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A-5

設計料と工事費の解説、設計の経済的価値とは

 通常、建設費とか建築費、工事費とか呼ばれている中には工事費だけでなく設計費、税金など工事費以外の当然経費が含まれている。建設費は一括して工事会社に支払うのでなく、項目ごとに依頼したところに支払う。当然経費とは負担がさけて通れない経費という意味である。

 設計費(設計料)が、工事費に含まれているというのは言葉の間違いである。設計料の内容は設計だけでなく講座a-4で解説しているようにかなり広い範囲が含まれている。設計事務所に個別に設計を頼むと高い設計料を余計に請求されて損だと思ってしまう。このあたりは勘違い無いよう願いたい。

 設計料負担が少なければその分、工事費に貴重な予算を多く回せると考えがちだが、建主にとって予算面で留意すべきことは費用の額ではなく、設計料と工事費のバランスである。バランスが悪ければ手抜き、不良工事の発生要因となるし、建主の要望を十分実現できる保証もなくなる。設計料、工事費ともその建物の規模、用途、レベルによりおのずと最低限必要とされる費用の額というものがある。建主にとって妥当な建設費とは正にこの最低必要額と適正バランスのうえになりたっている。

 設計事務所に仕事を依頼すれば単独に設計料のみの請求書がくるので自分がどれだけの負担をしているかよく理解できる。工事会社やハウスメーカーに依頼した場合は設計料は営業上の都合でクローズされていて正確な金額は明示されないか、諸経費、工事費などに一括含ませたかたちで請求してくるので実際の負担額は通常分からない。いずれにしてもどこに依頼しても設計の仕事の質、量が同じで、人件費や経費などが同じだと仮定すれば建築主は結果としてほぼ同額の負担をすることになる。

 ◆設計料(設計業務報酬)の算定法について(参考)

 設計料の算定は1日あたりの実働時間(8時間)の人件費、経費を基準に実際にかかると予想される日数を掛けて算定される。

◆算定例

一級建築士(40歳)経験年数18年 年収500万円

年間実働日数270日---- 一日あたりの人件費は500万円/270日=18,500円

直接経費---直接その業務を行うのに必要な経費

間接経費---事務所の運営経費----実働日数を基準に按分される。

その他、特別経費(例、出張旅費、特許使用料など)、技術料等経費(例、建築家の才能に期待した仕事依頼の場合など)などが算定対象になることもある。

仮に上記項目を合算して人件費の倍37,000円/日とする。

一般木造二階建住宅(40坪)で50日かかったとすれば37,000円/日×50日=1,850,000円

設計料の総額は1,850,000円となる。

 上記例はあくまでも参考例(実例ではない)であり会社、事務所の経営規模、地域によりかなり差があることを補足しておく。また、設計の難易度が高くなればその分、設計料は高めに推移する。一般には経営規模の小さい設計事務所の方が設計料は安くなる。

 ◆設計の経済的価値について

 設計とはたとえて言えば基礎のコンクリートにあたる部分である。コンクリートの上に骨組みがのっかるのが建築物の基本構造である。基礎が脆弱であったり欠陥があれば骨組みを頑丈に造っても建築物の耐久性も安全性も保証できない。設計図は線や数字が書き込まれた一枚の紙ではない、建築主の要望が細かく記述された証文である。この証文を元に見積書が作成され、工事契約がなされる。仮に手抜き工事が発生しても証文が証拠となって手抜きを立証してくれる。逆に満足な図面がなければ立証は難しい。設計の段階で建築主と設計者との間で十分な打ち合わせが行われていれば後々リフォームや建て替えの費用は必要最小限かゼロに抑えることも可能である。長い目で見れば負担した設計料は十分回収できる目途があるということである。

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