What's Mekong?

メコン河・・チベットの細流に源を発し、中国、ミャンマー、ラオス、タイ、カンボジアを集水域に含み、
その最下流部において、世界最大の米生産地であるベトナムメコンデルタを形成し、南シナ海に注ぐ、
延長4200kmに及ぶ世界第11位の国際大河である。
洪水期には河口まで流れ下るのに、およそ3週間。渇水期には、3ヶ月以上かかると言われる。
開発の歴史 ・・(主要なものを抜粋)
19世紀 フランス、イギリスの探検、メコン河を使っての交易に着手
1951年 国連ECAFEによる、メコン河調査の提案各国の援助 (日本は下流域内の主要支流踏査を担当。)
1957年 10月、メコン委員会(タイ、ラオス、カンボジア、ベトナム)設立
1970年 総合開発計画書『メコン河下流域総合開発計画書』発表
1975年 ベトナム戦争終結(インドシナ3国が共産圏に入ったため)メコン委員会休止
1978年 カンボジア抜きで暫定メコン委員会設立
1988年 総合開発計画書改訂。
1995年 4月メコン河委員会設立(カンボジア入り)
大メコン圏開発。
タイ・ラオス・カンボジア・ミャンマー・ベトナム・中国(雲南省)の6カ国が協力して経済発展を目指す、
『大メコン圏(GMS)開発』が再び動き始めた。
各国が進めてきた、道路や、鉄道などのインフラ整備は、先の『アジア経済危機』で一時失速したが、その後の景気回復や、
1999年のカンボジアの東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟などを気に再び勢いを取り戻しつつある。
交通網整備だけで、150億ドル以上かかるといわれるインフラ整備や、
2億4千500万の人口を抱える市場の将来性に注目した企業の動きも活発化してきている。
アジアンハイウェイ。
シンガポールから、マレーシアタイを経て、カンボジア、ベトナムをこえ、中国まで到達する大幹線道路。
同様に鉄道も、今後連結されると期待される。
水質及び水温・・(1972年以降)河水イオンを測定している。
メコン河の水質は、上流域の雲南省の開発の影響やタイ東北部、ラオスの一部森林伐採、
デルタ地域の開発発展の影響により、年々変化しつつあるが、本流の水質はほぼ一様で鉱物成分が少ない。
●Ca+Mgの含有量は日本より多い。
●アルカリ度においても日本より(紀ノ川を除く)多い。
●ClとKは日本の河川と同等(デルタではメコンが上)
●So4はメコンの方が下である。
問題点・・・・・メコン河における問題点の多くは、多くのダム開発における河川環境の大幅な変化である。
また、開発近辺における熱帯雨林の伐採も問題になりつつある。
河川変化・・・・メコン河やナイル河のような大陸大河に長大な貯水池が建設されれば貯水池に砂やシルトや粘土が沈殿する結果、
ダムの直下流にはクリーンになった水が放出される。放出された河水は、速度を増し、河岸を削りとり、河床の高さに変動を起こし、
その結果、河流は、砂やシルや粘土の含有量を増加させながら、より、下流へと流れ下ることになる。
最下流のデルタへの影響を考えてみると、ダムの位置がデルタより遙か上流にあって
下流の河川の長さが長ければダムによる影響は少なく、
そのダムの下流域から流れ込む砂やシルトや粘土のほうがずっと影響を及ぼす。
しかし、ダムの位置が比較的下流にある場合には、デルタの形成発展はダムの築造によって、大きな影響を受ける。
もし、ダムの上流から貯水池に流れ込む土壌が肥沃であるとすれば貯水池ができたことにより、デルタの肥沃度は大きく低下し、
従来のデルタ農業は打撃を受ける。
しかし、河川の流量については、洪水のピーク時の水量は、通常貯水池によってカットされる。
そのため、デルタでは、冠水の被害を逃れる面積が増えると思われる。その結果、デルタの耕地改善が図られ、
商工業の発展も期待される。乾期の場合、ダムによってデルタ地域に達する河水流量が増え、より安定した乾期農業が可能となる。
◆しかし、メコンデルタは、もともと上流のやせた土壌がデルタに集積しているため、
上流におけるダム開発によっても、土壌 肥沃度の低下はさほど顕著にはならないとされているが、
大ダムによって自然の洪水冠水が遮断されれば、従来のような河流の流水量の自然の変化にあわせた
稲作方式は転換しなくてはならなくなり、
大湖やデルタの水路の農業も必然的に影響を被るだろう。さらに、ダム築造の関係で南シナ海沿岸の海岸が浸食される影響もある。
本流におけるダム計画・・12のダムサイトが候補となっている。
うち5つがラオス国内。3つがラオス・タイ国境3つがカンボジア国内1つがカンボジア・ラオス国境
★12のうち9つまでがラオスに関連している。
なぜラオスなのか・・・・まず、ダム建設に適した地形が多いということが挙げられるが、
国内に予定されている水力発電ダムのほとんどは、隣国に電力を輸出し、外貨を獲得しようとする目的のためである。
隣国のタイは工業化の進展の中で、電力不足が将来の重要課題となる一方で、環境への住民意識の高まりから、
新しい水力発電ダム建設が厳しい状況であり、アセアン加盟を果たしベトナムへの売買も期待されている。
こうした状況の中で、タイのマスコミは、ラオスを「東南アジアのバッテリー」と皮肉を込めて呼んだりしている。
産業が未発達で、木材以外にめぼしい輸出品がなかったラオスにとって「産油国」ならぬ「産電国」として、
濡れ手で粟をねらおうとしているためである。