本 箱

もう かれこれ35年も通ってる「理容店」ご主人からの依頼品です。  お身内が編纂に参加された「市史」を保管する為の本箱です。 編纂と言っても職に就かれて ほぼ定年前まで掛かった  それは時間の凝縮された意味としてはすべてを込めたと云えるものなんだそうで 大切にしたいからとの依頼品です。 いいのか?私で・・・ '06.10.05.
材料は先日頂いた「メルサワ」を使用します。 以前は建具にも使用されていたそうです やや柔らかい材です。 約34ミリ有る材から 仕上がり20ミリまで落とします もったいないけど屑も始末しにくいので出来るだけカサを減らす目的で薄くリソーしました。
薄くリソーしたのはボツ部分。 この後 手押しかんなで面を出します 手押し画像は撮り忘れました。 2面が出ると 後は分決めでプレナーを通します。
クロスカットして長さを決めます。 通し蟻組みするので ダブテイルジグでカット
ピンとテール ピンとテールと おや仮組みしたらサイドの面が違う(大汗) ご愁傷様です カット面の方向を間違ってました・・・シュン  直ぐ寸法の有る計算をやり直し 製作方向を変える事になりました 素人の特権で・・・ 
扉を作るのですが その扉のガラス到着 扉材の切り出し 本体蟻組みのキツさ調節
扉にはガラスが入るので ルーターで段欠きします 扉を仮留めしてます
あらま ピンボケ 箱の組み上げ 扉にガラスを納める為の段欠き加工したら コーナーを詰めます。
ガラス押さえも出来 仮組み 今回はダブルアクションでテールやピンの出代を摺りますが 集塵接続を紛失 仕方無くガムテープ接続。
一週が経ち 続きです。 久々です「との粉」を使って目止めしますが 昔 学校でやった時はもっとどろどろで始末が悪かったイメージが残ってましたけど 案外サラサラ。 ピンとテール部分には わずかながら隙間が出来てしまった所が有るので パテを打ちます。
またもダブルアクションでパテの余分を払い・・・ これは 10年ほど前のサンダーなんですが 今回の酷使でとうとうほぼ終了みたいです 長く使ってなかったからかも。 その後オービタルサンダーで整え さらに研磨ブロックで木目に沿って整えます
との粉の塗布。 半乾きになったら 布で余分をそぎ落としますが この時の動作は摺り込みながら余分を払う という事かな。 いやあ塗るよりも摺り込みは重労働です。
最終は水性ニス 下塗りなので薄めてシャブシャブなのを軽く塗ります 今日はココまで。 ’06.10.19. 続き開始 背板はめ込み用の段欠きをトリマーでしました ちょっと工程が前後してますが 塗りに時間が掛かると思ったので 時間の制約から先に下塗りしました。
本塗り1回目 直後なのでツヤが出てる風に見えます しかし これが「ドツボの始まり」です。 下 左 刷毛塗りのムラを修正できず せめて「ぴかっとツヤだけでも」 ガンを初体験。
刷毛塗り乾燥 ペーパーを当て 二回塗り ツヤなし・・・  結局 問題は最初の下塗りでムラが出たのを塗り重ねると消えると錯覚していた為です 失敗ですね。 くじけず せめて「ツヤ」が有ればきれいに見える? と艶出し作戦。 ガンで吹いて表面だけごまかしに掛かりました 情けない。 乾燥後ツヤは何とか出ました。
扉にガラスを入れ 兆番の段欠きをしています ちょっと画像では解り辛いです。   ’06.10.30.  11.02. 再開 ピンネイラで背板を固定 らくちん。
上部にマグネットキャッチ 底にフェルトを貼る
出来上がりです つまみはストックの「アサダ」を使用 つまみのみオイル塗りました。 横にならべると観音開きも可能
縦に積む事も出来ます。感度を上げると荒くなってしまいました。 あー写真が下手で困ります こう写すとましか。
完成です。 すでに納品も済ませました。 今回は失敗に近いですが 改めて多くを覚えました。 失敗ですよと納めたのですが 一応 喜んで頂けました 「市史」が入る所が出来たという事で。       ’06.11.02.