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 B-2

建築主、設計者、工事会社、各々の責任についての解説

 まず三者が共通に守るべき法律の解説をする。建築物を建築する場合も当然順守すべき法律が存在する。建築基準法及び政令などの関連法規、都道府県条例、横浜市など政令指定都市では別に市条例を制定している。建築確認は地方公共団体の管轄なので国法に適合しても条例に違反していれば建築確認通知は出してもらえない。

 建築物は消防法上防火対象物であるから消防署に所定の書類と図面を提出して法に適合している旨の同意を得る必要がある。危険物を取り扱う施設であれば危険物の規制に関する法の適用を受ける。危険物には灯油などの日常なじみのあるものも対象範囲になっているから注意が必要である。医療、福祉施設であれば医療法、社会福祉事業法の適用を受ける。建築基準法に適合していてもこれら法律に違反すれば建築物は完成しても施設として使用することは許されない。

 法律には上下関係がある。いわゆる上位法であるが、建築基準法の上位法には都市計画法、民法が存在する。上位法は優先して守られなければならない。

 これら法律には罰則規定が当然ある。建築基準法に違反し尚かつ是正処置などの行政命令に応じないようなことになれば刑事罰などの適用を受けることになる。対象者は主に建築主と施工者(せこうしゃ)(工事業者)である。つまり違反建築物を建てれば刑事責任を追及されるおそれがあるということだ。設計者である建築士は業務停止や資格取り消しもある。

 建築主は設計者や施工者に法に違反するおそれのある行為を要求できない。設計者と施工者はそういう要求を断るとともに理由を説明する義務がある。

 契約には設計契約と工事請負契約の二種類があるが、契約当事者に上下関係は存在しない。契約書の明細には建築主、設計者、施工者のそれぞれの権利と義務が明記されている。建築主に対しての契約違反が発生すれば建築主は支払いの拒否、減額が認められる。契約は約束事である。倫理上問題のある行為がなければ具体的な問題が発生するようなことはまず無いはずである。

 契約書には瑕疵(かし、傷、欠陥のこと)に対する保証期間が明記されている。この場合の瑕疵とは施工者の過失責任を意味する。瑕疵には目で直接確認できる瑕疵と隠れた瑕疵の二種類ある。隠れた瑕疵は建築主が発見できなければその責任を追及できないので注意が必要だ。

 建築主には財産管理上の責任がある。法律上、建築主は安全上も含めて完成した建物及び敷地を適法な状態に管理維持する必要がある。これに違反すれば完成した建物でも違反建築物になってしまうのだ。

 いずれにしても法律、契約違反行為は通常、関係者が日頃常識ある行動をとれる限り頻繁に発生するようなことはない。しかし建築主としてはあらかじめ、これら社会的義務やリスクを良く認識しておく必要がある。

 ◇参考資料:主な関連法規の解説(刑事罰、行政処分について)

関連法規

刑事罰

行政処分

監督官庁

執行の可否について

建築基準法 懲役、罰金 過料(あやまちりょう)、行政代執行(違反建築物の除却、使用禁止、使用制限など。これに関わる経費は建築主ないし事業者が全額負担させられる) 特定行政庁(国以外の建築主事をおく行政庁)都道府県か市町村のいずれか。 法律上、左記欄の執行は監督官庁に義務づけられているわけではない。裁量的判断が認められている。執行前に是正のための命令、指導を行うのが通例である。
建築士法 懲役、罰金 過料、免許取消、営業停止 国土交通大臣、都道府県知事 同上
建設業法 懲役、罰金 過料、免許取消、営業停止 国土交通大臣、都道府県知事 同上
宅地建物取引業法 懲役、罰金 過料、免許取消、営業停止 国土交通大臣、都道府県知事 同上
消費者契約法 無し 無し 無し。行政庁に法律上、事業者に対する監督権限はない。ただし関係機関を含めた消費者への支援制度等はある。 消費者を原告とする民事訴訟ないし仲介者立会のもとでの話し合い解決。

 この他に、建築物に直接、関わる主な法律としては消防法などがある。
 過料とは道路交通法でいえば、反則金がこれにあたる。(行政罰の一種)また、刑事罰の科料(とがりょう)とは一万円未満の罰金のことをいう。

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