diary
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1月31日 (火)  図面完成

本日、無事実施設計の図面を完成し、積算事務所に送信。これで一安心して、今晩はのんびりと。寝る前に、シングルモルト・ウイスキーを飲んだりする。

1月は、図面にかかりっきりで他のことをすべて後回しにしていたので、明日からは頭を切り替えて図面以外の仕事に取り掛かる。まずは、何をすべきか整理しないと、どこから手をつけていいかわからない。いろいろお待たせしている方々の顔が、頭をよぎる。

(アトリエ)


1月18日 (水)  毎日図面描き

12月ころから、連日終日実施図面の作成。僕は1月以降は授業もなく、また人と会う用事も最小限にしているので、来る日も来る日も図面作製。こんな日々はいつ以来だろうか。ほかの用事に妨げられず、一つの建物の設計をこつこつとやり続け、毎日少しずつ前進するのは、なかなか楽しい。若かりし日ほど、長時間図面を描けないのは、まあしょうがないですが。

(イマム)


1月8日 (日)  インタビュー2012

日曜日なので、溜まった新聞に目を通す。このところ、朝日新聞の〈インタビュー2012〉というシリーズが充実していて、読み応えがある。
1月4日(水)は、イタリア知識人の重鎮、政治哲学者アントニオ・ネグリ。このところの世界の社会情勢を、彼の持論と絡めて説明。これからの有うるべき民主主義の形について、東浩紀さんの『一般意志2.0』と共通するところがあるのも、興味深い。
5日(木)は、アジア地域研究者の白石隆さん。白石さんの主著『海の帝国』は、ここ数年で最も面白く読んだ本のひとつ。その白石さんが言う、今のアジアの構造的不安定さには、説得力がある。
7日(土)は、ファッション・デザイナーの川久保玲。1番をめざすこと、クリエイティブであることを唱える彼女の口調は力強い。建築家も読むと刺激を受ける内容。
さて、この連載、いつまで続くのだろうか。

夜は、久しぶりに定番の麻婆豆腐を作る。

(イマム)


1月7日 (土)  島崎威郎君と会う

ロンドンから帰国中の島崎威郎君と会う。まずは、六本木の森美術館にてメタボリズム展。この展覧会は今日で9回目。しかし、毎回違う人と来ているから、話す内容も微妙に異なるし、また今だに新しい発見がある。会期中にもう一度行く予定だが、見過ごしてしまうものもありそうだ。

恵比寿に移動し、〈山長〉にて二人して鴨南蛮うどん。その後、駅にて、ケン・タダシ・オオシマさんと落ち合い、しばし3人で歓談。ケンさんが、スミッソン夫妻に関心を持たれていたので、ピーター・スミッソンのもとで、最晩年働いた経験がある島崎君を紹介した次第。

一昨日訃報が流れた菊竹清訓さんと、スミッソン夫妻との関係の話題も出た。僕が伺ったところでは、菊竹さんはロンドンに行った際には、いつもスミッソンさんの家に泊めていただいていたのだそうだ。ピーター・スミッソンは、1960年のデザイン会議の際に来日しているので、その時から交流が始まったことはまず間違いないだろう。

島崎君には、昨年から彼が教えているAAスクールの近況なども聞く。いろいろ意見はあるものの、島崎君が見るところでは、AAはとても自由でいい環境だそうだ。また、ベッドフォード・スクエアの建物をどんどん買い足しており、校舎は広がっているようだ。とはいうものの、そもそも最初が小さいから、他の大学等に比べれば今だに小規模ではありますが。

(イマム)


1月6日 (金)  構造軸組模型

構造家の横山太郎さんと、構造の打合せ。構造的検討箇所のほとんどが解決し、あと引き続き要検討は少々。今日は、横山さんが軸組み模型を用意してくれていた。その模型は2週間前のプランに基づいているので、その後こちらも構造的に合理性をもたらすよう日々変更を加えておりすでに最新の案とは相違があるが、それでも架構が立体になっているととてもよくわかる。

こうした軸組み模型を短期間で作るという授業を数年前まで、横山さんと大学で担当していた。自分のプロジェクトのものを見るのは、はじめてだが、とても有効な模型である。

今回は横山さんの事務所で打合せだったので、久しぶりに二子玉川駅で降りる。駅前は再開発が進んでいる。小奇麗な街並みが出来ていていいものだが、どこでも見かける類いのもので、二子玉川らしさは希薄になっている。

(イマム)


1月5日 (木)  菊竹清訓先生逝かれる

建築家の菊竹清訓さんが亡くなられた。
心からご冥福をお祈り申し上げます。
亡くなられたのは、年末の12月26日のとのことだが、それにしても2011年は何という年であろう。3月11日、東日本大震災の日、私はメタボリズムの展覧会の打合せのために菊竹先生をお訪ねしていた。鉄骨造の建物は大きく揺れたが、幸い菊竹先生をはじめ、居合わせたものは誰も怪我などしなかった。展示する予定にしていた模型が一つ、倒れて壊れていた。
写真は、4,5年前のもの。左のカジュアルな服装の私に対し、菊竹先生はいつも背広にネクタイを締められていた。晩年は、ネクターをせずにスカーフで打合せに臨まれることがあったが、「今日はこんな恰好ですみません」と謝られ、こちらが恐縮した。いつも笑みを絶やさないことで有名であった。写真奥に見えるのがスカイハウス、右手がエキスポタワーのパーツ。
メタボリズム展のカタログでは、菊竹先生について書かせていただいた。八束はじめさんから、「菊竹先生と対決しなさい」と言われたが、力不足で無難なものになってしまった。

(イマム)

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1月3日 (火)  チャーリー・コールハース写真展〈Metabolism Trip〉

恵比寿のギャラリー・ココにて、チャーリー・コールハースの写真展〈Metabolism Trip〉を観る。本日から15日まで。数年前に来日した際に訪れた、メタボリズムの作品の撮影の記録。会場では、作品のみの展示だが、同時に平凡社から出版された写真集には、各建物訪問記とも言うべきエッセイも収録されている。ちなみに、会場構成はOMAの重松象平さんによるひと工夫されたものだが、どのようなものかここで書いてしまうと、ネタばれとなってしまうので差し控える。

Gallery Koko http://www.gallery-koko.com/exhibition04.html

名前から想像がつくでしょうが、チャーリーは、レム・コールハウスの娘であり、昨年はAAスクールでも展示をした模様。http://www.aaschool.ac.uk/PUBLIC/WHATSON/exhibitions.php?item=201

ちなみに、ギャラリー・ココが入る建物には、マルティン・マンジェラのショールームもある。このスペース、本当に入っていいのかどうか一見わからないそっけなさで、しかし中に入ると、マンジェラ ワールドが展開されている。ギャラリーに足を運ばれる方は、合わせてお薦め。

(イマム)


1月1日 (日)  新年のご挨拶

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
旧年は本当にいろいろ大変な年でしたが、なんとかまた新しい年を迎えることができ、また一歩一歩、いろいろな課題に取り組んで行きたいという思いを新たにしております。
旧年中にお世話になりました皆様に御礼を申し上げるとともに、本年もまた宜しくお願いいたしたく存じます。
<写真1:大地の芸術祭2012プロジェクト案>
(山本)


2012年、本年もよろしくお願いいたします。
年初に、良い一年でありますようにと思うのは、毎年のことですが、今年はその願いが例年よりも強いのは、多くの方に共通するところでありますね。
年の最後に、良かったことの報告をし合えるような、そんな一年にしたいですね。

(イマム)

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