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A-6

建築家と建築士の違い

 一般に建築技術者と言えば建築に関係する技術の仕事をする人達の総称と解釈すればよいであろう。この中には建築設計技術だけでなく現場監督などの施工(せこう)管理技術、構造計算、技術研究、工法開発などの仕事に従事する人達も含まれる。

 建築士は法律で定められた地位を表し建築士資格を所有する人達の名称である。(講座a-2参照)正確には職業を示す名称ではない。建築士資格は法律上、建築物の設計、工事監理等を行う技術者の資格と定めれてはいるが諸般の事情で資格所持者の現役全てが設計関係の仕事に従事しているわけではない。

 工事監理業務とは設計者が建築主の代理人として工事が設計図通りに進行しているか確認し、必要に応じて検査記録を行う業務で現場監督とは違う。現場で問題が発生すれば現場監督と協力しながら処理にあたる。また、現場監督からの質疑、検討要請に応えて工事が円滑に進むよう協力する。

 現場監督の仕事は工事管理業務(施工管理、現場管理)と言い建築士の行う工事監理とは文字が一文字違うので紛らわしい。これは設計図に基づき工程計画を立て職人、作業員、材料を手配し、実際に工事を指揮監督する業務である。これには別に建築施工管理技士という資格が定められている。

 建築家は建築設計に従事する人達の職業上の名称であるが、建築設計技術者の中でも特にデザインや建築計画(プラン)などの仕事を高い能力でこなせる人達のことを表していると解釈して良いであろう。わが国では法律上建築家の地位や資格要件を定めているわけではないので公には建築家とそれ以外の建築設計技術者の区別は明確になされているわけではない。

 一般の人達は一級建築士であるから建築家であるとは思わない方がよいであろう。なぜならそれは正確ではないからだ。建築家の多くは一級建築士の資格を持っているが、逆に一級建築士の資格所持者のなかには建築家ではない建築設計技術者も多く含まれる。むしろ建築家と呼べる人達は少数派に属するといえるだろう。

 建築主が設計を依頼する対象としては、建築家が一番理想的であろう。彼らは設計事務所を営んで広く一般の建築主から相談や設計依頼を受け入れているので問い合わせてみるだけの価値はある。問い合わせて相談してもらった結果、やむなく仕事の依頼にいたることができなかったとしても建築主としては貴重な情報やアドバイスを得るなど何らかの収穫があるはずである。

 ゼネコンなどをはじめとする組織団体にも建築設計技術者が多くいるが一般的にいって建築家と呼んで相応しい人は一部の例外を除けばいないといってよいのが現状である。

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