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設計事務所選択のポイント

 建築希望者がまず悩まされることが設計と工事をどこに頼むかである。設計料などの費用負担は設計の質、内容が同じなら設計事務所、建設会社、ハウスメーカーどこに依頼しても同じである。ただ建設会社、ハウスメーカーでは実際の設計費用の額は営業上クローズされていて分からない場合が多い。設計事務所で設計をしてもらった場合、費用が高めになることがあるがこれは他に比べ打ち合わせ回数が多いこと、手抜き工事防止の工事監理を独自に実施すること、建築主の建築家の職能に対する期待値が高いことなどが主な要因と考えられる。いずれにしても通常、建築主の手持ち予算は限られているので設計も工事もその範囲内で行われる。

 ◇親戚知人から評価を受けている設計事務所

 設計事務所の存在はたとえ親戚知人に設計事務所の経営者がいたとしても通常はなじみの薄い存在である。親戚知人に設計事務所を過去に”住宅などの新築”に利用した人がいて、その仕事ぶりも良ければ選択候補にあげてよい。たとえ遠方の存在であっても設計事務所の場合は仕事の質が落ちる心配はあまりないので差し支えない。また、問い合わせのみでも設計事務所の場合、強引な営業がないぶん安心はできる。

 ◇雑誌、インターネットを参考に利用してみる

 雑誌やインターネットなどを活用するのも良いであろう。雑誌社は比較的実力のある設計者をその仕事の成果とともに写真付きで紹介しているので具体性があって分かりやすい。気に入った建築があったら一応問い合わせて見るだけの価値はある。但し、雑誌に掲載されていることが必ずしも信用の保証になるとは限らないので慎重な対応がのぞまれるところだ。中には問題のある設計事務所もないとは言えない。弁護士事務所と違い建築士事務所は相談料等を請求してくるようなことはないので相手の仕事に差し支えない範囲で問い合わせや相談にのってもらうのは問題ない。但し相談内容は設計依頼を前提としたものに限られることは明記しておく。

 インターネットでは設計事務所自らがホームページを開設して事務所の実績を紹介しているケースが増えている。こちらの方は雑誌と違いメールのやりとりで相談にのってくれるので気が楽かもしれない。いずれにしても電話やメールだけでは具体性に欠けるので内容的におのずから限界があることだけは認識しておいたほうが良い。

 設計事務所も雑誌掲載やインターネット利用を通じて読者や閲覧者からの問い合わせや仕事開拓を期待している面があるので遠慮の必要はない。

 ◇コンペ(競技設計)を利用する

 民間団体で登録建築家によるコンペ(競技設計)を実施しているところがある。建築希望者を常時募集しているので問い合わせてみる価値はある。一例を挙げればまず要望の聞き取りをスタッフが実施し建築希望者にリストより登録建築家を3名選択してもらう。その3名でコンペを実施し提出されたプラン図、模型写真の中から気に入ったものを選択する方法だ。また、3名指名でなく不特定多数の会員建築家による規模の大きなコンペも選択できる。いずれも費用は比較的少額の負担でプライバシーも最終決定するまで守られるので参加する価値はある。インターネット上でコンペを実施している組織もあるので一度試しに利用することを検討しても良いであろう。

 建築希望者にとってコンペ(競技設計)を利用することは事前に各設計者の実力や住宅に対する姿勢、考え方をチェックできるので精神的負担を少なくできるばかりかリスク回避という点でも今のところ最も優れた選択方法の一つといえる。

 ◇自ら選ぶ場合の留意事項

 例え、信頼できる筋から紹介されたとしてもその設計者の実力や実績が良く分からない場合は正式契約まで慎重な対応がのぞまれる。

 1・建築希望者への対応は適切か

 対象の設計事務所の相談者(建築希望者)に対する対応が適切であるかどうかの確認をする。最初の電話応対時に不誠実であったり、質問に対する対応が悪い場合は避けた方が良いであろう。相談時に記録帳や要望書等調査票を用意しているか。建築希望者の相談内容を口頭のみで確認しているようでは設計者として責任ある態度をとっているとはいえない。仕事に対する考え方、姿勢を聞くことにより相手の職業倫理のレベルもおおよそ分かる。今までの実績についてもプラン図、設計図、写真などを積極的に見せてくれるだけでなく、事細かに説明してくれる態度が伺える場合は信用の証になるといえる。

 2・契約前に実務能力を確認する

 問題がなければ敷地図を渡して平面プラン(間取り図)を作成してもらう。プランの中でも平面プランは最も基本的なものである。予算や敷地条件、法律規制が厳しい場合は別にして、これが建築希望者の要望にだいたい添ったかたちで作成されているか否かはその設計者が実力ある人かどうかの判断材料になる。その後で設計契約をすればリスクは少なくてすむ。また一度、設計事務所、ハウスメーカー、建設会社ごとに試しにプランを作らせ比較してみるのも良い、個々の力量を比較できるし、提出されたプランをたたき台にして予算面での細かい詰めもしやすい。この方法でなら建築希望者としてはかなり安心できる状態で初期の目的を達成できるはずだ。設計者に求められる態度とは限られた予算の中でも自らの経験とノウハウにより予算額以上の価値ある住宅を建主に提供できることである。それでこそ建主としても設計事務所に仕事を頼んだ甲斐があるというものだ。

 3・設計事務所の専門性と業務の特色を確認する

 設計事務所の業務にはそれぞれ特色や専門性があるケースも多い。公共機関の設計をメインに受注しているところ、ゼネコン、ハウスメーカー、マンション事業者などの協力事務所として営業しているところ、特殊な施設や医療施設などを専門としているところなどがある。 仕事の内容は事前に確認しておくべき事項といえる。

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