22.もう一つの世界





さて、周囲の制止……というほど制止されたわけでもなく、

それを振り切った……というほど情熱的にでもなく、

勝手にアッチの世界へ飛び込んでしまったキリルです。

普通RPGの主人公ならば、もっとこう周囲の仲間達から声をかけられて当然だと思うのですが、画面に出てきたのはセネカとアンダルクとコルセリアだけ。

3人だけ。

せめて参戦固定のメンバーくらいグラフィックを作ってやればいいものを、なんとも寂寥感ただよう主人公の末路です。(謎)



さて、たどり着いた世界は、青くて白くて無機質で、湖面に墓石が乱立しているようなステキ空間でした。

そこにヨーンが登場。

ヨーン「キリル……」

キリル「しゃべった!!? (゚◆ ゚‖)」

どうやら生まれ故郷では、ヨーンも普通にしゃべれる模様です。

が。

ここが生まれ故郷。

こんなよくわからない場所が故郷。

人間が形状を保っていられない不思議空間が故郷。

キリル達の世界とは共通点が見当たらないこんな無機質な世界が故郷。


なのにどうして言語が共通なのか。



そんな疑問が渦巻く中、人魂になったウォルターパパが登場。

幽霊になってもこの世界では人間の形が取れないのか、それとも死んだときのお魚の姿のままだから出てこないのか知りませんが、声だけの登場でとんでもない真相を暴露してくださいました。



ウォルター「お前はヨーンとパパの子だよ〜ん♪」

キリル「ぅえええぇぇえっ!!!!??Σ( ロ ゜ |||ノ )ノ !!?」




この時、誰もが 獣○!!?? (゜▼ ゜‖) −ーと思ったことでしょう。

ウォルター!貴様イタイケな子ヤギにアレしてコレして(青少年健全育成協会により伏字)したんかい!!!

しゃべれないヨーンたんにあんなコトいいな、デキたらい(同上)したんかい!!!

すごいよウォルター!! すごすぎるよ!!!

バレたら町中の、いや、国中の鼻つまみ者だよ!!!

そう思ったとしても無理はありません。むしろそう思うのが普通です。

ですが我々は常に、逆の可能性も忘れてはいけません。

つまりヨーン×ウォルターの可能性です。

この場合は文字通り、ウォルターがヨーンに襲われた、という事を意味します。

ヨーンはパパりんみたいな黒髪のイケメン系なのにどこか純朴な田舎の若者みたいな雰囲気があるうだつがあがらなそうで尻に敷ける男がタイプだったので、これ幸いと頂いてしまったと。

実はあの、袖に隠れたヨーンの手には武器レベル20くらいの爪がシャッキーンと生えていて、しゃべれないふりをして隠している口の中には鋭い牙がわんさかと生えているのだと。

多分、現在の面子の中だとクープやロジェあたりが餌食になっているんだろうと。

要するにヨーンはラプソディアにおける総攻女王様であると。

このようなケースもありうることを心に留めておかねばならないでしょう。



まあどちらが真実かは不明にせよ、人間が入ったらお魚になる世界でキリルが無事ということは、ヨーンの血を引いていることは間違いないので、ウォルターとヨーンの間に大人の既成事実があったことだけは事実です。

どっちみち、ロクでもありません。

それに比べたら、キリルがロリコン趣味でコルセリアになんかしてもメダカのようにちっちゃい問題です。(しかし問題ではありまス)

さて、そんな衝撃の事実にもめげずに、キリルはこっちの世界で百目お化け退治をすることにしました。

一応このあたりはラプソディア本編における謎解きの最終場面、ついでに幕引き戦闘のはずなんですが。

血に染まる宮殿の出汁魚のあたりから、なにがどうなってお化けの光線が魚になったのか理解していなかったので、ここで百目お化けを退治したからって何故終わりなのか分かりません。

分からなくても良いのです。

コルセリアを手に入…いや、世界が平和になるのなら。 うん、世界の為になるのなら。

で、戦闘はあっさりぽんでキリルの勝利。

手こずる暇もありませんでした。

今までの旅はいったいなんだったのか、と思うくらいのあっさりと決着のついたタイマンでした。

おまけにウォルターパパときたら、キリルにこっちで暮らせとか言ってきやがりました。

自分は幽霊だから気にしないかもしれませんが、こんな無機質墓場でしかも住人が可愛い女の子だらけっつーならともかく、百目おばけだの魚人だの幽霊だのケモノだのという世界で暮らしたいと思うロリコ…じゃなくて、健全な青少年がいるのならお目にかかりたい。

ですから

「ぼくにはまっているひとがいるかえるとやくそくしたんだ(棒読み)」

というお断りの定型文のようなセリフでパパンの勧誘を拒否。

ヨーンママが送り返してくれることになりました。

良かった……こんな世界で暮らさなきゃならないオチだったら、アッチの世界も紋章砲で魚だらけに変えて全人類にも俺と同じ不運に見舞わってもらわなきゃなーとか考えちゃったよ。あはははは。(゜▽゜)



で。戻る方法ですが、とても気になるセリフを吐かれました。



ヨーン 「私はあなたをもう一度ここから 産 ん で あげましょう」



まさか赤ん坊になって戻るんですか!!?

コルセリアより幼児化してしまったら、この先10数年は彼女にナンニモデキナイじゃないですか!!?

というロクでもない心配事が胸をよぎりましたが、無事に大人の姿で戻ってきました。



タマゴで。



あの…ヨーンは哺乳類に見えるんですけど、実は卵生なんですか?

卵生の哺乳類っつーとカモノハシくらいしか居ないんですが、そうなるとキリルは分類上カモノハシと同じになるんですか?

パパは魚でママはヤギ、その息子はカモノハシって、一体どういう遺伝ですか?


ここにきて、ラプソディア最大の謎が登場です。



キリルは生物学上ナニ科か。




通常RPGの流れとしては、主人公の謎がとけてラスボス戦に入ってエンディングなのにラスボス戦を終えた後のエンディングで主人公の謎が発生したのは初めてです。

もうボタンを押しても操作できない時点で、謎が発生。

このままエンディングでさようならの主人公に、謎が発生。

当然この謎は謎のまんま放置です。

後日のフォローもありません。

やはり、トドメが似合う男の異名をとるだけはありました。流石です。

まさかキリルも最後に製作会社からトドメを刺されるとは、夢にも思わなかったでしょう。




この後、戻ってきたキリルにコルセリアが抱きついたり、そんな姿をセネカがほほえましく見ていたり、思い出したようにアンダルクがキリル様〜と感涙にむせんでいたり、そんなアンダルクはだ〜れも気にかけてなかったり、とツッコミどころ満載な感動的場面が流れます。

そのほかの事後報告としては、コルセリアが皇位継承権を放棄してクールーク崩壊、とか紋章砲は消えた、とか、キリルは歳をとらなくて出奔した、などが挙げられましたが、群島諸国の黒い悪魔が参戦したわりには国がヒトツ滅んだ程度で済んで良かったと思います。(一説によるとクールークはまんじゅう屋が無かったせいで滅ぼされたとも囁かれているが、真相のほどは定かではない)

どうやら異様に長寿らしいオレンジのロリコンカモノハシと、グッドエンドで不老になってる黒い閻魔様の行く末を気にしつつ、群島諸国に平和が戻ってフレア様がひとり勝ち。

ということで、締めくくりたいと思います。




妖怪カモノハシ物語


―完―