20001.2.4(日) 第18回京都木津川マラソン (ホッつなさん)

         こんな体調の悪い状態で臨むレースがあっただろうか。
        ひょっとしたら今までで最悪かもしれない。
        こんなことをつい考えてしまう、これが2月4日、木津川マラソン当日
        の朝6時12分だった。

         前日の夜から腹具合が悪くなり激しい腹痛に、今朝も起きてから
        う○こぴーぴーである。
        練習用のレースなら間違いなく止めていた、しかし今回は違う。
        今シーズン目標としてきたレースの1つである。
        記録を狙うため1月に生まれて初めて400kmもの走りこみも行った。
        (ただしほとんどJOGのみだけど…)
        また最高の状態で臨もうと、普段なら近鉄で行くところを豪勢に
        新幹線として切符も買ってしまっている。
        (金券ショップでだけど、さらに5件も回って一番安いところ買ったけど…)

         どうしても諦めきれない。
        体調もこれから劇的に回復するかもしれないと思い、
        やっぱり行くことにした。
        電車の中でもなんか腹に違和感がある。
        気を紛らわそうと本でも読もうとするが、家に忘れたようだ。
        いろんなことを考えていたら、どこかの誰かが言っていた言葉を
        思い出した。
        「市民ランナーは1つぐらい不安材料があった方がいい。
        絶好調のときはむしろ失敗することの方が多い。
        不安があり慎重に行ったときの方がいい結果に結びつくようだ」
        おおー、まさに自分のことだと思い、少し気持ちが軽くなる。
        「そういえば明け方に子供が泣き出してあまり寝れなかったが、
        あれも彼なりの応援だったのかな、赤ん坊は泣くことでしか
        表現できんからな」と何でもいいことに思えてくる。
        やはり何事もプラス思考が大切だ。

         会場に着いて体育館に行ったが、そこはすでにいっぱいであった。
        こんなこともあろかとキャンプ用のロール銀マットを持ってきたのは
        正解だった。
        道場の軒下に広げてくつろぎながら着替える。
        今日は薄曇りで風もないマラソンには絶好の天気、狭苦しい体育館に
        比べたらむしろ外の方が快適だ。
        その後長蛇のトイレを並び、戻ってきたら9時45分、
        関西支部のきっしゃんと会う時間である。
        約束の場所に行ってみると走快ねっとののぼりがあり、一目でわかった。
        無事関西の方3名ともお会いし話ができた、しかしスタートまで
        あまり時間もないため15分ぐらいで分かれてアップをしにいった。
        体調に不安があるためアップも軽め、10分ぐらいジョギング
        しただけだった。
        この時点ではサブスリーも自己ベストも半分以上は諦めていた。
        次回につながる走りができればいかなとか、最悪途中リタイヤでも
        仕方ないかとか。
        しかしすぐ後ろに2時間59分のペースランナーがいるのに気づいたとき、
        「この後ろをついていけばサブスリーが!」という思いが…。

         そしてレースはいよいよスタートした。
        スタート直後すぐ横をペースランナーの方が通りすぎてく。
        ついていこうかと思ったが不安も大きい、また1kmの通過が自分が
        4分5〜6秒であるのに対して20〜30m前をいっているので、
        おそらくキロ4分ぐらいである。
        ちょっと速すぎるのでついてくのは諦めた。
        またこの1kmを越えたあたりから腹痛が襲ってきた。
        腹の真中あたりから脇腹にかけてである。
        この手の痛みは速度を落とせば弱くなるのは経験的に分かっている。
        しかし今それをするということは、この時点で目指してきたものを
        すべて諦めてしまう、無茶かもしれないがもう少し悪あがきすることを決めた。
        そこでしばらくはあまりペースを落とさずに痛みに耐える作戦とした。
        痛みには波がある、強いとには本当に苦痛で顔が歪みそうだが、
        弱いときにはそれなりに走れる。
        コースは川原の土手道のためペースランナーとの差はすぐにわかる。
        5kmぐらいまでは徐々に差は広がっていった。

         河川敷コースのため走る前はほとんど直線だと思っていたが
        そうではなかった。
        土手を登ったり降りたりで急なカーブがたまにある。
        通常なら何でもないことでも、この腹痛にはちょっとこたえる。
        しかももう1つ問題があった。
        この状態では給水がとれなのだ。
        前半は大丈夫だがこれが後半になって効いてくるだろうと思い
        ながらもエイドではうがいをするのが精一杯だった。
        5kmの時点で200mぐらい離れたペースランナーとの距離も、
        10kmぐらいまではそれ以上広がらなかった。
        これがちょっと励みになった。
        相変わらず腹痛は続いているがまだこのペースでいける。
        「リタイヤを考えるのはスタート地点に近づく20kmぐらいからだ。
        とにかく我慢、我慢」と自分に言い聞かせる。
        15kmの手前あたりだっただろうか、ついに痛みがひいていった。
        普通に走れるってことは何て幸せなことなんだろう、これほど実感
        したことは初めてだった。

         この先不安が全くないわけではないが、痛みがなくなったことで
        ペースランナーに近づこうとちょっとづつペースを上げる。
        前の集団は30〜40人ぐらいはいたはずだ。
        またそんなに強くはないが向かい風も吹いてきた、単独で走るより
        集団にいた方が有利である。
        20km手前ぐらいで何人かのグループに追いつくが
        ペースランナーはいない。
        ペースランナーの大集団はだんだんとバラけてきているようだ。
        中間点を1時間27分ちょっとで通り過ぎた。まずまずのペースである。
        ちょうどそのころペースランナー集団に追いついた。
        ここでその集団の中に入り込み体力を温存することにした。
        追いつくためにペースを上げたせいか集団のペース遅く感じたが、
        ペースランナーを信じてこのまま走ることにした。
        
         このあたりからやっと給水がとれるようになってきた。
        アミノバイタルを2口3口、次のエイドでは4口5口と。
        これで体もリフレッシュしたようだった。
        30kmまではこの集団の中で快調に走れた。
        しかしさすがにその先はだんだんときつくなってきた。
        ペースランナーに何とかついていっているだけである。
        集団も1人2人と減っていく。
        35kmあたりのエイドでチョコレートを取ったときに20mほど遅れる。
        無理に追いつこうとすると体力を無駄に消費すると思い、
        とりあえずこの間隔を維持しようとしたがそれすら困難だった。
        そこから先は10m、20mと徐々に広がっていく。
        かなりきつくなってきた。
        体のあちこちが悲鳴を上げている。
        関節や筋肉・腱がきしむ音が聞こえるかのようである。

         37km地点、前回はここから大幅に失速した。
        今回はなんとかふんばりたい。
        ここからは気力が勝負だ。しかし心の悪魔が囁きだす。
        「ここまでやったから十分じゃないか」
        「体調が悪かったんだからいくらでも理由になるよ」
        「そんなに頑張って何か利益があるの」
        「これ以上無理したら故障しちゃうよ」と。

         まさに物語やマンガの世界そのものである。
        何度も何度もくじけそうになる。
        これらに対抗できる最後の砦は、やはり自分がこれまでやってきた
        努力・練習でしかない。
        「この今の苦しみを耐えるために過去最高の走りこみをやった、
        前半の激しい腹痛も我慢した、だからここで負けるわけにはいかない」
        こんな思いである。

         38kmを越えて残り4km地点、時計を見ると3時間までまだ
        20分ぐらいあることに気づく。
        キロ5分ぐらいでもサブスリーが可能である、これがさらに気持ちを
        楽にさせた。

         40kmを越え川原を降りてゴールである学校への農道に入った。
        このときになってやっとサブスリーを確信する。
        あとはこのままゴールに向かうだけである。
        気を抜かずにペース維持に努めた。
        折角サブスリーを達成するなら1秒でも早いほうがいい。
        校門をくぐってトラックを1周半、自分では最後の力でペースを
        上げたつもりだった。
        そしてゴール、タイムは2時間58分2秒。

         気力体力とも使い果たした厳しいレースだったが、
        とても爽やかな気分だった。
        初めてのサブスリー、実現できない夢と思っていたサブスリーの達成、
        この気持ちはなんとも言いようのないものだった。
        8年前はじめて走り出したとき、1kmも満足に走れなかったことを
        思い出した。
        それがここまできたとは…。
        自分の成長に改めて驚いた。
        そして今回この最も苦しい状態を耐えて耐え抜いたこと自体も
        自分を感動させるものだった。
        
         帰りに京都駅でたこやきを買い、家からもっていったエビスビール
        で味わう。
        最高のひと時であった。
        ここまでこれたのも家族・友人らの応援・バックアップのおかげである。
        そんな方々に心からお礼を言いたい。
        特に子育てで大変なときに月に2つも3つもレースを入れても何の
        文句も言わず、快く送り出してくれた妻には感謝の気持ちで
        いっぱいである。

         これで今年の目標の1つを達成した、次はもう1つの目標100km
        の完走だ。
        新しい世界への挑戦、夢は新しい夢へとつながっていく。

参考タイム(手元集計):
                            5km 20:28
                            10km 41:26 (20:58)
15km 1:02:26 (21:00)
20km 1:23:21 (20:55)
25km 1:43:51 (20:30)
30km 2:05:15 (21:24)
35km 2:26:14 (20:59)
40km 2:48:14 (22:00)
Goal 2:58:02 (09:48)

2001.2.11 第18回藤岡町マラソン (jogninさん)

         日曜日に藤岡町マラソン15Kに参加しました。
        このマラソンは今度で2度目の参加ですが、コースがかなりきつくて
        2度と走るつもりで無かったが、近いから仲間が沢山走るので走りました。
        当日はからりと晴れていましたが、走る頃には冷たい、やや強い風が
        吹いていたが、コンデションとしてはまあ良かったと思います。

         今回はコースがまるでクロスカントリーの様なタフな事が分かって
        いたので後述のランナーズ連載の田中宏暁教授の坂道対策を参考
        実践して走りました。
        その結果、ホントに最近珍しく、前年記録を20秒程度ですが上回りました。
        勿論その時の色々な条件にもよりますが、この年になると前年の記録
        と同じ或いは更新ならば、もうこれは進歩だと多少喜んでいます。
        本当にこのコースは変化が有り、坂道が得意の人は面白いと思います。
        同じ走った仲間も、しっかり練習している人は良い記録で、
        少しサボっている人は、極端に記録が悪く、練習量が如実に結果に
        はっきり出るコースだと思う。
        皆さんも来年は是非トライして下さい。

         アフターランは例により、走友の家に沢山集まり、しし鍋で乾杯、
        その後カラオケ更に3次会でまた焼肉、ラーメン、帰宅は日付けが
        変わる寸前で、大変ヘルシーな一日でした。

         皆さんも雑誌ランナーズを愛読して、自分の走りの参考に
        されている人が多いと思うが、私もそうですが、最近は特に
        前記に記した「福岡大の田中宏暁教授の賢く走るフルマラソン」
        なる連載を興味に思って読んでいます。
        最近号(3月号)の坂道、風対策の記事は参考になると思います。
        更にそのページのコラムで、この間初マラソンで新記録を出した、
        渋井選手の事で”上手くすれば大記録が誕生するかも知れません”
        と予言をしていまして、流石だと感心しました。参考までに。