郷土の新刊案内(平成15年)

 【図書の紹介にあたって】
 図書を紹介するにあたっては、著者、題名、発行年、出版社を記入するほか、佐倉が出てくる部分を一部引用しています。これは、題名だけでは図書の内容がわからないため、利用者が図書を選ぶにあたっての目安としていただきたいと考えたからです。
 引用にあたっては、掲載した文章の誤字、脱字もあろうかと思うので、利用者は原著を読み、原著から引用をしていただきたいと考えています。
 また、引用部分は文庫で判断したため、著者の納得いただける引用部分ではないかも知れませんが、なにとぞ趣旨をご理解いただき、ご容赦くださるようお願いいたします。

【2005年11月6日 更新】


【2月】
金文吉著『津田仙と朝鮮』(世界思想社 2300円)
津田仙は佐倉に生まれ、幕臣津田家の養子になった人です。
副題は「朝鮮キリスト教受容と新農業政策」とありました。
仙がキリスト教を通じて、朝鮮の近代化と日朝友好の文化交流に 尽力していたと知りませんでした。 

川島令三『全国鉄道事情大研究 東京東部・千葉編A』(草思社 1500円)
東京東部・千葉編Aは、京成線、ユーカリが丘線について記されています。
鉄道ファン、必見の本です。

海原徹著『江戸の旅人 吉田松陰』(2003年2月 4,800円 ミネルヴァ書房)
松陰の下田でのエピソードの中に、軍太郎が出てきます(2ヵ所)。

【3月】
平山壽三郎『明治おんな橋』(講談社文庫 667円)
平山氏は佐倉高校を卒業しています。そのことが著者略歴にありました。
佐倉にゆかりのある作家ですから、応援をしています。

松岡圭祐『千里眼のマジシャン』(1,600円 2003年3月 小学館)
「東関東自動車道を千葉北インターで降りたころには雲の切れ間から青空も 覗いていたが、ユーカリが丘に向かう国道を走行中にしだいに霧が濃くなり、 佐倉市の住宅地から外れた緑豊かな平地に行きついたころには、辺り一面 真っ白になっていた。この”佐倉ふるさと広場”と名づけられた一帯には四月か ら五月にかけてチューリップで埋め尽くされる広大な畑があると聞くが」(90頁)
と佐倉の話が続きます。
松岡氏の、この千里眼シリーズは195万部を突破したと、帯に紹介されて います。すごいですね。これで佐倉のことを知ってくれる人が急増するでしょう。

『佐倉連隊聞き書き集1 歩兵第五十七連隊の記憶』(300円  佐倉市発行)
佐倉に営所があった歩兵第五十七連隊に入隊した、6人のかたの体験談を収録しています。

川名登 編『街道の日本史19 房総と江戸湾』(吉川弘文館  2500円)
佐倉・成田道という項目があり。
城主や城下町佐倉について、わかりやすく記されています。

安原顯『乱読すれど乱心せず』(春風社)
島尾敏雄のことが書かれていました。
島尾は一時、佐倉に住んだことがあり、後に佐倉に住んだ話を 含めた『死の棘』という小説を書きます。重苦しい小説で、 私は読むのに何度も挫折してしまいました。
速読を誇る安原氏も「1週間もかかった」とあります。理由は、 「とにかく凄まじい狂気の日々が精緻詳細に延々と続くのである」
とあります。

内藤陽介『外国切手に描かれた日本』(2003年3月 光文社)
アラブ士侯国のひとつ、ラサールカイマの切手に長嶋茂雄さんが 描かれたものが紹介されています。
この切手は流通するというより、外貨獲得のために著名人を切手に するそうです。

『ドクター・ケビンの里山ニッポン発見記』(ケビン・ショート/家の光協会・2003年)
印旛沼が3回、出てきます。
「ぼくはかれこれ十四年以上も、北総のカントリー・サイドをくまなく歩いてきた。高台の畑にナシ園、 クリ林、手賀沼や印旛沼を囲む谷津田。」(4頁)
「里山を歩くとき、ぼくは好んで水の流れをたどってみる。印旛沼や手賀沼から川上の溜め池まで 歩いたり、…」(105頁)
ここで初めてオニヤンマを捕まえたケビンさんの感動が描かれています。
「たまには手賀沼や印旛沼へと足をのばすこともあるが、…」(163頁)
この本では、文化人類学者としてのケビン・ショート氏の姿が後半にあらわれ、ナチュラリストとは 別の側面がうかがわれました。

【4月】
土居良三『評伝 堀田正睦』(国書刊行会 2500円)
佐倉藩主であった堀田正睦について書かれた本で、たいへんに読みやすく、しかも内容が充実しています。

野村純一・松谷みよ子監修 『いまに語りつぐ日本民話集 伝説・現代民話E〔英雄・貴人〕 さまよい歩く英雄たち』(作品社 2003年4月発行)
この本の中に「景政の鞭桜」という民話があります。
この民話は、「たんたん山」という本から収録されて話で、佐倉にゆかりのある話です。

『いまに語りつぐ日本民話集 伝説・現代民話F〔落人・塚〕』 (作品社 2003年4月発行)
この本には、「隠れ里」という、佐倉にゆかりの話が収録されています。

山本詔一『ヨコスカ開国物語』(神奈川新聞社 1300円)
この中に、「三浦半島で最初に農兵についての記事が見られるのは、 慶応2年(1866)年2月のことである。千葉の佐倉藩の三浦郡内取締役 であった泥亀新田名主の永島段右衛門から、沼間村をはじめ8カ村の名主 にあてた手紙である」とありました。この時期、佐倉藩では三浦半島の海岸 防備についていたんですね。

『アナザー・ヒーロー』(1,500円 小学館)
フジテレビが放映している「Another HERO」を基にして構成された本です。
この中に、高橋選手を陰で支えたシューズ造りの人の話があります。

織田淳太郎『ニッポン野球珍事件記録大全』(1,500円 東京書籍)
いや、とにかくおもしろいエピソードや記録があったものです。
優勝をしていないのに「優勝の歌」を出してしまったり、 1試合に2度出場した選手や、1試合で勝利とセーブを あげた投手がいたそうです。
でも、やはり別格は長嶋さんでした。
某ラジオ局に出演したときに、「長嶋シゲルです」 と、何度も言っていたそうです。
また、長嶋の「嶋」の字は、現役時代は報道各社の協定で 「長島茂雄」で統一されていたそうです。しかし、 平成4年オフの巨人軍監督再就任をきっかけに、「島」と「嶋」 になってしまった。(理由は長嶋さんの希望)
そこで、報道各社は再び協定を結び、「長嶋茂雄」となった、 とあります。

折茂鉄矢『勝負強さの探求』(1,300円 PHP研究所)
勝負強さの事例として、長嶋選手や高橋選手の話があります。

【5月】
赤坂英一『ジャイアンツ愛 原辰徳の光と闇』(講談社)
長嶋監督から監督継承の話を受けたときの経過が記されています。

工藤健策『名将たちはなぜ失敗したか』(1,600円 草思社)
長嶋監督の采配について記しています。

斉藤悌市『吾が人生に悔いはなし』(平成15年5月 自費出版)
旧制佐倉中学の話。佐倉の歩兵第57連隊に入隊した話などがあります。

【6月】
阿川佐和子『ガハハハのハ この人に会いたい3』 文春文庫 (590円 文藝春秋)
阿川さんが、小出監督、高橋選手とお会いして話したことが
まとめられています。インタビューは、佐倉の合宿所で行われた
ようです。とすると、阿川さん、佐倉に来たんですね。

【7月】
芦田富雄『彼らの転機』(平成15年7月 1,400円 日本経済社)
高橋尚子選手が故障してリハビリを受けていたころの話があります。

内田儀久『電子図書館 満開佐倉文庫』(中央公論事業出版 1800円)
本書は、ホームページ「佐倉と印旛沼」を本にすると、 どのようなものになるのかということで作ったものです。
ホームページを作っている人の参考になれば幸いです。
お近くの書店で注文できます。

兼坂祐『コメ革命』(文芸社 1000円)出版
兼坂氏の提唱・実践してきた農業革命についての本です。
石井博氏が監修して、一般の人でも理解できるような内容になっています。

谷沢永一『知らない日本語 教養が試される341語』(平成15年7月 1,400円 幻冬舎)
長嶋さんをヒマワリといった野村監督の言葉が引用されています。
「野村氏の場合は、自称だったが、男性が花のニックネーム
をつけられたら相当なものといえる」とありました。

田中真澄『50歳からの定年予備校』(平成15年7月 講談社+アルファー文庫)
「ベルリンマラソンで、高橋尚子選手が」と、ありました。

【8月】
影山貴彦『華 メディア・エンターテイメントの世界』(平成15年8月 1,200円 世界思想社)
長嶋さんの話があります。
注書きがあり、国立国会図書館の蔵書検索で「長嶋茂雄」を 検索すると、113件出るそうです(平成15年6月現在)。
しかし、単行本と文庫本が混ざっているため、実際の件数は 少ないだろうとありました。
やはり、長嶋さんの出版を調べている人がいるもんですね。

土門周平『陸軍大将 今村均』(平成15年8月 2,100円 PHP研究所)
昭和7年、今村均大佐は、佐倉町に駐屯していた歩兵第57 連隊の連隊長となった。そのころの話があります。

乙川優三郎『武家用心集』(平成15年8月 1,500円 集英社)
「(*庄三郎)は、19歳で江戸に遊学し、そのあと下総の佐倉で佐藤 泰然に学んだ彼は24歳の青年医師になっていたが、」と、ありました。

【9月】
伊集院憲弘『機上のVIPたち チーフパーサー追憶のフライト』(平成15年9月 1,400円 廣済堂出版)
長嶋さんの機上での話があります。

尾崎義文『水辺の風景 春夏 印旛沼〜鹿島川』(平成15年9月 1,800円 学習研究社協力)
尾崎さんの写真集には、印旛沼の桜や、水面に映る風車
などの写真が掲載されています。
本書は、京成臼井駅北口にある東友ブックスだけで 販売されています。お早めに。

養老孟司『バカの壁』(平成15年9月 680円 新潮社)
長嶋さんを例にした話がありました。

絵守すみよし『人形師「原 舟月」三代の記』(青蛙房・刊)
仲町の山車人形「関羽」は、三代目原舟月の作だそうです。 この本で写真入りで紹介されています。(170〜173ページ)

牧秀彦『剣豪 その流派と名刀』(2003年9月 光文社)
「この立身流で有名なのは逸見宗助だろう。立身流師範で17代宗家 の逸見忠蔵信敬の長男として、天保14年(1843)に生まれた宗助は、 鏡新明智流の猛者として名高い人物である。18代宗家こそ継承できな かったものの、父から立身流の目録を伝授されるだけの技量を有していた」 (156頁)とあります。

【10月】
宮脇俊三編『鉄道廃線跡を歩く ]』(平成15年10月 2,000円 JTB)
今、鉄道の廃線を歩くことが流行りだそうです。
本書には、今は廃線となった佐倉ー物井間の記載があります。
懐かしいと思う人、エッ、こんなとこ走っていたのと思う人、 あなたはどちらでしょうか。私は前者です。
いやー、思い出しますね。蒸気機関車の石炭の臭いと煙。
そんな年なんですね。
きちっとした地図がありますから、本書を持って歩けます。
廃線を探している皆さん、佐倉にお越しください。

『完全版 プロ野球人国記』関東編1(平成15年10月 2,400円 ベースボール・マガジン社)
本屋で、この本を見たときには即座に買おうと思いました。
懐かしい顔が眼に浮かびます。長嶋さんははもちろん、木樽、谷沢、掛布。
古い話ですが、木樽が銚子商時代には、応援席で木の樽が掲げられ ていました。
そのころの思い出が、昨日のように蘇ってきます。
このような本に出会ったときには心がときめきますね。
また、プロに入ったけれど活躍することもなく消えていった あの選手は記されているだろうか、記されているとすれば どれくらいの行数であるか、などと思ってしまいます。
文中には、
「千葉の球史は、1895年、かつては藩校だった『佐倉集成校』
から、始まったという説がある」
とありました。
へー、そうでしたか。でも、「説」ですから、そうでないともいえます。
ここは佐倉にかかわりのあることですから、きちっとしたいですね。
1895年って、和暦でいうと明治28年になります。明治28年といえば 日清戦争が終わった年です。
戦争が終わった年に、佐倉で野球をやっていたんですかね・・・。
少し、時間をかけて調べたいと思います。

養老孟司『まともな人』(平成15年10月 700円 中公文庫)
「それなら、長嶋監督だって貴乃花だって、  オリジナリティーを主張する権利がある」と、ありました。

ねじめ正一『天使の相棒』(平成15年10月 1,600円 発行ホーム社 発売集英社)
ここでいう長嶋さんの相棒は、立教大学の同期杉浦忠投手です。
【11月】
別冊宝島『鬼平犯科帳 盗賊のすべて』(平成15年11月 1,000円 宝島社)
題名の通り、盗賊の名前がずらりと並んでいます。
そして、その盗賊の相関関係も図式で描かれています。
佐倉ゆかりの(?)盗賊もいましたから購入したしだいです。
ただ、本には盗賊の出身地が知るされていませんので、 出身地がわかったら、さらに面白いだろうなあと思いました。
『鬼平犯科帳』の著者で、長谷川平蔵生みの親でもある 池波正太郎氏は、どこ出身の盗賊を多く描いたのだろうか なんて、興味を覚えますね。
ちなみに、佐倉藩領出身の盗賊は二人いました。

有森裕子『わたし革命』(平成15年11月 1,500円 岩波書店)
小出監督の話があります。

【12月】
小倉光夫『房総風雅史』(平成15年12月 12,000円 思文閣)
茶道、茶器などについて書かれた本です。
目次は
・千葉氏一族の臼井氏と原氏の文化
・『松平家忠日記』にみる茶の湯と連歌
・土井大炊頭家の茶の湯 下総佐倉藩から古河藩まで
・佐倉藩堀田家の茶の湯(一)(二)(三)(四)
・佐倉藩主松平乗邑と『三冊名物記』
・堀田家の上級武家屋敷遺構
・佐倉藩堀田家の茶の湯道具入札
・佐倉と久留里の茶の湯炭
 などです。

後藤正治『マラソンランナー』(2003年12月 文春新書)
有森裕子さん、高橋尚子さんの話があります。



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