第1問◆帽子は何色!?
 

 番組収録の待ち時間、V6は、坂本は携帯ゲーム、長野はグルメメモの整理、准一は読書、剛はうたた寝、そして井ノ原と健はおしゃべり、と6人それぞれにくつろいでいた。
 そこへ見慣れない衣装係が帽子の入った箱を持ってきた。
 「今日の衣装の帽子です。ここにおいておきますから」
 衣装係が出ていくと、早速、健は箱を開けて帽子を確認した。
 「全部で5個入ってる。白い帽子が2個と赤い帽子が3個。なんだか中途半端だなあ。誰がどの帽子をかぶればいいんだろう?」
 すると井ノ原が来てこう言った。
 「しょうがない、俺が適当に決めてやるよ。まずカミセンな」
 そう言うと井ノ原は、3個の帽子を適当に箱から出してポンポンポンと剛と健と准一の頭にのっけた。帽子を載っけられても剛は寝たままだし、准一は本を読んでいるままだった。
 「これでいいだろう」
 「ちょっと待ってよ。僕はどっちの色の帽子になったの? 赤? 白?」
 井ノ原が自分にかぶせた帽子をよく見ていなかった健は、自分の頭の帽子を取って見ようとした。するとそのとき、ふたりの様子を見ていた長野が口をはさんだ。
 「ちょっと待って、健」
 「なに? 長野くん」
 「健は自分の帽子を見なくても、簡単に自分の帽子の色がわかるはずだよ」
 「え? どうして?」
 「剛と岡田の帽子の色を見てごらん」
 健は、改めて剛と准一の頭の上の帽子を見た。
 「剛も岡田も白い帽子だ」
 「そう」
 「あ、そうか。白い帽子はふたつしかない。ふたりが白い帽子なら僕は赤だね」
 「そういうこと」
 健が自分の帽子を取って確かめると、それは確かに赤い帽子だった。それを見ると、健はなにかを思いついたらしく、言った。
 「じゃあ、今度は僕がトニセンに帽子をかぶせるよ。トニセンは一列に並んでみて」

 健にうながされて、井ノ原が長野の後ろに並んだ。坂本は面倒そうだったが、健が言い出したら聞かないことを知っていたので、しぶしぶ携帯ゲームを中断させて井ノ原の後ろに並んだ。要するに3人は、前から、長野、井ノ原、坂本の順に並んだのである。
 「わかってるだろうけど、帽子は5個。白が2個に赤が3個だよ」
 健が言うとトニセンの3人はうなずいた。
 「それから、自分の帽子は見ちゃいけない。ふりかえってもだめ。自分の前にいる人達の帽子しか見ちゃだめだよ。じゃあ目をつぶってて」
 そう念を押して、健はトニセンの頭に帽子をかぶせた。
 「はい、目を開けて。さあ、これだけで自分の帽子の色がわかる? まずは、長野くんと井ノ原くんの帽子の色が見える坂本くん」
 「俺からか?」
 面倒そうにそう言いながら、坂本は、前の2個の帽子を眺めた。出来ることならここでリーダーの面目を見せておきたかったので、坂本はあれこれと考えた。しかし、どうやっても前の2個の帽子から自分の帽子の色はわからなかった。
 「わからないな」
 残念そうに坂本は言った。
 「じゃあ、次は井ノ原くん」
 「2個の帽子が見えた坂本くんがわからなかったんだろう!? 俺にわかるのか?」
 そう言いながらも井ノ原は、頭の回転の早いところをみんなに見せたかったので、あれこれと考えた。しかし残念ながら、やっぱり自分の帽子の色はわからなかった。
 「ちくしょー。わかんねーよ」
 残念そうに井ノ原は言った。
 「じゃあ、次は長野くん」
 健の声には勝ち誇ったような響きがあった。しかし、長野は言った。
 「坂本くんも井ノ原もどうしてもわからなかったんだね」
 そう言われて、坂本と井ノ原は答えた。
 「ああ」
 「そうだよ」
 すると長野は、にこにこしながら言った。
 「じゃあ、僕は帽子の色がわかったよ」
 そう言って長野は自分の帽子の色を当てました。 

 さて皆さん。長野くんの帽子の色は何色でしょう!?



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帽子は何色!?◆解答・そして……
<解答>
 トニセンは3人とも、さきほどの健の帽子の色当てを見ています。
 ですから、長野と井ノ原、ふたりの帽子が両方とも白だったら、坂本にもすぐに自分の帽子の色は赤だとわかったはずです。よって、長野と井ノ原の帽子は、両方赤か、もしくはどちらかが白です。
 そのことは、井ノ原もわかっています。だとすると、長野の帽子が白なら、井ノ原には自分の帽子の色が赤だとわかるはずです。けれども井ノ原は「わからない」と言っているのですから、長野は、自分の帽子の色は赤だとわかったのです。
 答えは「赤」です。


 「すげえ! 俺と坂本くんがわかんねえって言ってんのに、長野くんが当てたよ」
 「長野おまえ、一個も帽子を見てないのによくわかったなあ」
 「なんで? ねえ、なんで?」
 と、井ノ原坂本健の三人は大声を出した。その声で剛が目を覚ました。
 「うるせえなあ。岡田、あの4人、なにやってんだ?」
 「さあ……。なんか、かぶってる帽子の色を当てるとか……」
 「帽子? 色?」
 そのとき、部屋をノックする音と共にADさんの声が聞こえた。
 「V6の皆さん、そろそろスタンバイお願いしまーす!」
 「はーい」
 「でも、この帽子、どうする? 結局誰がどれをかぶるか決まらなかったよ」
 健が言うと、剛がのそのそやって来て、
 「どうしたんだよ」
と尋ねた。
 「衣装の帽子が5個しかないんだ。色も、白が2個で赤が3個。誰がどうかぶるのかわからないんだ」
 「ちょうどトニセンがみんな赤をかぶってるから、トニセンが赤、カミセンが白でいいじゃないか」
 「だって、白は2個しかないんだよ」
 「俺は自前のがあるからいらない」
 そう言って剛は、緑色のキャップを横ちょにかぶった。
 「なーる……」
 「よし決まったな」
 「じゃあ行くぞ!」
 健と准一は急いで白い帽子をかぶり、V6は6人揃って控え室を出ていった。
 
(帽子は何色!?おわり 2004.3.7hirune)