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○死者の塔

シーモアを踏み倒し、更にシンの体内を進むとそこにはでっかい機械の塔があった。

そして意味ありげにちょこんと置かれるセーブポイント………いよいよラスボスとのご対面も近いらしい。

もはやこのバケモノレベルにまで育ってしまった方々に、でラスボス戦に緊張するなんて人間らしい感覚なんぞ残ってなんかいないのだが、塔の中はぐるぐる回るメリーゴーランドというかティーカップには目をまわしてしまった。

ティーダ「なんでイキモノの腹の中に回転床があるんだーーっ!」

ユウナ「目…目が回るんだけど(@@;)」

アーロン「………………よ…酔う…うぷ…」

一同「吐くな――――!!!(゜ロ ゜‖)」




しかもこの回転する床の上で、地下から飛び出てくる水晶を避けつつ光の玉を10個あつめなければならないようである。

水晶に当たると毎度強制的に戦闘になるし(敵じゃないけど面倒くさい)、光の玉は出たり消えたりするし、床は回るし自分は回るし、身体は曲がるしコントローラーごと動かしちゃうし、もう大変。

最後は推奨を避けるもの面倒くさくなったので、その場に陣取りぶつかってくる敵をすべて粉砕するという戦法になってしまっていた。

まったく、ここまできて無意味な殺戮もあったもんだ。

そしてやっとこさっとこ10個の玉を集め終わるといきなり画面が展開し、もはや何がどうでもいいくらいくたびれ果ててしまった一行の目の前には、一人のおっさんがご登場。



ジェクト「………よう。」

ティーダ「…………………………!……ああ。」



この時のこの親子のこの「………」。

ジェクトの方は感慨深いものだと思うが、ティーダの場合は「ああ」までの間に身体が微っ妙〜に傾いでいることから、もしかすると目の前のおっさんがジェクトであることに気がつくまでタイムラグが発生したのかもしれない。

しかしだな………あなたがここにいるってことは、とても嫌〜な予感がするんですけど、ジェクトさん………あなたがラスボス?

115時間かけてやりこんできたRPGのラストバトルが家庭内暴力?(違)

いいやそれよりも、さっきの回る回転床って君の趣味?

ティーダ「オヤジ……」

ジェクト「ん?」

ティーダ「………………(あんな仕掛け作りやがって)………馬鹿。」

ジェクト「はっはっは♪それで良いサ♪」


この時、ティーダの他にジェクトとしがらみがあるアーロンが無言で居たのは、先ほどまでの回転床で酔ってしまいダウンしていたせいである。

この親子の悲劇的な再会に口が出せなかったのではない。

出したくても口を開いたら口から言葉じゃないものが出てきそうなので口が出せなかったのである。


んで、お涙頂戴の10年ぶりの親子の会話を経て、ジェクトさんが溶岩にダイビング。

それにティーダが駆け寄って手を伸ばすわけだが、このシーンに ミニゲーム「ジェクトを止めろ!○ボタンで手を掴め!!」 がプログラムされていなくて本当に良かった。

酔って気分が非常に良ろしくない今の状態でこんなゲームがあったら、ティーダまで勢いあまって落下させてしまうところだ。

そして、落ちてくオヤジさんを眺めながらしっかり自分は床に踏みとどまった親孝行な息子の前に、でっかい怪獣になったジェクトパパが再登場。

変わり果てた父親の姿、それを倒さなければならないという息子の葛藤。

子が親を超える瞬間、そこには壮絶な男同士の親子愛がある。

まさにFF10において最も悲痛な覚悟を決めなければならない戦い!!




……になるはずだったんだ。予定では。




なのに始まってみたら

ティーダ「すぐに終わらせてやるからな! さっさと殺られろよ!!!」

という涙がちょちょぎれそうな叫びの後に

ユウナ「はいっ!」

スコンカカコンガンゲゴン!!! ダメージ35000

アーロン「じゃあな。」

どすり。 ダメージ99999

ティーダ「とどめぇ〜!!」

ズドンバコンガガゲンゴン!!! (よりにもよってエースオブブリッツ)

ジェクト「!!??!!??!!??? (゜▼ ゜‖) (‖゜▼゜) (‖゜ロ゜) (。。lll) 」

チュドドーーーーンゴガガガガガガガ……ぼとり。



………で全てが終わってしまった。





ユウナ「………………あれ?」

ティーダ「………オヤジ終わり?なあ終わり??」

アーロン「………………すまん、ジェクト俺にはどうすることも……」

他一同 「出番無かったじゃんかー×4 (ブーイング)」

ジェクトは本当に、アーロンとティーダとユウナの3人から3連発を食らっただけで沈んでしまってくれやがった。

思えばティーダのコマンドに 「はなす」 が出る暇すら無かったような気がする。

公約通り、すぐに終わらせて殺っちまってしまって……ごめんオヤジ。



俺達、強くなりすぎた。



こうしてシンはジェクトさんに戻り、ティーダに抱き留められるわけですが、こんな戦いの後で

ジェクト「泣くぞ、泣くぞ、すぐ泣くぞ、ほら泣くぞ」

なんて言われても、お別れが悲しくて泣くより先にあなたが不憫すぎて涙が零れてしまいそうだ。

だって………だって………っ!

この旅が始まってから112時間も待っていてくれたのに、ラストバトルが12秒だなんて!

○ボタン4回押しただけで終わりだなんてっ!!

7年間も土中で暮らし、地上で3日しか生きられないウスバカゲロウよりもワリに合ってない。

そんなやりきれない想いを抱いてたたずんでいたら、なにやら背後にうようよ飛びかう物体が出現。

邪魔すんじゃねえよと叫ぶティーダさんの後ろでは、ユウナ様が錫杖を構えてスタンバイ。

ティーダ「………………ま……まさか、ユウナと戦うんじゃないッスよね……( ̄◆ ̄;)」

ユウナ「似たようなもんだけど?」

一同 「ひっ ひええェぇえええっ!!!!?Σ(゜◆゜‖)」


で、なにがなんだか良く分からないままに、召喚獣戦開始。

すっかりバケモノにお育ちあそばされたユウナ様の扱われる召喚獣は、どれをとっても KING OG バケモノ召喚獣。

まともに戦ったら絶対に勝てない自信が満載。

だがしかし、始まってみたらなんだか自分達の頭の上には天使の環……

ティーダ「って、俺達もう死んでるってことか!? (‖゜ロ゜)」

ルールー「リレイズよヾ(ーー ;)」

リュック「あ、そんな魔法もあったっけ。」

ユウナ「ほとんど使わないから忘れてた。」

アーロン「俺は持ってることすら忘れてた。」

ワッカ「貴方が白魔法を持っている時点でなにかがオカシイです。(遠い目)」

キマリ「ユウナのガードにオカシクない奴はいない。」

一同「それもそうだ♪ あっはっは!」

召喚獣「我々の声も聞けーーーーーっ!!! (T◆T)」


ジェクトさんも可哀相でしたが、死なないと分かった途端に○ボタンの連打で殺られていく羽目に陥った召喚獣さんとその祈り子さんたちも、たいがい気の毒だと思いました。

とりわけアニマを倒す時は、息子だけでなく母親も手にかけるのかとかなり気が重くなりました。

でもティーダたちは挫けなかった。

挫けず最後まで頑張った。

だってガードたちの目の前ではユウナが

ユウナ「殺らなきゃいけないんだよね( ̄― ̄)」

すなわち

ユウナ「敵前逃亡したら許さないからね(`▼´)」

って顔をして次から次へと召喚し続けているのだから。

とても投げ出して己の命を危険に晒すようなことは、この期の及んで出来るわけがない。

こうして気の毒な犠牲者たちを多多生み出し、最後にエボンジュをさっくり刺して、長い長いユウナ様ご一行のたびは終わりを告げたのだった。

そして場面はエンディングへと移る。



○エンディング

アーロンさんも召喚獣たちと一緒に御昇天してしまい、一体いつのまにどうやって移動したのかしらないが、大爆発したシンの体内から飛空挺に乗り移った一行は、消えていく召喚獣たちの為に異界送りを舞うユウナを見守っておりました。

おりましたら、主人公までヤバイことになってきました。

ティーダ「………あ?(‖゜ロ゜)」

ユウナ「………え?(゜▼ ゜‖)」

なにやら身体がゼリー状態みたいな色に変化していくティーダ。

誰も何も言わないが、とってもヤバイ状態だ。(遠い目)

あまりにも元気溌剌とラスボス戦を終わらせてしまったので忘れていたが、思えばこのFF10の主人公は祈り子たちの夢というとんでもない事実が正体だったような気がする。

俯いて何かを耐えるようにじっと黙ったままのティーダの心の中には、おそらく言葉に尽くせない思いが溢れていたことだろう。

敢えて文字にするとすれば


「お……俺は一体いままで何の為にここまで頑張ったんだ!? 俺が何をしたっていうんだ!! いきなり知らない世界に飛ばされてきたイタイケな青年が身を守るために罪無き一般民衆からアイテムを奪いまくり、ベベルを壊し、グアドを荒らし、ロンゾを潰し、アルベド族を路頭に迷わせただけじゃないかっ!! そりゃユウナのガードになったのは勢いだったかもしれない! けどそれからは真面目に何百回とバトルで無意味な殺戮を繰り返し、最終技を極め、チョコボに乗って裏技を使って日輪の印を取り、シンをほっぽらかして闘技場で遊んでみたり、寺院漁りをやってみたり、召喚獣を消したり、飛空挺の所有権を勝手に移転してみたり、ささやかに暗躍もしてみたけれど、それは将来ユウナと一緒にスピラに君臨するために仕方なかったことなんだっっ!! 俺を消すなって言ったのに、よくも消してくれやがったなあのガキャ!!! 許さねぇええっっ!!!!」


――――こんなところだろうか。

そしてそんなティーダの思惑はともかく、消えそうな彼に抱き着いたユウナが、スカっと身体をすり抜けてしまって転んでしまうあたりからは、せめて最後の最後くらい普通に感動したいので、何も考えずに画面を眺めておくだけしておきました。

こうして最後のユウナのセリフ、「思い出して下さい」を聞きながら、思い出すよりも

「苦労して育てた主役を消された恨みは忘れない」

という感想を抱いて、FF10、終了でございます。

さて、次はFF10−2にてグレードアップしたユウナ様が再びスピラ征服に挑みます。

またどっかの海でティーダさんともお会いしましょう。

さようなら。






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END