| 2005年3月9日(水) |
| 山のマジック ネムハジメ |
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猫。なんで猫?猫しか描かないんですか。と言われたりしますが、まじめに学習雑誌のマンガなんかも描いてます。
田舎暮らし。山。ログハウス?いいですねえ。と言われたりしますが、家は傾いています。家に十歩入ってふり向くと、玄関のドアがあなたに負けないぐらい首をかしげています。
無理やり肌を削られ、異物を建てられた山のブラックマジックです。
一年目の春。ふつふつ騒ぎ出す縄文人のDNA。山菜カラー図鑑を買う。これがね、役に立たない。初心者には。プロのカメラマンが捕らえた一瞬の美しさを片手に山を歩いても、同じようなモデルさんにはお目にかかれない。見極められない。ええい本を捨てよ!山に出て山菜の声に耳をすませよ!ほうれ聞こえてきた。食べてー食べてー。
あの緑の葉っぱは畑でよく見る何かに似ていないか。あの白い茎は八百屋で寝そべっているのをみたことがあるような。
さて、インスピレーションで集めた植物を前に、捨てた本を拾いあげてじっくり検索します。と、あった。白い茎。タケニグサ・ケシ科。<毒草>ん?酩酊状態、昏睡、若芽の時山菜と間違って食べる事があるので注意したい。あった、緑の葉っぱ。ドクゼリ・ん?ん?セリ科<毒草>嘔吐、筋けいれん、呼吸麻痺。んんん?なんだこれは!山の精気を吸って開花した新しい才能か?毒物感知能力。
とどめはドクウツギ。赤い花のような実のような、が、しゃらしゃらと可愛かったのでコップに挿していたら、後日そっくりな写真を図鑑で見つけてしまう。ドクウツギ科・ブドウの実のように熟した果実は甘味があるが毒性が強く中毒死が全国的に見られます。ちゅちゅちゅちゅちゅーどく死ーッ!山に嫌われている。むりやり肌を削られ、異物を建てられた山のブラックマジックです。
そして八年。田舎暮らし八年。あそこにタラノメ。あそこにはゼンマイ。ヤブレガサはあのあたり。モミジガサの群生地を見つけたぞ。と、山の魔力も幾分弱まった。家はますます傾いてますけど。
猫。なんで猫?ペット不可のマンションのドアを開けさせた猫。モチーフを探す目線の中でいつの間にかポーズをとっている猫。田舎で住む夢も気もなかったわれわれをここまで引きずってきたのも猫。猫。猫たちの魔力。あ、これもマジックだ。
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| 2005年3月10日(木) |
| 『黍ねの・猫耳人形展』と『あほちゃう』 ネムハジメ |
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3月8日から『黍ねの・猫耳人形展』を開催しています。
1Fギャラリースペースで。
…と、言うと怒られます。
大阪語で「あほちゃう」と言われます。
玄関のドアを入った。あの傾いた玄関ドアを開けて入った。八畳あるか。ないか。われわれドドシロウトが手作りでリフォームした。ごてごての珪藻土壁。がたがたのハンドメイドテーブル。きしむ床。これを『1Fギャラリースペース』と呼ぶのはおこがましい。お恥ずかしい。大げさに言わないでください。
と、言うような意味を大阪語で「あほちゃう」と言います。
前半の「あほ」を喉の奥からしぼり出すように。後半の「ちゃう」をいっきに頭のつむじへ抜けるように。はい。「あほちゃう」
…と、怒られたので正直に書きます。
せせこましくてちょっと家庭的な香りのお茶の間ギャラリー。
ただ、その狭いスペースに猫耳の人形たちがずらり並んだ光景はディープです。
当ホームページの黍ねののギャラリーをご覧になった方は人形の大きさが分からないかと思いますが、小さいものは25センチ。大きいものは80センチ強あります。
70センチのおじいちゃんネコに60センチのおばあちゃんネコがよりそって、ドアを開けたあなたを見つめます。決してホーンテッドハウスではありません。
期間:3月26日(土)まで。どうぞぜひぜひおこしください。
黍ねの人形の魅力を語るつもりがインフォメーションになってしまいました。
そのうち語ります。また。
(写真は、ギャラリーNENEMUの看板ネコ。
お客さま好きの栗丸君)
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| 2005年3月11日(金) |
| まる ネムハジメ |
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3月8日づけの写真の黒い丸い物体はクマクスくんです。
小学校の音楽室で「ネぇコはこたつでまぁるくなるうう」と歌い、実際に丸い姿も幾度と無く見てきたが、あまりにもみごとに丸い。
午後のお日さまの下。枯れ草の上。コンパスが一回りしたような、あまりのみごとな丸さに感激して写真に収めてしまいました。
カメラのおかげでますます筆不精になる絵師。だが、絵で描けばウソだと思われるにちがいない。
そんな、あっぱれな丸。
(クマクス♂。かの博物学の巨人クマグスの濁点なし。なんでこんな名前?たぶん、そのころブームだったから。自在にゲロを吐く事ができたと言われるクマグス。でもネコはみんなそうです。よね。)
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| 2005年3月15日(火) |
| ねる ネムハジメ |
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―春の陽だまりで、ある大猫のつぶやき。
おまえ
だれかに聞かなかったか?
『猫は寝るのが仕事だ』と。
おれは聞いた
そして思ったね。
『寝る』が猫の仕事なら
猫は『寝る』のプロなんだ!
だからこうやって
だからいろいろといろいろとこうやって
寝相を変えて
『寝る』を研究しているんだ。
わかったか。
だからな
だから
じゃまをするなッ
(ルリくん♂。いいショットですが、わが家の猫史上最大最強の猫はフレームに収まりきれませんでした。もう一度撮りたいが不可能。今は雲のベッドの上で『寝る』にはげんでいます。)
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| 2005年3月20日(日) |
| 猫は3日で恩を返す ネムハジメ |
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正午。リンゴと散歩。あ、リンゴはうちの犬君です。あ、ついつい君づけで呼んでしまうが女性です。散歩。お膳にお茶碗を逆さに置いてください。それ、うちの山。斜面の真ん中あたりに家。ずいーっと下ってお膳を小さく一回り。もどってちょっと右にずれた別の山道から右回りに頂上向かってずんずんずん。ぐるううりいと回ったところで。
驚!
立ち枯れたアカマツの大木が、道を驚驚(どど)んと通せんぼう。宙をつかむ根っこ。断末魔の掌。驚!驚!驚!
倒れた木はでっかい生き物の死骸のよう。
もしもこいつが頭上を狙って倒れてきたらぺっしゃんこのセンベイだな。犬も一緒だから、えび満月(センベイにぺしゃんこのエビがはりついてる奴)か?
手をかけ足かけよいしょと乗り越えながらふと考える。猫から見れば人間がこのアカマツでしょ。体格差は。おおおっ!猫はすごい!なにが?
人間の足もとを平気で歩く。足にからむ。
私なら、自分の10倍もある猫がいたら、それがとてもとても友好的でも。ゴハンをくれても。近寄れない。こいつが寝返りでも打ったらつぶされる。と思うとたぶん恐くて横では眠れない。猫はすごい!そんな相手と体をくっつけて眠ってくれる。シアワセそうにすうすう寝息をたてて。
頂上を回ってたらたらと下るとわが家。のびのびと寝転がる猫猫。あくび。すごい。
『猫は3日で恩を忘れる』と、申しますが。と、落語家口調で申しますが、でかいこわい人間のそばに3日も居てくれて、腕に抱かれ、添い寝までしてくれたら、恩を返さないといけないのは人間の方。なのかもしれない。
と、思ったりしたが、仕事中に机の上に座りこむのは…こむなーって!じゃま!こら!
(写真は、今から机の上に飛び乗ってやろうと言う顔のビオラ♀)
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| 2005年3月27日(日) |
| はちわれ ネムハジメ |
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白黒の猫でした。頭の真ん中からこーお、…え?「はちわれ」て言うんですか?怪傑ゾロか何かの覆面みたいな。はは。猫で。
もう、一週間ちょいと前になりますか。夜、寝る前に四角いネコベッドを覗くと、全身が心臓になったみたいに呼吸がとてもはげしかったんですが。はい。もう体も弱って、カリカリで、でも、ゴハンは催促に来るくらいきちんと食べていたので、心配するでもなく、そのまま二階の蒲団に入ったんですがね。とろとろ眠りかかっていると、コムギがね。いつものように『く』の字に曲げた腕の三角にすっぽりはまって眠っていた三毛猫のコムギが、急に。 何かに呼ばれたみたいに、急に。あれ?腕から抜け出して行ってしまった。そう思いながらも、とろとろまた眠ったんですね。
冷たいイ。もう硬くなってるうウ。そんな二人の声が。声ではなくて、液体みたいに、体中にしみこんで来る湿度でぼんやりと眼が覚めて。ああ、さっきの、あの時かあ。と、ぼんやり思って。一階のそこは吹抜けで、すぐ真上にこの寝室の開けっ放しの窓があるから、ああ、あそこからあいさつしたのかなあ。と、またぼんやり思って。時計をこう見上げて。二時過ぎ。ぼんやり。今、起きて下へ下りると、不協和音で震えているあの空気をよけいに乱しそうに思えて。大切な約束を寝過ごしたようなi居心地の悪さで寝返りを打って…打って…打つと朝になっていました。
下りると、もうバスタオルにくるまれて籠に入ってね。お線香が香って。鉢の黄色い花が半眼の小さな顔を照らして。
にわか作りの「臨時休業」の紙を貼って、朝一でペット供養のお寺へ。はい。土に埋める方もいらっしゃいますけど、あったかそうでね。火葬の方がね。煙と一緒に昇って行くみたいで…炉に火が入るごうんって音は胸にしみますがね。
あ。『リンネ』て名前で。りんね。輪廻転生(りんねてんしょう)の輪廻。昔、うちの『たむ』がね。これは人間ですよ。両手のひら位の子猫をひろって来て。当時、ペット禁止のマンションでもう四匹すでにいたので怒ったんですがね。とても可愛がって。これが白黒はちわれの子で、ただ顔に黒いススみたいな汚れが点々とあってね。これがいくら洗っても取れない。取れない。と思ったら模様でね、笑ったんですが。で、『ススの助』ってつけて。ダジャレでそんな名前つけたからですかねえ、一年を待たずに亡くなってしまいましてねえ。そのあと一戸建ての借家に引っ越して。そこでの事、たむを車に残してビデオ店へ、借りて、戻ると、ひざに猫がちんと乗ってて。白黒はちわれの。点々は無いんですが生まれかわりのような気がしてね。で、リンネ。て。それから十三年ですから、ふたりぶん生きてくれました。老衰のようで。ホントによく生きてくれました。
あの、で、あなたは、今日は?お線香を上げに。あああ、御親戚の方ですか。どうもどうもそれは。そう言えばお顔がそっくりで。はちわれ。点々がありますけど…
(若々しい頃のリンネ♀。人嫌いで猫嫌い。静けさを愛したのか、よく放浪の旅に出て、よく探して回ったものでした。)
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| 2005年4月6日(水) |
| Bones Theater ネムハジメ |
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「ようこそ
ここはわしの映画館だよ
いつもはわしひとりのための
今日は、きみひとりのための。」
おどろいたことにね、そのすりきれたグレイの毛皮に、ヒゲだけがやけに銀々としたおじさん猫の足は、四つの車輪がささえる回転イスなのです。
歩き疲れていたぼくは、たった一つきりのイスに、それはつまりおじさんのひざの上に、
「それじゃあ…」と失礼して腰かけた。
しゃらららら!と暗幕が引かれると、壁も床も闇に一口で喰いつくされて、光がひとすじ、
食べ残された骨のように白く長く横たわりました。(幕が少し足りないんだね…)
そしてスクリーンにコトコトと浮かび上がったのも、やっぱり『骨』でした。
「この森最後のノコギリオオカミを撮影しようとしてて喰いちぎられたわしの足の骨だよ。ウフウフウフフ元気に動いているだろう?」
おじさんの足の骨は人形動画(ストップモーションアニメ)になって、山の小さな廃屋の闇に浮かんだ四角い草原の中をコトコトコトといつまでも歩き続けていました。 (了)
PS.
うちの山の上に、例のアカマツの木がまだ長々と寝そべったままのあの道のすぐ上に、小さな廃屋があって、この間通りがかると、『あれ?たしか閉まっていたよなぁー』と思う2階の窓の白いカーテンが半分ほど開いている。いや、もとから開いてた?いいや、たしか閉まっていた…誰かが入り込んでいるんじゃないのか?うう不気味。
警察に電話しておいたら調べてくれたらしく、パトロール帰りにお立ち寄りくださいまして。
報告。
「ドアには鍵がかかって、雨戸はネジ釘でがっちりと固定されています。」
思い違いだったのか?不可解怪怪。
猫の映画館になって…いたりするはずはないと思うが…
(2年前にお亡くなりになって、その後わが家の守護猫神になられたキナコさま♀。生前はよくこの廃屋のベランダでくつろいでいるのを見かけた。日当たりは良いに違いない。)
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| 2005年4月29日(金) |
| 山菜狩人 ネムハジメ |
風が走るたびに草原がちらちら点滅するのは
生まれて間もないヨモギの葉っぱが自慢の白い裏地をひるがえすから。
てんてんてんと燈るのは、ミツ吸う虫たちを演出する黄色いタンポポのスポットライト。
…てな事をほざいてられるのは田舎へ来て2〜3年のうちだけだ。緑も黄色も今では食材にしか見えない。春の柔いヨモギは天ぷらに。タンポポは試した事はないが根っこはコーヒー似のドリンクになるらしい。
春、今、山菜の季節。刃渡り5センチのちっちゃなナイフを片手に山菜狩人。猟に出る。
(それがどうした。と、いう顔のチェロ♂。)
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| 2005年月4月30日(土) |
| シュートしたよ ネムハジメ |
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『シュートしたよ』
ほら
いま
風の足が、草原に駆け降りて
走る走る走る走る
草の海を突っ切って走ってく。
金色のしぶきを上げて
草の波が
光のパスを送ってく。
パスは
草の葉から木の葉へ
林から森へ
森から山へ
それからそれから
山の天辺までいっきに駆け上がると
青い空に向かって
シュートしたよ。
(空を見上げているのはプラム♀。2年前から『長期旅行中』…と、うちの猫名簿には書いてある。青も緑も赤も黄色も、まだ乾いていない絵具のようなしっとりとした発色。気持ちのいい風。こんな日はひょっこり帰って来てくれそうな気がする。)
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| 2005年5月23日(月) |
| ポンッ |
レーズンヨーグルト知ってますか?干しブドウをヨーグルトでコーティングした、小指の先大のグレイ色した甘酸っぱいお菓子。一時期はまって、いつも家に一袋はあった。レーズンヨーグルト。それが一粒、廊下の隅に落ちている。お、なつかしい。買って来たのか。と、拾いあげる。そしたらこのレーズンヨーグルトにね、足が。足がはえているんですのよ!黒い細い糸みたいな足が6本。げええーっ!
いや、驚かんでもいいです。これはねヤマダニと言ってね、猫たちの体にくっついて血を吸います。中でも欲ボケした奴がちうちうちうちう血を吸って、ぷくぷくぷくぷく膨れあがってね、体重を支えきれなくなってぽろりんと落ちて、レーズンヨーグルトそっくりのグレイ色の肥満体の下で足だけをムニョムニョやって生命を主張しています。
これをガムテープではさんで硬い床の上に置いて、親指でむんっと押すとポンッと風船球みたいにはじけます。ホラー映画の殺人鬼になったような快感。両手で蚊をパンッとつぶすよりもちょっとリアルに残虐。しばし合掌。蚊を殺す時はなんで罪悪感が薄いのだろう?あ、たたく両手がすでに合掌しているからか?とか、よけいなことを考えながら。合掌。
(ダニの季節には必ず頭が噛まれアトで
ボコボコに なるバオ♂。) |
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| 2005年6月2日(木) |
| 赤信号と虹 ネムハジメ |
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右手の草むらで赤信号が光った。チカッ。私は止まった。散歩中のリンゴも止まった。
膝のあたりまで伸びた草のカーテンを開いてトトトと出てきたのは、キジだ。雄だ。
目の前、ほんの数メートル。
頭のてっぺんの赤信号を緑の背景に焼きつけながらトトトと横断して行った。
上等の蒔絵(まきえ)みたいな体で虹をつくりながらトトトと横断して行った。
私は、キジが細いあぜ道を横断して、畑を横断して、向こうの草むらの中に消えるまで一旦停止してじっと見ていた。
リンゴはキジが視界から消えた後も草の奥をじっと見ていた。
赤いシグナルに忘れかけていた猟犬の血を呼び起こされたリンゴは、リードを引っ張られても微動だにせず、いつまでもじっと見ていた。
(じっと見ていた…リンゴ)
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| 2005年7月22日(金) |
| 変な話 ネムハジメ |
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9月に個展します。ので、作品の制作に追われて日記がついつい滞ってます。
まあいいか。ネタにこだわらず日記らしく、あった事を書けば良い。
今日は、割引で買って植えたバラの株がつるバラだと判明。急きょホームセンターで4本足のポールを購入。組み立て。バラに装着。午後、制作の合間に畑のジャガイモ収穫。陰干し…だれが読むか、こんな盛り上がりの無いオッサンの一日!
しかし、滞ったままでもいけないので、安易ですが夏の事でもあり、ちょっと変な話を思いつくままにいくつか綴ってみたいと思います。
霊感度ゼロに等しい私の、少ない体験の中から。
第一話。
石つぶて
昔々。うんと子供の頃。家の裏の電線をなぜだか見上げていると、黒い物がハタタと飛んできて電線にポンと停まると上をトットッットと歩きました。シルクハットの紳士。50センチくらいの。挿絵で見た吸血鬼みたいな。黒い…紳士…?と、思ったらカラスでした。
こらこらーっ。いやなぜ、こんなあほなマクラ話を持ってきたかと言うと、つまり、そのくらい現実と空想のあやふやな子供だったわけで、この話も自身、少しあやふやではあるのですが、うんと子供の頃の断片的な記憶の一つ。
田舎町の山手のはずれにあったうちの家には、表に庭があって、と言っても小さな庭で、その時私は、開け放った縁側に立って庭を見ていたんですね。すると庭のどうもとても低い位置からヒュイッと何か、小さな石みたいなものが、右目のすみを通り越して後ろへ飛んでった。ふり向くと真新しい障子の白紙にちょうどそのくらいの穴がポツンと開いている。
飛んできた物の正体を確かめれば良かったのでしょうが、それを飛ばした『何か』の方が気になったのでしょうね。飛んできたとおぼしきあたりを一生懸命目で探っていた。
何の気配も無い小さな庭。その向こうは道路ですが山手なもので家は2メートルくらいの石垣で高くなっている。道路から飛んできたとは思えない。人気の無い静かな静かな田舎の午後。縁側でキョロキョロしていると、まだ健在であった祖母がいつの間にか後ろに立っていました。たどたどしい私の話を聞いた祖母は、障子の穴を見て、ゆっくりと庭を見渡して、言いました。
「誰か分からんけど、ゆるしてあげようね。」
さとすように言ったのでした。
(生まれたときからずっとちびっ子のバス♀)
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| 2005年8月16日(火) |
| ミカンのお化け ネムハジメ |
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変な話第二話『ミカンのお化け』…いやいやそんなのんきな話ではございません。
8月2日。『平成の招き猫100人展2005』に送る作品を梱包し終わった直後。発覚。私はイエローマン。頭からつま先まで目玉までもがまっ黄色。ミカンのお化け。
即、病院へ行く。「黄疸です。」の、お言葉と共に病室に放り込まれる。
レントゲンにCTスキャン…。原因は、「胆嚢の中にもともと出来ていた結石(つまり胆石だ)が、油物を食べ過ぎて(思い当たる事アリ)胆嚢が収縮した結果、胆嚢から飛び出して胆管の下の方まで下りてそこで管を詰めてしまった。」そうです。
そして二週間。体中に染み通った胆汁を抜くために、体の右肋骨の下から一番と二番目の間から2ミリの管を胆嚢まで通して、体外からつないだチューブの先にはビニール袋。
寝たきり生活をするも、未だに目玉は黄色くにごったままと言うがんこさ。
とりあえず袋をくっ付けたまま自宅療養となりました。
あと3週間はこの状態で居なくてはならない。
猫ちゃんがチューブにじゃれ付いたらどうしよう…ビニール袋に爪が… リアルな恐怖だ。
(小猫のコムギ♀を拾った頃『みかん絵日記』と言うみかん色の猫の出てくる漫画が流行っていて動物病院の看護婦さんがコムギの三毛の一色がきれいいなオレンジ色なのを見てみかんちゃんと呼んでいたのを思い出した。)
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| 2005年10月25日(火) |
| 生還 ネムハジメ |
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10月22日午前、退院。黄疸がぬけるまでの自宅待機も入れると約2ヵ月半の闘病生活でした。長い長い長かった。胆石で?2ヵ月半も?いいえいいえ。
胆石だと思われていたCTスキャンの影は、お腹を開けてビックリの癌!癌!癌!
胆管癌と言うなんだか発見の難しい癌で、だが幸いな事に「にゅうとう型」(入頭?)と言う外部に広がらないタイプの癌で、しかも早期発見で、「手術で取り除けばまずは大丈夫」と言うシロモノだったので、まな板の上の鯉状態で先生にお任せしたのでした。
癌入りの胆管の他、胆のうと十二指腸と膵臓の半分を切り取られて生還。現在家で療養中。
ガリガリな上に、腹筋に力が入らないため腰が「く」の字に曲がって、まるでお爺ちゃんの体のようです。
パソコン担当の私がそんなわけで只今ホームページの更新が滞っています。
少し間をおいてリニューアルしようかとも思っています。どうぞよろしく。
(入院中に増えた家族。キナコの生まれかわりのようなきじ猫、日菜穂-ひなほ-♀ちゃん。)
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