小説と歴史書  

                 
  どのような本を集めるかということについて、小説と歴史書という対比を考えてみましょう。
 日本史の中で語られる佐倉の人物といえば、江戸時代、佐倉藩主であった堀田正睦が知られています。正睦は、幕末に日本とアメリカとの通商条約交渉をした人物ですから、一般的な歴史書にはほとんど記されています。ですから、これも佐倉本というと、幕末の外交を記したほとんどの歴史書が佐倉本になってしまいます。また論文もしかりです。そのようなことで、すでに日本の歴史に確定された堀田正睦の歴史事実を記した歴史書や論文については除外します。ただし、これまであまり知られていなかった佐倉藩の人物が記されている歴史書、新書、論文については掲載します。

 一方、小説の中に出てくる堀田正睦については取り上げます。それは作家がどのように堀田正睦を取り上げたのかということに興味を覚えるからです。幕府方の立場で描くのか、薩長方の立場で描くのか、作家それぞれの描き方がありますからおもしろいのです。それに小説は多くの人に読まれますから、著名な作家が書いた本に堀田正睦が出てきただけでも楽しくなってしまいます。

 また小説と歴史書との中間的な本や雑誌については、知らせたい内容かそうでないかによって、臨機応変に対応していきます。


 
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