
要に応じて行います。
(4) そして、(1)(2)(3)を総合的に判断して最終的に診断を決めます。
2.
頭痛の原因や病気
頭痛には以下のようなものがあり、世界的に統一してこの分類が使われています。
機能性頭痛
(1) 片頭痛
(2) 緊張型頭痛
(3) 群発頭痛および慢性発作性片側頭痛
(4) その他の非器質性頭痛
症候性頭痛 (5) 頭部外傷による頭痛
(6) 血管障害に伴う頭痛
(7) 非血管性頭蓋内疾患に伴う頭痛
(8) 薬物あるいは離脱に伴う頭痛
(9) 頭部以外の感染症による頭痛
(10) 代謝性疾患に伴う頭痛
(11) 頭蓋骨、頚、眼、鼻、副鼻腔、歯、口あるいは
他の頭部・頭蓋組織に起因する頭痛あるいは顔面痛、
神経痛
(12) 頭部神経痛、神経幹痛、除神経後痛
その他 (13) 分類不能な頭痛
少し専門的で分かりにくい部分もあったと思いますが、この後、上に分類されている
主な頭痛について 説明します。
3. 片頭痛
頭の片側に、発作的に出現してくる頭痛で、家族の方にも同様な症状を持つ人が
いる(素因がある)ことがあります。最初の発作は5〜30才のどの年令の人でも
おこりうりますが、思春期に起ることが多く、男性より女性に多いようです。頭痛
が起る前に、閃輝性暗点と言われる前兆があるものとなにも前兆のないものとがあ
ります。閃輝性暗点とは、ものを見ている所に片側の眼に小さい見えない部分(視
野欠損部)が現われ、これが次第に大きくなり、片側の眼の見えない部分の物が見
えなくなります。その見えない部分では、辺縁がジグザグ状に輝いて見えます。
この閃輝性暗点が5〜20分程続いた後吐き気などが出現し、光りや音の敏感とな
り、突然頭痛が出現してきます。はじめの内は拍動性の頭痛ですがやがて持続的な
激しい頭痛になってきます。頭痛の直前には、言葉が話せなくなったり(失語)、
手のしびれ(感覚障害)や身体の片側が 麻痺(片麻痺)などが起ることもあります。
頭痛が起ると4時間から、長いものでは3日間も続くこともあります。この頭痛を
起こしやすくするもの(誘発因子)としては、ストレス、光りや騒音、ホルモン薬
の服用、生理や妊娠、食べ物(血管に作用する物質を多く含む食物、例えば、アル
コール、チョコレート、ナッツ等)などがあります。
頭痛は睡眠後には改善あるいは軽くなります。
4緊張型頭痛
午後から夕方にかけて頭全体あるいは後頭部に起ることが多く、重い感じではじまり、段々
に強くなり、拍動性の頭痛が長く続くようになります。この時、頚部痛、肩こり、首筋の張り
などを伴っていることが多い。頭痛が激しいと悪心、嘔吐を伴うこともある。通常、生活上の
ストレスが背景にあることが多い。成人のどの年令の人にもおこるが、女性に多い。時にはう
つ病のひとつの症状であることもあります。診察で首や肩のこりや張り、結節などが認められ
ます。このような部位を圧すと痛みがあります。不眠、いらいら、めまい感、意欲がわかない
などを訴えることが多いようです。
5群発頭痛および慢性発作性片側頭痛
群発頭痛は、突然に片側の眼球の奥や、その周辺に”ずきずき”と突き刺すような、あるい
は”ずきんずきん”とする拍動性の激しい痛みで始まります。頭痛は15〜3時間程続きます。
この時、流涙、鼻汁、鼻閉、結膜充血、眼瞼浮腫などがおこります。このような頭痛が1日に
1〜3回おき、得に、夜間頭痛で目が覚めることもあります。この頭痛は治療しないかぎり数
週間から数カ月毎日出現します。圧倒的に男性が多く、20才代ではじまる人が多いのですが、
10才代や50才代で初めて頭痛が出現してくる人もいます。
慢性発作性片側頭痛は非常にまれな病気で、群発頭痛にとても似ていますが、異なった治療
法が必要で、異なった病気と考えた方が良いでしょう。
群発頭痛と同じように、短い時間に何回も激しい頭痛が眼窩部のまわりにおこり、これが毎日
続きます。また、頭痛と同じ側に、鼻ずまり、鼻汁、まぶたが垂れる、涙がでる、眼が赤く充
血するなどの症状が伴うこともあります。しかし、以下に述べる点が群発頭痛とは異なってい
ます。
|通常女性にしかおこらないこと。
}頭痛発作時間が群発頭痛より、平均1ム2分と短いこと。
~頭痛発作回数が1日平家員14回とはるかに多いこと。
インドメタシンという薬が有効で他のの薬は無効であること。
片頭痛、群発頭痛、緊張型頭痛をまとめると以下の表のようになります。
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