'00 北海道,四国ツーリング

9/02 2日目

 9月1日は相変わらずの雨であった為、この日は出発を見合わせる。雨に負けてしまうのは、ツーリングを嗜む者として恥ずべき事であろうか。まぁ、この日は浜松市内観光とでもしておこう。この心構えが災いしたのか、この日「シュラフを忘れた」という致命的なミスに気が付く。北上の際には、東京へ一旦立ち寄らねば......。

 結局四国ではキャンプ不可となり、行程に制限が発生してしまったが、翌日の9月2日の7:40に浜松を出発した。通称「姫街道」を西へと進み、本坂峠では有料トンネルを避けて旧道と旧トンネルへ迂回する。このトンネル、私は何も知らないで何回も通ったり、入口の写真などを撮ってしまっていたのだが、そこそこ有名な心霊スポットであったらしい。でも、霊感の無い私には今回も縁無く通過する事ができた。南無南無。
 国道1号線より23号線へ渡り、最近ずっと工事車線規制の続いている県境付近を通過。結構左右へと張り出したサイドバッグ装着中にも関わらず、いつものペースでスリ抜けを敢行してしまうが、意外? にも車へは全くヒットしていない様子。ガードレールや植え込み等へは、時折ズリズリ擦っている音がするのだが。長良川を渡河したら、進路は北西の員弁町方面へ。言わずと知れた、国道421号線「石榑峠(いしくれ)」にアタックする為である。

 東海エリアは事に及ばず、関東甲信越,近畿在住の悪路マニアにとって、この道の存在は聖地メッカに等しい、かもしれない。私が思うに、紀伊半島を除くこの周辺の国道(酷道)を語る上で、国道418号線「深沢峡」,国道308号線「暗越奈良街道」とこの421号線は、3本の指に入る存在の面白い道だ。だが、上空の天気はどうも良くない。員弁町内では、突然の土砂降りにも遭ってアタックを断念しようかとも思ったが、峠頂上付近にある雲の色があまり凶悪そうで無いのに賭け、一路国道421号線へ進路をとった。

その筋では有名なゲート
その筋では有名なゲート

 人里を通過し、1.5車線の道をくねくねと登って行く。路面は濡れていて純粋に走る事は楽しめないが、なんとか雨の心配は無さそうな様子。程無く、その筋では有名なコンクリートゲートに到着した。バイクを停めて、写真を撮りながら一息ついていると、相変わらずここを通過する車は結構ある。三重,滋賀ナンバー以外の一見観光客らしい車は、みんな顔がひきつっているので観察していて面白い。途中何回か写真を撮りながらサミットを越え、滋賀側をひたすら下る。こちらの方が、天気が良いらしい。

 ふもとの永源寺町にあるコンビニで昼食を摂り、これからの進路を検討する。酷道マニアの間で評判の国道308号線へ訪れたかったので、国道307号線を利用して奈良方面へ南下することに。進んで行くと、相変わらず曇っているものの雨雲では無くなり、徐々に天気が回復していくのが分かる。途中の水口町で給油し、更に信楽町へ。
信楽高原鉄道事故慰霊碑前にて
信楽高原鉄道事故慰霊碑前にて

 水口市街を過ぎると、道路へ信楽高原鉄道(SKR)の線路が寄り添ってきた。SKRといえば、以前JRの臨時乗り入れ列車と正面衝突を起こして、大勢の犠牲者が出た事故があったのを思い出した。確か、事故現場は国道沿いだった様な記憶があったので注意していると、カーブを抜けた途端に事故現場の跡があった。ありゃ、予想より早いな......と思いつつUターン。

 事故現場には慰霊碑が建てられて整備されており、前後を見通しの悪いカーブに挟まれていた。ここで1991年5月、42人の方が亡くなり、600人以上が負傷する事故が起きている。当時ヘリコプターから中継された、列車同士が喰い込み、折り重なる凄まじい映像が記憶に残っていたが、意外と現場周辺は狭い印象を受けた。お盆が過ぎて間も無いせいか、慰霊碑には最近大勢の人が訪れた形跡が。合掌。
これが国道なのか?
これが国道なのか?

 慰霊碑を後にし、信楽市街を抜ける。道沿いには、膨大な信楽焼のタヌキが陳列してあるが、肉食獣?らしく歯が鋭くて、結構凶暴な様相を漂わせる置物だな、と再認識させられる。裏白峠のトンネルが工事通行止めだったので、県道5号線へと迂回し奈良市内へ。国道24号線から件の国道308号線へ入ると、そこは古い家並みを抜ける狭い道だった。程無く、青看板は「国道408号線方面の行先地名が記述されていない」という状態になり、どう見ても住宅地における末端道路の様になってしまう。そのままたんぼのあぜ道を進むと、突如として凄まじい勾配が現れた。

 どうやっても車は対向不可能な道幅、そして尋常で無い急勾配。だが、電柱には小さく錆びかかった「国道418号線」のおむすびがあった。どれ、写真でも撮るか......と道端にBROSを停めようと静止した瞬間、勾配の為に前輪が路面を掴めず、坂の下へズルズルと音を立てながら流され始めた。慌ててキルスイッチでエンジンを停止させてクラッチを放し、後輪もロックさせるとなんとかその場に停止する。

 恐る恐るバイクを降りて写真を撮り、エンジンをかけようとクラッチを握ると、また前輪がブレーキを掛けているにも関わらずズルズルと滑り出す始末。急いでエンジンを始動させ、慎重な、そして尋常では無い長さの半クラッチで、なんとかその場を脱出できた。周囲には住宅が沢山あったけど、一体どうやってこんな場所に住めるのか不思議だった。冬場などは、ウインチで車を引き上げるのだろうか? (^^;

 どんどんと進んで行くと、左方から合流する道からトラックが上がってきた。トラックが私より先行して合流したのでその後をついて行くと、猛烈な勾配故に凄まじい黒煙を吐き、速度は僅か10km以下。時には、歩いているのと変わらないペースで登って行く。このまま最後まで一緒なのか......と悲観していると、荷を満載したそのトラックは廃棄物処分場と思わしき敷地へ。程無くサミットへ到達し、眼下に生駒市街地が広がった。
これが国道なのか?
これが国道なのか?

 生駒市内で続きの国道408号線を探すのに手間取るが、なんとかそれらしき道を見つけ、再び急斜面の住宅地を登って行く。路面は滑り止め加工を施したコンクリート舗装で、長野県民の私からすれば信じられない道の勾配設計。まぁ、雪が降らないからこれで良いのかも。

 この区間は、途中センターラインもあったりと比較的状況が良く、登り続けると峠でクロスする「信貫生駒スカイライン」をくぐった。「およ、やっとサミットか?」と勢い良くサミットに突入すると、「んがんがうげぐげ......」と恐ろしい上下動がBROSを襲った。「今のは何じゃ?」とUターンすると、そこにはまるで寺院の参道を思わせる石畳が......。

 辺りには結構家があり、茶店の軒先には地元のお年寄がお茶をすすっている。確かに昔の街道そのままだが、この道が国道指定を受けているとは......。出発しようとバイクを切り替えそうとしたのだが、石畳による段差が多くてバイクが動かない〜!! 地元の方に救援を求めるのは絶対的に恥ずかしいので、必死の形相でバイクをUターンさせた。今思えば、荷物満載での切り返しは半ば奇跡的だったと思う。
道の駅に居た仔猫
道の駅に居た仔猫

 暗越を後にして、これまた尋常で無い急勾配を下り、大阪市内と神戸市内を経てひたすら西へ。バイクで大阪市街を走るのは初めてだったので、「どれ位車が殺気だってるのかな......?」と身構えて行ったのだが、東京に比べて道幅は広くて車線も多く、断然走りやすいのに驚いた。バイクも東京程激しいスリ抜けをしない様で、環7などのスリ抜けが尋常で無いのか、と今更ながら気づく。

 四国上陸は早朝に行いたかったので、辺りが暗くなっても走り続け、フェリーの発着する岡山県玉野市まで到達。道の駅「みやま公園」でBROSを止め、今夜はここにある休憩室のベンチで寝る事にする。休憩室には親猫と仔猫2匹がうろうろしていて、仔猫が沢山いる虫と戯れている。一番奥のベンチに寝袋を広げて横になるが、深夜まで来訪する車の騒音が気になってよく眠れなかった。ようやく眠れたのは、午前2時頃であった。
8/31へ 9/03へ

9/02


浜松
7:40
62.8km
------------------>
Other,K262,R362,K5,R1
9:10
岡崎
9:25
75.1km
------------------>
R1,23,421

員弁
11:10
73.4km
------------------>
R421,307
13:20
信楽
13:40
69.0km
------------------>
R307,Other,K5,R163,
K44,R24,308
15:30
生駒
15:45
112.6km
------------------>
R308,Other,R43,2,
K208,R2,312

姫路
18:55
110.5km
------------------>
R312,2,K45,22,R30
22:15
道の駅
みやま公園

503.7km走行 平均燃費21.8km

R=国道 K=県道 Other=市道,町道,村道,農道


北海道,四国ツーリング目次へ
戻る