ガイド記録
八ヶ岳主峰。標高2889mは富士、日本アルプスを除いた本邦の最高峰であり、その名のごとく夕日を受けた西面の岩稜は赤く染まる。北巨摩、南諏訪、南佐久の広大な裾野を一手に集め、清里高原を流れるすべての川の源でもある。複雑な形成過程を持つ八ヶ岳火山群の盟主であり、山頂部はアルペン的な景観をなし、八ヶ岳固有植物も多数見られる。近年は山小屋が林立しやや俗化の観は免れないが、その多様な自然環境と個性的な峰々は訪れる登山者を魅了してやまない。
赤岳
(2899m)
☆ ☆ ☆
| ガイド期間 |
5〜10月 |
歩程 |
5〜6時間 |
2万5千地 |
”八ヶ岳東部” |
登山口 |
観音平 |
最北蓼科山に始まる八ヶ岳蓼科連峰は、南端にこの編笠山が頭をもたげて広大な裾野へと消える。このふたつの山は良く似た円頂形をなしており、同様に山頂部は岩石を敷き詰めた特異な山容を呈している。山腹は深い原生林に覆われ、森と岩と苔の寄り添うさまはあたかも庭園のごとくである。凹凸のないだけにその頂からの展望は郡を抜き、日本アルプスのほぼ全景が視界に収まり、権現、赤岳は押し寄せんばかりである。樹林草本野鳥類の分布も多岐にわたり、隣の西岳も巡ればさらに充実した山旅となる。
編笠山
(2524m)
☆ ☆
| ガイド期間 |
5月〜11月 |
歩程 |
5時間 |
2万5千地図 |
”蓼科山” |
登山口 |
稲子湯 |
硫黄岳
(2760m)
☆ ☆
| ガイド期間 |
4〜11月 |
歩程 |
6時間 |
2万5千地図 |
”八ヶ岳東部” |
登山口 |
野辺山 |
横岳
(2829m)
☆ ☆ ☆
| ガイド期間 |
5〜11月 |
歩程 |
7.5時間 |
2万5千地図 |
”八ヶ岳西部” |
登山口 |
甲斐大泉 |
権現岳
(2715m)
☆ ☆ ☆
| ガイド期間 |
5〜10月 |
歩程 |
8〜9時間 |
2万5千地図 |
”八ヶ岳東部”
|
登山口 |
清里 |
硫黄岳ほどに正面と背面でその容貌が一変する山もないだろう。南八ヶ岳の峰々から見た頂上付近はなだらかでのどかなものであるが、ひとたび北面に回れば突然に台地が壊れてしまったような爆裂火口が姿を現す。馬蹄形に抉り取られた300mの断崖は八ヶ岳随一の奇観であり、本沢温泉から吹き寄せる風はかすかな硫黄臭を含む。山頂からは雄大な南八ツが眼前に迫り、高山植物も豊富である。硫黄岳山荘主人の尽力による駒草の群落も名高い。
赤岳の北隣、横長に持ち上がる稜線上に寄り添って並ぶピーク群を総称して横岳と呼ぶ。赤岳に次ぐ標高を誇り、奥ノ院、日ノ岳、鉾岳、石尊峰、三叉峰などの名がついている。山頂周辺は高山植物の宝庫であり、可憐な草花が夏を彩る。東に大きく張り出すのが杣添尾根で起伏の少ない最良の登山路となるだろう。なお西面の茅野側は八ヶ岳における岩登りの中心地であり、大同心、小同心などの奇異な岩峰が見られる。
清里から八ヶ岳を眺めるならば、悠然と立ち並ぶ赤岳、阿弥陀岳の左手前にあって鋭く天を切り取っている稜線が見える。権現岳は八ヶ岳の中で最も侵食の進んだ山であり、その特異な山容から、かっては修験道の中心だった。周辺には高山から亜高山帯の植物が多い。近くには旭岳など岩稜のピークがひしめき、急峻な権現沢が地獄谷へとそそぎ落ちる。南麓の登山道から入れば縦走路よりも比較的容易に山頂へ達する事ができ、山頂から北へ連なり行く八ヶ岳の峰々が眼前である.。
その1