Only UDON ツーリング
時は平成13年10月12日の昼過ぎ、私は配達中のトラックを運転しながら思案に耽っていた。少々度が過ぎて、曲がるべき交差点を直進してしまったりもしたが、それ程に私を悩ませているのは「讃岐うどん」である。その美味さ、安さ、ディープな魅力は、ツーリングの目的として正に最適である。ただ迷うのは、私に与えられた休日は土日のみである事、香川県まで長野県から片道600km程ある事。しかし、季節はもう既に秋本番。今を逃しては、夜間に移動する事さえ危うい気象条件の季節になってしまう。そして、フロントガラス越しに見える見事な秋空。うん、四国へ行こう......、うどんだけ食べに。
注 夜間走行が大半だったので、掻い摘んで書いてみました。お金が勿体無かったので、高速は鳴門海峡大橋を除いて使用していません。
10/12
仕事が終わって家に帰ったのは午後5時半、用意をしての出発は7時前だった。家のある望月町から白樺湖を越え、諏訪湖へ降りてから塩尻市へ。そこからは名古屋まで国道19号線が続くのだが、寒い、相当寒い。合羽を着込んでなんとか我慢できる程度だった。ふと標高最高地点の標識が目に入るが、余裕で900m以上登っていた。いい加減眠くて寒いので道の駅へ寄ると、そこにはCB400SFに乗っている学生らしき青年が震えていた。群馬方面へ向かうらしいが、寒さ対策には不安が残る装備である。一応「標高800m越えるよ」と言っておいたが、事の重大さをあまり理解していなかった様子。名古屋に降りたら暖かくなった。
名阪国道、奈良県、大阪府と無料道路オンリーで通過して、神戸に到着したのは午前5時。そろそろ仮眠をとらなければいい加減死ぬので、三ノ宮港から高松東港までフェリーに乗る。4時間の船旅だったが、ひたすら寝る事以外に行動意欲が湧かない。少々変わった? おじさんが、1人で誰もいない交換に向かって延々と説教していた。4時間も経てば収まるか......と思ったが、高松に着いても相変わらず説教していた。ここまで来れば感心してしまう。
上陸しての第一弾は「馬渕」。その日一番に茹で上がった麺を頂いた。何故か、上陸後の最初はいつも馬渕に来てしまう。店構えは相変わらずだったが、隣に臨時駐車場が出来ていたのには驚いた。かなり広い駐車場で、全部車が停まったら店が溢れてしまいそうだ。

藤本手打ちうどん
次のお目当ては、お馴染みの谷川米穀店。向かう途中で、何か良さげな店はないか......と探しているとあったのが「藤本手打ちうどん」。看板が無かったので一旦通り過ぎてしまったが、小振りな器へきれいに盛られた麺は、まるで雑誌の写真の様に美しく、猛烈に食欲をそそった。味も中々のレベルで、これからコースの定番になりそうな予感がする。
店先にペプシの自販機があったが、導入する際に調達したのか、小型の据え置き看板が建物脇に置いてあった。ただ、店名が入る部分は空白のまま。「看板は出したく無いが、貰える物は貰っとく」の精神だろうか。

谷川米穀店、恐ろしい光景
さて、「谷川米穀店」に着いたのだが......路駐の車が恐ろしく多い。そして、店へと下りるスロープには約50人は裕に並んでいた。恐ろしい光景に戦慄しつつも一旦列に加わるが、この店はこの店故に客の回転が遅い。今までにも3回食べた事があるので、5分位で列から離脱する。

清流そば
谷川米穀店から少し上ると、道の駅の向かいに「清流そば」なる蕎麦屋がある。前々から長野県民として気になっていたので、谷川米穀店の代わりに、と田舎そばなる物を注文した。要するに小麦粉3、そば粉7らしいのだが......正直コメントし難いので、今回はノーコメントとさせて戴く。只々、長野駅構内の立ち食いそば屋が懐かしくなった。

溢れる車
次は流れ上「山越」なのだが、またまた恐ろしい光景に出くわす。第2駐車場さえ溢れかえり、道路へと流出した車の列。そして交通整理のガードマン。だが、これで終わりでは無かった。

もはや観光スポット
絶句の一言。恐らく、200人は並んでいたのかもしれない。ただ救いなのは、山越はお客の回転が速い事。山越を食べずに帰るのは惜しいので、列に並ぶ事30分余り、ようやくうどんに到達した。だが、何故かいつもの様な感動が今回は薄い。あまりにお客が多いからだろうか。最早、山越は観光スポットと化してしまったのかもしれない。

旗付きのシニアカーが停車中
次は飯山町の「ひこえうどん」へ。坂出市の彦江では無いが、個人的には結構いけると思う。店内は程良い入り具合で、気持ち良く食べる事ができた。何故かJ-PHONEの代理店もやっているらしく、店内には手作りのPOPが張り出してある。うどんのついでに携帯電話でも買ったら喜ばれるかもしれない。店先に停めてあったシニアカーには、何故かうどんの旗が挿してあった。
やはり「山内」は外せない。相変わらず美味いが、店先にあった空の発泡スチロールにメダカ 500円とあったのが気になった。相変わらず何でも売っている店である。水が美味しいのも人気の1つだが、プラスチック製のポットに代わってウォータークーラーが導入されていた。何気に近代化しているのだろうか。

灸まんの看板
最後に、琴平周辺の電柱には必ずあると言って良い、「灸まんうどん」の大麻店へ行ってみる。灸まんとは、お灸の形をした饅頭みたいなお菓子なのだが、ここではうどんが主役であり、お菓子スペースが同居しているといった印象。スタンダートな味で、価格もそれ程(観光客の割合が多いとした場合)高く無く、予想に反して? 中々の好印象。隣の灸まん美術館, 喫茶コンピーラは却下、健康ランドへと向う。

道の駅信州新町のそば信
午後4時に健康ランドに入って風呂を堪能、仮眠してから午後11時に出発。徳島県と淡路島を通り、行きと同じルートで長野県へ帰る。ただ往路と違うのは、実家に帰る為に目的地を長野市にした位である。となると、道中の「道の駅信州新町」にある「そば信」は外せない。道の駅に有りながら、その味は中々のレベルだと個人的には思う。

ひたすらそばを打つ
そば信は、地元の方が切り盛りしているそば屋らしい。今日もまた、調理場の一角でおばちゃんがそばを黙々と打っている。時期的に、新そばの出る直前だったのでそんな味だったが、これでそばの印象をリセット出来たというものである。長野市の実家到着は午後3時。ここにうどんを食べるだけの旅は終わった。
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