F足回り
プレスフレームと同様に、実用車ならではの装備と言えるのがボトムリンク式のフロントフォーク。ブレーキと同時に競りあがる独特の機構を持っていますが、プレス成型により抜群の量産性,低コストを実現しています。プレスだからと言っても、フレーム同様剛性不足を感じる事は有りません。
普段、一般のバイクに使用されるテレコスピック式のフォークに慣れた人にとって、フロントブレーキと同時にフロントが競り上がりを感じさせるボトムリンク式。確かに、フロントブレーキのみを掛けた場合には、フォークがアクスルシャフトを支点として斜め前方へ移動する様なフィーリングが有ります。ですが、メイトの様な実用車ではブレーキの主役はリヤブレーキです。フロントブレーキ自体の制動力はあまり無く、単独で使用する場面は皆無と言っても良い程です。メイトはフロントに依存する事の無い、まさしくリヤステアで曲がるバイクだと言う事が出来るでしょう。
一見、スプリングやダンパーの存在が分かり難いプレスフォークですが、フォーク内側にしっかりとショックアブソーバーが内蔵されています。もちろん、通常のテレコスピック式とは全く構造は異なり、分かり易く言えば、リヤサスユニットに類似したユニットが、そのままフォーク,リンクにマウントされています。このユニット、カヤバ製の物が採用されています。こんな所にもKYB。
フロントブレーキは、110mm径のシングルリーディング。ニュースメイト,2000年以降のVシリーズには130mmのドラムが装着されています。前後のドラム径は同一ですが、ボトムリンクというフォーク形状もあり、フロント単体での効きはややプアー。リヤの補助的性格が強いです。
ホイールのリム幅は1.20-17インチ。V50の場合は、前後共に全く共通のパーツです。そこに、純正では"IRC" 井上ゴム工業(株)の2.25-17インチのチューブタイヤが装着されます。フロントの場合は、トレッドパターンは周方向に平行の溝が入ります。一見頼りないグリップを思わせる事もありますが、軽い車重の為か通常の走行では全くグリップに不安要素はありません。経年劣化のかなり進んだ(例えば10年以上とか)タイヤでも、結構グリップ力が落ちないのが恐ろしい所。安全の為には交換すべきでしょうが......。
メイトを解剖へ