平成20年8月15日(金)〜17日(日)
参加者 七滝沢遡行隊 4名
堂沢遡行隊転じて胎内隊 4名
16日〜17日 胎内隊 3名
16日〜17日 二王子神社隊 8名
16日日帰り 4名 総勢23名
今年の夏合宿は二王子岳集中で行われた。堂沢隊は増水で遡行中止で胎内隊と合同行動
になった。この胎内からのコースもナリバの峰までは普通の登山道だったが、そこから先は藪が
かかり一部崩落した場所もあり状況は悪かった。集中豪雨的雨には泣かされた。下山は安全を
期して 二王子神社へ降りた。
二王子神社隊も沢とかした登山道を行く事になった。沢も尾根も雨に泣かされた夏合宿になった。
< 七滝隊報告 >
結果として悪天候で遡行を実行できたのは七滝遡行隊だけだった。その七滝隊も2日目の予想以上
の集中豪雨の増水で尾根へ一時避難し、遡行継続は無理か?と思われたが3日目の午後からの
天候の回復で遡行復帰して無事登山道に出た。一日遅れの下山まで覚悟していたのに予定日中
に無事下山できホッとしている。
また、支援、ご心配していただいた方々に改めて感謝申し上げたい。
●8月15日(金)小雨・曇り
昨日からの降水で沢の状態が心配だった。堂の沢隊は増水のため渡渉できずと連絡があった。
雨は当たっていない。内の倉ダムから沢沿いの林道を行く。アブがしつこく纏わり付き閉口した。
50分で出合到着。沢水は赤茶色に濁り水量が多かったが、二人ずつスクラムを組んで無事渡渉完了。
渡渉してしまった。後は進むしかない。水圧が強く沢の中には入らず岩の上を選んで進んだ。
小雨は降ったり止んだりで沢の水はピール色で泡だった白い泡が浮いていた。問題の七滝は素直に
巻き道をたどり難なく通過。
滝つぼでは岩魚が悠々賭しているのが見えた。早速、竿を出すが釣果は無かった。雨が降ると休み、
止むと進むの繰り返しで先へ進む。気がつくと第二連漠帯に入っていた。「早くここを抜けないと幕営
場所は無い」と先を急いだ。この第二連漠帯も中々大きな滝があり、大巻きをして20mの懸垂下降を
二度し予定外に手間取った。
結局、滝の巻きの途中に小さなスペースを見つけ泊まり場とした。藪を刈りタープを張ったら日が暮れ、
ギリギリのタイミングだった。当初の幕営最適地より2時間ほど早い地点だったが、明日一日かけて
二王子岳に上がればよい。この地点でも十分だった。寝た場所は少し傾いた場所だった。夜は風が
抜け寒かった。夜半に雨が降ってきた。
●8月16日(土)小雨・曇り・集中豪雨
降ったり止んだりの中を出発。雨は余り気にならなかった。幾つかの大ナメを登り、最後の大滝は
ザイルを出して登ったが面倒な場所だった。そこから上部は特別難しい場所も無く、手ごろな滝が続いた。
小滝。ナメ床と変化に富んで面白い。昨日の沢の濁りも収まっていた。この調子だと予定より早く到着でき
そうであった。
20mの滝は左岸の岩をザイルを出して登った。その頃から雨が降り出し。次第に大粒の雨となった。
登り終わった頃はドシャ降りだった。滝上はなだらかだが、降雨のため両側の尾根からは幾筋もの水の
流れが落ちていた。14時頃。すぐに沢の分岐になり左沢に折れると巾の広いナメ滝に出た。後続を待っ
ていると、後続があわてて手を振っている。振り返ると、見る間に水かさが増していた。雨は益々激しく
なった。急ぎ息を切らして右岸の藪尾根を上がった。上から見た沢は先ほどの沢とは姿を変えていた。
沢一杯にコーヒー牛乳色の広い帯になって埋め尽くされ総てを飲み込む凄い流れだった。我々は逃げる
ように上へ上へと藪尾根を登った。降雨から20分後に増水、3分で沢には居られなくなった。恐ろしい
光景だった。
沢が見えない高さまで来てやっと一息入れた。水が引かない限り沢には復帰できない。このまま藪漕ぎ
で登山道を目指す可能性もある。今日の泊まり場はこの尾根上しかない。
2時間半かけて幕営できそうな場所を見つけた。これからの進退を話し合った。水が引けば問題ないが
もし雨が止まなければ、藪尾根を登山道へ向うしかない。ただ我々のいる右岸は反対の左岸に比べて
はるかに遠く難しいルートだった。一日歩いても到着しないだろうと思われたが、先ほどの沢の恐ろしい
光景を考えると藪の方が、まだましに思えた。食料とガス、電池の節約にも努めた。雨の中、色々と話し
合ったが、結論の出ない話だった。明日の天気が総てだった。幸い無線は通じ、我々が無事な事だけは
二王子岳の仲間に連絡できた。
夜中じゅう雨は降っていた。タープに雨が溜まり時々押し流してやらなければならなかった。濡れた体での
ビバークは寒かった。シュラフカバーをスッポリト頭からかぶり長い夜をすごした。
●8月17日(日)雨・曇り
酷い夜だった。雨はまだ降っている。この降雨では今日一日、遡行は無理と判断した。「沢の水が引くのを
待つより、藪尾根を進もう」と結論づけた。朝の無線交信後に出発。
進むとピークらしき山影が見えが、小沢が入りこんでいて尾根は切れていた。「やはりルートを間違えた」
早速修正に入る。GPSで確認する。残念ながら、再度行動するが結果的に1217ピークの周りを巡るだけで
進むべき尾根の判定ができなかった。藪とガスで何も見ず3時間以上も藪をこいで、この結果ではこの先は
進めない。明日の天気の回復に賭け、水が引くのを待って沢に復帰することに変更する。幸いGPSのおかげ
で幕営地へは無事戻れた。
いつの間にか雨は止んでいた。先ほどまでは沢から時々ドスン、ドスンと岩が落ちる音が聞こえていたが、
いつの間にかその音も止んでいた。様子を見に沢へ降りてみることにする。運がよければ左岸に上がれるかも
しれない。
12時ごろ。沢の水は引いていた。このままなら遡行は可能である。昨日みたいな集中豪雨があったらすぐに
左岸へ逃げる事にして遡行を再開した。幸い天候は持っている。快調に飛ばして遡行する。岩魚が列して逃げ
ていく。面白い小滝が続く。「昨日の集中豪雨さえなければ楽しい遡行が待っていたのに」と悔やまれた。
水は中々細くならなかった。幾つかの支沢を分けてやっと藪へ突入した。「これを登れば登山道だ」と励ましあって登った。
15時20分登山道到着。そこは二本木山と二王子岳の鞍部だった。早速、本部へ連絡。何とか予定日に下山できた。
最後は懐電で19時半に二王子神社の駐車場に着いた。長い一日だった。13時間半の行動時間だった。
無事下山を喜んだ。「あの集中豪雨さえなければ」運が良かったのか、悪かったのか。なんとも言えない山行だった。
でも、我々は凄い経験をしたことは確かである。自分達なりに適切な判断だったと思う。「我々は良くやった」でも
「悪天候時の入渓はやはり避けるべきだったのか」と今も悩んでいる。