88-5 手摺ー舷側1

手摺
先延ばしにしてきた手摺の取付について、いよいよ決めなくてはならなくなってきた。
付けるのか付けないのか、付けるとするとどんなものがよいか・・・

本当は手摺は付けたくない。と言うのも、どんなにうまくやったって檻のようなものしかできないことが分かっているからだ。
大和の実写真でも写ってないし、1/10大和の写真だって髪の毛ほどしか写っていない。手摺なんてカスミのようなもんだ。
手摺の支柱の径を25ミリとすると1/250では0.1ミリ。物理的に無理だ。

手摺を付ければ、間違いなく俺の大和は死ぬ。

しかし手摺より細かなものも作りこんでるし・・・
それに、万が一にも成功すれば大和の雄大さが表現できる・・・

嗚呼、老いの迷いか、欲と正気が交錯する・・

手摺
【写真説明】上は1/10大和の写真だ。
白線で示した範囲には手摺の支柱が31本ある。この間の長さはデアゴの平面図によると243ミリ×250=60,750ミリだ。
最初の支柱の前と最後の支柱の後にはそれぞれ間隔の半分ほどの空きがあるので、間隔が31あるとすると支柱の平均間隔は1960ミリとなる。
ほぼ2メートルとみてよいだろう。
1/250での間隔は8ミリとなる。高さは縦横比からおよそ1.2メートルぐらいで4.8ミリか。
デアゴの支柱の間隔は1/10大和のそれより1割程度長いようだ。

カスミのように見える手摺を探してみたが、よいものがない。
と言って、細い素材を組合わせて作ればもっとひどいことになるだろう。

小西製作所で出しているR9というエッチング材を試しに購入した。
R9の柱間隔は7ミリ、高さは5.6ミリ。支柱の太さは0.3〜0.4ミリ。
高さは調整できるのでまぁ問題ない。問題は間隔の方だが次の理由で目をつぶることにした。

@ 測定した区間は比較的に支柱間隔が長い区間である。
A 艦首や艦尾にはポラードなどが多数あり、間隔の狭いほうが都合がよい。

と言うわけで、試しに取付けてみることにした。

手摺【写真説明】2.5×6ミリの細材で洗濯挟み状のものを作った。











下 上の写真の左側の先端は写真のように、ゆるい凸型と凹型のカーブが彫ってある。

手摺【写真説明】上の挟みでR9の水平部を挟んで、アールをつける。
これでくさりのたるみの感じがでるかな?

手摺
【写真説明】まず長尺柵用として、高さを調整する。
全部の脚の高さを5.6ミリ(長い脚を短い脚に合わせてカット)とし、さらに1本おきに2本づつ4.6ミリ(1ミリカット)とする。長い脚はアンカーとなる。
次に、一応メタプラ吹いてから塗装した。

手摺
【写真説明】舷側上に手摺の基点(黄色のピン)を決めエッチィングを留める。
アンカー毎にピン(赤色のピン)で印を付けていく。
エッチィングを外して、0.5径のドリルで穴を大きくする。

手摺
【写真説明】エッチィングのアンカーを穴に差し込んで立てる。まだ接着しない。
他の構造物も仮置きしてどんな感じになるか観て見た。
くさりの感じは出ているね。

手摺
【写真説明】
一番上の写真と同じアングルで撮ってみた。
それほど目立たないがやはり太い。ヤナ感じ。

高さは適正なのだが、支柱の間隔が短いために、腰高に見える。
支柱やくさりは太く見え、カスミのようなわけにはいかなかった。
ただ横棒のたるみはくさりに見える効果がある。

しょうがない・・・これに決めよう。

R9より小さめのエッチングでR10というのがある。構造物上の手摺にはこのR10を使うことにした。

さて、もう一つの障害に取り掛かることにするか。