diary
   多次元直列日記 2013. 11 メニューに戻る
11月29日 (金)  パヴィリオン@東大

東大工学部のキャンパス内に作られたパヴィリオン、本日訪問しました。パラメトリックとファブリケーションを一体としたプロジェクトが、このところいろいろと試みられていますが、日本でもついにここまで来たのかという感慨を覚えました。必見です。

幸運にも、1年近くに渡って製作の中心にいた木内俊克さんに、製作手順、構造、施工、ディテールなど、詳しく説明していただき、よく理解することが出来ました。特に苦労した点を多数聞くことは、そこにこうしたプロジェクトの課題が集約されているわけで、刺激的です。理論的モデルもさることながら、実現したことに大きな意義があるのだと思います。あいにくトラブルが生じて、今日もメンテナンス中でしたが、不測の事態が生じるというのは、まさに実験だからだといえるでしょう。

12月7日まで展示されています。今週末の日曜日には、関連イベントもあるようです。

(イマム)


11月27日 (水)  

本日、あるお茶室を訪問した際、床の掛け軸には、シンプルに炭が描かれていました。うかがえば、竹内栖鳳とのこと。ははあ、お茶では初釜の季節だから、それで炭なのだな、などと幾分「わかりましたよ」感を漂わせ、そうですかと聞いてみると、

年末といえば忠臣蔵、吉良上野介が最後に隠れていたのが、炭蔵だったので。

とのこと。お茶の方々には、常識なのでしょうか。いやはや、深い世界です。

(イマム)


11月20日 (水)  日本インテリアデザイン史

新刊のお知らせです。『日本インテリアデザイン史』(オーム社)

日本を代表するインテリアデザイナーである内田繁さん監修のもと、私が大正期から1960年頃まで、鈴木紀慶さんが1960年代から1990年頃までを書きました。内田さんと吉岡徳仁さんの対談も収録されています。

 日本のインテリアデザインの通史というのはこれまでありませんから、概観するにはお勧めです。360ページで、写真も多数収録されています。書店に並ぶのはまだ数日後のようですが、是非お手に取ってみてください。

(イマム)


11月16日 (土)  ダライ・ラマ氏来校

ダライ.ラマ14世が、本日千葉工業大学に来校されました。高齢とは思えない闊達さで、時折大きな笑い声を交えながら、2時間ほどお話をされました。講演会のタイトルは、「宗教者の立場から見る科学の役割 人類は如何にして人間を幸せにする技術を生み出してきたか」というものでした。

学生からの質問では、未来ロボテックス学科の学生のものが多く、彼らは日ごろから技術と生命といったことを考えているからでしょう(残念ながら建築都市環境学科の学生の質問はなく、われわれの分野では、今回のようなテーマにまっすぐに向かうような思考実験を普段していない。)

 生命倫理とテクノロジーといった問題について、一般論ではなく、個々の事例に即して考えることが重要だと強調していました。抽象的に捉えるのではなく、その当事者に、人に向かい合うべきだと。

貴重な機会でした。

(イマム)


11月15日 (金)  ゼミ生面接

9月から千葉工大に着任しましたが、ゼミ生まだはおらず、来春4月からとなります。月曜日に3年生向けに私の研究室の説明会を開催し、昨日、今日とで希望者39人と面接をしました。設計の力や建築の知識も尋ねましたが、建築以外の関心や特技などを聞き、面接の目的とは別に、大学生40人の生態に触れたことは興味深いものでした。なるほど、私はこういう若者たちに向けて話をしていたのか。

(イマム)


11月2日 (土)  ゾミヤ―脱国家の世界史

弟より手がけていると聞いて早数年、彼の共訳書が出版されました。
『ゾミヤ―脱国家の世界史』(みすず書房)
是非、お買い上げください、、、とは気軽には言えない、値段とページ数。まだ手にとっていませんが、細かい字で2段組だとか。兄としては、読むべきなのでしょうが、shかし、そのような時間取るのはかなり難しそう。本の説明の冒頭を引用しておきます。

「アカ、カチン、フモン、ラフ…様々な人々が独自の社会を築くインドシナ半島の奥地、ゾミア。この深い山中の文化や生業は、国家を回避する戦略だった。世界の自由民たちが息づくグローバル・ヒストリー。国家による管理の無力さを一貫して追及してきた政治学者・人類学者による、壮大なスケールの“もうひとつの国家論”。」

http://www.msz.co.jp/book/detail/07783.html

(イマム)

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