郷土資料・著者一覧

 郷土資料につきましては、原則的に2000年以降に発行された本を対象とします。

 【図書の紹介にあたって】
 図書を紹介するにあたっては、著者、題名、発行年、出版社を記入するほか、佐倉が出てくる部分を一部引用しています。これは、題名だけでは図書の内容がわからないため、利用者が図書を選ぶにあたっての目安としていただきたいと考えたからです。
 引用にあたっては、掲載した文章の誤字、脱字もあろうかと思うので、利用者は原著を読み、原著から引用をしていただきたいと考えています。
 また、引用部分は文庫で判断したため、著者の納得いただける引用部分ではないかも知れませんが、なにとぞ趣旨をご理解いただき、ご容赦くださるようお願いいたします。
 

                  【2006年7月30日 新設】 【2007年12月29日 更新】 


【あ】

 青木栄一『鉄道忌避伝説の謎 汽車が来た町、来なかった町』歴史文化ライブラリー(2006年12月 1700円 吉川弘文館)
明治時代、日本各地に鉄道がひかれるようになったころ、鉄道はいらないという話があったというが、それは本当なのか?ということを考察した本。
「このように鉄道が谷に沿って走る場合、それよりも高い位置の河岸段丘や台地に都市が載っている例は日本に数多い。千葉県佐倉や三重県伊賀上野などでは、鉄道は町よりもずっと下に駅を設けている。」(46頁)
(2007年4月14日 掲載)

【い】

 一坂太郎『幕末歴史散歩 京阪神篇』(2005年8月 中公新書)
 堀田正睦が朝廷に勅許をもらいにいく場面あり(45〜49頁) (2006年8月28日 掲載)

【う】

海野道義『佐倉とフランス』(2007年8月)
長年書き溜めた研究論文を、集録した本です。 「千葉県立佐倉高等学校の『鹿山文庫』所蔵の仏書について」「佐倉兵営の築営とジェラール瓦」「『ルボン地図』考」 「1931年パリ万国地理学会議―併催出品資料」の4論文が収められています。(2007年12月21日 掲載)

【お】

 押尾忠『ふるさと探訪―下総台地の民俗―』(2006年3月 印刷 正文社)
「第1章4 千葉氏の興亡と臼井城の攻防」「第1章5 佐倉藩の文化と四街道」、そのほか、佐倉市の民俗も各所に記されています。お薦めします。

【か】

 鏑木行廣『天保改革と印旛沼普請』(2001年11月 同成社)
印旛沼開鑿工事についての研究書です。 (2007年3月13日 掲載)

 川名登編著『千葉県の歴史 100話』(2006年1月 国書刊行会)
佐倉市の項目としては「怨霊伝説を残した将門」「千葉一族最後の光彩」「印旛沼開発」など多数。 (2006年6月22日 掲載)

 学海余滴研究会編『学海余滴』(2006年3月 5,800円 笠間書院)
佐倉藩士であった依田学海の明治時代の日記。交流のあった明治の文人や旧佐倉藩士のことが記されていて貴重な書物です。佐倉のことを調べるなら必見の書。
 すでに出版されている学海の日記『学海日録』『墨水別墅雑録』と合わせて読むと深まります。
(2006年5月14日 掲載)

【さ】

 斉藤駿『なぜ通販で買うのですか』(2004年10月 700円 集英社新書)
「黒住武市さんの労作『日本通信販売発達史』(同友館 1993年刊)によると、記録に残っているわが国最古の通信販売は、明治9年(1876年)に発行された『農業雑誌』の第8号だという」(19頁)
 この『農業雑誌』を発行していた人は、津田仙という人で佐倉生まれの人です。旧姓小島といい、幕臣の津田家の養子になります。娘は海外女子留学生となった津田梅子です。本書には、当時の郵便事情まで記されています。
(2006年2月19日 掲載)

 佐倉市『佐倉の湧き水物語 〜佐倉の湧き水30〜』(2006年3月 300円 佐倉市)
 市内にある湧き水がカラーで紹介されています。とても見やすい本です。 (2006年6月8日 掲載)

 坂崎重盛『「秘めごと」礼賛』(2006年1月 800円 文春新書)
 題からして想像のできる内容であり、その通りの話が綴られているが格調が高い。谷崎潤一郎、永井荷風、斉藤茂吉などの人物が取り上げられ、生活の二重性や女性に関した秘め事が記される。取り上げられた人物の一人に、旧佐倉藩士依田学海がいた。
 学海は神田小川町に住み、妾宅を向島に持っていた。学海は明治になって本宅と妾宅を行ったりきたりしながら暮らしていたのである。そして、本宅、妾宅で日記をつけ、本宅の日記は岩波書店から『学海日録』として、また妾宅の日記は『墨水別墅雑録』として吉川弘文館から出版されている。
 私は佐倉藩のことや依田学海のことを書く時には、この日記を引用しているが、愛妾のことは記していない。坂崎氏は、秘めごとの話だけではなく、学海の日記を評価しており、また幸田露伴のデビューエピソードを紹介している。良書であり、一読を薦めます。
(2006年3月4日 掲載)

 白石良夫『幕末インテリジェンス 江戸留守居役日記を読む』(2007年10月1日 438円 新潮社)
 幕末、佐倉藩士であった依田学海は江戸留守居役に抜擢されます。 (2007年10月18日 掲載)

 白鳥孝治『生きている印旛沼 ー民俗と自然ー』(2006年10月 2000円 崙書房出版)
 第1章 印旛沼とその流域の概要 第2章 印旛沼周辺の人の営み 第3章 印旛沼とその周辺の自然特性 第4章 印旛沼とその周辺の自然改造 第5章 印旛沼流域の現状
 本書は研究書ですが読みやすく、また印旛沼を幅広い領域からとらえていますので入門書としても適しています。
(2006年11月8日 掲載)

 杉浦淳三『明治期の印旛沼疏水計画―研究資料抄録―』(2006年8月)
(2007年3月16日 掲載)

 須田茂『下総佐倉の農民騒動』(2006年12月 崙書房)
(2007年3月20日 掲載)

【ち】

 千野原靖方『関東戦国史』(2006年2月 崙書房)「北条氏の下総佐倉領支配」(213〜221頁)
 ほかにも本佐倉や臼井のことが少し載っています。 (2006年8月24日 掲載)

 千葉城郭研究会編『城郭と中世の東国』(2005年11月 5200円)
 房総の中世を研究されている方々の最新論文をまとめた本です。
 第1部
 享徳の乱における城郭と陣所 ・・・ 峰岸純夫
 当主の居城と前当主(または継嗣)の居城 ・・・ 市村高男
 下総西部の地域性からみた小金領形成の前提 ・・・ 中山文人
 北条氏の房総侵攻と三船山合戦 ・・・滝川恒昭
 下総臼井・小弓城主原胤栄に関する覚書 ・・・ 佐藤博信

 第2部
 内戦の中の村と町と城 ・・・ 藤木久志
 考古学からみた中世房総の城館と村・町 ・・・ 柴田龍司
 南関東における城館跡出土陶磁器 ・・・ 井上哲朗
 戦国後期の陸上交通と城郭 ・・・ 遠山成一
 房総における鉄砲の導入とその与えた影響について ・・・ 小高春雄

 第3部
 篠本城跡とその周辺 ・・・ 道澤 明
 臼井城下の変遷 ・・・ 日暮冬樹
 下総矢作城(大崎城)と大蟲和尚 ・・・ 外山信司
 徳川将軍の御殿と御茶屋 ・・・ 梁瀬裕一
 稲村城跡の保存運動 ・・・ 愛沢伸雄
(2006年1月16日 掲載)

 千葉県史料研究財団編『千葉県の歴史 通史編 原始・古代T』(2007年3月 千葉県)
千葉県における原始・古代の概観を記す中で、佐倉市にあった遺跡も紹介されています。一般の方にも読みやすい本です。  ちなみに、館主が撮った印旛沼の写真も使用されています。 (2007年4月14日 掲載)

 千葉県高等学校教育研究会歴史部会編『千葉県の歴史散歩 歴史散12』(2006年5月 1200円 山川出版)
 佐倉では、海隣寺、佐倉城跡、麻賀多神社、佐倉武家屋敷、甚大寺、佐倉藩の洋学、旧堀田正倫邸・庭園、旧佐倉順天堂、佐倉高校鹿山文庫が紹介されています。とても読みやすい本で、初心者向けです。 (2006年8月21日 掲載)

【な】

 中嶋繁雄『物語大江戸牢屋敷』(2001年2月 文春新書)
「後日談がある。下総佐倉藩士で、のちに明治の劇作家として一家をなす依田学海は、安政6年(1859)11月8日の日記に、松陰の最期の模様を書き記している」(165頁)
 「一人は横浜無宿勝郎といわれる人物。元佐倉藩士の子に生まれるが同輩と相いれず、佐倉藩の分家足利家に転じた。しかし幕末転変の時節、思うところがあったのか、武士を捨てて横浜の商人の許に身を投ずる。そこで横浜支店をあずかるが、中国人との密貿易の嫌疑によって逮捕され、石川島人足寄場に収容される」(213頁)
(2006年5月6日 掲載)

 中谷俊雄『古代蓮』(2005年 新風社)P65.、89、111、123、125、126に「印旛沼」の語が出てきます。
 この本は、行田ハスや大賀ハスなどの古代ハスが本物かどうかを検証しようとしたものです。大賀ハス発見の報を、新聞社が誤って「印旛沼手賀沼干拓工事現場」と書いている話に出てきますが、内容的にも面白いものでした。 (2006年9月20日 掲載)

【の】

 野口武彦『幕末歩兵隊』(2002年11月 860円 中公新書)
幕末を駆けぬけたプロレタリア兵士の実態がよく分かり、当時の官軍との戦いが実によく著されていると思います。その中には、土方歳三が依田学海との出会いで「これからは鉄砲でなければだめだ」という有名言葉も出てきます。その他、林董が戊辰戦争後に語った函館戦争後の内幕を語った話も載っていて面白い本です。 (2006年6月16日 掲載)

【ひ】

 樋口雄彦「資料紹介 『さくら』『千葉連隊区将校団報』『五七』の総目次」『国立歴史民俗博物館研究報告』第131集 所収(2006年3月 国立歴史民俗博物館)
 戦前、佐倉には連隊が駐屯していました。『さくら』は、佐倉連隊区司令部が発行した在郷軍人会向けの雑誌。『千葉連隊区将校団報』は「戦術の研究」を連載し、専門的な内容。『五七』は、歩兵第五十七連隊発行の雑誌。その目次紹介です。
 『さくら』の題字は、最初、「佐久良」とあり、後、「佐久羅」とも表記された。佐倉という漢字がどのように記されるのか、ということを調べるのも面白そうだ。
(2006年11月16日 掲載)

 平塚純一・山室真澄・石飛裕『里湖(さとうみ)モク採り物語 −50年前の水面下の世界』(2006年6月 1795円 生物研究社)
 印旛沼の記載がありました(75〜78頁) (2006年8月24日 掲載)

【ふ】

 ふるさと文化研究会編『房総(千葉)学検定 公式テキストブック』(2006年4月 2600円 国書刊行会)
 印旛沼、佐倉市の歴史と見どころ、などがあります。 (2006年8月21日 掲載)

【や】

 山倉洋和『もうひとつの「歴史散策」「佐倉連隊とその時代」を歩く』(2006年6月 500円)
 佐倉には、終戦まで連隊が駐屯したので、連隊に関した史跡があります。また戦争に参加した人の忠魂碑などがあります。市内に残るこれらの史跡を足で歩いて記した本です。 (2006年8月21日 掲載)

 八幡和朗『日本の百名城』(2006年4月 KKベストセラーズ)
本書に、佐倉城は日本百名城の一つに選ばれたとあります(108頁)。 (2006年6月14日 掲載)



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