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B-6

建売住宅(分譲住宅)の問題点

 ここでは建売住宅(分譲住宅)について考え、現状の問題点について解説したい。

 ◆建売住宅の特徴

 建売住宅の利点は既に完成している物件を自分の目で確認した上で購入することができることだ。住宅の間取りの使い勝手、仕上の状況、設備の機能グレード、外観のデザインの良し悪し、外回りの整備状況などをその売り価格と照合しながら判断できるので住宅の入手方法としては理想的である。通常、建売住宅は最低3戸から5戸単位でまとめて工事がなされ販売されるので量産効果が効いて一戸建の注文住宅よりも住宅価格を低めに抑えることができる。予算が少ない建築主には有利な存在である。

 一般に建築主にとって自ら土地を購入し設計者と工事業者を選択し住宅を完成させるのは手間がかかり骨の折れることがらであるが、建売住宅はそういった苦労からも解放させてくれる。

 米国では戸建て住宅は建売(分譲)が主流である。最低5戸単位を1ユニットとして計画されているのが通常で、できるだけ現場労働力や資材にロスが出ないようなシステムになっている。経費率も当然低く抑えることができる。一方で注文建て売りも盛んで分厚い設計図(印刷製本版)が設計事務所から多数出版されていて好みのデザインプランのものを通信販売で取り寄せることができる。それを建売業者に渡せばそのまま工事を進めてくれる。設計料は設計図購入費だけなので、おそらく日本の物価感覚で20万円程度ではないか。わが国と米国との間の住宅価格差がよく問題にされるが、このような住宅の供給方式の違いが主な要因の一つでもある。

 ◆現状の問題点を考察する

 一般に注文住宅に比べて建売住宅は質が悪いという評判があるが必ずしも偏見とはいえないだろう。実際に建売住宅の工事現場を訪れてみると、地震対策などは十分とはいえない現場が多いことに気がつく。神戸淡路震災の被災家屋には築後それほど経っていないような建売住宅も多く目立った。教訓が充分活かされていないことは明白である。

 あいかわらず設計図も充分あるとはいえない状態で工事が進められている。建売住宅の売れ行きは企画の質の良さと完成した住宅のクオリティーと価格次第である。設計図の必要枚数が不足していることはこれらを保証できないばかりか安全上も問題があることを証明しているようなものだ。工事中の記録写真もほとんど無いので完成した住宅を訪れても下地や構造など見えない部分が手抜きをされたとしてもまず分からない。

 購入者である顧客にとって問題になることは物件選択のための拠り所となる知識や情報が不足していることだ。書店あたりでも参考になる書籍はなかなか見つからない。行政側で情報提供のための相談窓口をおいているとか参考資料を用意しているようなこともない。ほとんど無防備な状況の中で契約書に判を押すことになる。

 購入すれば今後数十年にわたってローン返済の責務を負わなければならない顧客の立場に立てば安心して選択ができるような何らかの保証制度が早急に望まれるところだ。(講座b-5の中の「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の解説を参照されたい)

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