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A-4

設計事務所に依託できる仕事について

 ここでは建築主が設計事務所に委託できる仕事について順を追って説明する。設計事務所の仕事を分類すると調査、プラン作成、設計、見積もり、許認可手続き、予算折衝、工事監理と範囲は広い。これらの仕事は建築主が負担する設計料に全て含まれている。

 1・事前打合せ

 具体的なプラン作成を行う前に細かい事項についての打合せが必要になる。

 建築主はあらかじめ敷地の図面を用意しておく必要がある。測量図が無い場合は参考資料になる程度の図面でも用意しておく。建て替えの場合は前の建築確認通知書があるのでそれで代用できる。設計者に事前に敷地を確認してもらう必要がでてくる場合もよくある。

 打合せの際には今回用意できる総予算、具体的要望について設計者側からかなり細かく質問されるので的確に答えられるよう準備しておく。設計者側で要望書、調査票等用紙を用意してあれば事前に郵送で送ってもらってもよい。設計者は建築主が提示した総予算をもとに必要工事費、設計費、諸経費等を大まかに算出して工事規模や建物の構造、グレードなどを決定してゆく。建築主が手持ち予算の総額を正しく把握しきれていないと、このあたりの作業に支障をきたすだけでなく、後で予算調整のためにプランの大幅変更を余儀なくされる場合もあるので要注意だ。

 2・プランの作成

 打合せによりプラン作成に必要な資料がそろったと判断されると作図がはじまる。まずは平面プラン(間取り図)を作成し一応、建築主が納得できた段階で次に進むようにすると手戻りが少なくなる。

 建築主としては提出された平面プランに訂正してもらいたいこと、質問したいことがあれば遠慮なく言わなければならない。それをもとに再度プランの練り直し、立面図(建物の外観図、デザイン)などが作成される。予算(設計料)の関係にもよるが必要に応じて模型やパース図も作成してもらえる。敷地も再度、設計に問題がでないよう細かい調査を行うこともある。必要に応じて測量を行ったり、地盤調査を実施したりもする。

 3・設計図の作成から設計完了報告書まで

 プランが進むにつれて仕上材の種類や水廻りの使い勝手など細かい事項についての打ち合わせが行われる。設計者がコストプランニング(概算見積もり)で予算的な裏付けができたと判断した段階で実際の設計図作成となる。設計図の枚数はかなりの量になる。木造二階建ての住宅でも最低30枚くらいは必要になる。枚数が多いほど工事中のトラブルは少なくなると判断してよい。

 設計者は設計図作成が進んでゆく段階で建築確認申請書と工事届けを最寄りの建築指導課に建築主の代理人として提出し建築主事に法に適合している旨の確認通知書をもらう必要がある。この確認通知書は融資を受ける際に必要になるので重要である。設計が終わった段階で設計者は建築主に設計完了報告書を提出する。建築主は報告書の内容を確認した上で設計料の支払いをする。

 4・工事業者の選定から建物完成まで

 設計者は引き続き工事業者の選定、見積もり依頼、交渉、工事契約立ち会いまで行う。工事業者はあらかじめ建築主の方で内定しておいたほうがよい場合もあるが、トラブルの懸念が少しでもあるようであれば、設計者と相談しながら慎重に対応すべきである。(縁故関係等がマイナスの要因になるケースも少なくない)

 設計者は工事が開始されると工事監理業務を行うことになる。工事監理業務とは工事が設計図通りに進行しているか確認し、必要に応じて検査記録を行う業務で現場監督とは違う。現場で問題が発生すれば現場監督と協力しながら処理にあたる。また、現場監督からの質疑、検討要請に応えて工事が円滑に進むよう協力する。

 5・完成後の諸手続

 工事が終了すると設計者は建築主事に完了届けを提出し検査済証をもらう。この検査済証は融資に必要になるので重要である。登記については土地家屋調査士、司法書士の仕事だが知っている人がいなければ設計者に紹介してもらうとよい。

 その他設計事務所の業務には建築物の調査診断、管理メンテナンスなどもあり案外利用価値はある。

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