楽しい話 10

ももたろう




電車のなか。 そこは逃げ場の無い閉鎖された空間。

故に聞きたくも無い事が聞こえてきたり、聞くつもりの無い事が聞こえてきたり、聞かせたくないものが聞こえちゃったり、聞きたいものが聞こえなかったり‥‥‥(以下略)

先日、電車に乗ってゆれてたわしの耳に、子供の声が飛び込んできた。

今日は休日。おまけに午前中。親子連れがどこかに遊びに行くのだろう。

子供が騒がしくったって別に可愛いもんじゃないか‥‥‥

そんな事と考えつつ、こんな風に考えられるなんて、わしってオ・ト・ナ・♪と自己賛美しつつ(←死)

うとうとしてたら、目の前のおちびちゃんがお母さんに一生懸命なにか言ってる。

どうやら、この前幼稚園の先生が話してくれたももたろうの話を、お母さんにも聞かせてあげると言っているようだ。

ほう、ももたろうか‥‥‥ももたろうを知らぬ日本人はおるまい。

少なくとも、この車両に居る乗客の皆様で、「ふーん、ももたろうかあ」という顔をした人は皆ご存知だろう。

と、いうことは、だ。

この車両に居る人みんなして、今から彼女のももたろう話を陰ながらチェック出来るってことだ。

彼女は知らずして、あの歳で、これから世間の評価を受けるのである。

やはり世間とは厳しく容赦の無いところだ。(謎)

なにせ相手は子供だ。子供だから、きっと上手には話せまい。なにかしら面白い間違いをするに違いない!

ああ! どうか歴史に残るような楽しい間違いをしてくれ!!

‥‥‥まあ、そこまで思ったわけじゃないか、ようはみんな暇なので聞くともなく聞きはじめた。

少女「むかしむかし、あるところに‥‥‥」

ふむ、出だし好調。そうとも。その通りだ。

少女「ももたろうがいました。」

!!(゜ロ゜)

来たぁ! いきなり来た来たぁっ!!(心の中で大笑)

これは期待がもてますよ!!

続きを話してくれ お嬢ちゃんっ!!!

少女「ある日、おじいさんと、おばあさんが、洗濯してると、」

( ^^)ふむふむ。 してると?

少女うえから、おおきなおじいさんがどんぶら落ちてきました♪」

!! \(゜ロ ゜;)/

おじいさんんんんんっ!!!???

おおきなおじいさんがどんぶら落ちてきたのか!!?

ハイリハイリフレハイリホー(錯乱)


笑撃を受けるわしらを尻目に、おじょうちゃんは続きを話し続けた。

少女「おじいさんは、ももたろうと、きびだんごを持って、鬼退治にいきました。」

\(゜ロ ゜‖)/うわうわ!!!\(‖ ゜ ロ゜)/

ああああああああっ とうとう、おじいさん「が」鬼退治にいいいいいいっ!!!

ももたろうは何処に行ってしまったのだっ !

犬と猿と雉の立場はいったいっ!!

この時点で既に笑いを堪えるのはたいそう辛かった。もはや拷問に近い。

だが、彼女の話はまだ続く。

少女「それで、おじいさんはオニを退治して、お姫様としあわせになりました。


し・・・・・・・・・死ぬ・・・・・・っ 死んでしまいそうだ・・・・・・・っ(おかしくて)

しかし、今笑えば少女の心を傷つけてしまうっ

耐えろっ 耐えるんだわたし!

しかししかし、ああ、しかし!!

おじさんA・・・・・・・・・・・・・・・・・・っぷ・・・うぐ・・・っうわはははっ!(爆笑)

・・・・・・・・・・となりのおじさんは・・・・・・彼は耐え切れなかったのだ。

一人笑うと連鎖反応。

忍耐の堤防、大決壊。

車内中ヒキツケを起こすほどの大笑い。

あああああ、ごめんよお嬢ちゃん。 わし、がんばって耐えたんだこれでも。

でもとなりのおじさんが・・・おじさんが笑うから・・・っっ(涙目で死ぬほど笑)

自分が笑われいるとは夢にも思わないおじょうちゃんは、なにが面白い事があったのかときょろきょろしていた。

面白かったよ、お嬢ちゃん。

今まで聞いた中で、君の「ももたろう」が一番面白かった(笑)

次にどうなるか予想が出来ず、ハラハラドキドキの大転回で大回転だ!

またどこかで会った時には、別のむかしばなしをプリーズ(笑)


◆日本むかしばなし ももたろう 大完結!◆