<株式会社玉屋商店 大正期 甲式玉屋トランシット>

Sorry Japanese Only

 

<右前側面>             <左後側面>



<左前側面>             <右後側面>



<磁石盤面>


<水平バーニャ>


<器械前面>


<収納箱>

このトランシットは、木箱に検定証が無く年代は不明ですが、昭和12年のレベル同
様、望遠鏡搭載の棒状気泡管が2.5mm刻みです。水平分度盤も水平の盤面では
なく、テーパー状になっています。
合掌方式は外焦式ですが、外国製のように接眼レンズが移動するタイプです。
また、驚いたのは「東京市道路局橋梁課」の木箱の刻印です。
東京都年表や豊島区のHPより調べてみましたが、東京市は、明治22年5月より東
京市誕生、そして昭和18年7月の東京都制実施。東京府と東京市が合体し、東京
府・市を廃止し東京都となる。と言うことしか解りませんでしたので昭和18年7月以後
に作られたものではないことだけは確実のようです。

月刊測量2003年5月(測量機器産業界の歴史を語る)を見ると。
玉屋は、明治9年に測量器械を欧米から輸入販売、明治21年カタログ発行明治26
年度器の製作免許を受け、明治37年に玉屋測量器製作所ができ、測量機器の国
産化が進められたとあることから、この器械は玉屋測量器の初期のものと言えます。

珍しい作りというか初期の器械の特徴が水平バーニャの0度が中央ではなく向かって
右側(片方)に位置しています、写真の角度は、206度37分40秒です。
木箱の収納状態も、今の器械と同じように横にして収納しますが私の持っている器械
は全て立てて収納するので、年代がもっと古いのかもしれません。
興味深いのは、対物レンズ側だけしか反転できません。
この器械の資料情報等がありましたら掲示板にてお知らせ戴けると大変有り難いです。

望遠鏡倍率 推定20倍程度
合焦方式 外焦式/像 倒像
最短合焦距離 1.8m程度
望遠鏡全長 21.5cm
対物レンズ有効径 23mm
水平目盛盤 114mm
AB対抗バーニャ20秒読み(測微鏡付き)
鉛直目盛盤 98.5mm
正反対抗バーニャ20秒読み(測微鏡付き)
製造番号 [517]
検定証年月日 不明
外の詳細は不明です。

写真のトランシットは、各動作部分は大変良好で、望遠鏡の十字線も綺麗ですので、
状態は大変いいです。またスタジヤ線も着いているので古くからスタジヤ線は採用され
ていたことが伺えます、この器械も三脚がありませんが、三脚取り付けネジは無いので
蝋などで板に器械を直接固定していたと思われます。

宮城県 遠藤亮士氏のご厚意により「玉屋商店商品目録 第6版大正9年」から器械が判明しました。
感謝申し上げます。平成21年7月30日

 


 

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