満開佐倉文庫     はじめに

      このたび満開佐倉文庫の年報を発行することにしました。
 満開佐倉文庫は、ホームページ上の架空の電子図書館であり、「佐倉」と「印旛沼」関係の
 本を収集しているところから、ホームページ名を「佐倉と印旛沼」として平成13年(2000)
 6月に開設し、出版された本の情報を発信してきました。
  しかし、現在の出版状況からしたら、とても一人で「佐倉」と「印旛沼」に関した本を
 把握できる状況にありません。漏れ落ちる情報の方が、はるかに多いといえるでしょう。
  そこで、今年から満開佐倉文庫を支えてくれる人を司書にお願いし、ともに佐倉が出て
 くる情報を収集してきたところです。おかげさまで、今年の情報は以前に比べて充実する
 ことができました。
  これまでは、収集した情報は一年ごとに「新刊案内」という項目をつくり、ホームページ
 に掲載してきました。この新刊案内は「佐倉」と「印旛沼」に関した出版情報を知るために
 活用されてきたことと思います。
  さらに、今年は「佐倉」と「印旛沼」に関した本の出版傾向や、司書の寄稿文を加え、それ
 らを合わせて「年報」とし、電子出版いたします。電子出版とは、「各自がホームページから自由
 に印刷をして一冊の冊子にできます」という出版方法です。ですから、出版にかかわる経費は各
 自のコピー枚数代しかかかりません。しかも、自由に製本ができますので、体裁がそれぞれ違った
 「満開佐倉文庫年報」になるのではないかと思います。
  なにぶん新しい試みゆえ、至らないことがあると思いますがお許しください。

                                              満開佐倉文庫館主
                                               亀田雄岳


 

 今年の満開佐倉文庫

  今年は、1月にパソコンがウィルスに破壊され、約1か月ほど更新不能となる。
 この間、ホームページを訪れてくれる人に連絡をすることもできず、もどかしい日々を過ごし
 ました。

  1月23日 NHKのFM千葉の「まるごと千葉」に出演し、満開佐倉文庫について話す。

  2月 満開佐倉文庫の新しい展開を考える。友人に司書制度の話をする。まだ、漠然
      としており、自分で話しても、よくまとまらない。
      ホームページに「満開佐倉文庫の司書・友の会」という項目をつくる。

  3月 友の会会員に4人、司書5人になる。司書コーナーに原稿入力する。

  4月 ホームページに、司書認定の項目をつくる。

  5月 ケーブルテレビ296から取材を受ける。「チャンネルさくら」という番組で、印旛沼の
     初夏の撮影ポイントを話す。
     満開佐倉文庫の開館記念日を6月1日とする。

  6月 初めて司書のKさんと満開佐倉文庫について語り合う。Kさんは、満開佐倉文庫は
     一つの読書運動だという。このときは、その意味がよくわからなかったが、10月を過ぎる
     あたりから、司書さんの勢いを感じるようになった。司書さんに圧倒されそうになることも
     ある。確かに広がっていくようだ。
     4年目に入り、再びトップページを変更する。

  7月 Kさんと相互リンクをはり、Kさんの佐倉に関したページから、再び「佐倉と印旛沼」に
     もどってこれるようなスイッチをつくっていただく。

  8月 司書の七つの子さんとも相互リンクをはり、七つの子さんの文章が、さも私のページ上で
     書かれているようにつくる。こうすると、私の手間が省けるし、また更新するときも、Kさん
     や七つの子さんが、その場で更新できるメリットがある。
     Kさんや七つの子さんと、それぞれ地域の文庫を作りたいですね、という夢を語る。

  9月 初めてのオフ会を開催する。10人の参加あり。それぞれ初顔合わせでした。
     もちろん私にとっても、初顔の人もおりました。
     これまで、司書、自然観察員、友の会という言葉を安易に使ってきたが、これからは
     司書、自然観察員、友人を合わせた総称を友の会と呼ぶことにした。

 11月 一年間のまとめを記した電子年報をつくり始める。
     ホームページへのアクセスが30000を突破する。

 12月 中国にいるティさんから、松本清張原作の映画「点と線」のロケが佐倉駅で行われた
     というメールが入る。あの有名な作品の映画ロケが佐倉で行われたなんてすごいなあと
     思うのに、さらに中国からメールが届いたことに驚く。

  

 第1回満開佐倉文庫情報大賞  
                 
 平成16年(2004)、満開佐倉文庫情報大賞を創設しました。
 この賞は、今年、満開佐倉文庫に寄せられた佐倉本情報、佐倉情報、佐倉の自然情報の中で
 一番驚かされ、しかも佐倉の再発見となる情報に与えるものです。
                                      

 第1回満開佐倉文庫情報大賞

      受賞情報 「松本清張原作の映画『点と線』のロケが佐倉駅で
             行われた」
      ホームページ掲載日 平成16年12月2日
      情報提供者 ティさん
      驚き度 
★★★★★
      佐倉再発見度★★★★★


  講評
  松本清張原作の推理小説『点と線』を映画化した作品。昭和33年11月の公開。出演は
  南廣、高峰三枝子、志村喬ら。国鉄佐倉駅を、福岡の香椎駅に模してロケされた。これ
  まで聞いたことのない映画情報であり、佐倉市民にとって、ちょっと自慢のできる話である。
  鉄道に詳しいホームタウン佐倉さんにDVDを観ていただき、確かに佐倉駅であると承認を
  いただいた。





  司書の窓 (満開佐倉文庫司書の寄稿文です)

 佐倉の歴史を塗り替える!?
                            司書 八谷衣人

  読書の際、頭の片隅に常に「佐倉」というキーワードを置いておいてみると、
 いろいろな発見があるものですね。私が読むのはだいたい歴史の本で、いま
 までだったら少し意外な箇所で「佐倉」という言葉に出会っても、一人で
 「へ〜」と思うだけでおしまいでしたが、そんな小さな発見をした喜びを共有し
 てくれる方がいるというのは、何とも愉快なものでした。
  そんな小さな発見も、積み重ねていけば、いずれは佐倉の歴史を塗り替える
 ほどの情報量になる……のかなぁ。
  ちなみに2004年は、周知の通り市制50周年の記念の年でしたが、ほかにも
 香取秀真没後50年(1954年)、浜野昇生誕150年(1854年)、佐藤泰然生誕
 200年(1804年)の記念の年でした。



  佐倉本はまだ沢山ある
                         司書 ホームタウン佐倉

  佐倉本という分野があることを知ったのは、館主さんとお付合い願
 うようになってからなので、まだ数年です。以来、私自身も気に掛け
 て本を読むようになり、いくつかの新発見もしました。読書中に「佐
 倉」という文字をみると、再読であつても新鮮な気持ちになります。
 しかし、佐倉本は実は、私の知る範囲でも、もっと沢山あります。
 なぜ報告しないのか、とお叱りを受けそうですが、一例を挙げれば、
 小説では「佐倉屋」という屋号。由緒不明ですが、平岩弓枝の
 時代小説にあります。
  地名辞典や地理の本、郷土史関係には「佐倉」は多数収録され
 ています。 雑誌では、鉄道趣味関係の鹿島川や長熊付近で
 撮影した写真には、必ず「物井ー佐倉間」「佐倉ー酒々井間」など
 のデータが記録されています(最近、掲載数が多い)。
  これらを佐倉本に含めれば、非常に多くの冊数になるので、余計な
 お世話ですが、館主さんのご自宅でも蔵書は大変になることでしょう。
  インターネット上での蔵書ならいくらあっても大丈夫でしょうが、「満開
 佐倉文庫」に登録されている何倍にもなるでしょうね。考えてみると
 佐倉本の範囲は無限といえます。



  地域文庫創設の夢
                           司書 K

  『満開佐倉文庫』という本を見つけたのがきっかけで、館主さんとお知り合いになれ
 ました。今まで漫然と読んでいた本が、「佐倉」あるいは「佐倉にゆかりの人」という
 キーワードを探すという楽しみの対象に変わりました。いかにも出て来そうな本を読む、
 という方法もあります。
  幕末明治の歴史には疎かった私ですが、一冊見つけることができました。誰か先に
 報告していないかしら、と気を揉みました。もっと早く知っていれば、すでに読んだ本の
 中にもいくつかあったろうなと悔やまれます。と同時に、こうした新しい本の楽しみ方は
 他の地域にも広げることが出来るのではないかと思いました。こうした話を館主さんと
 話していた時、館主さんの佐倉を思う心、またこれを一つの読書運動に広げていこう
 という熱い思いが伝わってきました。私は今印西市に住み、佐倉市内に職場を得て
 いるので佐倉市の歴史や文学にも興味を持っていますが、同時に印西市についても
 興味があります。同じような企画をホームページ上に作りたいと思っておりますが、なか
 なか実現できません。図書館に行くと、多くの人がいろいろ研究されていて、それをどう
 取り上げていくかも難しい問題です。
  また、オフ会にも出席させていただき、いろいろ刺激を受けることが出来ました。これか
 らもいろいろ教えていただくことがたくさんあります。よろしくお願い申し上げます。




 今年の佐倉本(*)出版傾向

1)
 今年は佐倉市制50周年を迎え、またアテネ・オリンピックが開催されました。
 そのようなことで、50周年を冠した本が発行されています。中でも、市立
 美術館が発行した図録『佐倉市市制施行50周年記念事業 佐倉学
   佐倉の美術 ―先人からの贈り物―』(A4版 159頁 アート紙)と、市史
 編さん担当が発行した写真集『佐倉市制50周年記念写真集』(A4版
  320頁 アート紙)の2冊はボリュームがあります。
  市立美術館で開催された「佐倉の美術」展は、主に文化財を展示した
 もので「佐倉市の資料展」のような趣でしたが、歴史的に流れを追ったような
 展示ではなく、「佐倉の美」を演出するようなものであったと思われます。です
 から、目録もそのような解説になっています。
  『佐倉市制50周年記念写真集』は、数年かけて集めた資料で、これまで、
 いろいろな本で使用されていた写真の集大成のように思えました。古くは佐
 倉藩士から、新しいところでは小出義雄氏・高橋尚子氏の佐倉市市民栄誉
 賞授与式や、長嶋茂雄氏の佐倉市名誉市民顕彰式の写真まであります。
 佐倉市民として、少し自慢できる写真集ではないかと思います。
  また今年はアテネ・オリンピックが開かれました。佐倉市民によらず、多くの
 人が長嶋茂雄氏のユニフォーム姿と、高橋尚子選手のランニング姿を夢に見
 ていたのではないでしょうか。それもかなわぬこととなりましたので、当然のこと
 のようにオリンピック関係本の収集意欲が減退してしまいました。
 そのような中で、高橋尚子氏の『夢はかなう』(7月)、小出義雄氏の『へこたれる
 もんか』(7月)、佐藤安弘氏の『アテネ五輪野球日本代表監督・長嶋茂雄の闘
 い』(7月)、千葉真子氏の『ベストスマイル 補欠になった私』(8月)が発行され
 ました。高橋氏の本だけ題名が合わないなあと思いましたら、この本はシドニー
 ・オリンピックで金メダルをとった翌年発行された『風になった日』を改題したもの
 でしたので、明るく頑張っている高橋氏が描かれていました。今年の気持ちと、
 ちょっと違うのではないかと思っていましたが、11月になって黒井克行氏が『高
 橋尚子 失われた夏』を上梓しました。やはり、こちらの方が今の心境を描いて
 います。

   2)
  今年は雑誌に、佐倉関係者の記事が掲載されました。科学雑誌『Newton』
 (1月号)に、東北大学大学院工学研究科の吉田和哉教授の研究室が紹介さ
 れていました。吉田教授は佐倉育ちの人です。吉田教授は、月や惑星探索に
 使う宇宙ロボットのアームを研究しています。
  佐倉出身のロックグループ「BUMP OF CHICKEN」が佐倉の市民体育館で
 コンサートを行うことなり、雑誌『Weeklyぴあ』に3度取り上げられました。雑誌
 『newsmaker』(8月2日発行)の表紙は俳優藤木直人さんの写真が、また雑誌
 『Tarzan』(7月28日号)には高橋尚子選手の写真が使われています。
  雑誌『音楽の友』(9月号)には、佐倉市立美術館で開催された「音のアンティ
 ーク展」の記事がありました。世界から古いピアノが揃い、その音色が奏でられ
 た、すばらしい展示でした。
  例年開催される「佐倉の秋祭り」を掲載した雑誌は『千葉ぴあ秋号』(10月20
 日発行)です。
  雑誌『Chiba Walker』(9/15 →9/28)には、「各駅Walker」という見開き頁で、佐
 倉が紹介されていました。
  なお、プライベートな記事が掲載された雑誌は除外しました。

 3)
  佐倉が見直されたなあと思った本があります。別冊太陽『日本の町並み V
  関東 甲信越 東北 北海道』(2月)です。佐倉がA4版の見開き、カラーで
 紹介されていました。これは佐倉にとって画期的なできごとです。
 本の体裁としては、一般的に編者が力を入れている町並みをカラーページで紹介
 し、続いて各地の町並みをモノクロで一括するのが普通です。佐倉は、いつもこの
 一括グループに紹介されていたのです。ところが なんと、本著はカラーで見開き
 なのです。これはありがたいことです。編者に感謝。せっかく、このように紹介され
 るのですから、私たちは、佐倉の町並みに誇りを持ち、景観を保存していきたい
 ものです。
  『別冊歴史読本 中世・戦国・江戸の城』(9月)は、裏表紙、全面が佐倉城跡上
 空の航空写真でした。歴博や佐倉市役所、新町の様子もわかります。これも、す
 ごいですね。これまで城の特集では、後半の一括された中で佐倉城が紹介される
 ぐらいでした。これもありがたい本です。

 4)
   佐倉一文字本・長嶋茂雄氏一文字本・高橋尚子氏一文字本。このような名称が
 良いのかどうかわかりませんが、長島茂雄氏や高橋尚子氏を1回だけ引き合いに出して、
 自説を説明する文章があります。そのような本を一文字本と私は呼んでいますが、このような
 使われ方は、どのような本に出てくるかはわかりません。佐倉本を探すという目的でなく、
 読書をしていて、いきなり長嶋茂雄氏や高橋尚子氏に出会ってしまうのです。そのような
 ときには思わず「おっ」と心で叫んで、続いて「やった」と思うわけです。
  養老猛司氏の『運のつき』(5月)に高橋尚子氏が、また長谷川慶太郎氏の『20
 05年 長谷川慶太郎の大局を読む』(11月)には長嶋茂雄氏が引き合いに出さ
 れていました。もっとも、それがどうした、といわれてもどうということもないのですが、その
 言葉を発見したということに満足するんですね、収集家というものは。

 5)   著者が佐倉市生まれ、佐倉市在住である本があります。これは本文に佐倉が出
 てくるというのではなく、本の奥付にある著者の略歴に記されているものです。
  浅永マキ氏の『犬飼い』(3月 佐倉市生まれ)、西村きみ子氏の『エッセイ集 花
 手鞠』(8月 佐倉市在住)があります。
  この他にも出版された方もいると思われますが、把握できませんでした。情報を
 いただければ幸いです。

  さて、今年は司書の方から多くの情報をいただき、佐倉本の出版状況をまとめる
 ことができました。ありがとうございます。いただいた情報は、月ごとに整理して次頁に
 掲載してありますので、ご活用ください。

           *佐倉本についての解説は、13頁にあります。










  郷土の新刊案内 

【1月】

  科学雑誌『Newton』 1月号(1,000円 ニュートン プレス)
  本書に東北大学大学院工学研究科の吉田和哉教授の研究室が紹介されて
  いました。吉田教授は佐倉育ちの人です。
  ちなみに、吉田教授は、月や惑星探索に使う宇宙ロボットのアームを研究して
  います。


 『いんば沼』第24号(財 印旛沼環境基金)
   項目
  「印旛沼の思い出」 藤崎健彦
  「印旛沼と周辺水路の生き物」 新島偉行
  「国際淡水年2003年にあたって」 太田勲

  渡辺多恵子 漫画『風光る』(390円 小学館)
  第15巻(2004年1月)に松本良順が出てきます。

【2月】

   『第2回Woman’s Beat大賞受賞作品集 彩・生』( 1,800円 中央公論社)
 受賞した各氏の作品集で、佐倉在住の人も賞を受け、その小説の中に
 印旛沼という言葉が出てきます。

 別冊太陽『日本の町並み V 関東 甲信越 東北 北海道』( 2,400円 平凡社)
 佐倉がA4版の見開き、カラーで紹介されていました。これは画期的なできごとです。
 本の体裁としては、その本が力を入れている町並みをカラーページで紹介し、
 続いて各地の町並みをモノクロで一括するのが普通です。佐倉は、いつもこの一括グループに
 紹介されていたのです。ところが なんと、本著はカラーで見開きなのです。
 これはありがたいことです。編集者に感謝。
 せっかく、このように紹介されるのですから、私たちは、町並みに誇りを持ち、景観を保存してい
 きたいものです。


【3月】

 山口昌男『経営者の精神史』(3月 1,800円 ダイヤモンド社)
 明治・大正期のユニークな経営者を取り上げた本ですが、佐倉にゆかりの
 ある人として製靴業をおこなった西村勝三が取り上げられていました。

 『Weeklyぴあ』 3/22号(3/15発売 320円 ぴあ)
 写真グラビアに「BUMP OF CHICKEN、地元千葉県佐倉市にて
 凱旋フリーライブ開催!!」と、大きな文字でありました。
 さらに、
 「メンバー4人が生まれ育った街、千葉県佐倉市でBUMP OF CHICKEN
 のフリーライブが開催されることが決定した!」とありました。
 5月29日に会場となる佐倉市民体育館の写真も掲載されています。
 すごいですね。ぴあの読者数からいったら、小説よりも圧倒的に読まれるもの
 と思います。

 『芝山町史 通史編 中』( 山武郡芝山町)
 中世の城郭が詳しく掲載されており、本佐倉城についての記載もあります。
 近世においては、佐倉七牧についてわかりやすく記載しています。

   (財)印旛郡市文化財センター『印旛の原始・古代−旧石器時代編ー』(2004年3月 A4版 121頁)
 カラー写真をふんだんに使い、一般の人も見やすい構成となっています。

 『佐倉連隊聞き書き集2 歩兵第57連隊の記憶
   〜レイテ・グアムの記憶〜』(平成16年3月 佐倉市)
 佐倉連隊に徴集され、レイテ、グアムで戦った兵士の聞き書きです。
 佐倉連隊と言えば、レイテで戦ったことが知られていますが、実は
 レイテに向かった大隊は、第1、第2大隊だけで、第3大隊はグアムに
 上陸していたのです。


 浅永マキ『犬飼い』(2004年3月 学習研究社)
 著者、浅永さんは佐倉市生まれとありました。

 雑誌『野草をたずねて』(平成16年3月 佐倉野草会)を
 項目
   市民の森 きのこ観察会
   鹿島川探訪
   ビオトープづくり
   緑の現況調査に参加して
   住吉神社の植物に寄せて Part 7
   米戸方面観察会
   その他、佐倉関係の植物報告があります。


 中村哲夫『千葉の建築探訪』(2004年3月 2,000円  崙書房出版)
 写真と文。
 佐倉市では、県立佐倉高等学校記念館、佐倉武家屋敷、
 佐倉順天堂記念館、旧川崎銀行佐倉支店が紹介されています。

 佐倉市教育委員会編『風媒花』第17号(2004年3月)
  目次
 八百万の神
 市立美術館 新収蔵作品紹介
 青い目の人形
 埴輪が語ること
 写真にみる戦時下の佐倉
 オランダゆかりの地巡り     佐倉日蘭協会事務局
 登川誠仁と椅子        市民音楽ホール
 甦る古の記憶          文化課埋蔵文化財班
  今年度実施の2つの講演会から
 「戦国時代の本佐倉城を考える・井野長割遺跡を知る」


     国立歴史民俗博物館編『佐倉城跡発掘調査報告』 第1冊分、第2冊分
 (2004)

  本書は国立歴史民俗博物館の施設増設に伴う事前調査の正式報告書です。

  目次
 歴博第1次〜第8次発掘調査
 佐倉城跡本丸地区発掘調査
 佐倉中学校給食室建設に伴う発掘調査
 天神曲輪の発掘調査(歴博宿泊棟予定地)
 椎木曲輪の発掘調査(歴博研究棟予定地)

 佐倉城跡研究成果論考
 1、佐倉城の歴史と構造   千田嘉博
 2、旧佐倉藩の武家屋敷   濱島正士
 3、「匠庁録」―天保改革と住居の制― 山本光正
 4、佐倉と江戸       藤尾慎一郎
 5、城から兵舎へ      塚本 学

 佐倉城の変遷をを知る上で、たいへんに参考となる本です。


 『佐倉市史研究』 第17号(2004年3月 佐倉市)
 目次
 「佐倉の自由民権運動」 矢嶋毅之
 「須藤秀之助『唐太紀行』」 濱口裕介
 「幕末期佐倉藩と文晁系画人たち」 古内 茂
 「京成電気軌道志津駅誘致をめぐって」 白土貞夫
       他


 (財)印旛郡市文化財センター『千葉県佐倉市井野長割遺跡(第4次調査)』
   (印旛郡市文化財センター発掘調査報告書第205集 2004年3月)

 志津テニスクラブ監修『確実に上達するテニス』(2004年3月 実業之日本社)
 テニスの上達方法が書いてあります。

【4月】

  歴史群像シリーズ73『幕末大全』上巻(4月 学習研究社)
 各所に堀田正睦が出てきます。

 JR東日本発行『駅からハイキング&ウォーキングイベント』
   (Vo1・19 4・5・6月号)
 「文化・歴史をめぐるコース」が紹介されており、その中に
 「城下町佐倉お花見ハイキング」として、佐倉の散策コースが紹介されていました。
 実施日時は4月3日。募集人数は2,000人。

   『Weeklyぴあ』 4/12号(4/5発売 320円 ぴあ)
 BUMP OF CHICKEN、地元千葉県佐倉市にて
 凱旋フリーライブ開催の詳細がグラビアで紹介されていました。
 風車や、印旛沼、佐倉市民体育館、中学校、佐倉市の地図などが
 カラーで紹介されています。

 長尾剛『幕末・明治匠たちの挑戦』
 (2004年4月 実業之日本社)
 「純国産の革靴を造る」という項目(25頁〜40頁)に
 西村勝三のことが記されています。


 小倉博『成田の史跡散歩』(2004年4月 2,000円 崙書房出版)は、
 成田市の歴史散歩ですが、成田山についての説明の中で、
 「成田村の領主で成田山の大壇越(篤信者)である下総・佐倉藩主稲葉
 丹後守正通が、老中職にあり後ろ盾になっていたからこそ、開帳ができたのであろう」(48頁)
 とあります。


 斉藤多喜夫『幕末明治 横浜写真館物語』歴史ライブラリー175
  (2004年4月 1,700円 吉川弘文館)
 万延元年に横浜で、アメリカ人フリーマンによって撮影された、
 佐倉藩士大築尚志の写真の話がありました(25頁)。
 また、佐倉藩士赤井重遠の写真についての話もあります(136頁)。


 五木寛之『元気』(2004年4月 幻冬舎)
 「その時代の紀行文『後北遊日乗』のなかで、千葉県の佐倉というところを
 通過するときに彼(森鴎外)がものした漢詩の一篇がのっており」とありました。


【5月】

 八幡和郎『江戸300藩 最後の藩主』(2004年5月 光文社新書)
 佐倉藩と、藩主堀田正倫の話があります。

   『パペットマペットの4コマショートコント大作戦』
 (2004年5月 竹書房)
 このパペットマペットさんが、佐倉の臼井出身らしいのですが、
 やはり本書からはわかりませんでした。
 どのような本かというと、パペットマペットさんが黒子となって、
 両手に「うし君」と「かえる君」の人形を抱えて、話を進める
 コントです。パペットマペットさんは黒子に徹しているため、
 プロフィールも、「うし君」と「かえる君」のことしかありません。
 「うし君」と「かえる君」の出身は、千葉県とありました。
  ちなみにパペットマペットのDVD『爆笑オンエアバトル』が
 ありましたので、こちらも購入しておきました。
 いつの日か、パペットマペットさんが臼井の出身であることが
 わかると良いですね。


 増田明美『夢を走り続ける女たち』(2004年5月 1,700円 講談社)
 高橋尚子選手、千葉真子選手の話が掲載されています。
 本の帯には「高橋尚子はこれからどうするのか?アテネで金メダルは誰の手
 に?」とありました。


  幌村海行『ずっと ひとりだった』(2004年5月 1,800円 文芸社)に、
 「僕は国道296号線を佐倉方面へ走っていた。市内には三つの工業団地が
 点在するが、僕が向かっているのは、東関道に近い第二工業団地である」(59頁)とありました。
 本書は590頁の大部で、読み応えがあります。


 養老孟司『運のつき』(2004年5月 マガジンハウス)
 「高橋尚子選手の真似をしろといっても」(41頁)と、高橋選手を引き合いに出した
 文字がありました。


【6月】

 Weeklyぴあ6/7号(5/31発売 320円 ぴあ)
 「特集1 独占取材!バンプ・オブ・チキン」とありました。特集記事の見出しには、
 「4人の地元・佐倉市での凱旋ライブも、先週の土曜日に無事終了」とありました。


 『よみがえる日本の城 2』(2004年6月 学研)
 佐倉城の復元絵がでていlます。

(財)印旛沼環境基金『いんば沼』 第25号(平成16年6月7日)。
 項目
 「印旛沼環境基金20年を振り返って」・・・白鳥孝司
 「印旛沼を翔る鳥たち」・・・小倉正一
 「印旛沼の水質浄化にあたって・・・藤巻葉子


   図録「発掘された日本列島2004 新発見考古速報」
 (2004年6月 文化庁編 A4版 126頁)
 この図録の表紙の一つの写真が、佐倉市井野長割遺跡から出土した
 土器でした。文中にも紹介されています。


 佐倉刀友会『城下町佐倉の名刀展』(2004年6月)
 郷土に伝わる名刀の写真が掲載されています。

  『歴史読本』7月号(新人物往来社)の特集
 「坂本龍馬と幕末63人の群像」に、松本良順の小伝が掲載されています(p100)。
 また、橋本左内の小伝のページには堀田正睦への言及が
 あります(p110)。
 さらに佐川官兵衛(戊辰戦争で活躍し、「鬼官兵衛」の
 異名をとった会津藩士だそうです)の小伝には、
 「降伏後の官兵衛は、東京の佐倉藩邸において謹慎を
 命じられ」という記述があります(p98)。佐川という人物は
 私ははじめて知りました。
 徳川幕府に恩義があるはずの佐倉藩の人々は、徳川家へ
 の忠義を掲げて新政府軍と戦った人物に対してどんな感情
 を抱いて、迎え入れたのでしょうか。


 利根川文化研究会編『利根川荒川事典』(2004年6月 5,800円 国書刊行会)
 「利根川・荒川水系の人文地理を全網羅」とあります。

 渡辺多恵子 漫画『風光る』(390円 小学館)
 第11巻(2004年6月 12刷)に松本良順が出てきます。

【7月】

 高橋尚子『夢はかなう』(2004年7月 幻冬舎文庫)
 本書は、2001年に発行された『風になった日』を改題したもの
 です。とは、家に帰って、あとがきを見てわかったこと。店頭に
 Qちゃんの本が並んでいれば、それだけで買い求めてしまいます。
 表紙のQちゃんの写真はモノクロだけど、ソフトタッチに撮れてい
 て、良いですね。


 小出義雄『へこたれるもんかい』(2004年7月 幻冬舎)
 小出監督の今の気持ち、佐倉アスリート倶楽部のこと、
 アテネの青写真などの話がつづられています。


 佐藤安弘『アテネ五輪野球日本代表監督・長嶋茂雄の闘い』
 (2004年7月 日刊スポーツ出版社)
 長嶋監督の気持ちを代弁しているようでした。

 金哲彦(佐倉市在住)『マラソン金メダルへのセオリー』(1,200円 メディアファクトリー)

 金哲彦『カラダ革命ランニング』(1,300円 講談社)
 私は、走るのが苦手ですが、買ってしまいました。

 雑誌『Tarzan』(2004年7月28日号 マガジンハウス)
 表紙が高橋尚子選手です。文章もありました。

 笠間良彦監修 棟方武城執筆『すぐわかる日本の甲冑・武具』(2004年7月 2,000円 東京美術)
 佐倉藩主堀田正愛着用の甲冑(明治3年に堀田家が麻賀多神社に奉納)
 が紹介されています。


【8月】

 雑誌『newsmaker』(2004年8月2日発行 ぴあ株式会社)
 表紙が佐倉高校出身の藤木直人さんです。
 ミニアルバムがあります。


 西村きみ子『エッセイ集 花手鞠』(2004年8月)
 西村さんは佐倉市に在住です。

 中津文彦『天明の密偵 小説・菅江真澄』(2004年8月 文藝春秋)
  「利根川下流にある印旛沼は水深浅く、これを干拓すれば広大な新田開発
 になるとして、天明2年から田沼政権が総力を挙げて進めてきた一大土木事
 業だった」とありました。


 千葉県歴史教育者協議会編『千葉県の戦争遺跡を歩く』(2004年8月
                  国書刊行会)
 佐倉連隊のことが記されていました(115頁)。

 深澤弘『長嶋イズム』(2004年8月26日 1400円 マガジンハウス)
 長嶋さんが最初に残した言葉は佐倉中学のときだそうで、
 「桜花らんまんなる4月」から始まり、「また会う日まで、では、さようなら」
 で終わるそうです。丸ごと長嶋さんです。一読を勧めます。


 雑誌『音楽の友』9月号(2004年9月1日 970円 音楽の友社)
 佐倉市立美術館で開催された「音のアンティーク展」(佐倉市民音楽ホール主催)
 の記事が紹介されています(205頁)、とありました。


 千葉真子『ベストスマイル 補欠になった私』(2004年8月3日 1,400円 
             文春ネスコ)
 マラソンの千葉選手は佐倉で練習を積んでいます。応援します。

 渡辺多恵子 漫画『風光る』(390円 小学館)
 第16巻(2004年8月)に順天堂と、その周辺、つまり佐倉町の様子が少し描かれていました。
 すごいですね。小学生や中学生が夢中で読んでいる本に順天堂や佐倉が出てくるんです。


 佐倉市立美術館編『佐倉市市制施行50周年記念事業 佐倉の美術
   先人からの贈り物』(2004年)
 図録が出版されました。

【9月】

 『別冊歴史読本 中世・戦国・江戸の城』(2004年9月 2200円 新人物往来社)
 裏表紙、全面が佐倉城跡上空の航空写真でした。
 歴博や佐倉市役所、新町の様子もわかります。これも、すごいですね。
 貴重な裏表紙の佐倉本です。


 大槻幸一郎『新米副知事おたおた日記』(2004年9月1日 オフィスエム)
 堂本千葉県知事の副知事となった大槻氏の話。
 「(2003年)8月下旬、冷夏とはいえ残暑が厳しい日に、堂本
 知事は千葉県佐倉市の火災現場に立った。高いところでは30
 メートルもあるだろうか。木材チップが堆く積まれた山の間から(以下略)」
 とありました。


 佐倉七福神会(佐倉TMO)『佐倉七福神記念誌』創刊号
 (2004年9月 佐倉七福神記念誌編集委員会)
 佐倉地区の神社やお寺にある七福神を紹介した冊子です。

 成田山霊光館『番付いろいろ』(2004年9月)展示図録
 「佐倉新町相撲興行番付」(相撲博物館所蔵)が掲載されています。

 佐倉市教育委員会文化課『シンポジウム井野長割遺跡を考える』(2004年9月)

 ぴあ株式会社『千葉ぴあ秋号』(2004年10月20日 発行)
 佐倉の秋祭りがカラー、1ページで紹介されていました(79頁)。

 江波戸昌美『続・千葉県の写真事始 明治期に活躍した写真師たち』(2004年9月)
 佐倉ゆかりの写真師の話が掲載されています。

 佐倉地域文庫連絡会『子どもと本をつなぐ 25年のあゆみ』(2004年9月)

 成田山だより『智光』9月号
 本書に湯浅吉美氏が「成田街道 いま昔」を連載しており、本号は「臼井
 城跡」について書かれています。


 『歴史読本』 10月号(1090円 新人物往来社)
 「特集 300藩 大名夫人の幕末維新」で、最後の佐倉藩主堀田正倫夫人、吉子が
 紹介されています。


 『房総の社』(2004年9月 千葉県神社庁)
 麻賀多神社などが紹介されています。

   『Chiba Walker』 9/15 → 9/28 (2004 No.20 330円 角川書店)
 「各駅Walker 京成佐倉駅」があり、歴史散策1日コースとして、市内の史跡や飲食店が
 紹介されていました(9、10頁)。


【10月】

 『新選組展図録』(2004年)
  新選組隊士・島田魁が書いた「新選組英名録」に、「江府/下総佐久良 桜井勇之進」
 と載る人物があります。(2004年)


 『佐倉市制50周年記念写真集 写真に見る佐倉』(2004年10月 1800円 
                               佐倉市)
 A4版 320頁で、とにかくボリュームがあります。写真は幕末の佐倉藩士から、
 長嶋茂雄氏の佐倉市名誉市民顕彰式まであります。「一家に一冊」お勧めします。


 成田山だより『智光』10月号、11月号
 湯浅吉美「成田街道いま昔」があり、10月号には「臼井の史跡」、
 11月号には「印旛沼の干拓」が記されています。


【11月】

 佐倉市民音楽ホール『佐倉市市制施行50周年記念・佐倉市民音楽ホール開館
 20周年記念 佐倉市委嘱作品 オペラ 龍の雨』
  パンフレットが発行されました。

 『佐倉市制施行50周年記念事業 櫻井慶治展』(2004年 佐倉市 佐倉市教育委員会)
 展示図録が発行されました。

 『ビジュアル版 最後の藩主』(2004年11月25日 952円 光文社)
 佐倉藩主堀田正倫のことが記されていました。

 安田常雄編『歴史研究の最前線 新しい近現代史研究へ』
 Vol・3 September (2004年9月30日 945円
   総研大 日本歴史研究専攻 ・国立歴史民俗博物館発行)
 樋口雄彦氏のコラム「静岡藩 ←→ 佐倉藩の御貸人・留学生−維新期の軍事・教育と人材交流ー」
 が掲載されています。
 明治3年、旧幕府の後身である静岡藩から佐倉藩に貸し出された陸軍教師がいた。また佐倉藩が
 静岡藩に留学生を送り込んでいた。佐倉にとって、新しい歴史の事実が史料とともに紹介されています。


 黒井克行『高橋尚子 失われた夏』(2004年11月20日 1300円 新潮社)
 アテネオリンピックに行けなかった高橋選手の気持ちを追っています。

 長谷川慶太郎『2005年 長谷川慶太郎の大局を読む』(2004年11月1日
                                  1500円 ビジネス社)
 「竹中経済財政・金融担当相に、長嶋茂雄氏ばりに告げたと伝えられるが」とありました。
 長嶋氏一文字本です。



  



 ホームページのための佐倉本覚書

                            亀田雄岳

  私は「佐倉」と「印旛沼」という文字が出てくる小説やエッセイ、雑誌、漫画本、
 映画のパンフレットなどを集めています。それらの本に記されたことは、佐倉にゆか
 りの人であったり、佐倉という地名や場所、佐倉にゆかりのある架空人物(という
 のも変ですが)などさまざま。
  とにかく本の中に一文字でも佐倉に関したことが記されていれば収集しています。
 そして、それらの本を総称して、私は「佐倉本」と呼んでいます。
  佐倉本といっても深い意味はなく、それらの本をまとめて呼びたいときに便利だから
 称しているだけです。佐倉本は、どういう内容であれ佐倉が描かれるのですから、
 佐倉を知るきっかけとなる本です。この佐倉本に出会う楽しさは、都会で旧友に突然
 出会ったような懐かしさと喜びを得られたような楽しさです。また佐倉にゆかりのある人
 物が別の名前で書かれていたりしているときに、その人物を佐倉にゆかりのある人と
 特定できた時には、さらなる満足感に浸ります。
  夏目漱石の『道草』(新潮文庫 81頁)では、「或女」が佐倉にゆかりのある花井
 梅のこと。柴田宵曲の『明治の話題』(青蛙房 昭和37年)を読んでいたらそのこと
 が書いてあり、まるで推理小説の犯人がわかったような気持ちになりました。
  このように佐倉本となる本は、まず本の内容で楽しめ、次に佐倉本として新たなる
 価値(あくまでも個人的見解ですが)を発見する喜びがあり、しかも読んだ本を収集
 できるのですから、グリコのおまけがついたような、1冊で2度、3度楽しめる本です。
 もっとも、それでどうなるというものではありませんが、そのようなことで読書の楽しみが
 倍加しるなら結構なことと思っています。
  でも、一人で佐倉に関した本を把握するのは限界があると感じていました。近年の
 ように本が洪水のように出版される状況からみて、一人で把握する本より、漏れ落ち
 てしまう本のほうが多いのです。そのようなことがありまして、私が現在、どのような本を
 把握しているのかということを知ってもらいたいと思い、ホームページに掲載しているとこ
 ろです。情報を提供すれば、新たな情報が得られるのではないかと思っています。
  それに、私は小説の舞台となる町や、小説に描かれる人がいた町は魅力的な町だ
 と思っています。そして、佐倉もそのような町であると思っています。
  佐倉本の収集は、それを数値で確かめる作業なのかも知れません。
                   (『電子図書館 満開佐倉文庫』より)

 1) ホームページにどこまでの情報を掲載するか 

  まず、ホームページに情報を提供する心構えとして、人権と著作権に配慮いたします。
 そして、満開佐倉文庫に紹介する情報は、どのような情報であれ、すべて「どこかで公に
 なった」ということを原則にしたいと思っています。
  それは、誰でも注意をすれば知ることのできる情報ということです。その情報を知らなかった
 人に紹介する、ということです。
  出版や放映されて公になった情報は、公にするにあたって著者や編者が人権に配慮した
 情報ですから、その情報をホームページに紹介しても人権の問題はクリアしているものと考え
 ます。   しかし、だからといって安易に利用するのではなく、情報元と著作権に配慮する意味から、
 著者、出版社、発行年、引用ページ(テレビ局、放映月日、時間、番組名)などを掲載し
 たいと思います。
 みなさんが情報を提供するときには、ここまで記載してくれるとありがたいです。また、政治・
 宗教・営利の情報も掲載しません。ただし、番組の中で芸能人が「うまい店」を訪ねたり、
 まちを散策する中で紹介する店なら良しとします。
 芸能人に紹介されるような店がある、これなどは「佐倉力」だと思っています。
  なお、「富士山を見た」とか「タヌキを見た」という自然環境の情報は、提供者の情報に
 従うこととします。

 2) 佐倉本の範囲と掲載範囲  

   佐倉本とは、本のどこかに我が佐倉と関係のある文字が出てくれば、佐倉
   本の範疇と考えます。
  しかし、佐倉本の範疇と、私が収集する範囲は違っています。佐倉が一文字でも
 出ていればOKとすると、投稿記事から、辞典、論文まで多種多様の本に佐倉が
 記されていて、ほとんど無限に近くなっていくでしょう。
  そのようなわけで、ただ佐倉本を集めるというと、収拾がつかないほど集まり
 そうなので、ここでは館主の考える収集範囲とさせていただきます。
  館主の考える佐倉本の原点は、「小説の舞台となる町や、小説に描かれる
 人がいた町は魅力的な町だと思っています。それを数値で確かめようとしている
 のかも知れません」です。また「こんな著名人が佐倉にいるんだ」「お、こんな人
 もいたのか」なんて、思っていただきたいということです。
  そのような観点から佐倉本を収集していますので、統計などが記された行政資料
 は集めません。
  また辞典は、人名についてはほとんどの辞典を管見しており、これについては「佐倉に
 ゆかりある人を探す辞典」に掲載してありますので、当分、大丈夫だろうと思います。
  地名の辞典については、出版されている辞典が限られていますので、調べようとすれば
 できます。ただ細かい村名や地名が出てきますので、それだけで一仕事になってしまいます。
 そのようなことで、地名はやめました。ただし、今年以降発行された辞典の中に人物が記さ
 れていれば紹介したいと思います。
  論文については、私が知り得た人文系の論文を掲載していますが、理科系の論文は
 把握していません。論文は、各研究機関や、大学の紀要、また同人雑誌に掲載されます
 ので、個々が自分の研究に合わせて収集していくのが良いと思います。そのようなわけで、
 論文は積極的には集めませんが、今年以降に発表された人文系と自然環境の論文で
 佐倉が研究テーマあれば掲載します。
  また、投稿文や投稿写真は、その本の主体的な著者でも編者でもありませんので、
 これも除きます。
  さらに、著者が佐倉市在住であったり、以前、佐倉に住んでいたことがあったという本は
 佐倉本と考えますが、佐倉が出てくる本と並べると整理がうまくいかないので、別枠にした
 いと考えます。なお、著者が佐倉市在住という本も把握できませんので、この本について
 は購入することはせず、寄贈のあった本のみ掲載していきます。ただし、著名人はこの
 限りではありません。ファンとして購入し、掲載する場合があります。
                 
  3) 今を集める   

    佐倉本は時代を問いませんから、江戸時代の本であれ、佐倉が出てくれば
 佐倉本と考えます。しかし、実際の話として、江戸時代の本を探すというのは
 むずかしいといえるでしょう。それは、明治、大正時代の本とて同じです。これ
 らの本は、それぞれの専門に任せたいと思います。
  私が満開佐倉文庫に司書制度をつくったのは、現代の出版や情報があまり
 にも多くて、とても一人では収集しきれないと考えたところにあります。ですから
 司書のみなさんと集めたい本は、今、出版されている本ということです。さらに、
 これから出版される本です。その本をみなさんの協力で集めて行きたいという
 ことです。
  古き時代の本を集めるには、それなりの時間と努力がいりますが、今、出版さ
 れている本なら、注意深く探していけば、かなりの本が探せるのではないかと
 思っています。満開佐倉文庫は「過去を集めるのではなく、今を集める」という
 ことです。
  今日のできごとも、明日には歴史になります。今日の本を収集し続ければ、
 それで一つの歴史になるでしょう。その歴史は私たちが生きていた時代の足跡
 です。
  私たちが生きていた時代の「佐倉本」を、次の世代に伝えたいと思います。

 4) 小説と歴史書  
                 
  どのような本を集めるかということについて、小説と歴史書という対比を考えて
 みましょう。
 日本史の中で語られる佐倉の人物といえば、江戸時代、佐倉藩主であった
 堀田正睦が知られています。正睦は、幕末に日本とアメリカとの通商条約交
 渉をした人物ですから、一般的な歴史書にはほとんど記されています。ですか
 ら、これも佐倉本というと、幕末の外交を記したほとんどの歴史書が佐倉本に
 なってしまいます。また論文もしかりです。そのようなことで、すでに日本の歴史
 に確定された堀田正睦の歴史事実を記した歴史書や論文については除外し
 ます。
  ただし、これまであまり知られていなかった佐倉藩の人物が記されている歴史書、
 新書、論文については掲載します。
  一方、小説の中に出てくる堀田正睦については取り上げます。それは作家がどの
 ように堀田正睦を取り上げたのかということに興味を覚えるからです。幕府方の
 立場で描くのか、薩長方の立場で描くのか、作家それぞれの描き方がありますから
 おもしろいのです。それに小説は多くの人に読まれますから、著名な作家が書いた
 本に堀田正睦が出てきただけでも楽しくなってしまいます。
  また小説と歴史書との中間的な本や雑誌については、知らせたい内容かそうで
 ないかによって、臨機応変に対応していきます。

 5) 佐倉市民本  

   佐倉が出てくる本も、佐倉在住の人が書いた本も佐倉本と考えますが、佐倉が
 出てくる本の中に、佐倉在住の人が書いたさまざまなジャンルの本を並べると、その
 目録を見た人は混乱をしてしまいます。
  そのため、佐倉が出てくる本と、佐倉在住の人(あるいは以前に佐倉に住んでいた
 人)が書いた本を分けた方が良いと考えるようになり、佐倉在住の人が書いた本を
 どのように呼ぼうかと考えました。
  いくつか調べていたら、藤沢市が地域資料を集めるにあたって定義した文章に出会
 いました。「市内の作家・市民の作品で、素材(舞台)が藤沢でない作品は、藤沢
 資料としては収集せず、『市民文庫』として収集する」というものでした。そして、市民
 とは「藤沢出身の人、藤沢在住の人、藤沢に在住歴のあった人、藤沢に在学歴の
 あった人、藤沢に滞在した人」とありました。
  そこで、私は佐倉在住の人(あるいは以前に佐倉に住んでいた人)が書いた本を
 「佐倉市民本」と呼ぶことにしました。
  では、作家が佐倉在住でなくて、佐倉が出てこなくても佐倉の人を描いた作品は
 どうするのかということになります。たとえば、長嶋語録はどう捉えるのかということです。
 私は、長嶋さんが出てくる本は長嶋本と考えます。その中で、佐倉が出てくる本は
 佐倉本と考えます。ただ地元の贔屓目で幅広く捉えています。
  同じく、よく出てくる人物に佐藤泰然の実子で松本家に養子にいった松本良順が
 います。良順は、新選組の近藤勇と親交があったため、勇が京都・江戸で会ったとき
 の話に出てきます。このような時には佐倉本として取り上げます。我田引水のような
 ところがありますが、あまり厳密に振り分ける必要もないと考えます。
  さて、佐倉市民本は、いつどこでどのような本が出ているか、さっぱりわかりません
 ので、寄贈をいただいた本だけ収集することにします。

                            

 編集後記

   みなさんからいただいた今年の情報を、電子年報としてまとめることができました。
 来年は、分類を細かくして、さらに充実した年報にしたいと考えています。
  本来なら、この原稿を印刷して冊子にしたいのですが、印刷して配布するほどの
 あてがありませんので、各自がプリントして、それぞれ冊子にしていただければ幸いです。
  なお、ホームページから印刷するにあたっては、「Word版 印刷用原稿」と、Wordソフトを
 利用していない方のために「html版 印刷用原稿」を用意してあります。このいずれかの
 形で印刷した後、さらに「印刷用表紙」を印刷して表紙にしたいただくと電子出版書が
 完成します。
  最後に情報をいただいた司書や友人の八谷衣人さん、ホームタウン佐倉さん、、Yさん、
 Sさん、I・Yさん、fukikohassyさん、Kさん、T・Uさん、I・Aさん、なっちゃん、りんどうたろうさん、
 Tさん、虐ハンドルさん、七つの子さん、T・Nさん、T・Sさん、S・Yさん、N・Tさん、N・Mさん
 yukikazuさん、飛鳥さん、ジュビリストさん、スナフキンさん、ふみふみさん、N・Nさん、黒田
碧さん、Mさん、Iさん、一般の情報提供者のみなさま、ティさんにお礼申し上げます。



 
 
 
  <補足>
  本書は、ホームページを見ていただいている司書さんや、来館者のためにまとめた電子
 冊子です。ホームぺージを見ている方からすれば、司書の名前が「虐ハンドルさん」「ホー
 ムタウン佐倉さん」といっても、さほどの抵抗感はないと思いますが、いざ冊子となって、この
 冊子が一人歩きをすることを考えると、ホームページを見ていない人のために、名前の由来
 などの補足をしておきたいと思います。
  まず、満開佐倉文庫はインターネット上に開設した架空の電子図書館です。実際の
 建物はありませんが、24時間開館しており、佐倉と印旛沼に関した図書情報を提供して
 います。小・中学生のための「佐倉の歴史・自然・文学」に関するレファレンスもおこなって
 います。
  そして、今年からボランティアで図書情報の提供に協力してくれる司書をお願いしてきまし
 た。現在、司書は25人います。さらに友人や佐倉の自然を教えてくれる人などがおります。
 彼らは、ホームページ上ではハンドルネーム(作家のペンネームにあたる)で登場しております。
 これは、インターネットは誰でも見ることができるので、プライバシーのことを考えてのことです。
  意味不明の名前に思えますが、本人は充分に考えたり、私のようにいい加減であったり、
 いろいろです。ですから、名前だけで内容まで判断をしないでください。内容は、とてもしっか
 りしています。

  電子出版物をつくって考えたことがあります。それは、ホームページに掲載している各項目
 の原稿をつないだだけでは、なかなか一般の人には理解できないということです。そこで、
 文章をかなり補足して冊子にしたところです。
  これは、ホームページは全部を見なくても項目のどれかを見れば目的を達するのにたいし、
 冊子は全体の構成などがわからないと、なかなか理解できないという違いがあるからです。
 そのようなことで、冊子にするには、このような補足文が必要となりました。

  電子出版の良いところは、原稿をレイアウトして、しばらく寝せて(ネット上に公開して)おけ
 るということです。そして、多くの人に見ていただいて、おかしなところや誤字などを訂正できる
 ということです。やがて、落ち着いたところで印刷のゴーサインを出せるということです。
  また、印刷の費用もほとんどかかりません。必要なページだけプリントすることもOK、全部を
 プリントして冊子にすることもできますし、あるいはプリントしないで必要なときだけパソコンで
 見るだけというものありです。
  でも、実際の使い勝手はどうなのかよくわかりません。みなさんが利用してみて、ご意見を
 いただければありがたいと思います。

                              (最終更新日 平成17年1月15日)

満 開 佐 倉 文 庫 年 報 
    −平成16年(2004年)版−

   編集 亀田雄岳

   住所 ホームページ「佐倉と印旛沼」
       http://www3.ocn.ne.jp/~inba/

   発行 満開佐倉文庫

   発行日 平成17年(2005)1月30日

   印刷 各自のプリンター印刷と製本