diary
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3月17日 (火)  芝工懇親会 / エジプトから

夕方、四谷にて美学校(http://www.bigakko.jp/)アニュアルのオープニングへ。開催されていた、二人の作家作品はともに興味深かった。また、美学校の歴史資料の展示も行われていたが、それにしてもこの学校の開校時の講師の豪華さには毎度唖然とさせられる。埴谷雄高、澁澤龍彦、唐十郎、出口裕弘、赤瀬川源平、鈴木清順ほか。

その後、芝浦工業大学建築学科の謝恩会へ。他の大学の学科の集まり同様教職員の会かと思っていたところ、学生主体の会で戸惑う。案内をよく見ないといけない。というわけで教員は少なく、八束はじめさんや新井清一さんと少しお話をし、その後はずっと顔なじみの大学院生たちと懇談。みな修論等を終え、安堵の中にも晴れ晴れしい表情。これから社会でも揉まれるのでしょうが、頑張ってください。

本日は、八束はじめさんも丸山洋志さんも修士満面の笑み。教師にとっては、自分の学生の卒業の時というのはやはり感慨深いものがあるのでしょう。

(イマム)


大学の建築研修旅行で、学生および先生方と、ドバイ、エジプトを回る。
エジプトでは、ギザのピラミッドやルクソールのカルナック神殿、カイロのイスラム地区、アレキサンドリアなどを回り、これ以上にない濃密な研修旅行に。イスラム地区の、モスクの空間の素晴らしさに、訪れた者全員が、強い感銘を受ける。設計を通して、こうした空間の質を、わずかでも生み出すことができれば、と思う。
明日、いよいよカイロを出発して、再度、ドバイへ向かう予定。

(みなみ)


3月15日 (日)  世界小屋ジャンボリー

鈴木明さん主催の「世界小屋ジャンボリー2009」に、参加(http://event.telescoweb.com/node/8745)。新年会で鈴木さんにお会いしたときに誘われて、勢いで参加しました。簡単に言えば、ワカサギ釣りの小屋をつくるワークショップです。ワカサギ釣りの方々は、風と雪よけに一人用の小さな小屋に入って釣りをするのです<参考=写真1>。
イベントには建築系学生の方々など、約40名が参加。群馬県の赤城山の大沼というところの氷上という、結構、厳しい環境に適応する小屋ということで、皆なかなか面白い工夫をしていて、興味深いものでした。私も即日で小屋を作りました。<写真2>
鈴木さん、参加された皆様、青木旅館の皆様、どうもお世話になりました。
(山本)

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3月14日 (土)  阿部仁史さん出版記念

南洋堂にてファイドン社から出た阿部仁史さんの作品集の、出版記念トークイベント。阿部さんも駆けつける。まずは、著者であるナオミ・ポロックさんが、この本の成立の経緯などを含めてお話、その後、僕、松田達さん、五十嵐太郎さんの順でコメントをし、後半はフリートークとなった。僕はコメントは、基本的に10+1 webへ寄稿したものと同じですが、このトークの模様は後日建築ラジオで流されるとのこと。

ナオミ・ポロック著『Hitoshi Abe』書評
unfolding autonomous geometry (自律的な幾何学を開くこと)
http://tenplusone.inax.co.jp/archives/2009/02/28192230.html

ポロックさんとははじめてお会いしたのですが、ハーバードの大学院を出た後、原広司さんの研究室にいたそうです。ご主人もハーバード出身で、お二人ですでに日本には20年以上住まわれている。ポロックさんの日本の現代建築を紹介する著作は2冊目ですが、昨年末トーマス・ダニエルさんが、やはり日本の現代建築に関するアンソロジーを出版されたように、日本を対象とした書き手の新しい世代が生まれているのかもしれません。(これまでは、ボトンド・ボグナーさん一人といった感じでしたので。)

その後、松田さんと来年度の桑沢の授業の打合せ。世界の各年を取り上げる連続講義で、昨年からわずか一年の間に、感心の重心が東へと移っていることが感じられる。

夜、新丸ビルにて、阿部さんの本の出版記念パーティー。毎度阿部さんの多彩な人脈で、多くの建築関係者が集まっていた。

(イマム)


3月11日 (水)  美学校アニュアルレポート2009

以前、美学校(http://www.bigakko.jp/index.htm)というところで数年間教えていました。知る人ぞ知る、伝統と伝説のある、ちょっと癖のあるサロンのような学校です。そこから久しぶりに声がかかり、今月末の座談に参加することになりました。美学校アニュアルレポート2009というイベントの一環として、アーティストと美術評論家の方とご一緒します。アート関係の方との公開座談は久しぶりなので、とても楽しみです。

ACT5 対談
斎藤美奈子・三田村光土里・三田晴夫・今村創平の対談
斎藤美奈子・三田村光土里(作家)
・三田晴夫(美術ジャーナリスト)
・今村創平(建築家)の対談

日時:3月28日(土)
開場:17:30,開演:18:00〜20:00
入場料:1500円
定員:40名
会場:The Artcomplex Center of Tokyo (ACT4/ACT5)
   http://www.gallerycomplex.com/
   所在地:四谷三丁目(丸ノ内線)/ 信濃町(JR総武線)
主催:BIGAKKO ANNUAL REPORT 実行委員会
協力:The Artcomplex Center of Tokyo
連絡先:美学校

詳細、申込関しては、美学校アニュアルレポート2009のサイトをご覧ください。
http://www.bigakko.jp/news/ex2009.htm

会期中には、斎藤美奈子さんと三田村光土里さんの展覧会も開催されています。また美学校の歴史に関する展示もあるようです。

(イマム)


3月8日 (日)  confort / 建築系ラジオ更新

コンフォルト4月号に、〈神宮前の住宅〉が掲載されました。特集は、〈小住宅の冒険〉というもので、まさにこの住宅にふさわしいのですが、〈神宮前の住宅〉をそのまま紹介するという取り上げ方ではなく、小住宅と家具という視点で2ページほどで取り上げられています。太田拓実さんが新しく撮ってくださった写真もきれいです。

(イマム)


建築系ラジオが更新されました。下記。

http://radio.tatsumatsuda.com/

1、コラージュから見た建築または美術(その1)
2、コラージュから見た建築または美術(その2)
3、南泰裕のアーキソフィア 第8回「空気、その1」
4、宇野享(CAn)はどうやって建築家になったのか?

r4については、下記。

http://tenplusone.inax.co.jp/radio/

1、建築家インタヴュー 山本理顕
建築家2.0──建築・都市・社会 その2
2、全体討議 学生時代にやっておくべきこと1
製図室で何をすべきか?
3、NPO地域再創生プログラムインタヴュー
まちと建物と人を活かすということについて

(みなみ)

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3月7日 (土)  青春のロシア・アヴァンギャルド

埼玉県立近代美術館にて、〈青春のロシア・アヴァンギャルド〉展を観る。あまり規模は大きくないし、それほど有名な作品が来ているわけではないが、いい展覧会との印象を受ける。青春のとタイトルにつけられているように、明るい作品が多いことが印象的。どうもロシアというと陰鬱なイメージがあるが(最近の政治の状況もまた暗いが)、今回初めて観たアリスタルフ・レントゥーロフ(下)など、すがすがしいまでの色彩だ。また、造形実験が、今日のそれと繋がっていることを想像するのは楽しいし、ただパリなどの前衛のように洗練はされていなく、素朴な感じがロシアらしい。

(イマム)

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3月6日 (金)  〈トウキョウ建築コレクション〉の全国修士論文展公開討論会

本日は、〈トウキョウ建築コレクション〉の全国修士論文展の公開討論会。先日の査読会で選ばれた15名の発表を聴き議論をするという場であったが、午後1時から7時までの長丁場にもかかわらず、途中だれることなく無事終了。ここ1週間ほどは、届けられた論文を読むという日々が続いていたが、ようやくそれからも解放された。

読むのも書くのも好きな僕としては、こうした企画に呼ばれたことは嬉しかった。また、こうした試みを応援したいと思うから、盛り上げることに少しでも寄与できたのであれば嬉しい。修士論文というのは、多分に制度的なものであるから、論文の構成などが問われがちとなるが、論文を書くという作業を通じて、建築の分野の知的な側面に触れて、またそれに興味を持ってくれればいいと思う。

本日発表された15本以外にも、梗概から読んでみたいと思われるものがいくつもあったが、こちらももうそんなには読めません。来年も、無事この企画が続くことを祈っています。

(イマム)


3月5日 (木)  東京

夜、東京についてのある研究会@六本木。

以前10+1でオリンピックの計画の話を中心に東京について2年ほどグループで考えたことがあり、またここ数年も大学にて東京を舞台にした課題に関わり、また東京についてレクチャーなどをすることもしばしば。それでも、いまだ東京は捉えどころがないし、どこから考えていいのかわからない悩ましい対象である。

今世紀が進んで、経済的には日本は世界の中でトップクラスの国でなくなることはほぼ確実なので、グローバルシティーの規範となるような、先端的な存在であり続けることはまず期待できない。しかし、単なる中堅の都市になってしまうことなく、ユニークな存在であり続けることは、十分あり得ると思う。

ここでもよく書いているように、ここ1年余りでも、世界各地から来日する名だたる建築学校の見学ツアーに6,7回協力し、毎回彼らがかなりの満足感を持って帰国する様に接している。もちろん、それはまず東京には見るべき現代建築が数多く集積しているからであるが、と同時に東京という街の魅力を肌で感じているのだろう。それが、どういうことなのかは追って分析したいのだが、急成長している北京よりも、東京で過ごす時間の方が面白いのではないか。シンガポールに住んでいる弟によると、シンガポールは世界中から才能を集めることをかなり戦略的に行っているが、街そのものに魅力がなく(つまりシンガポールでの生活がつまらなく)、肝心のシンガポール人の若者が、一度留学で海外に出ると戻ってこないという問題があるのだという。

街の魅力というものは、そう簡単に作り出せるものではないし、また東京も20世紀の変貌を経て、かつての美点をかなり殺し、またそこでの人々の行為を無視した発展を遂げたという側面も確かにある。しかし、一方で、今の東京には今後の現代都市の好ましいあり方の萌芽があるような気がする。いや、そう思いたいだけかもしれないが、可能性は確実にあると思っている。このところの経済状況は、気分が塞ぐようなニュースばかりであるが、それによってこの都市が萎んで欲しくないし、また好ましく展開するためには、われわれに何ができるのか考えてみたい。

(イマム)


3月4日 (水)  大学

大学へ。
午後、研究室の大学院生および3年生たちと、某展覧会プロジェクトの打合せ。
その後、夜遅くまで研究室にて仕事。新年度の授業資料作成など。授業関係でコルビュジエの住宅を調べ直していて、「ガルシュの家」が相当大きな家であることを、再確認。コルビュジエの住宅は、基本的に大きい。

しかし、こうして大学とアトリエを往復しながら、日々、仕事をしていると、建築をやれることは本当に幸せなことなのだ、と改めて痛感する。
とても素朴で基本的なことだけれど、建築雑誌を見て、建築論の本を読み、建築の設計を行い、建築についての研究・教育にたずさわり、空間的なアイデアを具現化しようと試み続けることは、少なくとも自分にとっては、これに勝る喜びはない、と思う。
どんなに不況になったとしても、建築は、人間の営みの本質的な喜びの次元に繋がっていること自体は、まったく減じることはないのだな、と感じる。

来週から建築研修旅行で、しばらくエジプトとドバイに行く予定。ピラミッドを見てきます。

(みなみ)


3月3日 (火)  アトリエ

アトリエにて仕事。
いくつかの建築プロジェクトを進める。

(みなみ)


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