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一 括 講 読

投稿時間:00/11/11(Sat) 23:49
投稿者名:ピンキー藤原
Eメール:saorio@wave.plala.or.jp
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タイトル:坂本家の難儀な日々 第7話
 紅葉が色づく秋の風景。
快「秋はいいな〜。涼しくて勉強もはかどるよ」
健「テレビを前に言う台詞じゃないんじゃないの?」
剛「オレは夏の方が好きだな。女の子の露出度が減るじゃねーか」
准「でも秋はご飯も美味しくなるやん」
健「お前は年中大食漢だろ」
 四人の子供達は暇を持て余し、くだらない会話に花を咲かせていた。
 そんな昼下がり、誰にも予想していなかった事件が坂本家を凍結させた。

「ごめんくださ〜い!」
「は〜い!ただいま!」
 母、博子がいそいそと玄関に向かう。
「どちら様…」
 そこには、小さな女の子が割に大きな荷物を抱えて、博子を見上げていた。
 予想外の来客に、博子は一瞬きょとんと目を見開いたが、すぐに顔を綻ばせると愛想良く言葉を繋ぐ。
「うちの子のお友達かしら?」
「あの。こちら坂本さんのお宅ですよね?」
「そうですよ」
「お父さんは昌行…っていうんですよね?」
「え、ええ…」
 訝しげな表情を浮かべる博子へ、その昌行が寝起きの頭をガリガリ掻きむしり、姿を現した。
「どうした〜?お客さんか〜?」
「あ、あなた…」
 博子が振り向いたと同時に、女の子は昌行の顔を見た途端、顔をパアッと輝かせて靴を脱ぎ捨て、勝手に上がり込んだ。
 そして、驚く昌行に抱きつくと大声でこう叫んだ。
「お父さんっ!会いたかった!」

「私、あいって言います」
「ふ〜ん…あいちゃんね…」
 茶菓子を食べながら、そのあいちゃんと名乗る女の子を前に、四人の息子達がそわそわと相手をしていた。
快「あ、あのさ。あいちゃん、ウチの父ちゃんの子供なの?」
あい「そうだよ!私のお父さんは坂本昌行って名前だって、お母さん言ってたもん」
健「そ、そのお母さんは今どこにいるの?」
あい「わかんない。だからお父さんを探してここに来たの」
剛「っつー事は捨てられ…」
 剛の話の途中に、快彦と健の鉄拳が降ってきた。
准「あいちゃんは何年生?」
あい「三年生」
准「じゃあオレの妹になるんやな」
快「ま、まだ妹って確認した訳じゃねーだろ」
あい「私にこんなに沢山のお兄さん達がいたなんて知らなかった」
剛「でもなかなか可愛い顔してるし、将来は美人になるよ」
あい「わあ!嬉しい!お兄さん小っちゃいけど優しいんですね!」
剛「う、うるせっ!身長の事は言うな!」
健「ご、剛!落ち着いて!相手は女の子なんだから…」
剛「そ、そうだな。オレはフェニミストだし」
健「フェミニストだよ。慣れない横文字は使わないほうがいいよ」
剛「なんだとっ!お前まで何だ!」
快「あのね、あいちゃん。もう一度聞くけど、本当に坂本昌行の子供なの?」
あい「ホントだってばっ!しつこいなあ。しつこい男は嫌われるよっ!」
 快彦はズーンと沈んだ。
「兄ちゃん。こんなガキの戯言なんざ聞き流せ!」
 すっかり敵対視している剛が慰めるように快彦の肩を掴む。
あい「だから、ママが見つかるまでよろしくお願いしま〜す!」
「よ、よろしく…」

 呆けたままの息子達の部屋に、博子と、その妻に襟首を持ち上げられた昌行が入ってきた。
「あいちゃんだったわね?」
「はい」
 ニコニコと対応する母を前に、息子達は身を寄せ合って怯えていた。
「この人がお父さんだって言うのね?」
 昌行は博子に突き出され、あいの前に座った。
「あ、あいちゃん…だったよね?」
「そうだよ」
「お母さんの名前はなんて言うの?」
「満里奈。渡辺満里奈だよ」
 坂本は眉を潜めて、考え込む格好をした。
「満里奈…ああ!満里奈ちゃんか!」
 博子がぎろっと睨む。
「お父さん、思い出した?」
 すっかりお父さん呼ばわりの昌行に、あいちゃんが嬉々として身を乗り出す。
「高校の時の同級生だよ。でも高校卒業以来、会ってねーぞ」
「でもママ、相手は坂本さんだって言ってたよ」
「うーん…。坂本違いって事はない?」
「お父さんひどい!現実から逃げる気ね?私とママを捨てといて!」
 この言葉には、全員が愕然としてしまった。
 誰もが同情の目を向け、誰もが昌行を睨みつける。
「あ、あのね。あいちゃん。本当に信じて欲しいんだけど、オレ、満里奈ちゃんとはその…身に覚えがないんだよ」
「……」
 しばらく黙っていたあいちゃんは、首をもたげると、静かにシクシク泣き出した。
 博子が寄って行き、優しくハンカチを手渡す。
 その様子を、坂本家はバツが悪そうに眺めていた。

 とりあえず、昼食を食べる事になった坂本家。
 いつもはおかずの取り合いで大騒ぎの坂本家も、今日ばかりは誰もが無口だった。
「あ、あいちゃん。おかわりは?」
「いいです。私ダイエット中だから」
「あ、そ、そう。最近の若い子はしっかりしてるのね」
 博子は首を捻りながら、手を引っ込めた。
 この状況で一番肩身の狭い思いをしているのは言わずと知れた一家の主、まーくんパパである。
「父ちゃんに隠し子がいたなんてな…」
「貧乏でも浮気は出来るんだな」
「うーん…」
 子供達がヒソヒソと陰口を叩いている横で、あいちゃんはだけは何事もなかったかのように、美味しそうにご飯を頬張っていた。

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 
 「坂本家」、初の続き物です。大したことはないですが…。

投稿時間:00/11/12(Sun) 00:18
投稿者名:ピンキー藤原
Eメール:saorio@wave.plala.or.jp
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タイトル:坂本家の難儀な日々 第8話
 やがて昼食を終えると、あいちゃんが「遊ぼう」と兄弟たちに声をかけてきた。
「遊ぶたって女の子相手に何したらええねん…」
「プレステもねーしな。ウチには…」
 そんな会話の中、あいちゃんが「そうだ!」と手を叩いた。
「おままごとしましょうよ!」
「え〜っ!」
 兄弟たちは露骨に顔を歪め、愚痴をこぼした。
「いいじゃないの。付き合ってやんなさい」
 博子母さんに言われ、子供達はぶちぶち文句を言いながら結局あいちゃんのリクエストに答えるしかなかった。 
 早速、あいちゃんによる配役が指示される。
あい「あなた、一番大っきいから旦那さんね」
快「お、おれ?」
あい「あなたは私たちの子供よ。さ、この赤ちゃん帽子を被って」
准「よだれ掛けまで…。なんでこんなに衣装が豊富なんや…」
あい「あなたは隣の奥さん」
剛「何でオレが女役なんだよっ!」
あい「だって一人だけ長髪なんだもの」
剛「……」
あい「あなたはその奥さんの旦那様!」
健「わ、分かりました…」
 そして庭先で、あいちゃんとのままごと遊びが始まった。

「あなた、おかえりなさ〜い!」
「た、ただいま…」
 筵にスゴスゴと入ってきた快彦は、いきなりあいに怒鳴られた。
「ちょっと!もと真剣にやってよ!ままごとだからってナメないで!私はリアリティを追及しているのよ!」
「わ、分かったよ。ただいま〜!」
「おかえりなさい!お食事できてるわよ!」
 快彦の前に、プラスチックの皿に盛られた木の葉が置かれる。
「ねえ、あなた。お隣の三宅さん家、とうとう御主人が部長に昇格したそうよ」
「へ、へえ!そうなんだ」
 快彦がネクタイを緩めながらニコニコと応対する。
「あなたもこの仕事に就いて五年目ね。そろそろ昇格の話が持ち上がってもいい頃じゃなくって?」
「ぼ、僕はいいんだ。お給料が少なくても今のまま、家族が健康でいつまでも楽しい我が家でいてくれたら…」
「あなたっ!」
「は、はいっ!」
「幸せの基準はお金よ!あなたがそんなんだからいつまで経っても出世しないんじゃないの!」
准「うえ〜ん!」
「ほらっ!赤ちゃんも泣いちゃったじゃないの!」
昌「うーん…リアルだなあ…」
博子「リアルすぎて怖いんだけど…」
 そこへ、ミニスカートを履いた剛がズカズカと上がり込んできた。
「ちょっと奥さん!聞いてちょうだい!」
「あら!三宅の奥様。どうなさったの?」
「うちの亭主ったら浮気してるのよっ!」
「んまっ!何ですって?許せないわ!」
昌「剛も嫌がってた割にはノリノリじゃねーか」
博子「あの子、結構女装好きなのよ」
「剛子!話を聞いてくれっ!」
 その後から、ネクタイ姿の健が追っかけてきた。
「いやっ!話なんかないわ!もう私、あなたと離婚する!」
「ちょっと待ってくれよ!だから何度も言ってるじゃないか。あのキスマークは電車の中で…」
「言い訳はよしてちょうだい!香水の匂いまでプンプンさせて」
「信じてくれよ〜!そうだっ!今度お前の欲しがってたプラダのバッグ、買ってあげるから!」
「え?ホント?あなた〜!」
 剛子(?)が健に抱きついた。
「じゃ、お騒がせしましたが僕たちこれで!」
 あなた愛してる〜とじゃれる剛の頭を撫で、三宅さん家のご夫婦は仲睦まじく帰っていった。
快「な、なんだったんだ…今のは…」
あい「あなた、今の聞きました?プラダのバッグですって」
快「だ、だから何…?」
あい「隣の奥さんはプラダ!そのまた隣の奥さんはヴィトン!向かいの奥さんはラルフローレン!なのになんで私だけ1900円の無印バッグなのよ!」
快「そ、そんなの知らないよ」
准「おんぎゃ〜!」
あい「お〜よしよし。ひどいパパでちゅね〜。それもこれもみんな、パパが出世しないのが原因なのよ」
 あいが准の頭を撫でながら快彦を睨みつけた。
昌「横暴だな…おい」
博子「ちょっとよっちゃん可哀想ねえ。でもあの子の将来を見ているようで笑っちゃうけど」
 そこへ、ピンポーンとインターホンの音が坂本家に鳴り響いた。
 博子が「誰かしら」言いながら玄関にいそいそと向かう。
 相変わらず庭先では妻を説得する家族風景が繰り広げられている。
「母さん機嫌直してよ〜!准、お前もいちいち泣くなよ」
「だってオレの出番がなくなるやん」
「ちょっと喋んないでよ!赤ちゃんは口が利けないでしょ」
「バブ〜」
「それでよし」
「あいっ!そこにいたのね!」
「へ…?」
 突然の聞き慣れない声に全員が振り返ると、そこには仁王立ちした女性が立っていた。
あい「マ、ママ…」
全「ママ〜〜〜〜〜〜?!」

 坂本家の畳間で、あいちゃんが口を尖らせて母親、満里奈に説教されていた。
「本当に申し訳ありません。この度はウチの子がとんだご迷惑を…」
「い、いいんですよ。お顔を上げて下さい」
 満里奈は深々と下げていた頭を上げると、あいにも頭を押さえつけて強引に謝らせた。
「ウチは共働きのマンション暮らしなんですが、今の時代って小学生も塾行って当たり前の時代でしょう?友達はみんな忙しいみたいで、あいも一人っ子だし、遊び相手が欲しかったんでしょう。それで私の高校のアルバムを見て…」
「家に訪ねてきたんだ」
 昌行は満里奈に苦笑して微笑んだ。その横であいが、
「ごめんなさい。私大きくなったら女優さんになるのが夢だったの。坂本さんって一番騙しやすそうな顔してたから…」
「あいっ!」と満里奈が怒鳴るが、昌行は首を横に振って「ホント、すっかり騙されたよ」と笑っていた。
「あいちゃん。もし良かったらこれからも家に遊びにいらっしゃい」
 博子が顔を綻ばせて優しく話しかける。
快「そうだな。オレももっと演技上手くなるように特訓しとくから」
准「今度はオレもちゃんと台詞のある役をやらせてくれよな」
健「オレはもうちょっと堅実な夫役でね」
剛「でもオレの奥さん役は結構イケてたでしょ?」
あい「そうね。みんな素質あるよ!」
 皆が笑い合う中、あいちゃんは母親に連れられて帰っていった。

快「なんか嵐のような一日だったね」
博子「でも楽しかったわね。一時お父さんを疑ったけど(笑)」
昌「ホント。誤解が解けて良かったよ」
博子「それにしても女の子って可愛いわねえ。ウチは男所帯だから女の子ひとり増えると潤いがあるっていうか…私も頑張って女の子産もうかしら」
「いらね〜よ〜!」と子供達が笑いながら絶叫した。

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 「坂本家」も8回目を迎えました。
 何だか私一人で掲示板のスペース取ってるみたいで心苦しいんですが、ま、勘弁勘弁(笑)。
 タイトルを変えようかとも思ったんですが、意味ないですしね(笑)。
 次回はいつのことやら…。

投稿時間:00/12/22(Fri) 22:39
投稿者名:ビンボー藤原
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タイトル:坂本家の難儀なクリスマス
 いよいよ年も押し迫り、もうじき21世紀を迎えようという今日この頃、坂本家は相変わらずのクリスマスイブを迎えていた。
「ただいまー」
「あら、准、おかえりなさい。ずいぶん早かったのね」
 准一は背負ったランドセルを降ろしもせず、真面目な顔で博子に聞く。
「なあ、母ちゃん、サンタクロースってなんや?それって俺らの家に来るんか?」
「サ、サンタクロース・・・来たことないわね・・・」
 急に目を伏せ、寂しそうな顔になった博子に准一はとまどってしまった。
「おかん、サンタクロースって来なあかんもんなんか?オレ、べつに来んでもええで。学校でみんなが今夜サンタが来るとかしゃべっとったから聞いてみただけや。そんな顔せんといてよ」
「ごめんね。お父さんがふがいないばっかりに。ホントはクリスマスで、准にもサンタさんが来ないといけないのに・・・。うっうっ・・・」
「オレ、サンタなんかいらん!なあ、泣かんとってや」
 准一がオロオロしていると、後ろから三人の兄たちの声が聞こえてきた。
「おい、准。教えてやるぜ。サンタってのはな、待ってても来ねーんだよ。こっちから連れて来ねーとな」
「そうだよ。それにはな、金ってもんが要るんだな。無料(ただ)じゃあ来てくれねえ」
「サンタさんに来てほしかったらね、みんなでバイトしようよ。オレたちも手伝うからさ」
 准一はうるんだ瞳で振り返って、三人の兄を見つめた。
「兄ちゃんたち、オレのために手伝ってくれるんか?けど小学校じゃバイト禁止やなかったっけ?」
「だいじょうぶ、だいじょうぶ。バイトっていってもピンからキリまであるさ」
「オレたちの言うとおりやってりゃいいの」
「善は急げって言うからさ、ランドセル置いたら今から行こうぜ」
「うんっ!」
 元気よく返事した准一は飛び跳ねるように兄たちの後についていった。

 四人は商店街の中を歩いていた。街にはジングルベルが流れ、道の両側にリースや星が飾られている。
「わー、きれいやなあ」
 准一はみとれながら歩いているが、兄たちの表情は厳しい。
「准、さっさと歩かねーか!」
「だって見てや。きれいやん。わー、でっかいケーキがあるわ」
「いいか、准」
と快彦は准一の頭に手を乗せて、真剣な顔で言った。
「このバイト作戦が成功すれば、うちにもあんなクリスマスケーキが来る。もしかしたらサンタさんだって来てくれるかもしれねえ。だからがんばるんだよ!」
「そうだよ」
と剛も続ける。
「オレだって一回くらいサンタさんに来てほしいよ。でもさ、ただ待っててもサンタさんは来てくれなかった。まともなクリスマスなんて送れた年はなかった。オレ、やっ ぱ世の中金だって悟ったの」
「だからさ」
と最後に健が言った。
「父さんなんかにはまかせておけねーよ。このままじゃ一生クリスマスとは縁なしだよ。だからオレたちの力でクリスマスを迎えるんだよ。サンタさんを呼び込むんだよ」
 小・中学生らしからぬことを言う兄たちに影響されて准一も真剣になった。
「わかった!オレがんばるわ。で、何をしたらええん?」
「あれだよ」
と快彦はケーキ屋を指して言った。ケーキ屋の前にはクリスマスケーキがたくさん並べられている。
「お前と健で行ってこい!いいか、必ずケーキをゲットしてくるんだぞ!オレと剛は次の作戦を実行してるからな」
「はあ?ケーキをゲット?どないして?」
 あっけにとられる准一の耳に健が囁いた。
「いい?あの売り場の真ん前に行って、じ〜っと物欲しそうな目でケーキを見てるんだよ。できれば指くわえてよだれなんか垂らしてるともっといいや。わかった?さあ、行って!」
 首をかしげながらも准一は健の言うとおりケーキの前に陣取って物欲しそうな目でケーキを見つめつづけた。見つめているうちに本当に欲しくなって、准一はよだれとともに目に涙が溢れてきた。
「ぼ、ぼく、どうしたの?ケーキ買いに来たの?お金は?」
 とまどった店員の声に准一は涙を袖で拭きながら首を横に振った。そこへタイミングよく健が現れた。
「あ、准、ここにいた!どうしたんだよ?いったい」
「け、健兄ちゃ〜ん!」
 准一は健の胸に泣きついた。
「ダメだよ。うちは貧乏なんだからね。いくらクリスマスイブだからってケーキなんて贅沢なもの買えるわけないよ。我慢しようね。いつか僕らが大人になって、お金稼げるようになったら、みんなで買おうね」
 なだめる健の声に准一は泣きじゃくりながらうなづいた。
「うん、いつか買うてな。きっとやで」
「まあ、なんて可哀想な!ぼくたち、ちょっと待ってて。店長に聞いてきてあげる。どうせクリスマスケーキなんて余っちゃうんだから、1つくらいいいんじゃないかしら?」
 二人の子供を見かねて、親切な店員がそう言って店の中に入り、にこにこしながら戻ってきた。
「1つ持っていってもいいって。よかったわね、ぼくたち。みんなで仲良く食べるのよ」
「わあっ、本当っ?!ありがとう!僕、こんなケーキはじめて!」
「すごーい、ありがとう!なあ、健兄ちゃん、ケーキ持たせて。オレ、持って帰りたいねん!」
 健と准一は目を輝かせ、満面の笑顔でケーキ屋で何度も頭を下げた。

「よし、うまくいったか?こっちもほら、見てみろよ」
 ケーキを手にした健と准一を見た快彦は、二人に自分の手にあるものを見せた。
「おっ、すっげーじゃん」
「え?その紙きれなに?どないするん?」
 准一の頭を快彦と健の鉄拳が襲った。
「バカ。これはありがたくも貴重な商店街の福引きの券なんだぞ。この商店街の端から端までオレと剛で拾って回ったんだよ。見ろ、これで5回は引けるんだぞ」
 快彦は得意そうに券を高々と掲げた。
「5回か。で、剛は?」
「あそこでがんばってる」
 快彦の指す方向を見ると、電器屋の前で剛がテレビにかじりついていた。
「剛兄ちゃんテレビ見てるやん」
「まあ、もうちょっと見てろって」

「ぼうず、そんなとこで寒いだろ?お家にテレビないのか?」
 ずっと店の前にがんばっている剛に店のおじさんが声をかけた。
「うん、ないんだ。うち貧乏だからさ。一回古いのをもらったことあんだけど、ぶっこわれちゃってそれっきりなの。だからここで見せてよ」
「可哀想になあ。どうにかしてやりたいけどテレビは高いからなあ。たしか商店街の福引きの景品になかったっけな?」
「そんなもん引けるほどの買い物なんてできねーよ。金ねーもん」
「うーん、そうだなあ。まあ、もうちょっと中でテレビ見て待ってなよ」
「うん」
 剛は中へ入り込んでテレビの前に座りこんだ。
「あっ、いらっしゃ〜い」
 しばらくして店に客が入ってきた。
「子供にプレゼントにねだられちゃってさ、DVDあるかな?」
「はい、ありますよー」
 客は高価なDVDを抱えて帰り、福引き券は受け取らなかった。
「ほら、ぼうず。この券やるぞ。これで50回は引けるんじゃないかな?」
「わあ、おじさんありがとうっ!」
 剛は大量の福引き券を手に店を出ていった。
「剛、よくやったな。さあ、いよいよ福引きだ」
「クリスマスには子供に高けぇ電器製品のプレゼント買う金持ちの親がいるからさ、けっこう狙い目なんだよ」
「けど、これってバイトって言えるんか?」
 准一の頭に三人の鉄拳が飛んできた。

 福引き会場は多くの人で賑わっていた。
「さあ、なんと1等はテレビだよ!2等は温泉旅行、3等は米10キロ、4等はフライドチキンセット、5等はクラッカーね。空くじなしだよ。さあさ、引いていってよ!」
 呼び込みの人が大きな声で叫んでいる。
「わかってるな?狙うもんは」
「1等やろ?」
「バカ、テレビなんてなくてもいい、そんなもの。狙いは米だ!米さえあれば、当分ひもじい思いをしなくてすむっ!」
「オレさ、ちょっとテレビも欲しいなー、なーんて」
「剛、ダメだよ。電気代もただじゃないんだからさ。いままでどおり隣で見せてもらうの」
「さあ、行こうぜ」
 四人は意気揚々と福引き会場に向かった。
「はい。えっ?こんなに?すごいねえ。全部で、えーと57回!」
「一人一回ずつ交代で引いていこうぜ」
 四人は一回ずつ順番に福引きを回していった。5等の白い玉が次々と出てきた。
「案外うまくいかねーもんだな」
「これでクラッカー30個だぜ?どうするんだよ?これ」
「文句言わずに気合いいれて引けよ」
「あ、オレの番や」
 32回目に准一が出した玉は4等の赤玉だった。
「やった!フライドチキンや!」
「やったぜ!これでちゃんとしたクリスマスが迎えられる!」
 四人は飛び上がって喜んだ。
「さっ、次行くぜ」
「この調子でがんばろう!」
 しかしなかなか白以外の玉は出てこなかった。次々と5等のクラッカーがたまっていく中、ついに最後の1回となってしまった。
「これで最後かー!」
「快兄、最後にドカーン!と引いてよ」
「いくらなんでもクラッカー55個はないよ。最後は米だよ」
「もうなんでもええから当てて!」
 弟たちに見守られながら、快彦は最後の1回を回した。出てきた玉は・・・!
「あっ、金(きん)だっ!金の玉だっ!」
「ほんまや!金○や!」
 准一の頭に三人の鉄拳が見舞われた。
「大当たり〜!1等賞〜!」
 商店街にカンカンと鐘が鳴り響き、四人は目をぱちくりさせた。
「1等?ということは?」
「テレビだ!米じゃないっ!」
「どうするんだよ?これ」
 子供たちの手にテレビが手渡され、四人はとまどってしまった。
「カンカンカ〜ン!今度は3等賞〜!」
 四人の後に引いたおばさんが3等の緑の玉を出していた。
「あっ!米だ!」
「ねえ、あれと交換してもらわねえ?」
「うん、言ってみようよ」
 四人がおばさんに「テレビも欲しいけど、食料のほうが先決問題なんです」と交渉に行くと、おばさんはすごく同情してくれた。
「まあ、こんなに兄弟がいるのにお腹いっぱい食べられないの?なんて可哀想に。いいのよ、このお米は持って行きなさい。かわりにテレビなんて気をつかわなくていいの。どっちもあげるわ。そうね、重いから運んでもらうように、おばさん頼んであげるわ」
と、おばさんは福引きの係の人に頼んでくれた。福引きの係りの人は気持ちよく承諾し、テレビとお米とフライドチキンとクラッカー55個を家まで運んでくれることになった。
「やったよ!15年間生きてきて、初めてのクリスマスらしいクリスマスだよ!」
「やればできるもんだねぇ。オレ、なんか感動しちゃったよ」
「やっぱ父さんなんかにまかせとけねーよ。オレたちの家はオレたちで守ろうぜ」
「やった!ケーキや、フライドチキンや〜!」
 喜びのあまりケーキを振り回した准一の頭に三人の鉄拳が降ってきた。

 博子は一人家で留守番をしていた。
「やっぱり私もパートに出ようかしら。このままではあの子たちがあまりにも不憫だわ」
とため息をついているところに昌行があぶなっかしい足取りで騒がしく帰ってきた。
「おーっ、母さんただいまー!いやー、今世紀最後の競馬で当てちゃったよー」
「お、お父さんっ、その格好は?!」
 見ると昌行は真っ赤なサンタクロースの衣装を着込んでいる。
「どうだ?似合うだろ?なんたって今日はクリスマスイブだからなー、サンタの格好して可愛い子供たちを喜ばせてやろうってわけさ」
「お父さん、お酒臭いっ!」
 昌行の顔も服に負けないくらい真っ赤である。しかも手にはまだ焼酎の瓶を抱えている。
「へっへっへ。競馬仲間にぱーっとおごっちゃった。めったにねえことだもんなー。きれーいに使っちまった」
「お父さんっ、そんなっ。私や子供たちがいるのにっ!」
 博子が怒りの鉄拳をお見舞いしようとしたその時、家の前に車が止まり、テレビや米を運んできた。
「あの?これはいったい?」
 驚く博子に運んできた男は子供たちの福引きの賞品だと告げて帰った。
「おっ、あいつらもやるじゃねーか。よーし、このテレビを質屋に売って宝くじだーっ!」
「お、お父さんっ、やめてくださいっ!」
 しかし、馬の耳に念仏、酔っぱらいに説教、である。

 四人の子供たちがはしゃぎながら家に帰ってきたのは、すでに夕方暗くなってからだった。
「ただいま〜!ねえねえ、荷物もう着いた?」
「すげーだろ?オレたちがんばったよー!」
「そうだよ、みんなでさ・・・あれ?」
「あ、テ、テレビがあらへん!」
 狭い家のどこにもテレビらしき物体は存在していなかった。
「えっ?なんで?あっ、これフライドチキン!誰だよ?全部食ったの」
「うそっ、ひとっつもねえの?」
「焼酎の瓶が転がってる・・・ということは?」
「父ちゃんが食ったんか〜?もしかして」
 四人の視線は、悲しそうにうなづく博子から、いびきをかいて寝転がってる昌行へと移動した。
「みんな、ごめんね。母さん止めたんだけど、言うこときかなくって。お米だけは守ったんだけど。でもありがとうね。これでしばらくは白いご飯がお腹いっぱい食べれるわね」
「うん、それにケーキがあるからさ、みんなで食べようよ」
「しかしそれにしても父ちゃんのやつ許せねーよな」
「これが残ってるよ。ほら、55個のクラッカー」
「ということは一人11個ずつやな?」
 クリスマスイブの夜、坂本家に55個のクラッカーの音が響きわたった。それからしばらくの後、サイレンを鳴らしながら救急車が1台家の前に止まって走り去っていった。ともあれ、Happy Merry Christmas!

投稿時間:01/01/19(Fri) 00:07
投稿者名:ピンキー藤原
Eメール:neoteny@wave.plala.or.jp
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タイトル:坂本家の難儀な日々 第10話
 新世紀を迎えたばかりの、寒い冬の夕暮れ時。
 とある平和な下町に、小さな一軒家から三つの罵声が飛び交っていた。
 それが貧乏一家、坂本家である。
 
「今日という今日は引かねえからな!」
「てめえコノヤロウ!兄を侮辱する気か?!」
「オレだってなあ…!ぶじょくって何だよ!フランス語か?」
「とにかく、今回オレは絶対譲る気ないから!」
「てめーらもっと兄を敬え!こんな屈辱ははじめてだ!」
「うらまえ?くつじゅく?日本語喋れ!コノヤロウ!」
 坂本家ではこういう喧嘩が日常茶飯事である。
「うるせえなあ…。今日は何だよ」
 坂本家の主、昌行が寝起きの頭を掻き毟り姿を現した。
「下らない理由ですよ。今晩のカレーは何口にすべきか争っているんです」
 博子が顔も上げず、アイロンをあてながら説明した。
「そおかあ…オレは辛口派だけど…」
 昌行がぼそっと呟くと、三人の息子達が一気に振り返った。
「だろっ?!さすが父ちゃん!大人だな〜。ガキどもにはわかんねーんだよな!この辛口の神秘的な味覚が!」
 快彦が嬉々として昌行の意見に賛同する。
「ああ!わっかんねーよ!ガキだもんな!年寄りとは違うんでね!」
 三男の健が、不貞腐りながらもちゃっかり嫌味を交えて言い放つ。
「神秘的か便秘的か知んねーけど、カレーはやっぱり中辛だろ?人生何でもほどほどが一番いいんだよ」
 次男の剛が、訳の分からない説明で二人を説得しようとする。
「やだね!カレーは辛口だ!」
「甘口だよ!絶対!」
「中辛だっつーの!」
 妥協という言葉を知らない自己中な息子達に、昌行と博子は呆れ顔で溜息を吐いた。
 ふと、昌行が庭先で犬と戯れている准一に目を向ける。
「こうなったら、准一に決めてもらおう」
 昌行が言うと、当然三人の息子達は猛反発。
「喧しい!文句の多いお前等より、何も言わずに素直に言う事を聞く准の方がよっぽど大人だ。少しは末っ子を見習え」
「……」
 さすがに三人は黙り込んでしまった。
「准、ちょっと来なさい」
「何〜?」
 准一はニコニコしながらおとなしく家の中に入って来た。
「お前はカレー、何口がいい?」
「何でもええよ〜。オレ何でも食うし」
 能天気に答える弟に、兄達は「辛口!」「中辛!」「甘口!」とまた大声で言い合った。
「とりあえず、何でもいいから言ってみなさい」
 博子が言うと、全員が黙って准一の言葉を待ち構える。
 兄達の睨むような視線を一身に受けながら、准一はちょっと悩んだような顔をしてぼそぼそと口を開いた。
「じ、じゃあ…中間を取って中…」
「准っ!お前、オレのパーカー欲しがってたよな?あれやるよ!」
「ええっ?!ホンマ?じゃあやっぱし辛…」
「准っ!お前今日の宿題まだだって言ってたろ?オレやってやるよ!」
「ホンマに?!じゃあ甘…」
「准っ!え、えっと…そうだ!オレの豹柄帽子、今度貸してやるから!」
「いらんわ〜そんなもん!」
「そんなもんとは何だよっ!オレのセンスにケチ付ける気か?!」
 一向に収まらない息子達の口喧嘩に、
「だああああ…やかましいっ!!アックスボンバー!アックスボンバー!」
 博子のプロレス技に子供達は容赦なく張り倒され、剛は軽々と持ち上げられて床に放り投げられた。
「いってえ…母ちゃん手加減してよお…」
 嘆く息子達の前に、博子は知らんぷり。
「母さんが怒るのも無理ないぞ。カレーのルーくらいで喧嘩すんな」
 昌行も呆れたように呟いた。
「だってさあ、食べることは生きることだよ?こだわりを持ちたいじゃない」
 長男の快彦の話を、弟達は大きく頷きながら同感する。
「けっ。口先だけは達者なんだから。そんなに自分の意見を聞き入って欲しかったら、こうしよう。ここから嵐(犬)目掛けて、一番最初に嵐を触ってきたヤツの言う事を聞くことにする」
「え?何それ勝負?」
 突然、父親が出してきた勝負案に戸惑ったりしたものの、すぐにその勝負を受け入れることになった単純な三人。
「よっしゃあ!かけっこなら負けないぜ!」
 息子達はズボンの裾を捲り上げ、意気揚揚とそれぞれ並び、相手の顔色を窺いながらスタート地点についた。
 目指すは、庭先で悠長に頭を掻いている坂本家の番犬、嵐。
「じゃあ行くぞ?よーい…どんっ!」
 昌行の掛け声に、一斉に三人は走り出した。
 数秒後、嵐の悲鳴じみた鳴き声が坂本家を包んだ。
「オレが早かった!」
「ぜってーオレだ!」
 嵐を四方八方から羽交い絞めにしながら、三人は嵐に負けず劣らずギャンギャンと喚き散らす。
「兄ちゃん達、オレの嵐を苛めんといてな〜」
 准一も慌てて庭に飛び出し、嵐を乱暴者の兄達から助けようと走り寄った。と、その時。
 ガチャン。
 突然、背後からの音に四人が何事かと振り返ると、窓に鍵をかけた父親がこちらをみて微笑んでいた。
「な、何だよそれ…」
「閉じ込められた…?」
 驚いた四人は嵐を投げ飛ばすと、慌てて窓に張り付いた。
「少しは寒空の下で大人になれ」
 窓越しに昌行が笑顔で言い放つ。
「ちょ、ちょっと父ちゃんっ!冗談でしょ?風邪ひいちまうよ!」
 快彦が窓ガラスを叩きながら大声で怒鳴り散らした。
「ごめん父ちゃんっ!オレ達が悪かったって!入れてよ〜寒いよ〜!」
「父ちゃん何でオレまでー?オレは関係ないやろっ?!犠牲者やでオレは〜っ!」
「ひいっ!雪が降ってきた!父さん〜凍え死んじゃうよオレ達〜!」
 そんな息子達の嘆きに聞く耳も持たずの父親は、
「何口にすべきか決まったら入れてやる」
 冷たくそう言うと無情にも踵を返し、部屋の中に引っ込んでしまった。
 四人の子供達は身震いする極寒の中、体を擦りながら顔を見合わせた。
「くっそー。まんまと騙しやがって。しょうがない。こうなったら公平にジャンケンだ」
 快彦が言うと、弟達も震えながら賛成する。
「じゃあ行くよ!最初はグー!ジャンケンポンッ!」
 三人の兄達は輪になってジャンケンを繰り返す。
「兄ちゃん達、早よしてな〜!寒いで〜…へっくしょん!」
「うるさいなっ!ちっ。またあいこかよ。最初はグー!ジャンケンポン!」
 寒空の下で、子供達の大声が町中にこだましていた。

「ふう…。どこに行っても煩い連中だ。ん?母さん何してるの?」
 台所では博子が夕飯の支度を始めている。
「シチューを作ってるんですよ。これ以上喧嘩しないように」
「あらら。じゃあアイツ等の勝負は無駄になるわけだ」
 昌行は笑って庭先に目を向けた。
「少しは譲り合いの精神ってのも養ってもらわないとね」
「そうだな。ま、当分は無理だと思うけど」
 二人が笑って振り返った目線の先では、自己中な息子達のジャンケン合戦が下町の夜空に、いつまでも響き渡っていた。

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 「カミセンバーモントカレーCM出演おめでとう!」という訳で、カレーライスネタ。(どこが)
 トニセンズにも是非、何かのCMに出て欲しいですね。ビールとか似合いそうなのに。
 レギュラー番組以外でもV6に会えると嬉しいものです。
 CM王と言われるくらいまで出て欲しい。
 頑張れV6!働けV6!踊れV6!
(自己中なファンでごめんね。V6)

投稿時間:01/02/23(Fri) 10:00
投稿者名:ボンバー藤原
Eメール:sako2000@kj8.so-net.ne.jp
URL :
タイトル:坂本家の難儀なバレンタイン
「なぁ、おかん。『バレたでぇ〜』ってなんや?」

ここは坂本家。学校から帰って来るなり、末っ子の准一が、母博子のいる台所にやって来てこう聞いた。

「ばれたでぇ〜?」
「なんや学校で女子が、明日はバレたでぇ〜やからどうのこうのって大騒ぎしとってん」
「明日は、水曜日だから『学校へ行こう』の日でも『お笑いV6病棟』の日でもないし…2月の14日…。あらっ、いやだ! 明日はバレンタインデーじゃないの」
「せやから、その『ばれたんでー』ってなんや?」
「バレンタインデーよ。女の子が男の子にチョコを送って…」
「えっ! 女子からチョコもらえる日なんか?」
「あっ、でもそのチョコをあげる相手って言うのはね…」
「そっか〜、明日はチョコが食えるんか〜! チョッコレ〜ト、チョッコレ〜ト、うれしいなったら、うれしいな」
チョコレートの事で頭がいっぱいになってしまった准一は、博子の話を最後まで聞かず、一人勝手に早合点して台所から出て行ってしまった。

そして翌日夕方。

「あら? 准、帰ってたの? どうしたの? そんな浮かない顔して?」
「おかんのウソつき!」
「ウソつき?」
「今日は女の子からチョコもらえる日や言うたやないか。なのにオレ一つももらえんかった。同じクラスの剛(つよし)くんなんか、いっぱいもらっとったのに。なんでや?」
「あのね、准一。バレンタインデーって言うのは、女の子から好きな男の子にチョコをあげて愛を告白する日なのよ」
「愛の告白?」
「そうよ。チョコレートと一緒に好きですって言う気持ちを伝える日が、バレンタインデーなのよ」
「そうやったんか…って、あっーーー! じゃあ、さおりちゃんは剛くんのことが好きなんか?」
「さおりちゃんて、あの藤原さん家のさおりちゃんの事? あら、准はさおりちゃんのことが好きだったの?」
「ちっ、ちがうわい!」
博子に図星を指された准一は、顔を真っ赤にして兄たちのいる茶の間の方へ逃げ出した。

茶の間では、快彦、剛、健の三人が、熱心に宿題をしているふりをしてマンガを読んでいた。
耳の後ろまで顔を赤く染めた准一の姿を見て、『少年チャンプ』を読んでいた快彦が声をかけた。
「どうした准? そんな赤い顔して。熱でもあるのか?」
「なっ、ない!」
「こっそり親父の酒でも飲んだんじゃないの」
『少年マンデー』から顔を上げて健がたずねた。
「飲んだ後にはちゃんと印足しとけよ。あのじじぃ、きっちり飲んだとこまで印つけてチェックしてるから」
『少年バカジン』のグラビアの少女の顔にマジックで落書きをしていた剛が言う。
「あ〜っ、ってことは剛も飲んだことあるんだね!」
「いいじゃねぇかよ、ちょっとぐらい」
「それからなぁ、印をつけるペンは赤・青・赤・青って順番になってるからな、気をつけろよ」
なおも『少年チャンプ』を読みつつ、快彦が続ける。
「せっこー! そんなことまでしてるんだ」
「だから、酒なんか飲んでないってば! そんな事より兄ちゃん達はバレンタインのチョコってもらったんか?」
とそれまで、一心不乱にマンガを読みふけっていた快彦が、突然マンガを放り出すと英語の問題集を取り出し単語の書き取りを始め叫んだ。
「受験生は、そんな事にうつつを抜かしているヒマはない!」
「とか何とか言っちゃって、本当はもらえなかったんじゃないの?」
「うっせぇー! お前なんか『健くんは優しいから絶対に断らないわよ』とか言われて、練習台にされてるだけだなんだよ。どうせ全部義理チョコだろ!」
「単にモテない男のヒガミにしか聞えないんですけど」
「うっせぇー! 男は本命一筋。義理チョコもらうやつなんか男じゃねぇ、なぁ、剛?」
「いや、もらったよ」
「なっ、なにーーー!?」
「義理だろうと何だろうと、チョコはチョコ。今の家には大切な食料の一つだ」
「ってことは、剛にいちゃんと健にいちゃん、チョコもっとんのか〜? チョコくれ〜、チョコ〜」
「すまん、准。さっき全部食っちまった」
「うわぁ〜ん、オレもチョコ食いたいよ〜」
「泣くなよ、准…」

とそこへ、博子が入って来た。
「はい、これ。母さんからみんなへ愛をこめて」
と差し出された手の上には、チロルチョコが4粒。
「今年はこんなものしか用意できなかったけど、いつかはきっと、おっきなハート型のチョコをあげるからね」
「母ちゃん…」
「おかん…」
「味わって食べてね」
「うん!」

博子から1粒づつ受け取ると、四兄弟はいっせいにその小さな粒を口の中に放り込んで口々に叫んだ。
「うめーーーっ!」
「うひょひょひょひょ」
「甘〜い」
「おかぁちゃ〜ん!」

とその時、包み紙についた欠片まで舐めた結果、涙とチョコでドロドロになった顔の准一が、博子の割烹着のポケットからのぞく赤いリボンに気づいてたずねた。
「あれ? そっちのポケットに入ってるリボンのかかったやつは?」
「えっ、あっ、これ? いやぁ〜ん、ハズカしい!」
バシッ!
准一の肩を度突くと、頬を真っ赤に染めて博子は出て行ってしまった。
「いって〜! なんやおかん、あんな顔真っ赤にして」
「ばっかだなぁ、准。あれは父ちゃんの分だよ」
「なんだかんだ言っても、やっぱ好きなんだよね」
「あんな男の一体どこがいいんだか。母ちゃんの趣味はほんと分かんねぇぜ」

そしてその晩。

すっかり出来あがって帰って来た昌行に、博子はリボンのかかった小さな箱を手渡した。
「はい、お父さん」
「ん? 何だこれは?」
「いやですわ、バレンタインのチョコですよ」
「おお、そうか。今日はバレンタインデーだったな。すっかり忘れてたよ、ははははは」
「える、おー、ぶい、いー、らぶ、ですよ、お父さん」
「そっ、そうだな、わしもだよ、母さん、ははははは」
なぜか落ち着かない様子の昌行。そんな昌行の様子をちょっぴり不審に思いつつ、その上着を脱がせようとした博子は、右のポケットに何かが入っているのに気がついた。
「あら? おとうさん、何ですか? このポケットに入っているのは?」
「えっ? あっ! こっ、これか? こっ、これはな、なっ、なんでもない!」
「なんでもないなら見せてくださいな」
ガシッ!
博子はそのたくましい腕と脚で後ろから昌行を羽交い締めにすると、ポケットからハート型のパッケージを取り出した。

  『まあ君へ また来てね(はぁと)。 バーみなみ』

箱に添えられたカードには、ご丁寧にもピンクの口紅でキスマークがつけられていた。
「まあ君?」
博子の眉がピクリと上がった。
「あっ、いや、なに、その。これは、あの、ちょっとした部活動の報酬って言うか…」
「いい年した大人に部活動もなにもないでしょう!」
「だから、その、夜のクラブ活動、なんちゃって」
「問答無用!!」
「!!」


バレンタインの静かな夜、坂本家に昌行の悲鳴がひびきわたった。それからしばらくの後、サイレンを鳴らしながら救急車が1台家の前に止まって走り去っていった。ともあれ、Happy Valentine!

投稿時間:01/09/04(Tue) 23:21
投稿者名:よりいっそうビンボー藤原
Eメール:
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タイトル:坂本家の難儀な新学期
 夏休みも終わった新学期の坂本家は異様な殺気に包まれていた。
「おい、見せろよ、健。俺、明日日記提出なんだよ。お前の写させろよ」
「やだよっ。日記なんて自分で書かなきゃ意味ねえじゃん。今までさぼってた剛が悪いんだろ?」
「兄が困ってる時に助けるのが弟ってもんだろ?ほら、さっさとよこせよ」
「ヤダっ!」
 健の日記帳を巡って繰り広げられるバトル。必死で日記を胸に抱え込む健とそれを横取りしようとする剛、2・3歩離れた場所で准一がぼーっとそれを眺めている。
「おいおい、お前ら何やってんだ?」
 長男の快彦がつかつかと近づくと、もみ合う二人を引き分けた。
「こらこら、剛。お前去年も健の日記丸写しして、先生にバレてたじゃねえか。今年もどうせバレるに決まってるだろ?だからさ」
と快彦は健に向かってにっこりした。
「俺に写させて?俺とお前だっから学校も違うからだいじょうぶだよ」
「あーっ!兄ちゃんずるい!横取りする気かよ?」
「ずるいも何もないの。ね?健ちゃん、俺に貸してくれるよな?」
 いったんは快彦に感謝した健だったが、ふたたび眉をひそめて仏頂面に戻った。
「やだね。だいたい中学生が日記なんかでおたおたしてるのってみっともねえよ。なんだよ?ちゃんと日記書いたのって、俺と准一だけ?」
「俺も書いてへん」
 ぼそっと答える准一に兄3人の視線がきっと向けられた。
「じゃあお前も提出明日じゃねえかよ。何やってんだよ」
「お前、毎日一生懸命なんか書いてなかったっけ?」
「あれは毎日食うたもんつけてただけや」
「食いもん日記かよ。それでもいいじゃん。俺に写させろよ」
「けど、毎日あまり書くことなかってん」
「見してみろって」
 剛が准一の日記を取り上げると広げると、そのまま固まった。
「な、なんだ?これ。こんだけかよ?」
「うん」
「何?なんて書いてんの?」
「読んでみてよ、剛」
 快彦と健も興味津々で聞いてくる。剛はぶすっとした声で読みだした。
「○月×日 朝 ぬき、昼 そうめん 薬味なし、夜 白いメシ 梅干し 味噌汁」
 快彦と健はふむふむと頷いた。
「まあ、そんな日もあったよな」
「母ちゃん、夏休みは食べる口が多くて食費がかさむから我慢しろって言ってたもんね」
「おい!」
と剛が日記を叩きつけながら大きな声を出した。
「わかってねーな。これがこの後10日間続くんだ」
「はあっ?何だ?それ。准一、お前さぼっちゃダメじゃないか〜」
「べつにさぼってなんかないわ」
「そういえば、やけになじみのあるメニューのような?」
「俺たちが毎日食わされてるからじゃねえか!」
 坂本家に一瞬の沈黙が訪れた。だが、それは儚くもすぐに破れる運命にあった。
「ひでー!ちょっとそれはひどすぎるぜ。俺たち成長期だぜ?」
「暑さで身体がだるいんだと思ってたけど、栄養不足のせいだよ、これは」
「俺なんてクラスで一番チビなんだぜ?みんなにチビだの頭悪いだの言われてんだぜ?」
 熱弁をふるう剛を快彦は覚めた目でちらっと見た。
「あのさ、チビはともかく頭は関係ねーんじゃねえか?」
「関係あるっ。頭まで栄養が回らねえんだよっ」
「けど健は同じもん食って優等生だぜ?」
「こいつは食いすぎなんだよ。ちっとは俺にもよこせってんだ」
「何言ってんだよ?同じもん食ってんじゃん。自分のバカを人のせいにすんなよ」
「なんだと?このヤロー!」
 剛が健の胸に掴みかかり、ふたたびバトルが始まった。上になり下になりもみあううちに剛の手が健の日記帳を取り上げた。
「やった!これもらってくぜ。もう俺のもんだかんな」
「あっ、卑怯者!返せよっ」
 健があわてて日記帳をひったくろうとする。健の手が日記帳の端をつかんだと思うと、それはビリビリと音をたてて裂けてしまった。
「あ”〜っ!!!!」
「お、俺知らねー」
 超高音の悲鳴をあげる健に、台所にいた博子があわてて飛んできた。
「何耳障りな声出してんのっ!近所迷惑でしょ?!」
「あ、母ちゃん、その手に持ってるもんは何や?」
「え?」
 ふと見ると、博子の右手にトウモロコシが握られている。
「あ、あら。ほほほほ。お隣さんにさっき頂いたのよ」
「自分一人で食ってたのかよ?」
 快彦の細いが凄みのある目に睨まれて、博子はひきつった笑顔を浮かべた。
「な、なに言ってんのよ?みんなで食べようと思ってたわよ」
「けど、それほとんど囓ってあんじゃねーかよ」
「食ってたな。歯の間にコーンがはさまってるぜ?」
「可愛い子供に食わせんと一人で食うんか?」
「あ、あら、そんな。ついおなかすいちゃったもんだから、ちょっとだけ」
 四人の子供にじりじりと追いつめられた博子はついに手の中のトウモロコシを放り出して逃走した。
「おっ、俺のトウモロコシ!」
「モロコシに手出すんじゃねえっ」
「俺だって食いたい!こっちによこせよっ」
「モロコシや、モロコシや」
 たった1本の(しかもほとんど食べさしの)トウモロコシに四人の欠食児童が群がった。トウモロコシをめぐる戦いはその後10分間続いた(らしい)。

「あのさ、日記のことなんだけどさ」
 トウモロコシ騒動が一段落した頃、快彦が言い出した。
「あっ、そうだ、日記!まったくどうしてくれるんだよ?俺の日記までダメになっちゃったじゃないか〜!」
「お前がしつこく食い下がるから悪りぃんだよ。さっさと最初から俺に写させてればさ」
「俺の話を聞け!」
 長男に一喝された次男と三男は口をつぐんだ。
「俺の友達んちにパソコンがあんだよ。そいつんち、家にインターネットひいてんだ」
「ミ、ミスコン?それって美女選びのアレ?」
「ちげーよ、バカ兄。パソコンも知らねーの?で?インターネットがどうしたの?」
 ここでは三男にバカにされてふてくされる次男の図をご想像いただきたい。
「それがさ、そいつが言うにはインターネットではいろんな人が日記を公開してるってんだ。それをさ、見せてもらってさ」
「なるほど!丸写しするわけか」
 次男は思わず手をぽんと叩いた。
「バーカ。丸写しなんかしたら、すぐにバレちゃうだろ?適当に参考にしつつ自分でアレンジするの!」
「うっせーんだよ、いちいちてめえはよ」
 ふたたび三男につかみかかろうとする次男の髪の毛を、長男は後ろからつかみ上げた。
「いっ、いててて!何すんだよっ」
「うるせえ。時間がねえんだ。とにかく見せてもらいに行こうぜ!ケンカは宿題が終わってからにしろ。准一、お前はどうする?」
 さっきからいるのかいないのかわからない四男にもいちおう聞いてみる。
「俺もいく。なんか食えるかもしれん」
「よし!じゃあ、友達に電話してみるよ。おい、母ちゃん、こういうわけだから電話使ってもいいよな?」
 台所の陰からのぞき見していた博子が大きく頷いた。
「そのかわり早くすますのよ。電話代高いんだから。それと、いい?時間をかけて、ちゃんと晩ご飯までご馳走になってくるのよ!みんなの分は用意しないわよ?」
 快彦はため息をつくと受話器を取った。

「よう。よく来たな。俺の部屋にあがれよ」
 快彦の友人の松岡は、機嫌良く四人を迎えてくれた。
「みんな前見た時よりおっきくなったなあ。あ、お前はそうでもないか」
 軽く言って、剛にぎろっと睨まれる。
「こら!剛。悪いな、松岡、それは禁句なんだ」
「ああ、悪い、悪い。さっ、こっちだよ。けどな、ホントに四人とも日記できてねえのか?」
「いや、健はできてたんだけどさ、兄弟げんかでビリビリに裂けちゃってさ」
「なるほどな。まあ、だったら早く始めよう。親父のパソコンも借りてきたから2台使えるぜ。日記の登録サイトを出してやっから、その中から適当なの選んで写せよ」
 松岡は自分の部屋に四人を案内し、2台のパソコンの前に座らせた。快彦と剛で1台、健と准一で1台。
「じゃあ、これで探してみな。飲み物とおやつおいとくから適当に食えよ」
と松岡が姿を消してから、四人の初インターネット体験がスタートした。
「なんだ?これ。あ、ここを押すんだな。わっ、なんだ?これ」
「うわっ、すげーっ。こっ、こんなのが好きなだけ見れるわけ?」
 そう言ったきり快彦と剛はうひゃうひゃ喜びながら画面に見入っている。不審に思った健が後ろから覗き込むと、画面いっぱいに下着姿の女の子の写真が広がっている。
「な、なに見てんだよっ。日記探すんじゃなかったのかよ?」
「うっせーよ。ここにも日記あんだよ。これでいいよな?剛」
「うん、いい、いい。あ、俺たちココの日記丸写しにするから」
「ほんっとにしょうがねえなあ」
 健はため息をつくと自分のほうのパソコンに戻った。准一が一生懸命にノートに写している。
「あれ?もう日記写してんだ。どれ?どんなやつ?」
 画面を覗き込んだ健の眉間に皺が寄った。
「○月×日 起きた。メシ食った。昼寝した。ゲームした。メシ食った。寝た・・・。なに?これ。これだけ?」
 准一の頬が不満そうにふくらんだ。
「けど、これランキング1位になってんで?」
「ウソつけ。こんなのに人気でるわけないじゃん」
「ほら、ここに(1)って書いてるやん」
「ちげーよ。これ、昨日の閲覧者数だよ。これさ、昨日1人しか来なかったってことなの。書いた人以外誰も見てねーの」
「じゃあ、俺が見たから明日は(2)になるわけやな?」
「まあね」
 気にする様子もなく写し続ける准一を、健はあきれ顔で眺めた。前のパソコンからは、相変わらず下卑たうひゃひゃ笑いが絶えない。
「昨日はぁ、エッチな夢見ちゃいました・・・だって!わー、こんなの書いちゃっていいの?」
「こっちのがもっとだよ。彼ったらぁ、電話でエッチなこと言うんです、だって!わーっ、すげーっ。きっと読んだ先生心臓バックンバックンだよ」
「あのさ、ホントにそんな日記写して出すわけ?」
 おそるおそる聞いた健に、二人は大まじめな顔で答えた。
「なんで?当たり前だろ?」
「出すよ?悪い?」
 健はふたたび一人で大きなため息をついた。
「しかたない。せめて俺だけはまじめに自分で書こう・・・」

 おやつを食べ、ついでに晩ご飯までご馳走になって、四人はにこにこ顔で坂本家に引き上げてきた。
「あら、お帰りなさい。みんな、どうだった?」
 四人分の食費がういてご機嫌の博子に四人は笑顔で答えた。
「うん、うまかったぜ。俺、ご飯3ばいおかわりしちゃった」
「俺さ、生まれて初めて腹いっぱいに食った気がした」
「おかずが3つも並んでるなんて、うちじゃ見たことなかったよ」
「うまかった、うまかった、うまかった」
 それを聞いて昌行一人が苦い顔をした。
「なんなの?昌行さん。しかたないのよ。あなたの働きが悪いから、みんなにまともに食べさせてあげられないんだから」
「いや、そうじゃねえ。なんだって子供らはご馳走食って、俺だけ梅干しと味噌汁なんだ?」
「やだっ、そーんなぁ!」
 博子が力にまかせて、昌行の背中をばーん!と叩いた。昌行は思わずゴホゴホッと咳き込んだ。

 次の朝、子供たちは意気揚々と学校に登校した。
「みんな宿題もちゃんとやって、いい子ばかりだわ」
と博子は満足の笑みを浮かべて見送ったが、快彦と剛の通うそれぞれの学校から呼び出しの電話を受けたのは、それから3時間後のことだった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 みなさまおひさしぶりです。もはや私のことを知らない方ばかりだと思います。誤解のないように申し上げておきますが、私はピンキー藤原さんやボンバー藤原さんとは別人です。以前、ビンボー藤原のHNで投稿したことがありますが、物いりだったため、よりいっそうビンボーになって戻ってきました。苦情や暴動や討ち入りは、決してピンキーさんやボンバーさんになさらないでください。そういうものはhongmingさんにしていただくと、きっと正しく私に届くものと信じます。それでは、貴重な内職の2時間を使ってしまいましたので、いまから取り戻すべくがんばります。明日は一日日雇いの下水工事にいそしんでおりますので、見かけたら声をかけてやってくださいませ。



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