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ウルトラマニアック(原作) / 18話 / りぼん2003年7月号の感想







アイスドールの正体がついに明らかに




 これまで不気味に仁菜たちのもとに忍びよっていたアイスドール
(紗也香/さやか)の正体がついに明らかにされました。彼女も
魔法が使えるみたいです。

 まぁミトを見たときの表情(「ウルトラマニアック」3巻・P.135の4コマ目)
が普通じゃありませんでしたから魔法がなんらかの形でからんでいる
ことは予想はできたのですが。


「母は魔法王国(まじっくきんぐだむ)から留学してきた魔女だった
でも父は普通の人間 
私はハーフなの」(P.290の1コマ目)

 こういうオチだったのか、魔法王国出身者と普通の人間が結婚して
子供が生まれた場合、その子供は魔法を使えるようになることがある
みたいですね。魔法使いになるには父あるいは母のすくなくともどちらか
一方が魔法を使えないといけないのかな?

 しかしアイスドールは仁菜とは異なり魔法学校にも通った訳でもなく
魔法の特訓をしてもいないのに、パソコンなしで的確に魔法を使用
できるみたいですね。


      努 力 し て る の に 魔 法 が う ま く
       使 え な い 仁 菜 の 立 場 は …



 仁菜は魔法を上手く使いたいのに使えない、アイスドールは
別に望んだわけでもないのに魔法を使える… 世の中って
うまくいかないものですね。

 ユタがアイスドールから魔法王国出身者の気配(けはい)を
感じとることができなかった理由もこれで分かりました。彼女は
魔法王国出身者ではなかったのですから気配など感じとれる
はずはなかったのです。

 魔法王国の人間と普通人間が結婚するということは他にも例は
あるはずですから、他にもアイスドールのようにひっそりと
魔法が使えるハーフの子が誕生している可能性がありますね。
アイスドールがそれらの子たちと会う機会があれば、同じ境遇(きょうぐう)
の人同士で仲良くできたかもしれませんね。

 ところでアイスドールは亜由を攻撃してどうする気だったんだろう?
別に亜由は魔法を使えるわけではないですから、アイスドールに
とって脅威(きょうい)となるはずもなかったのに。ただの腹いせとも
思えないし。


※P.289の2コマ目のアイスドールの表情

怖い… 怖すぎる… これまでの人生経験が彼女にこんな顔をさせて
しまっているのだろうか? 怒りの表情でもなく悲しい表情でもなく
なんていうか、すべてを悟(さと)っているかのようだ。

 とても中学生の表情とは思えませんね、アイスドールから少女の顔
を奪ってしまった理由は???






アイスドールの過去も明らかに




 アイスドールは過去に魔法が使えることが原因で悲しい思いを
していたようです。



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(1) 自分が魔法を使えることを自覚していない幼少期に…

 まだ自分が他の子とは違う能力を持っていることを自覚してない
時に体を浮かせることができることに気づいたアイスドールは
当時仲の良かった男の子”たくちゃん”にやってみるように言ったところ
その男の子は宙に浮くことはできず、けがをしてしまった…


※”たくちゃん”がアイスドールに対して

 「あんなことできるのへんだよ きもちわるい!! もうさやかちゃん
なんかとあそばないよ!!」(P.295の3コマ目)

 アイスドールは、自分が持っている力は実は特別なものであるという
ことを知らなかったのですね、魔女の母がもし事故にあわなかったら
魔法のことについてきちんとアイスドールに教えていたでしょうから
こんな悲しいことを言われずに済んだかもしれませんね。

 けがをしてしまった”たくちゃん”が怒ったのは無理ないか… 痛いし
不思議な力を見せられたし。



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(2) 信じた友達に裏切られ…

 父に魔法のことは秘密にすると約束したアイスドール、しかしとても
仲が良かった女の子を信じて魔法の秘密を打ちうけた。しかしアイスドール
が秘密を打ち明けた女の子が他の子にアイスドールの魔法の秘密を話して
しまったことから二人の関係は悪化、まさかみんなの前で魔法を使うことは
できず、恥をかいた形となった女の子に絶交を言い渡されてしまった。


※”ユキちゃん”がアイスドールに対して

「さーちゃんのバカ!! もう絶交だよっ」(P.304の3コマ目)

 まぁ”ユキちゃん”は別にアイスドールに対して魔法のことを秘密にすると
約束してはいない
ので(P.301の1コマ目参照)他の子に魔法の秘密を
しゃべってしまったからといって約束を破ったひどい子だとはいえない
のですが、アイスドールが秘密にしてって言っているのだから黙って
いてあげればよかったのに。”ユキちゃん”にしてみれば純粋にアイスドール
の魔法に感動してみんなにも見せてあげたいと思っただけなのでしょうが。

 魔法の秘密をバラしたアイスドールが悪いといってしまえばそれまで
ですが、「この子なら」と信じた相手に絶交を言い渡されてしまった
のですから、ショックは大きいです。結局この体験がアイスドールにとって
一番心の傷になったのかもしれません。



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(3) 魔法王国出身の人にすら逃げられ…

 街で偶然出会った魔法王国からの留学生に声をかけたら逃げられて
しまったアイスドール、普通の人間の友達からは絶交され、魔法王国出身の
人に声をかけたら逃げられ… アイスドールを魔法の秘密を含めてすべて
受け入れてくれる人はいないのか???






悲しい過去の思いがゆがんだ形で仁菜に…




 悲しい思いを過去に何度もしているので、アイスドールは友達を
作らず、孤立(こりつ)の道を自ら選んだようです。しかしこの道は
アイスドールが本当に望んで選んだ道ではないはずで本来は
他の子と同じように友達を作り、仲良く遊んだりしたかったはず。

 孤立している状態の中、後から留学してきた仁菜、普通の人間の中に
いる魔法を使える子という条件はアイスドールと同じだったのですが
周りの人間関係は悲しいほど差がありましたね。


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・普通の人間「亜由」にあっさり魔法の秘密を打ち明けた、しかし亜由は
仁菜を毛嫌いすることなく二人は仲良しに

・幼なじみ「ユタ」やペットの「リオ」も登場、仁菜の生活に華を添える

・普通の人間「辻合」にまで秘密を打ち明け、仲間を増やす。

・なんと魔法王国から学校の先生までやってきた!もちろん仁菜とは
仲良し
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 アイスドールとは全く正反対といっていいほど仁菜は順調に友達を
増やしていったから理不尽(りふじん)な怒りを抑えることはできなかったの
ですね。

 仁菜を巡る一連の嫌がらせの原因は「アイスドールの妬(ねた)み
や逆恨み」だったことが分かりましたが、あまり責める気にはなれない
です。

 不思議なのはアイスドールがどうして仁菜やユタに自分の秘密を
うちあけて友達になろうとしなかったのかという点、仁菜やユタの性格や
行動からしてアイスドールが秘密を打ち明けても逃げたりしないという
ことは容易に予想できるはずなのに。

 過去の悲しい記憶がアイスドールを消極的にさせてしまったのかも
しれませんね。魔法王国の人に声をかけたときですら相手に逃げられて
しまったのですから、仁菜やユタに対してですら自分の秘密を打ち明けて
友達になろうとするのは無理かな?






アイスドールをめぐるさまざまな問題について




 これまでアイスドールは凍りついたような顔を何度か見せて
ますし、謎めいたことをしゃべったりしました。これまでその理由は
明らかにされてきませんでしたが、今回のお話でそれらの謎を
解くヒントが与えられました。



※ユタにどうして他人と距離を置いているのかを聞かれた際に

「…昔ね 仲良しの友達や好きだった男の子にひどく傷つけられた
ことがあるんだ」(「ウルトラマニアック」3巻・P.108の5コマ目)

 これについてははっきり答えが出ましたね

仲良しの友達→ユキちゃん
好きだった男の子→たくちゃん



「それ以来怖くなっちゃって ずっと親しい人作れなかった…」
(「ウルトラマニアック」3巻・P.109の1コマ目)


 まぁこの点は先にふれた通り、子供のころのつらい体験が原因
でしょうが、どうしても解せないのが以下の点↓

佐倉さんや立石さんとも仲良くなれたらいいな
(「ウルトラマニアック」3巻・P.110の1コマ目)

 上のほうでも書きましたが、仁菜が亜由に秘密をうちあけても
良好な人間関係を維持できたことはアイスドールも知っている
はずです。

 仁菜や亜由の性格を考えれアイスドールも秘密を打ち明ければ
おそらく仲良くなれたでしょう。本当に自分のことを理解して
くれる友人を作るチャンスだったのにどうしてチャンスを生かさ
なかったのでしょうか?


 過去のつらい体験の関係で、仁菜や亜由、ユタに対してですら自分が
魔法を使えることを話したくないのであればそのことを隠して普通の人間
の友達として仲良くするという手も使えたはず
。その手も使わず
あえて孤立の道を選んだはなぜか???

 ユタの前で亜由や仁菜と仲良くなりたいというようなことを言ったのは
口からでまかせでユタの前で適当なことを言っただけなのかな?



※ミトをはじめて見たときのアイスドールの表情

「ウルトラマニアック」3巻・P.135の3コマ目のアイスドールの表情
ミトを見たとき、なんでこんな顔しているのか分からなかったのですが
どうやら仁菜の周りにまたしても味方がやってきたことに対するいいようの
ない怒りを表現していたのかも。孤独な自分と比べてしまっているのかも
しれませんね。



※花火大会から帰った後に仁菜のところに届いた嫌がらせの手紙について

「魔法王国へ帰れ」(「ウルトラマニアック」3巻・P.129の3コマ目)

 この手紙を書いたのはアイスドールですが、花火大会の直後ですよね
一体アイスドールの心の中で何があったのか? 仁菜に対する一通目の
嫌がらせの手紙に関する話をする際に架地とならんで蚊帳(かや)の外に
置かれたので怒ってしまったのでしょうか?