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B-3 |
ローコスト住宅の解説 |
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ここではローコスト住宅についての解説をする。住宅に限らず建物建設費の節減効果の程度は設計段階でどの程度のコスト節減の工夫と努力ができたかによるといってよい。工事に入ってからコスト節減を求めても建物のグレードを下げるか、手抜き工事を誘発するなどのリスクが増えるだけで建築主にとってはかえって不利益が生ずることになってしまう場合の方が多い。また建築主自身いろいろ不満があるにせよ節約意識を持つことが求められる。予算がないにもかかわらず、あれもこれもと設計者に要求してプロだから何とかしてもらいたいサービスしなさいでは良い結果は最初から期待できない。本当に必要なものは別にしてもあとは設計者を信頼して任せるくらいの心構えは持ってほしいものである。尚、この講座は木造を基準に解説する。 ◆ローコスト住宅の解説 ローコスト住宅は単に価格が安い住宅、つまり標準価格の住宅に比べてローコストの分、質が落ちると一般には受け止められがちだが、必ずしもそういうことではない。例えば工事の合理化省力化で結果的に人件費を節約することができれば工事価格の低下につながるので建設費は安いが品質は標準の住宅に比べても何等遜色ないものができる。一般木造住宅では工事費全体に占める材料費の割合はおおよそ三割程度で残り七割が手間賃などの人件費になる。故に材料費を節約するよりも手間の掛からない工法を選択する方がコストダウンがしやすい。バブル期に比べると現在は人件費そのものが限界といえるレベルまで下がってきているのでおのずと人件費そのものの引き下げより手間の掛からない工法を選択する方が現実的で有効といえよう。手間の安い職人を無理に雇うことは工事の質低下や契約不履行などのトラブル発生の原因になるので努めて避けるべきだ。 ハウスメーカーや工務店の中にはローコストをセールストークにして営業をしているところもあるが、単に安物住宅をローコスト住宅と呼んでいる事例も少なくない。後々トラブルにならないためにも、なぜローコストになるのか、何がローコストなのかを裏表なく分かりやすく事前説明できる態度が求められる。 ローコスト住宅の最終目的は限られた予算の中で建築主の要望を最大限実現してゆくことである。ローコスト住宅設計のノウハウは現実には経験のある設計者ではないとなかなか持ち得るものではない。経験ある設計者は広く価格は安いが付加価値の高いつまりローコストの目的にかなった建材及び工法の選択を行い、またプラン及びその機能の検討に努力し、尚且つコストチェックを行いながら建築主の要望実現の最適値を求めてゆく。結果的にローコストでありながら質の高い安全な住宅の実現につなげてゆくことができるのである。
◇知っておくべきロ−コスト住宅の最低基準 ローコスト住宅は標準住宅に比べてどの程度の価格引き下げができるのか、ローコスト設計の目標はまさにそこにある。一定の機能、耐久性、安全性、品質を維持しながらコスト低減を実現するのがローコスト住宅設計の原則であり俗に言う安物住宅とは内容も質も異にする。ローコスト住宅設計は耐震設計などと同様に一つの独立した技術でありノウハウである。奥が深いのだ。ローコスト住宅の価格低減の限界点は何と比較するかによるが一般には10%〜15%程度のところと見た方がよい。現実的には10%低減を目指してプラン、設計を進めてゆくことが建主の要望を損なわないレベルと言えよう。ではここにローコスト住宅でも最低限維持すべき基準を示す。 1・耐震性、耐久性、安全性の維持保全(生命・財産の保全) 耐震性に関しては建築基準法に定められた最低基準を守りさえすれば良いものではない。現実にはこれでは不十分である。基礎、骨組みとも基準以上の規格で設計工事されなければならない。(総合的に見て少なくとも基準法の定めより1.5倍程度の安全策が必要になってくる) 2・寒冷地では省エネルギー住宅を原則とする(室内環境の保全) 省エネ基準を満たしていること。特に北関東から北方に立地する地域、それ以外の地域でも標高の高い寒冷地域では特に断熱性や気密性の維持には充分配慮したほうが長い目で見るとかえって経済的である。これらは後々リフォームで対応しようとしても限界がありコスト的にも割に合わない。(わが国の国土の半分は寒冷地に属する) 3・情報化時代に適合した設備を最低限備える(利便性、発展性の保全) 電気、通信、テレビ受信設備は省略しない。これらも後々リフォームでは十分対応できる性質のものではないのでコスト削減の対象にすべきでない。以下に最低基準を例示する。これらは仮に省略したとしても目立ったコスト低減には結びつかない。 a・電気のもと(分電盤)はあらかじめ十二分に容量の大きいものを選択する。エアコン、洗濯機、冷蔵庫、電子レンジ、給湯機用のコンセントは他の回路から独立した専用回路にする。特に給湯機は老朽化による漏電での回路停止事故が目立つ。 b・コンセント(2口)は各部屋最低3個は設置する。そのうち一つは将来の情報機器設置に備えてアース付きコンセントとする。洗濯機、冷蔵庫用コンセントもアース付きとする。 エアコン用コンセントはエアコンを設置の如何に関わらず各部屋にあった方がよい。特にリビングなどの広めの部屋(10畳以上)には200ボルト配線をしておく。 c・テレビ端子、モジュラージャックも各部屋に必ず設備し、テレビは一つの端子でVHF、UHF、BSが同時視聴できるように配線しておく。 |
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