※以下の文章は、『北へ〜Diamond Dust〜』と『「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」第1話「再起動」を見た方向けの内容です。
 …でないと、さっぱり?だと思います。と言うか、こんなん書くなよ…ですかね。




道轄機動隊 1th GYA.GU
sec.00a 「スタンバイ」(草案?)


 雪が少なく緩やかに暖かい今の季節。朝比奈 京子にとって好きな季節である。
 北海道の厳しい寒さが緩み、比較的遅い時間でも連れ立ってショッピングやデートを楽しめる。
 自分にとってはデートより映画撮影がし易い‥という事実の方が勝っているが、大多数の道民が笑顔で街を歩いている姿を見るのは、何故だか気分がいい‥

 「監督。こちらの配置、終わりました。」
 唐突に可愛らしい明理の声が、レシーバーから響き渡る。
 ボンヤリと指揮車の運転席から問題のビルを眺めていた京子だったが、そろそろ仕事の時間らしい。
 自分の指揮するこのチームではもっとも新人ではある明理だが、持ち前の明るさと粘り強い性格と言うか根性で、部隊内でもその存在が日増しに大きくなってきている。将来有望だろうとの意見は、自分も課長も同一であるが、本人には秘密である。
 「了解した。温子と明理は現在位置で待機。果鈴の状況は?」
 「今、ビルの地下管理ルームに着きました。ビルの統合コントロールをステルスしながら奪取するとしたら、10分くらいかかると思うなぁ」
 チーム最年少の情報戦担当である白石果鈴が、キーボードを叩く音を響かせながら報告してきた。
 北海道でも、5本の指に入るセキュリティを完備したこのオフィスビルのコントロールを、たかが10分程度で奪ってしまう腕には、本当に恐れ入る。
 数年前に手術したとは思えないくらいの元気の良さで、自分にもなついている。もし仮に妹と言う存在が自分にいたら、今ならきっと果鈴の顔を思い浮かべてしまうだろう‥
 「わかったわ。連中にバレないように気を付けて。時間は課長の連絡次第だけど、10分は確保出来ると思うわ」
 「まかせて!」
 「スオミ、そちらはどう?」
 「はい。占拠されたフロアの窓には、ビジュアル・カーテンが展開されてマス。まずカーテンの中和を優先しないと狙撃が出来まセン」
 果鈴の時と違い、耳を突く雑音があまりに多い。だが仕方がない。彼女は今、ヘリで空の人となっているのだから。
 「わかったわ。スオミは果鈴と連携してカーテンのコントロール取得を優先して。テロリストの連中が動かない限り、多分状況に変化がないと思うから」
 「このまま出番無し‥なんて事もあるわけでしょ…。あの連中、何が目的か知らないけど、早く終わらせてくれないかな」
 ちょっと怒り気味の声で、茜木温子がつぶやく。確かに実家の魚屋が忙しい時期だけに、無駄に副業であるこちらの仕事を長引かせたくないのだろう‥。結構付き合いの長い京子には、手にとるように温子の考えが分かる。
 「目的はともかく、無期限待機命令中の私達が召集されたんだから、道庁の高官達はかなり焦ってるんでしょうね‥」
 「監督、聞いていいですか?テロの人達の要求っていったい‥」
 温子と違い、まじめな明理のクエスチョンに課長と京子しかまだ知らされていないテロリストからの要求を説明した。
 「今回の事件だけど、今から約49分前。目の前のオフィスビル32階にテナントを持つある企業が襲撃され、数名の人質を盾に道庁に犯行声明と要求が電子メールにて連絡された‥。要求は‥」
 そこで京子は間を置く‥。言いづらいのではなく、要求があまりに馬鹿バカしかったからである。
 「<吉井屋の豚丼>を北海道の全店舗から即時廃止。及びゲームメーカー・ハドスンを道庁が秘密裏に援助する‥旨の要求だったらしい。襲撃された企業は吉井屋の北海道支店だ。人質は夜間勤務中の数名らしいが正確な人数は不明。襲撃したテロの人数も不明だが、参考になるか分からないけど、要求時に<北の要請11人>をテロリストどもが名乗っている‥」
 「・・・」
 京子の報告を耳にしたメンバーは、次の言葉に窮していた‥
 「‥<要請>と<妖精>をかけてるただの愉快犯って訳ないわよね。ハドスンのゲーム信者かしら?」
 ある意味、温子の意見は確かに的をえていると京子は思えた。
 「でも、新しい知事の椎名薫さんって『道内におけるチェーン店豚丼の段階的廃止』を公約に掲げてたよね。それならこんな暴挙に出なくても、その内目的は達成されるんじゃないかな〜?」
 果鈴もふっと、疑問に思ったことをつぶやく。
 「では、豚丼の撤廃要求はカモフラージュで、ハドスンの独立・再建が主目的‥なのでショウカ?」
 結局、答えが出るハズも無い。そして今、その答えを私達が出す必要も無い。
 「どちらにせよ、私達は命令が出ればテロどもの排除と人質救出を実行するだけ。今頃は課長が道庁高官との対決中だろう‥。あと30分間、事態が膠着した場合は時間切れで各自現場から撤収。本部に集合した後、本物の豚丼を食べに行くわよ。私のオゴリでね♪」
 笑い声。喜ぶ声。イカ丼食いたい!
 それぞれの声が、特殊無線を通じて聞こえてくる。
 召集がかからなければ、それぞれ道内の各都市で普通に生活している仲間達。
 本来なら、5人が出会う確立なんて、ほとんどありえなかったのだろう。
 しかし、偶然とはいえ北海道の治安低下に対して、道庁も私達のような対テロ専門の部隊を創設し、対応しようとしている。
 それが果たして効果があるのか…。今の所はわかりえない…
 ‥が、そのおかげで私達はこうして出会う事が出来た。
 催馬楽 笙子が組織を運用し、京子が実戦部隊を率いるこの部隊の公式名称は『北海道庁高度安全維持局第9課』といい、道民には一般公表されていない。
 しかし、道庁情報管理局から意図的にリークされた情報だけが、民間の情報屋や一部の犯罪者たちにだけに知られている。
 『道轄機動隊』‥
 確かにこの名称が都市伝説のように薄く浅く広がり、道内でのテロ抑止力としてキーワードとなり始めている頃であった。


sec.00b 「知事室の攻防」(?)
 気が向いたら書こう…(汗)



てきとーにでっちあげ。
●高安9課(北海道庁高度安全維持局第9課)
 通称:道轄機動隊(道庁法権管轄内特務機動隊)

・9課課長:催馬楽 笙子
・隊長:朝比奈 京子(チームリーダ? 通称:監督)
・隊員:茜木 温子(工作任務専門?)
・隊員:原田 明理(新人隊員?)
・隊員:白石 果鈴(情報戦専門?)
・隊員:北野 スオミ(狙撃専門?)
・・・おい
・北海道庁知事:椎名 薫(声が一緒だから…)
・・・おいおい