ラジエータフラッシング
BOBさんから譲り受けたBROS Product-Oneですが、どうも水温が異常に上昇しやすい傾向にありました。季節は冬場だというのに、ちょっとした渋滞に出合っただけで、あっという間に水温計の針がHの手前まで上昇します。BOBさんもこの症状には以前から悩んでおられた様子で、エア抜きを念入りに行っても改善されなかった様子。という訳で、冷却水通路が詰まっている事を想定して、通路の湯垢や錆を洗浄するフラッシングを行う事にしました。
尚、ラジエータキャップを開ける作業は絶対エンジン冷間時に行いましょう。
取り敢えず、洗浄の前に下準備を行います。燃料タンクを取り外してラジエータキャップを露出させ、今まで入っていた冷却水をドレンから排出させます。この辺りは、ラジエータ冷却液交換の巻も並行してご覧下さい。クーラントを含んだ冷却水は有毒ですので、その辺や下水道へ安易に流さず、然るべき方法で処理しましょう。
これが、今回用意したラジエータフラッシング用のケミカルです。この「WAKO'S ラジエータフラッシュ」は500ml容で、水6〜8Lに対して1本を使用する様説明が為されていました。という事は、水に対して6〜8%の割合で混合すれば良い事になります。BROSの冷却水全容量は3Lですので、今回は約6〜7%の200mlを使用しました。冷却水通路のドレンを閉め、調合液を注入口から注ぎ入れます。一旦満量になったらエア抜きを行い、キャップを締めて燃料タンクを搭載します。
いよいよフラッシングに入るのですが、使用の説明には「20〜30分アイドリングの後排出」と記述されていました。ですが、そんなに長くアイドリングさせるのはオイルの劣化を早めそうであるし、排ガス的にも良くなさそうなので、ゆっくり走って意図的に水温を上げながら走行してきました。予定の時間を消化したら、エンジンが完全に冷却されるのを待ってから、フラッシング液をドレンより排出します。
これが排出したフラッシング液です。思ったよりきれいで、肉眼で湯垢や錆の目視はできませんでした。底に汚れの様な色の部分がありますが、元々バケツにこびり付いていた汚れです。
フラッシング液を排出したら、水道水の圧水で冷却水通路を濯ぎます。水道の蛇口にホースを繋ぎ、注入口へ出口を差し込んだらドレンを開け、暫くの間通路に水道水を流し続けます。この時大事なのは、内部が綺麗なホースを使用する事です。間違って水垢などが蓄積されたホースを使用すると、かえって通路が汚染されてしまいます。プラグホールの浸水には気を付けましょう。
もし水垢などが堆積している場合は、ホースに小さく切った台所用スポンジなどを詰め、蛇口に繋いで水圧でホース内をスポンジに進ませると、内部の汚れを全部取る事が出来ます。
濯ぎが終わったら、新しく使う冷却水を調合します。今回は少々寒めの所へ引っ越す予定があるので、少々濃い目に混合しました。ドレンを閉めておくのを忘れずに。注入口より静かに冷却水を注ぎ入れ、エア抜きを行います。
エンジンをアイドリングさせると冷却水が循環し、各部に溜まっていた気泡が注入口へ集まってきます。この時、必然的に冷却水は温められている訳で、エア抜きを念入りにすればする程、冷却水の温度も上昇して行きます。となると、高温になった冷却水中に自然と気泡を含み始める訳で、いつまで経っても気泡が出続けます。そればかりか、冷却水が膨張して注入口より溢れる事もあります。
よって、効率良くエア抜きを行うには、なるべく水温を上げない様に時折アイドリングを止め、流水をかけて冷却水を冷やしながら行うと良い傾向があります。急激な冷却はエンジンに良くない気もしますが、シリンダー内壁やピストンへは冷却水通路を挟んでいますし、オイルも完全に冷える事はありません。
さて、結果はどうなったかというと、過度の水温上昇はピタリと収まりました。ただ、最初に古い冷却水を排出させようとラジエータキャップを開けた所、冷却水はキャップ直下まで満たされておらず、随分と通路に空間が存在していました。よって、今回の症状は冷却水通路の詰りに起因するとは言い難く、エア抜きが完全で無かったとの結論に達しました。ですが、BROSも生産されてから概ね7〜13年、その車齢を考えればフラッシングの実施は無駄では無いと思います。
BROSをお手入れへ