ベタ の一種“タヤン”

学名:Betta sp.“TAYAN”


 

 僕の友人が2000年の冬にカリマンタンはカプアス川で採集した個体。左上の個体が雄、右上の個体が雌である。一般的にはベタsp(TAYAN)の名前売られているのが本種である。ベタ・ディミディアータに似るが、本種は各鰭が伸長しない。現地では本種はベタ・ディミディアータと同じ場所で採集されると言う。
 雄の臀鰭の淵はメタリックグリーンに染まり大変綺麗である。雄の全長は約6.0cm程度で、雌はそれよりも小柄である。飼育は弱酸性の水であれば問題なく行える。繁殖形態は雄が卵を咥えるマウスブリーダーである。繁殖は良いペアーを得られればそれ程難しくない。

 左上の写真は雄が雌に対してフィン・スプレッディングをしている所、右上の写真は口に卵を含んだ雄である。卵を含んだ雄の口は大きく膨らみ、口内保育をしている約2週間外部からの餌を一切口にしない。もしかしたら口内で腐った卵や生きている卵を食べているかもしれませんが、それはベタのみぞ知る事である。産卵数は100個前後でベタにしては多い方である。口内より出て来た稚魚の全長3mm程度あり、ブラインシュリンプの接餌が可能であるので育てやすい。

産卵後10日目で雄の口内より強制的に吐き出させたばかりの稚魚達の写真。全長約3mm。卵嚢は完全に吸収されていない。この3日後位からブラインシュリンプの接餌が可能となった。この事から、多分産卵後14日目位で自然に雄の口から出てくるものと思われる。取り出した稚魚の数は100尾を超えていた。
 稚魚達は親魚と別の36cm水槽に移し飼育を行った。ブラインシュリンプやイトミミズを接餌し成長はかなり早い。人工飼料への食い付きもかなりいい。まるで小さなスネークヘッドのように餌に食い付いてくる。

 雄の口より吐き出させて約2ヶ月の個体。もう既に臀鰭にはメタリックグリーンの色彩が現れている。全長は既に約3cmに達している。見た感じ雄の個体の方が多いようである。成長はかなり早く、このまま成長してくれればF2をとるものそれ程時間がかからないであろう。

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