◆垢(アカ)
水中の石の表面につく、ケイソウやランソウなど、清流性の付着藻類のこと。
このアカのつく場所や、その色から、今アカがどんな状態にあるかを見極めて
鮎の活性を推測することも重要。
水質の良いところにはケイソウが多く、やや汚れたところはランソウが多くなる。
もちろんケイソウを食べた鮎のほうが味は上。
◆垢腐れ(アカグサレ)
石の表面についたアカが、渇水や高水温などにより死滅し、ふやけた状態になる。
鮎は新鮮なアカが残っている場所に移動するので、アカ腐れの場所では釣れない
ことが多い。
◆朝瀬・昼トロ・夕のぼり
朝瀬 ・・・人が少ないうちに追い気のあるアユのいる瀬を効率的に釣る。
昼トロ ・・・瀬をひと通り釣ったあとは追いが活発になるトロ場のアユを静かに釣る。
夕のぼり・・・夕方になると淵にいたアユが瀬に移動してアカを食みはじめるので、
それを見逃さない。
◆遊びアユ
決してギャンブルが好きなアユをいうのではない。全てのアユが縄張りをもてるわけで
はなく、得に過密な状態の時ほど、縄張りをもていないアユがいる。こうしたアユは群
泳し、縄張りを守る行動である、他のアユへの威嚇や攻撃をあまりとらない。
この場合いくら近くに友アユを近づけて、流れに向かってユラユラと一緒に泳いでいる。
しかし、数を釣るにはいかにこれらのアユを拾うかというとこがポイントで、少しでも針に
触れただけでも刺さるような鋭い針を常に準備することが必要。
◆荒瀬
大相撲にも同じ呼び名の力士がいたのも記憶にあたらしい。
瀬の中でも、特に流れが速く、底が起伏に富んでいるため、荒々しく波打って流れる瀬を
いう。慣れないとアユを底に沈めにくい。釣り人が立ち込めない。このためアユも多く残っ
ている場所でもある。
◆石裏
石の裏側釣り人から見た場合、石の向こう側をさす・・・釣り残しが多いポイントである。
石の裏(下流側)・・・大水でアカが飛んだときなど、残りアカがある可能性が高く、アユ
も残っていることが多い。
◆一番のぼり
天然そ上アユの中で特に早く川を上り、好場所に縄張りを持ったアユをいう。先に縄張
りにいるため争いの中でも常に優位で良いアカを食んで良く育つ。
解禁日に釣れるアユは早くから良い縄張りを確保したこれらのアユで有ることが多い。
◆居着き(いつき)
アユが縄張りをもってその場に定着していること。居着きのアユは縄張りに執着心が強く
侵略アユへの攻撃力も激しい。このアユが掛かった時の感触は一生忘れることがないで
あろう。
◆糸ふけ
仕掛けを投入した時の糸がたるんでいることをいう。囮を操作するときにこの糸ふけの加減
によりとめたり、泳がせたりをコントロールする。
◆入れ掛かり
続けざまにアユが掛かることをいう。
◆上波
上層の流れ。同じ流れの中でも上層と下層では水の抵抗が違う。上層のそれの方が
強く、この抵抗を削減するために細糸や金属糸が使われる。
◆右岸
下流を向いた右側の岸をさす。左が左岸。
◆越年鮎(エツネンアユ)
一年で世代交代をするアユがまれに越冬して次の年まで生きるアユがいる。解禁日に
25cmオーバーがつれるときなどはその場合が多い。
◆追星(オイボシ)
アユの胸のところにある黄色い模様をさす。この黄色が強いアユは天然(海産)と言われる。
◆尾掛かり(オガカリ)
掛け針が尾の近くに刺さって上がってくること。背掛かりの次にアユに与えるダメージが少
ない。 囮にむいているアユである。
◆送り出し
ハナカンを通し仕掛けを装着したアユを流れに入れてポイントへ誘導(泳がせる)すること。
以下の条件下では一般的に送りだしが難しいとされる。
(手尻が長い、立ち位置が深い、流れが緩い、アユが弱っている)
◆押し
水流の強さ。押しが強いなどという。アユをいれるのも難しいが、釣り人が立ちこむ場合、
流れに横をむくようにすると、少しは楽。
◆落ち鮎(オチアユ)
晩秋、産卵期を迎えて下流部に下るアユのこと。卵を持っているので、味はなかなかであ
るが、体力がないため、釣り味はいまいち。秋は一雨ごとにアユが下ると言われる。
この落ちアユを狙っての漁がアユ簗(やな)である。
◆落ち込み
急な段差のある流れの部分。一度落ち込んでから反流するので流れ自体はそれほど強く
ない為アユを誘導し易い。新鮮なアカがあり酸素量も多いので特に渇水期、減水期には
好ポイントとなる。
◆オデコ
ボーズ、一匹も掛からないこと。
◆オトリ鮎(囮)
鮎の友釣りにおいて釣果に大きな影響を与えるのが、オトリ鮎である。これは養殖・天然
の2種類に分けられるが、大きな特徴は下記の通り。
養殖 | 天然 | |
低水温 | 強い | やや弱い |
高水温 | 弱い | 強い |
泳力 | 劣る | 優れている |
泳ぎ | ゆっくり | 早い |
回復力 | 優れている | 劣る |
持続力 | 優れている | やや劣る |
操作性 | やや優れている | やや劣る |
野アユの反応 | とめ泳がせに反応 | 普通の泳がせでも反応 |
習性 | 群れ易い | 単独行動し易い(縄張りを持ち易い) |
◆オバセ
糸ふけのこと。長良川の郡上方面の方言らしい。オバセる。ゼロオバセなどと使う。
水中に糸ふけを出して水の抵抗を糸にかける。この下流へ流れようとする糸の抵抗
をアユが感じて逆に上流へ泳ぎだす。
◆泳がせ釣り
トロ場やチャラ瀬などの流れの緩いポイントで囮の自由意思で縄張りアユへ近づけ、
縄張り争いをさせて、針掛かりをさせる。
◆泳がせ引き釣り
ベタ竿で囮を泳がせながら、時々上流へ引いたりする釣り。
◆カーボン
炭素のこと。炭素を高温、高圧で処理して繊維状にしたものをカーボン繊維という。
この繊維は軽く弾力性に富むため、鮎竿のように長くて、且つ軽くて丈夫なものと
して利用される。
◆海産アユ
アユは晩秋にフ化して海に下がり、春先に再び遡上してくるものと、琵琶湖に陸封され、
周辺河川で育つ小さなものの2種に大きく分類される。
これを釣り人は海から遡上してくるアユは海産アユと呼んでいる。また後者のアユを
普通の河川に放流すると大きく成長する。これを湖産アユと呼ぶ。
◆鏡(かがみ)
水面が波立ったりよれておらず、流れはあるが、鏡のように静まりかえったポイント。
トロ場など、鮎の姿が良く見えるかわりに、鮎からも釣り人の姿が良く見える。
◆かけ上がり
川底の斜面を言う。釣り全般(海釣りなども)において好ポイントといわれる。
◆渇水(かっすい)
川の水が平常より少ないこと。特に梅雨明け後の7月終りから8月にかけて雨がすくなく、
川の水位がさがりアカも腐ってしまう。そうなると瀬の鮎が縄張りを捨ててしまう。
また鮎は特にこの時期音や、人影に敏感になる。
◆川通し(かわどうし)
川を歩くこと。または対岸まで渡ること。
◆川取り
川原にたって今日一日の釣りのポイントの順番を決めること。
◆川読み
攻略手順、方法を組み立てること。水の状態や、アカの状態、石に配置、流れの様子、
水温などの条件で戦略を練る。
◆ガレ場
岩の崩れた斜面。川岸にすぐにある場合は、底は良いポイントではない。
◆ガンガン瀬
荒瀬の中でもとびきり荒い瀬。
◆岩盤
川底の一部、又は全てが大きな岩が剥き出しになったポイント。水位の増減に影響されに
くく増水時、増水直後などに好ポイントになる。
また、コケ、アカが豊富なので、大きな鮎が付き易い。
◆食い込み
魚体にハリがしっかりと刺さる子とをいう。
◆首くくり結び
糸の結束方法に一つ。引っ張ると輪が縮む結び方をいう。
◆汲み上げ(くみあげ)
ダムや堰堤の下などにたまっている天然遡上の海産アユを捕獲して、川の上流部の放流
すること。
◆けられ
野アユが針にかからず、アタリだけが竿先、目印に表れたときに使う表現。
◆コケ
アカの別名。(※アカを参照のこと)
◆湖産アユ
湖やダムで育ったアユ。ほとんどは琵琶湖(滋賀県)のアユを指す。
琵琶湖へ流れ込んでいる、安曇川、愛知川等は湖産アユが遡上することで有名。
海から河川に遡上したアユは海産アユと呼ぶ。
◆固着(こちゃく)
竿を振り出した状態から、元に戻らなくなる(縮まらなく)状態をいう。こうなった場合は
以下の方法で対応するのが一般的。それでもむりなら、修理扱い。
@下にタオルを引いて、上から真直ぐ下に落す。
Aゴムチューブなどを使い、反対方向にゆっくりとひねる。
Bドライヤーで暖めて、上記Aの方法で。
Cタオルを巻き、その上から熱湯をかける。
固着を防止する方法として、竿を勢いよくのばさず、伸ばしたときに、少し左右にひねり
ながらを加えると、釣っているときにいきなり縮まったりしない。
◆子持ちアユ
秋に抱卵状態にあるアユをいう。産卵体制にあるため、体力がなく釣り味にはかける。
◆コロガシ
別名素掛け、引っ掛け釣り、段引き、ガリなどと地域によって呼び名が変わる。
おもり(7号から10号)の下に約8本ほどの掛け針を結び。下流から徐々に上流へ向けて
引き釣り。
◆ゴム張りおもり
囮鮎を水中で安定させたり、底に沈める手段として、鼻先約5cmから約30cmのところに
オモリを付けて釣る方法がある。
この場合細糸を鉛ではさむため、ずれたり、糸をキズつける、それを防止するために、挟む
部分の内側にゴムを張ったもの。
◆ゴロタ石
ごろっとした石。玉石。底が不安定な浮石気味の場所の石を呼ぶことが多い。
◆竿尻(さおじり)
元竿(握り)の一番下をいう。
◆竿抜け(さおぬけ)
竿(釣り人)が入っていないポイント。特にシーズン後期にはこのポイントを探すのが釣果を
あげるに一番近いとされる。
◆逆立ち泳ぎ
囮を野アユを挑発するために、尻尾をふり逆立ちしたように見せる。このとき囮アユが頭を
下げて、アカを食むしぐさに見えるためか、この動作に野アユが反応することが多い。
野アユがいるが掛かりが渋いときに使うテクニック。
◆逆ばり(さかばり)
掛け針を囮の尾っぽ近くに安定させるために用いる。ハリスを魚体に安定させるために
もちいる小針。
この針の刺し位置はアユの尻ビレ付近の薄い皮に引っ掛けるように差す。
決して尻ビレの付け根には刺さないこと。ここにはアユに神経があるため、場所によっては
すぐに弱ってしまう。
◆左岸(さがん)
下流をみて左側の岸のこと。
◆先糸(さきいと)
穂先と道糸の間につけてカラミを防ぐための糸。天上糸と同じ意味。
◆先調子(さきちょうし)
竿にオモリをぶら下げて曲がりを描いたとき、その孤の頂点が穂先よりにあるものをいう。
◆ささ濁り(ささにごり)
雨が降って少し濁りが入った状態。土色の濁りではなく、青白くにごった状態で、
渓流釣りでは魚が活気つく良い水。
◆差しアユ
下も手の淵などから瀬に出てくるアユ。
アユには時間により行動パターンがあるようで、夕方に瀬で入れ掛りになることも、この行動
パターンの関係である。
◆差し替えし
一度上流まで泳がせたアユを、一度手元に戻し、再び泳がせなおすことをいう。
◆誘い
竿、仕掛けを操作して囮を動かし、野アユを挑発する。上下左右、回転(スパイラル)などの
種類がある。
◆サラ場
竿(釣り人)が入っていない場所をいう。
◆3本イカリ
掛け針の形態の一つ。3本の針を120度づつ均等に結ぶ。4本イカリと比較して掛かりが
深く、掛かったアユがバレにくい。
◆ザラ瀬
関東方面で使われるさらさらとした瀬をいう。関西でいうチャラ瀬。
◆下波(したなみ)
下層の流れ。上波に比べて流れの水流(抵抗)が弱い。
◆下泳がせ(しもおよがせ)
囮アユを釣り人の正面よりも下流川で泳がせ釣りをすること。
◆下竿(しもざお)
流れに直角にたった場合、竿先が正面よりも下流にむいている状態をいう。
◆シャクリ釣り
オバセた分の道糸を上下にしゃくって囮アユを泳がせたりして釣ること。
◆白川(しらかわ)
雨などにより白っぽい濁りが川に入った状態。
また増水などにより川底の石が動き、表面のアカが磨かれ飛んでしまった状態をいう。
◆尻ビレ
肛門のすぐ後ろにあるヒレ。
特に天然オトリを購入する場合、この近辺に針の刺しアトが無いものを選ぶこと。
ある場合は一度以上オトリとして使用されたもので、すぐに弱ってしまう。
◆新アカ
アカが腐って流されたり、増水で荒い流されたりした後につく藻類のこと。一般的に洗わ
れた石は白っぽいが、アカが付くと黄褐色を帯びてくる。
◆人工河川
アユを産卵させるために造った川のこと。琵琶湖の安曇川と姉川が有名。
◆人工産
抱卵したアユから採卵し、受精させたあとふ化させて養殖用の稚アユまで育てたものをいう。
◆水中糸
天上糸を含まない道糸部分のこと。丁度水中にはいる部分の糸であるためこう呼ぶ。
現在はナイロン糸、フロロカーボン糸、金属糸等の種類があり、年々細くなり、且つ強度も上
がっている。上記の種類はポイントの状況後とに使い分けられている。
◆素ダモ
タモ網の底部分に布袋を取り付けた袋タモに対して網だけのタモをいう。
◆すれっからし
警戒心のつよいアユのことをいう。渇水の時など、特にこういう状態になるアユが多い。
◆瀬
川の流れの部分で、石や岩が多く浅くて水面が波立っているようなところをいう。
流れが石にあたり、常に新しいアカが付くため、アユ釣りに重要なポイントである。
◆瀬落ち
瀬が淵などに落ち込む部分。アユの絶好の付き場。
◆背掛かり(せがかり)
野アユの背中付近に針が掛かったことをいう。野アユに与えるダメージが一番少ない場所で、
囮アユとして最適である。
◆瀬頭(せがしら)
川は瀬と淵の連続である。淵の水が瀬となって駆け下りる、その先頭部分が瀬頭。
◆瀬肩(せかた)
流れが次の瀬に落ち込む手前の川底が盛り上がったところ。アユが好むポイントで、友釣り
では最も重要なポイントである。
◆瀬尻(せじり)
瀬が淵やトロ場に入る部分。淵頭、瀬落ち。
◆瀬トロ(せとろ)
深瀬の中でも流れが比較的ゆっくりした部分。瀬でもない、トロ場でもないといったところ。
◆瀬バリ(せばり)
オトリを深く潜行させたり、強い流れの中に沈めるときに、オトリの支点を後ろへ持ってくるた
めのハリ(頭を下げる状態)。ハナカンより上の糸にセットして、このハリを背中に差す。
ハリを刺す場合は薄く皮をすくう感じ。
◆瀬脇(せわき)
流芯の両サイドへ出来る緩い流れのこと。
◆ゼロオバセ
オバセが水中の糸ふけのことをいうのに対して、ゼロオバセは糸フケを取らない状態をいう。
◆ゼロ感覚(ぜろかんかく)
道糸をオバせず、竿の穂先が曲がらない状況を手感でとること。
◆ソ上(そじょう)
アユが川を遡ること。
◆タイツ
鮎タイツ。ウエットタイツのこと。ネオプレン、テピロンなどの断熱素材から出来ており、
体温が水から奪われるのを防いでくれる。また同時に石などより足を守ってくれる。
◆高切れ(たかぎれ)
仕掛けの高い位置(道糸)から切れてしまうこと。
◆立て竿(たてざお)
竿を垂直に近い状態に立てて釣ること。オトリの自発的な泳ぎに任せてつる場合にこの
方法をとる。
◆ためる
竿の弾力を生かしながら、掛けた鮎の走りと水圧を制御して持ちこたえること。竿と糸の
角度が大きくなるとノサれた状態になり、糸切れにつながる。
◆タルミ(たるみ)
流れの中に部分的にできる緩やかなところ。石の裏側などに出来易い。その石について
いる野アユがよく待機している場所でもある。
◆チチワ(ちちわ)
糸の端に8の字結びなどで作った輪のこと。チチワを使って道糸と天上糸を結んだり、竿先
に天上糸を結んだりと用途は多い。
◆チビダマ
小さい丸型のオモリのこと。実際には2号くらいまで。
◆チャラ瀬(ちゃらせ)
瀬の一つ。サラサラと波立つ流れの浅い瀬のこと。
◆付きアユ(つきあゆ)
ナワバリを持つアユのこと。
◆手返し(てがえし)
取込みから送りだしまでの一連の動作。これを無駄なく、且つスピーディーに繰り返すこ
とが上達への道である。
◆手尻(てじり)
竿の長さを超えた仕掛けの部分。手尻が長いほど、広範囲にアユを泳がすことが出来る。
◆天上糸(てんじょういと)
竿と道糸(水中糸)の間にいれる太めの糸。(0.6号〜0.8号)主に糸が竿へまとわりつ
くのを防止するのが役目。あまり太すぎると風の抵抗を受けやすくなる。
もう一つは高価な水中糸を節約するためにも使用される。特にメタルライン使用時には、
ナイロン使用時のそれより1mほど長めにする。
◆出ばみ(でばみ)
アユが淵から瀬にアカをハミにでてくること。