diary
   多次元直列日記 2009. 8 メニューに戻る
8月6日 (木)  熱海二日目

今日も熱海。この街は、かつて温泉街として有名であったというだけではなく、いろいろと興味深い特性をもった街であることが徐々にわかる。熱海を対象とすることに決めたときにもいくぶん調べたが、よりこの街のことを知ると、はずれではなかったことに安どする。

こうした地方都市にしては、全国規模の商店が少ない。マクドナルドとかファミレスとかあるが、ほとんど目につかない。今でも、地元の個人経営のお店がたくさんある。喫茶店がいまだにとても多い。それはかなりレトロな趣だが、少し前にはダサかったかもしれないが、今では資源であろう。坂が多く(かなり急なものも)細い道がうねっている。全国平均より高齢化率が高いから、生活には不便だろうが、街を歩く分には次々とシーンが代わって面白い。

少し前には、疲弊した地方の街を再生するという試みが多かったが、今後の日本の状況を考えると、再生したり活性化することはあまり現実的ではないかもしれない。ただ、その場所ごとの確実な生活というもの持続することが求められているのではないだろうか。であるから、商店街をデコレーションしたり、イベントをすることで、人を呼び込むことは、必ずしも必要とされていない。それよりも、その地域にする人たちが、関わる活動を増やしていくことが重要なのだと思う。そうした点で、地元の個人商店がまだまだ残っている熱海には希望が感じられる。

話は飛ぶが、社会の中で格差が広がっており状況の中で、貧困層に経済的に補助をするという考えは少し古く、必要なのは彼らに社会参加できるようなトレーニング(教育なり職業訓練)を施すことだという議論があり、それをイギリスはここしばらく実践し成功した。地方都市とか商店街に行くと、どう見てもダサいアーケードなり街路灯などが整備されているが、そうしたものでその地域が活性化することはない。それよりも、そこで何らかの活動を起こし、それを自分たちで自主的に行える人材を育てることが大切なのだと思う。折しもこの夏は政権交代が予測されているが、社会が変わるにはいいチャンスではないかと期待をしている。

(イマム)


8月5日 (水)  熱海一日目

今日から二日間、ある企画のために熱海で合宿。総勢7名のメンバーの一行で、公民館の会議室を一日借り、企画の推敲と街中のリサーチ。夜は花火大会があり、街中は大変な混雑。

(イマム)


8月3日 (月)  アイ・ウエィ・ウエィ

六本木ヒルズの森美術館でアイ・ウエィ・ウエィ展を見る。同館の前田さんに案内をしていただいたので、企画意図や展示のエピソードなどをうかがう。そうした背景を知ると、より楽しめることは確かだ。ワンマンショウで、作品の点数が限られているのもとてもよい。この作家の、大ぶりでありかつ繊細であるという微妙なバランスを持った作品が、お互いを邪魔しない距離を置いて並べられている。ワンマンショウは、その作家の世界に入りやすいし、ある輪郭のある作品群を生みだしているアイ・ウエィ・ウエィを感じるには、理想的な状態かもしれない。ほとんど実作を見たことがなかったこの作家とはじめて出会うには、よい展覧会であった。

引き続き、同じ建物の中でのトキオロジーの研究会。今回は、都心的なるものについて、担当グループの発表を聞く。

(イマム)


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